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園田国務大臣 この問題は、お答えをする前に一言お断わりしておきますが、
委員会において
河野委員が、米軍の
病院で伝染病については現在の規定、覚え書きでは周期的に情報を交換するだけになっているが、それを確認する方法がないではないか、したがってそれを確認する方法を
考えるべきだという御
意見を承りまして、それを受けて私は直ちに閣議で発言をしたわけでございます。もちろん念のために申しておきますが、
河野委員の発言は、王子の
病院の開設に賛成という意味の発言ではなく、また私もそれに沿ったあれでもなくて、現に開設しようとしておる
病院についての伝染病に対する私たちの所管としての問題をやったわけであります。当初発言しましたのは、そのようなふうであるから、ぜひひとつ外務省は
厚生省のこの
意見が向こうに伝わるように何らかの
処置を講じてもらいたい、こういう話をいたしましたところ、数日して外務省が立ち会いで
会議を持ってくれた。この
会議は任意会合でおりまして、向こうから出てまいりましたのは、在日米陸軍の司令部の軍医総監、王子の
病院長以下それぞれの担当官、それから外務省からは係担当官、私たちのほうからは
公衆衛生局長及び担当課長と出席をして会合をやったわけであります。この問題については
河野委員の発言から出たことでございまするから、さっそく当
委員会にまず報告してと思いましたが、事情がありまして
委員会が開かれなかったためにおくれたわけでございます。
三月二十一日の午前十一時から
会議を開きまして、それで実はこれは覚え書きがございまして、任意会合でありまするから、正式の文書を交換するわけにはまいりませんが、お互いに書いたものを読み合ってそれを公開してよろしいという了解事項できまったことでございます。
その第一は、「王子
陸軍病院は、いわゆる野戦
病院ではなく、完全な
病院機能を有する総合
病院である。ベトナムで負傷した軍人等は、野戦
病院及び中間
病院を経て当
病院に搬送されるものであって、直接ベトナムから王子
陸軍病院に運ばれるものではない。二、
厚生省防疫担当官又は地元
保健所長は、随時王子
陸軍病院長を訪ね、防疫対策について協議すること。」これは覚え書き並びに協定で、現在のままでは基地に立ち入り検査するということはございませんので、したがって、王子
病院長を現地にたずねるという意味で確認する形式をとったわけであります。「協議」とは、伝染病の現状を確認する、協議をする、及び
病院内または周辺に伝染病が起こった場合の対策の協議でございます。三番目に、「今後も必要の都度、王子
陸軍病院問題について、本日のメンバーで会合をもち、防疫上の諸問題について、その解決にあたるものであること。なお、必要ある場合には地元
保健所長を加えることに同意する。
病院の規模は四百
ベッド、隔離病棟は置かない。」四番目に「
昭和四十一年一月三十一日、合衆国陸軍少将E・A・チャプマン発、外務省安川北米
局長あて文書、米軍は検疫伝染病患者については、その感染力を失うまで
日本に搬入しない。」ということで、これは国際衛生規則にいわれているペスト、コレラ、発しんチフス、天然痘、黄熱、回帰熱、これは今後もあらためて確認するという四カ条の了解事項をしたわけでございますが、これは先般申し上げましたとおりに、任意会合でありまするから、早急にこれをオフィシャルの会合に変えて、そうして正式の文書にして交換したい。したがって、いま言いました要旨は、王子の
病院長をたずねるという形式で確認することができるようにしたこと、及び伝染病持ち込みの国際衛生規則を確認したこと等々でございまするが、これは今後オフィシャルに変えてもらいたいということを外務省に伝えたわけでございます。