○原
参考人 公害防止事業団理事長の原
文兵衛でございます。
お
手元に、「
公害防止事業団の
事業について」というガリ版の横書きの書類を差し上げてございます。これに基づきまして、
公害防止事業団の
事業について御
説明申し上げたいと思います。
御承知のように、国の
公害防止施設に対する
助成促進の
一端をになう機関といたしまして、
公害防止事業団は、一昨々年、
昭和四十年十月に設立されまして、設立以後現在までの
事業の
実施状況について申し上げますと、一ページにありますように、造成建設
事業で百二十七億一千四百万、貸し付け
事業で三十六億四千九百万となっております。この造成建設
事業のうちには、別表にありますように、継続
事業で四十三
年度以降
実施する分も含んでおるのでございます。
四ページ以降に別表がございまして、現在までにやりました
事業がここに書いてございますが、概要を申し上げたいと思います。
この別表によりまして御
説明申し上げますと、造成建設
事業と融資
事業になっております。
造成建設
事業は、
公害防止事業団法によりまして四つの
事業をいたすことになっております。その第一は、共同
公害防止施設の建設譲渡でございますが、これにつきましては、三重県の四日市市の
排水処理施設、日本合成ゴム外三社の共同の
排水処理施設を建設することになっております。
それから共同利用建物。共同利用建物と申しますのは、
公害防止施設の完備した工場アパートのことでございますが、これは現在までに神戸の第一次のゴム工場アパート、神戸の第二次のゴム工場アパート、これはゴムぐつ製造の
中小企業でございます。これらの工場アパートが完成しております。また、東京の葛飾区の葛飾メッキ工場アパート、これが完成いたしました。
次に工場移転用地と申しますのは、主として町中にありまする
騒音あるいは粉じん等を出します町工場を、住家から離れた埋め立て地その他に移転させるいわゆる工場の移転団地の造成でございますが、ここにございますように、四十一
年度におきまして、大阪の岸和田の埋め立て地にできました大阪鉄工団地造成、これが完成しております。
それから、その次の共同福利
施設と申しますのは、工業地帯と住宅、商業地帯の間に緩衝緑地を設ける。その緩衝緑地の中には競技場あるいは野球易というような、
住民も工場従業員もともに利用できるところの福利
施設、運動
施設等を併置したものでございます。これは千葉県の市原市、三重県の四日市市、また大阪府の埋め立て地の泉北一区というところに、この緩衝緑地、共同福利
施設の造成をいたしております。
次に、四十二
年度におきましては、ただいま申し上げました共同
公害防止施設につきまして、これはまだ予定でございますが、兵庫県の西脇の染色工場の共同
排水処理施設が予定されております。
また工場アパートにつきましては、神戸のゴム工場の第三次アパートが予定されております。それから宮城県塩釜の水産物加工工場、主としてかまぼこ製造でございますが、この
排水が松島港に流れまして、ノリの栽培、カキの養殖等にたいへんな被害を及ぼしておりますが、それを集めまして、その
排水処理を完備したものにするというのが、塩釜の水産物加工工場アパートでございます。これも契約が済んでおります。
それから工場移転用地、先ほど申し上げました
騒音工場その他の移転団地でございますが、大阪府の岸和田の埋め立て地に設けます大阪鉄工団地造成工事第二次分が現在造成中でございます。そのほか、大阪府の枚方の鉄工塗装団地、東京の羽田の埋め立て地に設けまする羽田鉄工団地、東京の八王子市の郊外に設けまする繊維工業の団地、新潟県の燕市の郊外に設けます金属洋食器移転団地、兵庫県尼崎に設けまする油脂化学工業の団地、それから緩衝緑地といたしましては、兵庫県赤穂
地区に設けまする共同福利
施設、以上のようなことでございまして、四十一
年度、四十二
年度合計しまして、十八カ所、百二十七億一千四百十万という
事業をいままでにしておるのでございます。
貸し付け
事業につきましては、その六ページ、七ページ、八ページにございますように、現在まで三十四件——これは大
企業、
中小企業合わせてでございますが、三十四件、三十億二千五百三十万の貸し付け
事業を
実施しております。
以上が、いままでに行ないました
事業でございますが、次に一ページに戻りまして、
昭和四十三
年度の
予算等について、先ほど
厚生省御当局から御
説明がありましたので、重複もいたしまするけれども、一応御
説明申し上げたいと思います。
四十三
年度の
事業計画は、その特徴としては
事業規模の
拡大でございますけれども、建設
事業としての共同
公害防止施設につきまして二億、共同利用建物、すなわち工場アパートにつきまして四億九千万、工場移転用地につきまして三十六億七千一百万、共同福利
施設すなわち緩衝緑地について二十四億三千九百万というのが予定でございます。これは、この細分は予定でございまして、私どものほうの
事業団の
事業と申しますのは、先行投資的に先行造成するわけでございませんので、譲渡の相手方がきまりまして、そこと契約ができてから造成するようになっておりますので、この予定はやはり若干変更されるという可能性はあるのでございます。四十三
年度の貸し付け
事業は二十二億予定しておりまして、合計でもって、
事業費のワクが九十億ということになっております。実はこの九十億というのは、四十三
年度中に契約をしてよろしいというワクでございまして、それに要する資
金額は先ほど御
説明がございましたけれども、
総額で六十六億ということになっております。と申しますのは、先ほども申し上げましたように、契約ができてから造成にかかるものでございますから、その契約の時期が
年度末近くになりますと、資金はそれほど使い切れない、翌年に資金の支払いが回るというようなことで、資
金額に比べて契約をしてよろしいというワクがそれだけ上回っているということになる次第でございます。
それから二番目に、
政府の
出資金が
一般会計から一億認められる予定になっております。これは、当
事業団は設立当初、
政府資金のない
事業団として、
政府資金がなかったのでございますが、四十三
年度以降、当
事業団の
事業拡充の意味におきまして、
出資金を認められることになったわけでございます。
次に、
政府補給金九百七十万というのは、これは利子補給でございまして、
事業団の
事業は、財投のお金を六分五厘の
金利で借りてきて、
事業し、あるいは融資をする、こういうことになっておるのでございますが、やはりその
公害防止施設というのは、生産に直結しないというような意味合いもありまして、
企業、特に
中小企業等におきましては、よほど低利、長期の融資、あるいはそういう仕組みの金融でないとなかなか受け入れ切れない。したがって、
公害防止施設の
推進もすみやかにいかないというようなこともありまして、私どものほうといたしましても、やはり
金利はできるだけ安くすべきではないかと
考えておるのでございますが、その点、四十三
年度におきまして、
金利の
引き下げが若干認められたわけでございます。すなわち先ほども御
説明がございましたけれども、もう一度繰り返しますと、
中小企業及び
地方公共団体に対しましては、いままでは、年賦の
金利のうち当初三年間が六分五厘で、それ以後七分でございましたのが、当初三年間だけでなく、年賦期間中引き続き六分五厘ということになりました。ただ先ほど申した四つの
事業のうちの共同
公害防止施設といたしましては、特になかなか進まない仕事でもあるし、また重要な仕事でもあるということで、一般の
中小企業、
地方公共団体六分五厘よりもさらに当初三年間だけは六分にする、こういう
金利の
引き下げが行なわれました。大
企業につきましては、いままで当初三年が七分、それ以後七分五厘でございましたのを、まあ四年目以降も七分に据え置く、ただ大
企業につきましても、共同
公害防止施設は、
中小企業と同じような意味合いにおいて、ただ
中小企業よりもやや差をつけまして、当初三年間六分七厘五毛、こういうような
金利になったわけでございます。したがいまして、少なくともこの共同
公害防止施設につきましては、当初三年間、
中小企業及び
地方公共団体について六分、大
企業について六分七厘五毛というようなことに相なりますので、逆ざやになります。六分五厘で財投の金を借りてくる場合に、逆ざやになりますので、その利子
補給金として六百七十万が認められるようになったわけでございます。
その次の二ページの一番最後に書いておりまする緩衝緑地、共同福利
施設すなわち緩衝緑地の建設
補助金二億五千万と申しますのは、これは
企業が緩衝緑地建設費の一部を負担する場合に、これだけの額の国庫
補助を行なうということで、建設省の
予算でもって計上されているわけでございます。
そのほか、
公害防止施設の
助成推進の意味におきまして、五番目に、三ページの5に掲げてありますように、
業務対象地域が、先ほど来御
説明がありましたように、いままでは
指定地域に限定されておりましたが、これからはその
地域制限を撤廃する、四十三
年度から撤廃するということに相なります。
また
業務の
対象の
事業も、いま札幌市で一応計画されつつありますが、いわゆる
集中暖房というような
事業につきましても、当
事業団の融資
対象とすることができるというようなぐあいになったわけでございます。
以上のように、
公害対策基本法がすでに
制定され、またそれに基づく
実施法が今後
整備されようとしているわけでございます。
公害防止事業団といたしましても、
公害問題の重要性にかんがみまして、今後さらに一そうの努力をして、この
事業を
推進してまいりたいと思っておりますので、何とぞよろしく御
協力、御
支援のほどをお願いしておきます。
簡単でございますが、
事業について御
説明いたしました。
失礼いたしました。私が先ほど利子
補給金の額を、二ページの3でございますが、
政府補給金六百七十万と申し上げたかと思いますが、そうでしたら間違いで、ここに書いてございますように、九百七十万でございますので、訂正しておきます。失礼いたしました。