○後藤
委員 いまの話は最後に、
国鉄総裁としての希望である、こういう話でございますので……。
ただ、私は、この
順法闘争そのものが、先ほど
海部委員からいろいろ話がありまして、その
海部委員の質問に対して、とにかくあれは
違法闘争だ、こうきめつけられたのは、どうあろうとこうあろうと、普通にさえやっておれば汽車がおくれぬものを、汽車がおくれるから違法であるというふうに
総裁は言っておられるのだと思うのです。それは
新聞等なり、いろいろ第三者的な
国鉄の
業務の内容を十分
承知されない人は、往々にしてそういうふうな
考え方も起きてくるかもわからぬと思います。しかし私も
国鉄に約四十年間つとめておりました。
順法闘争もやってまいりました。いろいろなことも私はやってまいりまして、
自分の身の体験から私は申し上げておるわけなんです。これはまた同じような話になってまいりますけれ
ども、
総裁が先ほどから言っておられるように、今日とにかく
過密ダイヤでひどいものだという実情であるというのは、もう
総裁が見られようがだれが見られようが、これは一緒だと思いますけれ
ども、はたして各現場における作業内容がその
過密ダイヤに適しておるかどうかということなんです。たとえば、汽車が発車しましたらうしろを見なさい、うしろを見て安全だと思ったらそのまま進んでいきなさい、途中で一ぺんうしろを見なさいというようなたくさんな内規があるわけなんです。さらにまた、東京駅なり大阪駅なり吹田なり、そういったところの入れかえ等につきましても、何時から何時はこうやって、何時から何時はこうやってという作業
ダイヤが厳密に組まれておるわけなんです。そのとおり実行していくと結果的におくれる。そうするとあなたは、違法だから処分する、こう出られるわけです。そこに問題はないか、まだまだ
考える余地はありませんかということを私は言っておるわけなんです。だから私は、先ほどから
総裁が言われるように、どうあろうとこうあろうと、とにかく汽車がおくれるということは、おまえら間違っておることをやっておるからだ、ふだんどおりやればいいのだ、こういうようなことでございますけれ
ども、そういう
考え方ではなしに、いま私が申し上げましたような内容につきましても、もっと十分
考えていただく必要があるし、実情というものを十分つかんでいただく必要があろうというふうに私は
考えておる次第でございます。それで、先ほどから
総裁は一時にお帰りになるという約束でございましたので、ちょっとおくれましたけれ
ども、私の申し上げましたことも十分聞いていただいて、約束でございますので、これでお引き取りをいただきましてもけっこうでございます。
それで、午前中二時間なり二時間半にわたって河野
委員のほうから、かなり具体的な問題から、
法律的論議から、いろいろ長時間やられました。一般的に委託問題につきましては、その中心は大体話をされたと思うのですが、具体的問題については
動力車労働組合関係の問題が多かったように私聞いております。
そこで、それ以外の
国鉄の外部委託の問題です。これはたくさんあろうと思います。さらに、先ほどから話をいたしております五万人
合理化計画の中にも、これは違反するかしないかというような問題もかなり
計画されておると私は見ております。これらの問題について
一つ一つ例をあげますと、これはたくさんございます。たとえば駅からデパートへ渡るところの集改札口の問題、さらには神岡線のほうに参りますと、駅長さんと助役さんはおられるけれ
ども、それ以外の人は民間委託、さらには名古屋のほうにまいりますと、名古屋港駅ですが、駅長さんと助役さんはいらっしゃいますが、それ以外は全部民間委託に入れかえようという
計画がされておる。これは実施はされていませんが、行なわれようとして
計画中だと聞いている。その他中間駅につきましても、駅長さん、助役さんはおるけれ
ども、一名ないし二名の人にその作業を委託されておる、こういうような
計画もたくさん今日あるように私は
考えておるわけなんです。それから、さらに名古屋におきましては、名古屋の東港でございますが、貨物の修繕場の問題です。現在
国鉄職員が七十八名からおるところです。そこを助役さんにしてしまって、あとは全部民間委託をしてしまおう、こういうような
計画も五万人
合理化の中に
計画されておると私は聞いております。
そこで、こまかい
一つ一つのことを私は申し上げる気持ちはございませんけれ
ども、先ほどの
海部委員の話じゃございませんが、やがて二十三日には国労も
闘争をやるそうだが、双方が真剣に話し合いをしてそういうことは何とか解決しなければいかぬぞ、わかりました、こういうような返答だったと思うのですが、それなら、この五万人の
合理化の中に、いま申し上げましたような、先ほどから二時間、二時間半にわたって、職安法の違反である、こういう疑いを持たれるような問題がたくさんこの
合理化の中にも入り込んできておるし、現在においても、絶対にそういうことはやっておらないということではないと思います。
現実にやられておる
仕事の中にもそういうのがあろうと思います。しかも
国鉄におきましては、
労使双方の間で、いま申し上げました問題のみが中心ではございませんけれ
ども、これらの問題も
労使間の問題となって二十三日の戦いがやられる、こういうようなことになってきた場合に、午前中河野
先生から言われた問題、さらにいま申し上げましたところの五万人
合理化の中における違法という疑いのあるような外部委託の問題、これらの問題を一体どう処理されるつもりなのか。やはり二十三日には
闘争をやって
労使双方の団体交渉にまかしておかれるのか、そういう疑問のある問題につきましては一応
当局は提案を保留するのか。提案を保留しておいて、これは間違いないということがはっきりした場合に、これを実行に移して提案をする、そういうふうにされるつもりなのか、その辺のところをひとつ具体的に、職安法違反であるというように疑われる問題については一応保留して、こうするならこうするというような
考え方をひとつ明確にしていただきたいと思いますし、さらに
労働大臣もおいでになりますので、
海部委員の質問の中にもありましたように、ものごとを円満に解決するためには、今日の時点において、いま申し上げましたような点を十分
考える必要があろうと私は思うわけでございますので、いま質問いたしました点について、ひとつできればはっきりとした方針をお示しいただきたい、こういうふうに思います。