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山本(政)
委員 そこで豊島さんに再度お伺いしたいのですけれども、日本ダイヤモンド
株式会社の役員というのは、実はアイゼンベルグ商会というものの役員が全員そのままに、なっているわけであります。そしてそれの事実上の
経営者というのは、ショール・アイゼンベルグというイスラエルの人ですが、その人が、
昭和三十四年に日本ダイヤモンド
株式会社の前身である共同工芸というの工場を甲府市内に持っておったわけですけれども、韮崎市に工場誘致計画があったので、それに乗って韮崎市に移転をした。そして
昭和三十四年に実は二万坪の土地を韮崎市からもらっているわけです。もらってという言い方は語弊がありますけれども、一万坪は無償で、残りの一万坪は坪千五百円で払い下げを受けているわけです。そうしてその一部を実は売却している。本来ならば二万坪ですから、かなり大きな工場になるわけですけれども、先ほど申し上げたように、工業用ダイヤモンドというのは家内工業に近い。ですから、そんなに人が要らないので土地を遊ばせておった。だから約束違反で、その後五千坪というものは韮崎市に返せということで返還を余儀なくされたという事実もあるわけです。その後その残りの一万五千坪は、そのまま所有になっていたわけですけれども、アイゼンベルグ商会のほうへ順次一万五千坪の所有権が移転をしてきたわけです。そうして私が申し上げたように、最後には
会社を閉鎖していったということになると、ここにも何か擬装
倒産というようなにおいがするわけです。
これを見ますと、重役、あるいは株式、すべてが結局アイゼンベルグ商会というものに握られておる。
会社の
支配権、株、重役全部をアイゼンベルグ商会というものが握っているわけですから、あなたのおっしゃるように、日本ダイヤモンドというものは
別個の
法人だけれども、これも一人
会社というふうに見られなくはないのですね。そうすると、ここでまた、
川岸と
仙台工作と同じような
関係が、アイゼンベルグ商会と日本ダイヤモンド
株式会社の間に出てくるわけです。そういうものが出てきたときに、先ほどあなたがおっしゃったように、
商法上
別個だからということで
責任の所在があいまいにされると、ここにまた五十何名という
人たちが路頭に迷わなきゃならない。法の不備かもしれませんが、どうもそういうものがあるような気がするのです。
未払い退職金は
賃金と同様に払うべきものだというふうに理解されていると思うのですけれども、そういうものがそのまま放置されたままになっているという
事件が、今後たくさん起こってくると私は思うのです。しかし、あなたのおっしゃるように、
法律というものはそれほど拡大解釈すべきものじゃないということになると、そういうものがまかり通ってくるということを実は私は
危惧するわけです。これは続々とあります。私の手元にあるだけでも、これは全金の傘下ですけれども、七社で八億何ぼのものが出てきているわけですね。どうもそういうことになると、法というものが、守られるべき人を守らないで、守らないでいい人を守っているような気がするわけです。その点についてのお
考えをひとつお聞きしたいのですが、一体どうなさるおつもりなのか。