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1968-06-03 第58回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第12号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和四十三年六月三日(月曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 井原 岸高君 理事 池田 清志君    理事 渡辺 栄一君 理事 川村 継義君    理事 永井勝次郎君 理事 神田 大作君       小澤 太郎君    熊谷 義雄君       小山 長規君    田澤 吉郎君       田中 正巳君    中川 一郎君       橋口  隆君   三ツ林弥太郎君       水野  清君    森田重次郎君       井上 普方君    金丸 徳重君       兒玉 末男君    斉藤 正男君       小川新一郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 西村 直己君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      田中 龍夫君  出席政府委員         総理府総務副長         官       八木 徹雄君         文部省管理局長 村山 松雄君         厚生省環境衛生         局長      松尾 正雄君         厚生省社会局長 今村  譲君         農林大臣官房予         算課長    大河原太一郎君         林野庁長官   片山 正英君         水産庁次長   森沢 基吉君         運輸省鉄道監督         局長      増川 遼三君         気象庁次長   増田 誠三君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    川上 幸郎君         警察庁警備局警         備調査官    津田 武徳君         科学技術庁研究         調整局総合研究         課長      原野 律郎君         大蔵省主計局主         計官      井上 幸夫君         文部省管理局教         育施設部指導課         長       栗山 幸三君         厚生省社会局施         設課長     大和田 潔君         農林省農林経済         局参事官    内村 良英君         農林省農地局長 中野 和仁君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       松井 芳明君         農林省園芸局長 池田 俊也君         林野庁指導部長 木村 晴吉君         水産庁漁港部長 瀬尾 五一君         中小企業庁計画         部金融課長   井川  博君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 山口 真弘君         気象庁予報部長 北岡 龍海君         気象庁観測部地         震課長     木村 耕三君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君         建設省道路局国         道第一課長   高橋国一郎君         建設省住宅局市         街地建築課長  上野  洋君         自治省財政局地         方債課長    山本 成美君         消防庁防災救急         課長      中沖  豊君         日本専売公社生         産部長     大塚 孝良君         日本国有鉄道常         務理事     長瀬 恒雄君     ————————————— 六月三日  委員阿部喜元君、福永一臣君、赤路友藏君、淡  谷悠藏君、島本虎三君、山内広君、米内山義一  郎君、小平忠君及び和田耕作辞任につき、そ  の補欠として森田重次郎君、小山長規君、田邊  誠君、金丸徳重君、森義視君、田原春次君、井  上普方君、稲富稜人君及び小沢貞孝君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員小山長規君及び森田重次郎辞任につき、  その補欠として福永一臣君及び阿部喜元君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  南九州えび地震による災害対策  昭和四十三年十勝沖地震による災害対策  昭和四十三年四月以降の降ひょうによる災害対  策  地震による災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  この際、念のため御報告申し上げておきます。  去る二十一日の委員会において御報告いたしました以後本委員会に参考送付されました陳情書は、えびの地震等災害対策に関する陳情書ほか二件であります。      ————◇—————
  3. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十三年十勝沖地震による災害対策南九州えび地震による災害対策及び昭和四十三年四月以降の降ひょうによる災害対策について調査を進めます。  まず、えびの吉松地震並びに十勝沖地震に対しこれまでに政府においてとった措置及び今後の対策について政府当局から説明を聴取いたします。八木総理府長官
  4. 八木政府委員(八木徹雄)

    八木政府委員 十勝沖地震及びえびの吉松地区地震被害状況並びに政府応急対策については、先般の当委員会で御報告いたしましたので、その後の政府措置について簡単に御報告いたします。  十勝沖地震については順次被害額が判明し、施設等被害額ば総計五百二十一億円に達しております。  これに対し、政府は本日の官報で、昭和四十三年の十勝沖地震による災害激甚災害として指定し、及びこれに対し適用すべき措置として、激甚法第五条(農地等災害復旧事業等に係る補助特別措置)、第六条(農林水産業共同利用施設災害復旧事業費補助特例)、第十二条(中小企業信用保険法による災害関係保証特例)及び第二十四条第二項から第四項まで(農地農業用施設等災害に係る地方債元利補給等)に規定する措置を指定する政令を公布しました。なお、法第七条(開拓者施設及び水産動植物養殖施設災害復旧事業に対する補助)、第十一条(共同利用小型漁船建造費補助)、第十三条(中小企業近代化資金等助成法による貸付金等償還期間等特例)及び第十五条(中小企業者に対する資金の融通に関する特例)についても、早急に追加公布するよう手続中であります。  えびの古松地区地震については、予備費の支出、交付税の繰り上げ交付等措置をすでに実施したほか、激甚災害に準ずる措置について検討中であります。  次に、激甚法指定基準については、先般、中央防災会議主事会議を開催し、局地災害救済を含め、その扱い方を協議したのでありますが、いずれもかなりの問題点がありますので、結論には至っておりません。  政府といたしましては、これらの問題点につき、今後もなお協議検討いたしてまいる所存であります。
  5. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  6. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 本問題についての質疑は後刻に譲り、降ひょうによる災害対策について質疑の申し出がありますからこれを許します。神田大作君。
  7. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 去る五月三十日並びに三十一日に栃木県並びに茨城県その他埼玉県等において甚大な降ひょう被害がありましたが、これについて、当局から被害状況についての概要を説明願いたいと思います。
  8. 内村説明員(内村良英)

    内村説明員 お答えいたします。  昭和四十二年四、五月の降ひょうによる被害額につきましては、現在農林省統計調査部においてその被害を取りまとめ中でございます。したがいまして、農林省としてはまだ正確なる被害額を把握しておりませんが、とりあえず六月一日現在で、関係の県すなわち群馬埼玉長野栃木茨城の各県からとりました報告によりますと、被害総額は約二十五億ということになっております。
  9. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 特に去る三十日、三十一日に栃木茨城等に起きましたひょう害は、非常に局部的でありますけれども非常に甚大でございまして、栃木県だけで約五億といわれておりますが、その被害はまだふえそうであります。私がいつも言っておりますが、このようなひょう害は局部的に非常な徹底的な被害をもたらすので、これら被災地におけるところの、特にナシ、それから葉たばこあるいはビール麦、キュウリ、トマトを中心とした蔬菜に甚大な被害をこうむりまして、これらの農家はその再起について非常に悲観をいたしております。私どもがおととい見舞いに行ったときは、ナシの木を切って、もうナシはつくらぬ、毎年毎年ひょう害にやられて全滅するわけですから。しかもナシの木は一年だけの不作ではなしに、その回復のために三年もかかるというので、長年つちかって育ててきたナシの木を切って、そのかわりに陸稲をまくというような、非常に徹底的な打撃をこうむっております。これらに対して、すみやかに国としても天災融資法発動をし、あるいは自作農創設資金ワクを拡大してこれらの対策を講じてもらいたいと思いますが、いかがお考えであるか、お尋ねをします。
  10. 内村説明員(内村良英)

    内村説明員 お答え申し上げます。  天災融資法発動につきましては、先ほど申し上げました統計調査部調査結果の判明を待って、その適用について検討いたしたいと考えております。
  11. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 いま大臣も見えられたようであります。農林省のほうから、降ひょう被害栃木茨城群馬埼玉長野を含めて約二十五億といま報告されておりますが、これらの特に最近ふえましたひょう害によって甚大な被害をこうむった人たちは、すみやかなこれが対策を要望しておるようであります。二十五億の被害があれば、ひとつ天災融資法発動をすみやかにしていただきたいと思いますが、大臣のお考えをお願いいたします。
  12. 西村国務大臣(西村直己)

    西村国務大臣 今般突如として長野とか栃木その他茨城等、北関東を中心降ひょうがございまして、被害をお受けになった農民は、さぞかし善後措置に非常に困惑されておると御同情申し上げます。そこで、いま農林省当局から被害総額は御報告申し上げたと思いますが、これをさらにできるだけすみやかに集計を終えたいと思います。  そこで、これらの調査結果で天災融資法発動になるかならぬかでありますが、従来の例にかんがみまして、できるだけ天災融資法発動できるように私ども集計を詰めて、そういうような方向で努力をしてみたいという考えでございます。
  13. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 大臣が時間がないそうでありますから、重ねてお尋ねいたしますが、このひょう害は、天災融資法融資でもって救済するばかりでなしに、樹勢回復のための肥料とかあるいはかわりの種もみあるいはまた薬剤防除というのにたくさん金もかかる。県によっては、これらに対しまして、ささやかではあるけれども対策を立てておるようでありますが、国としても融資ばかりじゃなしに、これらの災害に対する費用の援助をすべきである。また個人災害に対する援護についても何ら見てやれないということは、局部災害をこうむっておる農民を復興させる上において非常に残念だと思うので、この点について大臣はどうお考えでありますか、お尋ねいたします。
  14. 西村国務大臣(西村直己)

    西村国務大臣 今回のひょう害につきましては、融資面で、御存じのとおり、天災融資法というものは被害額がある限度に大体達すれば発動する。それからもう一つ自作農創設維持資金、これはもちろん融資でございますが、もし天災融資法発動になりますれば、それに関連してワクが設定されてくる。それからお説のように農業共済関係対象になるべきものがもちろんあると思います、麦その他で。それから果樹につきましては、まだ今回のひょう害そのものには対象になっておりません。これは試験実施をことしからやるわけでございますが、将来はこういったようなことに対する一つ共済制度が興ることを私どもは強く期待をし、またそういうふうにしたいと思っております。  そこで、それ以外に国の面接助成と申しますか、樹勢回復のための肥料あるいは農薬等々、いろいろなものに対して農民が困るではないか、それに対して地元では、国自体が積極的に何かやる手はないか、こういう御質問のように思います。これは被害実態あるいは被害深刻度、いろいろそういうものももう少し待ちました上で、慎重な検討を加えたい。お気持ちは十分わかります。
  15. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 自作農資金ワクは、天災融資法がきまればそれにのっとってきまると思いますが、問題は、この資金貸し出し自作農資金のみならず、天災融資法によるところの経営資金貸し出し等も非常に手間がかかる、時日がかかる、災害復旧に間に合わないほど半年もかからなければ金が来ない、しかも手続がめんどうだ、少しばかりのそんな金はもう要らぬ、そういう声が地元では聞こえるのです。これをこういう災害のときにはもっと簡易に迅速に貸し出しができるような対策、方法を農林省としてはとってもらいたいと思うのですが、これについていかがお考えでございますか、お尋ねします。
  16. 内村説明員(内村良英)

    内村説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたような問題が過去にあったことは事実でございます。農林省といたしましても、災害農家の実情を十分承知しておりますので、なるべく早く資金被害農家に流れるようにしたいとかねがね努力をしておるところでございます。したがいまして、重ねてそのようなふうに、関係金融機関等指導して、行ないたいと考えております。
  17. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 次に、特に農業災害補償対象になっておらないナシブドウ等果樹に対して何らの救済がありませんが、これについては当局としてはどのようにお考えになっておるか、お尋ねします。
  18. 池田説明員(池田俊也)

    池田説明員 先ほど大臣からお答え申し上げたわけでございますが、ひょう害というのは非常に局地的に激甚でございまして、農家としましては非常に大きな打撃でございます。そこで従来もそういうことを若干やっておるわけでございますが、私どもといたしましては、天災融資法発動されまして相当被害が大きいという場合には、これは県ごとにある程度以上の被害があることが必要なんでございますけれども、そういう場合には状況に応じまして、たとえば従来の例で申し上げますと、果樹につきましては苗木の植えかえをするというようなことがございますので、苗木共同購入育成に対する資材の助成でございますとか、あるいは野菜の場合でございますと、実は種子の共同購入に対する助成というようなことをいたした例がございます。先生のお話しにございました肥料でございますとか農薬等は、実は過去におきましてはやったことがあるのでございますが、これはどうも補助金の性格から申しまして若干最終的に確認をするのが非常にむずかしいというようなことがございますので、比較的最近におきましては実はやっておらないのでございます。私どもは、いずれにいたしましても、もう少し被害状況を見まして、必要があればそういう措置をとることにつきまして前向きで関係当局とも折衝をいたしたい、かように考えております。
  19. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 これらの対策については、現地へ参ってみますると、たばこの場合は、災害補償法によって、ある程度の廃さくになっても過去三カ年の収納代金の六割程度の補償があるというので、たばこ作に対しましては農民はこれに対しまして非常に力強く考えておるようでありますが、果樹野菜については何らの補償がないために、将来のこれらの作物の栽培に対しまして非常に希望を失って、私が先ほど申したとおり、ナシの木を伐採しておるというような状態なんです。これは果樹振興の上からとりましても非常に大事なことであるので、すみやかにこれらに対しまして適切な指導をすると同時に、果樹振興の上に立って、長年のナシのりっぱな産地として何十年と続いてきた産地でございますから、これは東京等におきましても芳賀ナシといってある程度商品価値が認められておる。こういうものをむやみにもう伐採されてしまうということは、農業振興上も非常に好ましくないことであります。それというのも、そういうひょう害の来る道がもうきまっておって、大体五年に一回、あるいは去年やられまして今年もやられたという場合もある。しかも全滅をして何らの対策もないのでありますからして、これらについて先ほど申されました補助対策等も微々たるものでありますけれども農業災害果樹を入れるというのはわれわれが強く要求しておるにもかかわらず、十一月から実施になるとかいうことですが、今日まで実施されないために非常な問題が起きてくると思うので、この点について先ほど御答弁になったそういうこともできるかもしれないというようなことではなしに、現実をよく調査した上、ひとつすみやかにこれらの補助対策について検討をしていただきたいということについて、重ねて御質問申し上げます。
  20. 池田説明員(池田俊也)

    池田説明員 ただいま先生がおっしゃいましたような趣旨に即しまして、極力やってみたいと思います。
  21. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 次に、農業災害補償法によるところの災害対象作物被害に対する概算払いについてどのようにお考えになっておるか、お尋ねいたします。
  22. 内村説明員(内村良英)

    内村説明員 お答え申し上げます。  今回のひょう害につきましては、とりあえず農業共済団体をして損害評価を行なわせまして、共済金仮り渡し措置を講ずるよう目下指導しております。  被害の激甚な地域に対しましては、農業共済団体からの要請に基づきまして、必要があれば再保険金概算払い措置を講ずる予定でございますが、現在までのところ、関係農業共済組合連合会のほうからまだ報告に接しておりません。御承知のように、農業共済制度の場合、いわゆる通常災害につきましては、農業共済組合連合会との歩合保険によりまして保険責任を負っていくという形になっておりますので、被害調査の結果異常災害になれば、政府の再保険金概算払いの必要が起こってくるわけでございます。したがいまして、組合全体といたしましての被害通常被害の範囲内の場合においては共済団体責任においてすみやかに共済金仮り払いを行なう、特に水稲等につきましては作付不能になったものについて行なうことになっております。
  23. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 このひょう害によって、激甚激大損害を受けた市町村財政が、税収入の面においても、いろいろな面においても窮乏してまいると思いますが、これら地方財政に対する援助について、自治省のほうからひとつ御答弁を願います。とのような対策を講ずるか。——自治省のほうでまだ見えておらなければ、後刻適当な機会に御報告願います。  最後に、たばこ被害対策について専売公社関係から御説明願います。——来ていないのか。それではたばこひょう害について、専売公社の方がおいでになってから御答弁を願いたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  24. 芳賀委員長(芳賀貢)

  25. 小川(新)委員(小川新一郎)

    小川(新)委員 お許しをいただきまして、関連質問をさせていただきます。  ただいま神田委員からお話があったひょう害ですが、これは埼玉県の深谷本庄を経まして群馬のほうへいつも流れていく、帯のような状態になっております。それで、この間も四月三十日に約四億五千万ほどのナシ全滅になったひよう害がございます。近郊農家が最近都市化のためにどんどん宅地に奪われまして、埼玉県はスプロール化しまして、都市問題の中から農地というものがどんどん蚕食されていく、そして近郊野菜がとれなくなる、こういった一つの時代の波の中で孤塁を守っているような埼玉県の農家に対して、こういった天災の追い打ちがある。これも御存じのとおり、毎年あの岡部からこっちのほう、深谷本庄にかけてこういった連年災害がある。それは確かに天災融資法発動が三十億が今度は十億になって非常に緩和されたとはいえども、それに満たない小災害連年こうして起きている。これに対して重なっていけば激甚災を受けたと同じ以上の損害を受けたことになっておりますが、連年災害も当然毎年のように、B29が来たように、コースになっているような災害地に対しては、何らかの処置をしてあげなければならぬと思うのですが、副総務長官、こういった連年被災農家に対して、もうわかっているのです、毎年、一年に二回から三回必ず来るような土地に対して、それでいて法律によって基準に達していないから、そういった融資法適用も受けられないような地帯の農家に対しては、何らかの処置を講じてあげなければならぬと思うのです。その点についてお考えをまずお承りしたいと思うのです。
  26. 八木政府委員(八木徹雄)

    八木政府委員 先般の当委員会において総理大臣も申しましたように、局地的激甚すなわち集中豪雨だとか、地震だとか、ひょう害もその範疇の中に入るのではないかと思うのでありますが、局地的激甚につきましては、やはり今後の災害問題の基本問題として、新しい発想のもとに検討しなければならぬ、そういったときが来ているのではないかと思うのであります。総理府といたしましては、先般の総理答弁もこれあり、さっそく中央防災会議主事会議を開催いたしまして、問題の取り組みにいま入っておるところでございます。いまおっしゃるとおり、ひょう害につきましては必ずしも同一個所に毎年きまって来るというわけではありませんが、傾向的にはおっしゃったような傾向がございます。私も過去二回ばかり現地調査に行ったことがあるし、そのときに一番災害を受けるのは麦であり、ナシであり、あるいはたばこである、そういうような実態が繰り返されておるわけでありますから、そうかといってこれに対する予防措置というのはなかなか見つけ出しがたいことだと思いますので、今後とも中央防災会議のほうにおいてこの種のものに対する対策をどのように打ち立てるか、十分に検討してまいりたい、こう考えております。
  27. 小川(新)委員(小川新一郎)

    小川(新)委員 農業協同組合等から資金を借りますが、去年借りた、またことし借りる、その利子も払い切れないようなうちに次の金を借りるわけなんですが、それをなかなか貸してくれないという協同組合もあるわけです。こういった連年災害で困っているような農家に対しての農協に対する指導というのはどのように行なわれているのですか。
  28. 内村説明員(内村良英)

    内村説明員 ただいま先生の御指摘のような点があることは事実だと思いますが、農協の場合も金融でございますから、やはり金融としてものを考えていくという面があるのはやむを得ないわけでございまして、そうした場合、他の制度的な災害融資制度その他を活用いたしまして、できるだけ農家の困難は救済するようにいたしておりますが、やはり金を貸す以上、償還能力というものも考えざるを得ないという面はございます。
  29. 小川(新)委員(小川新一郎)

    小川(新)委員 そうすると、みすみす見殺しになるような状態になっているところが、いま岡部村のようにあるのですよ。それは確かにいまあなたのおっしゃったように、金融機関であるから償還能力がなければだめだというのですが、それでは農業協同組合の精神にも反しているように思うし、また今回の災害に対しても速効性肥料購入し、また病害虫の防除用農薬等購入に県が三分の一の助成を出し、また資金の借り受けの利子補給等で県は県なりにやっているわけなんですが、県並びに市町村被災者、この三者がこういった損害をいつも受け持っているわけなんです。その中で最も弱い農家に対しては、三分の一ずつですから、必ず一半は負わなければならぬのです。そこで私は農業協同組合とか、そういった農家育成保護をしていかなければならぬ団体が、去年おまえのところには金を貸した、だけれども、もうことしは貸してあげられない、利子も払わなければならないのだ、だめなんだ、こう言って突っぱねたのではあまわ無慈悲なんで、そこの指導をどうやっているかを聞いているわけなんです。
  30. 内村説明員(内村良英)

    内村説明員 お答え申し上げます。  天災法に基づきます融資の場合には、御承知のとおり災害補償制度がございますので、一応補償措置があるわけでございます。したがいまして、天災法による融資の場合には、そうした年々災害を受けている農家についても融資の道が開けております。  ただ、先生の御質問の場合に、天災融資法対象でもない金融の場合、こういうことではないかと思いますが、やはり基本的には農協及びその関係者が一体となりまして、そうした農家の営農をどう持っていくかということについて真剣に考えて、なるべく早くそうした農家の営農が、災害があってもそう大きな損失を受けないような形に営農形態を持っていって、そこで健全な経営と申しますか、そういうところに持っていくのが基本的な考え方ではないか考えます。
  31. 小川(新)委員(小川新一郎)

    小川(新)委員 最後にお聞きしたいのですけれども、先ほど飼料代とか、肥料代とか、種代、これは前には補助をやっていたのですね。ところが何らかの理由でそういったことが中止になった。ところが、いま神田さんのほうのお話があったように、埼玉県の本庄深谷から発生した雷雲というのは必ず群馬へ入っていく。これは毎年同じようなコースなんですが、こういった常襲災害コースに当てはまっている地帯の人たちに対するものは復活してあげてもらいたいと思うのですがね。それはいろいろ法律的にはできないのでしょうけれども、何らかそれにかわるべきことは考えられないのですか。
  32. 池田説明員(池田俊也)

    池田説明員 ただいま先生のおっしゃいましたことも非常によくわかるのでございますけれども、ただ従来、農薬肥料等に対する助成があって、その後は打ち切られている、こういうことの理由といたしましては、先ほど申し上げましたのですが、いわゆる補助金というものの性格からいって、極端なことを言いますと、はたしてそれが適正に使われたかどうかということの確認が非常にむずかしい。それから個々の農家に行くという段階になりますと、非常に金額の小さい補助金になる、こういうふうなことで、従来から会計検査院等から指摘を受けているというような経緯もございますので、そういうものについては、非常にむずかしいのではなかろうか。  ただ、私どもは、たとえば果樹の場合で申しますと、苗木の共同育成というようなことになりますと、これはそういうことがなしにできる可能性があるわけでございます。そういうような極力できる範囲でやってまいりたいという気持ちでございます。そういう事情がありますので、御了承願いたいと思います。
  33. 小川(新)委員(小川新一郎)

    小川(新)委員 これをもって私は質問を終わらしていただきますが、総務長官がおいでになったので一言要望しておきたいのですが、このひょう害災害がいつも天災融資法ワクに満たないような小災が埼玉県の北部には連年起きている。毎年二回、三回、今年も四月、五月で、三回起きている。これを合わせますと十億、二十億くらいにすぐなってしまう。こういった小災害が起きている地帯に対して、天災融資法発動ができないにしても、小災害連年災害地に対しては、それにかわるような何らかの考慮を今後払っていただきますようひとつ努力を要望しておきまして、私の質問を終わらしていただきます。
  34. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 神田委員に申しますが、ただいま専売公社の大塚生産部長並びに自治省の山本地方債課長が出席されましたので、先ほど保留された質問に限って質問を許します。
  35. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 葉たばこの今度のひょう害は非常に甚大なものがありますが、一町村について四十五町歩からの廃さくをしなければならぬ、今回のひょう害が全般的にどのくらいになるかわかりませんが、これら葉たばこひょう害に対して、どのような対策を持っておられるかお尋ねします。
  36. 大塚説明員(大塚孝良)

    ○大塚説明員 葉たばこひょう害につきましての御質問でございますが、葉たばこひょう害に対しましては、その時期によってあとの回復が非常に違うのは、先生承知のとおりだと存じますので、いかなる時期にひょう害を受けたかということは、——廃さくをするかしないかという非常にむずかしい問題でございますが、しんどめ直前等になりますと、なかなかこれは回復をいたしませんので、そういう場合に激甚な災害の場合には廃さくということにさせていただきます。ただ、幸いにして四十一年度以降では葉たばこの場合でも一筆補償ということができておりますので、その方の全圃地が全損ということになりませんでも、その一筆がかなりの激しい災害を受けました場合には廃さくをいたしております。たとえば今回のひょう害で申し上げますと、黄色種では激しいと廃さくをいたさざるを得ないと存じますが、だるまは幸いにしてまだ移植からの日数が少のうございますので、おそらく回復いたすものと思います。ので、だるまの場合は廃さくをいたしておらないと存じております。一筆補償の場合は、全損になりますので、その一筆分の平年度の五割までを補償申し上げております。
  37. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 廃さくするか廃さくしないかという問題については、生産者の意向を十分聞いてきめる、専売公社の一方的な判断というようなことではなしに。われわれが現地へ行ってみると、自分では廃さくしたいのだ、ところが公社では廃さくを許してくれないので困るという声を聞きますので、こういう点についてひとつ生産者の意向も十分聞きながらこの対策をとってもらいたいと思いますが、それに対していかがお考えになっておりますか。
  38. 大塚説明員(大塚孝良)

    ○大塚説明員 先ほど申し上げましたように、廃さくしたほうが有利であるか、しないほうが有利であるかという判定はなかなかむずかしいわけでございますが、全損の場合はこれは問題ございません。しかし全損であるかどうかということの判定がむずかしい場合には、先生のおっしゃるように非常に少なくて、これまた判定の基準に問題にならないようなときは問題ございませんが、かなり激しいということの場合には、先生のおっしゃるような方向に指導をいたしておるつもりでございます。
  39. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 葉たばこの病害防除のためにいかなる対策を立てておるか、重ねてお伺いをいたします。
  40. 大塚説明員(大塚孝良)

    ○大塚説明員 ただいま病害の御質問がございましたが、廃さくをしないと決定した場合に、一番問題になっておるのはおっしゃるとおり病害だと存じます。したがって、その地帯で非常に起こりやすい病害に対する指導は、徹底的にいたしておる次第でございます。
  41. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 自治省にちょっとお尋ねしますが、先ほども申しましたとおり、このひょう害によって地方財政が困窮するおそれがありますが、これらに対してどのような方策をお考えになっておるか、お尋ねをいたします。
  42. 山本説明員(山本成美)

    ○山本説明員 ひょう害の場合におきます市町村財政について、どういうふうに自治省としてやるかという問題でございますが、ひょう害の起こりました場合に、最終的には特別交付税でけつをふくわけでございますけれども、農作物被害額に対しまして一定率を掛けまして、これはもうどこでひょう害が起こりましてもそういうふうな計算をいたしておるわけでありますが、この金額をまず積算の基礎に入れる、かような考え方でございます。  それからもう一点、被害があるために税収が減るといった場合も考えられるわけでございますけれども、この場合につきましても、年度末近くになりますと、大体当該市町村の税収なり、その他収入あるいは歳出の状況等を見まして財政補てんをどれくらいしなければいけないかというこれを見当をつけますので、その際に特別交付税で特別に考える、かような手続をとっておるわけでございます。
  43. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 これら地方財政の窮乏に対しまして、万全の措置をとるよう重ねてお願い申し上げます。  最後に公社にお尋ねしますが、これら葉たばこの甚大なる被害に対して、薬剤防除に対する助成あるいはまた見舞い金等の方途を講じて、被害たばこ耕作者の救済に当たる考えがあるかどうか、お尋ねいたします。
  44. 大塚説明員(大塚孝良)

    ○大塚説明員 薬剤に対する補助というようなお話でございますが、現在の規定では薬剤の補助というものができておりませんので、正式に補助をするかとおっしゃられますと、現在ではなかなかできないと申し上げるよりしかたがないのでございます。  それから見舞い金でございますが、これも見舞い金を出す制度がございませんので、見舞い金は出しておりませんが、ただ、そういう非常な災害が広くありまして、特に強力な指導をいたします場合には、公社だけではなかなか手が回らないということがございますので、組合の御協力をいただいた場合に、特別な手数料を考慮いたします場合はございます。
  45. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  46. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 速記を始めてください。
  47. 神田(大)委員(神田大作)

    神田(大)委員 最後に総務長官にお尋ねいたしますが、ひょう害十勝沖地震とか、えびの地震のように広範なものではありませんが、局部的には非常に甚大でございますので、この点よく御調査の上、これら被害農家に対しまして、万全の措置をとるようお願い申し上げます。     —————————————
  48. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 次に、地震による災害対策について質疑を許します。森田重次郎君。
  49. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 過般の十勝沖震災の結果は、非常に甚大な損害を発生したことは、新聞等でもきわめて明らかであります。  そこで最初われわれもどの程度だろうと考えておったのが、おとといあたり、私現場を見ますと、いままで交通不便で行けなかったところなどの損害というものが非常に大きくて、これはまだ計算にのぼせていないというようなことまでよくわかってまいりました。この点はひとつまた特にお考えを願いたいと思いますが、しかし、きょうは時間が制約されておりますので、主として野辺地——大畑間の鉄道の復活の問題について質問いたしておきたいと思うのであります。  まず最初に、大湊線、大畑線に対する損害の概況と復活の状況を簡単にひとつ御報告願いたい。
  50. 長瀬説明員(長瀬恒雄)

    ○長瀬説明員 お答え申し上げます。  大湊線、大畑線につきましては、現在詳細に調査いたしておりますが、復旧の問題といたしましては、現在の段階では、概算十五億程度の復旧費がかかるのではないか。現在は調査をいたしておりまして、とりあえず大湊線のほうにつきましては、東北線の復旧状況とにらみ合わせまして、そちらのほうに手を入れているという段階でございます。
  51. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 本線のほうは一応復活いたしていることはわれわれも知っておりますが、大湊までの線に関しましても着手が非常におそいような感じがいたしたのでありますが、これはどういう事情からでございますか。
  52. 長瀬説明員(長瀬恒雄)

    ○長瀬説明員 今回の災害によりまして、全体で百五十億程度の被害を受けております。東北本線につきましても、現在列車が走っておりますが、これも実は応急復旧でございまして、時速十五キロないし三十キロというようなきわめてスピードのおそい状況でございますので、これに対する復旧にいま全力をあげているわけであります。先ほど申しましたとおり、さらに大湊線につきましては、それらの面から考えまして、若干手を入れているわけでありますが、大畑線のほうにつきましては、まだ調査もできないというような段階でございますので、同時にそれに対する手も足らない。さらに被害状況調査というような問題につきましても、調査している段階でございますので、大畑線につきましては、まだ手がつかないという段階でございます。
  53. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 調査がまだ未了だということなんでございますが、しかし、専門家のあなた方からごらんになれば、そうたいしたことではないように私は考えるわけであります。だから、そう長い間でなく、すぐ調査が完了することと思います。  そこで、一体いつごろに大畑まで沢車が通るようになれるか、この見通しをひとつお伺いしたいと思います。
  54. 長瀬説明員(長瀬恒雄)

    ○長瀬説明員 大畑線につきましては、先ほど申しましたとおり、調査段階でございまして、これに対する資金という問題がまず問題でございます。現在の段階におきましては、国鉄の仲裁裁定によりまして予備費も使い果たしております。それから一方におきまして、現金といいますか資金、これがいま借り入れ金でございますので、それもなかなか見通しがつかないという段階でございます。そういう一つの大前提がございます。同時に、大畑線につきまして、本格的にそういうような復旧をするとなりますと、そうした資金の問題をまず考えなければならないわけであります。したがいまして、まず調査いたしまして、資金の点についての問題をわれわれとして検討して、その上で復旧するというような段階になろうかと思うのであります。
  55. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 資金のめどがつかなければ何か手をつけられないようなことなんですが、資金のめどがつかない、つかないということで、これが延ばされては、地元としては、これはとてもたまらない心境になるわけでございます。そこで、巷間伝うるところによると、いろいろなデマが飛んでおりまして、人心が非常に動揺いたしております。そこで、まず、このような人心の動揺を安定せしめるということが、こういう災害の起こったときには政治の第一要諦でなければならないとわれわれは考えておるわけなんです。それを、資金がどうだとか、調査が未了だとかいうことで、これは一体いつ手をつけるのだろうと思われるようなあいまいな態度で置かれるということは、われわれとしてとうていがまんができないところであります。そういう点で、とにかくこれは必ず手をつけて復旧させるのだということを、ひとつ、この際当局からはっきりと御発表をお願いしたいと私は思うのであります。
  56. 長瀬説明員(長瀬恒雄)

    ○長瀬説明員 お答えいたします。  地元の方々が非常に不便を感じておられるという点につきましては、よくわかるのでありますが、これに対しましては、現在、国鉄のバスを総動員いたしまして、大畑線あるいは大湊線との直通を考えておりまして、現在それをやっておりまして、地元の方につきましての足といたしましては、これを確保いたしておるというように私ども考えておるわけでございます。しかし、いまお話しのように、大畑線の復旧という問題につきましては、先ほど申しましたとおり、国鉄といたしましても、現在、仲裁裁定等の資金というものがやはり必要でございますし、予算的には、ほかの工事を切っております。そういうような関係で、予備費というようなものとの関連において私ども考えなければならぬわけでありますが、そうした資金の見通しが立たないという点については、私どもとして苦慮いたしておりまして、十分調査いたしまして、費用がかからなければもちろん問題はないと思うのでありますが、現在の段階では、五億とか、そういうような数字になっております。そういう面から、現在の段階でははっきり見通しが立たないわけであります。そういう点を私どもとして十分検討した上で復旧のめどをつけたい、こう考えております。
  57. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 どうも、顧みて他を言うような責任のない御答弁で、私はとうてい納得できない。  私は簡単に結論を聞きたいのです。これは、復旧して、必ず汽車を通しますかどうか、これを確言していただきたいのであります。
  58. 増川政府委員(増川遼三)

    ○増川政府委員 大湊線につきましては、必ずや近々のうちに復旧に積極的にかからせる考えであります。  大畑線につきましては、大湊線の関連におきまして、その次の段階に引き続いて手をつけるというたてまえで、現在、私どもとしては指導しております。
  59. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 どうも、たてまえとか調査とかいうようなことのようでありますが、これは必要があってできた線でもあり、現在だってこれは相当活用されている線なんです。それがこういう災害にあって、復旧してもらいたいという大きい政治的要請があるのに対して、何かはっきりしない、煮え切らないものを感じさせられるのは、私たち災害地の者としてもまことに不満にたえないものを感ずる。これははっきりと答弁願いたい。
  60. 増川政府委員(増川遼三)

    ○増川政府委員 大畑線につきましても、これを廃止するという考えは、現在のところ、当局といたしましては持っておりませんから、必ずや復旧ということで国鉄を督励いたしたいと私どもとしては考えております。
  61. 森田委員(森田重次郎)

    ○森田委員 まあ、そこまで御答弁願えればそれでいいわけでありますが、どうも、はなはだ不用意な発言が地方の関係当局から発表されたり何かするので、どうしても地元としては納得できない空気がいま一ぱいになっている。そういうようなわけでありますから、きょうの御答弁のとおり必ず実行する、ひとつこういうことに一日も早く手をつけていただきたい、こういう要請をいたしまして、私の質問を終わります。
  62. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 池田清志君。
  63. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 先日の当委員会におきまして、佐藤総理大臣にお出ましを願いまして各党の者が質問いたしました。その際におきまして私は災害に対する一連の制度を申しまして、それを改善する意思ありや、ことに基準の改定ということを含めて改善する意思ありやということを問うたのに対して、佐藤総理は改善することを検討しておる、こういうお答えでありましたが、そのことにお変わりございませんか。
  64. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 先ほど八木長官からお答えをいたしたと存じますが、激甚法の指定基準につきましては先般来中央防災会議主事会議を開催いたしまして、局地災害救済を含めてその扱い方を協議いたしておるのでございまして、いろいろと問題点がございますが、何とかすみやかに結論を得て、かような基準の問題等につきましてもひとつ根本的に見直してまいりたい、かように考えております。
  65. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 先ほど法五条、六条、十二条と発表をしたということでございました。これに対しまする基準は、現行のとおりになっておる基準による発表でございますね。
  66. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 さようでございます。
  67. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 現行の基準によるにいたしましても、それ以外の事柄、たとえば公共の関係、学校の関係、漁業の関係、林業の関係、農林水産などなどいろいろ激甚災の指定を願いたいという項目が多いのでありますが、これについてはどういうふうに前進されますか。
  68. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 いまの時点におきまして、ただいま御指摘の二章に伴います関連の事項につきましては、まだ指定ができない単独条項が多数ございます。
  69. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 激甚災の指定について基準を改定するという政府の方針は、先ほど来お述べになったとおり、総理が約束しておるとおりであります。現地そしてまたわれわれといたしましては、早くそれを改定して早く実現してもらいたい、こういうことであるわけでございますが、これについては促進の度合いはどうですか。
  70. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 ただいま申し上げましたように、この基準の改定にまでなりますと、なかなか各省庁の事務当局におきましても、今後の問題等を踏まえまして、論議の点が多々ございます。私どもは今回の十勝沖の震災に対しましてもすみやかにその問題にまで触れてまいりたいと存じておりまするけれども、ただいま申し上げましたように、いまの時点におきましてはなお幹事会のほうで非常に論議はいたしておりますが、結論を得ておらない状態でございます。
  71. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 災害法制は御案内のとおり風水害に重きを置いてできた災害対策であります。地震については重きを置いておられない。こう指摘されておるのでありますが、今後におきましては地震というものにも重点を大いに置いてもらいたい。そこにおいて各個にわたります基準の改定等の問題を地震について切実に感じるのでありますが、いかがでありますか。
  72. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 激甚法の場合におきましては、必ずしも地震を考慮しておらないというのではございませんで、やはり地震も考慮してあるとはなっておりますけれども、今回のえびの・吉松地区の地震でありますとか、あるいは十勝沖の地震でありますように、非常に局地的な激甚の罹災に対しまして十分でない点が発見をされておりますので、法の精神に照らしましても、私は不備の点は改めていくべきが当然じゃないか、こういうふうな姿で対しております。
  73. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 いま田中長官も言われましたが、激甚地に指定するについて、一般的な広いものを土台としておられる、分母としておられる。局地災害については、看過とは申しませんが、そこまで手が届いてない。その地震及び先ほど質問のありましたひょう害、これは多くは局地の災害です。ですから局地の災害を受けましたところの市町村あるいは災害を受けたところの罹災者、そういう気持ちになって考えてもらいまするならば、その被害が広域でありましょうが、あるいは局地でありましょうが、その対策について区別あるべきでなし、こう考えるのですが、いかがです。
  74. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 法の精神は、被害を受けられました方々を少しでもお助けし、救済する、またその市町村の自治体としても非常な財政負担を何とか国で補ってまいるというのが立法趣旨でございます。関東地方に頻発いたしますようなひょう害等は、おっしゃるとおり非常な局地的なものでございますが、しかし惨たんたる実情でございますので、本日はたまたまひょう害がございましたが、局地的な激甚地震の場合におきましても何とかこういうふうなものが救われるように私どもはつとめてまいらねばならぬ、かように考えております。
  75. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 いわゆる局地の災害に対しましても災害法制を適用し、激甚地指定の基準等を改定して救う、こういう方針をお述べになったものと信じております。  そこで私は、先般も申しましたが、政治において区別があっちゃいかぬと申しました。えびの吉松地震十勝沖地震と、これを市町村単位に被害を比較してみた場合において、青森県下の一番多いのが八戸市、これが百三億、統計に載っておりまする少ないところが六戸市、これが九億円、その間に五つの市、町が入っておるのでございます。これに比較いたしましてえびの町においては一町で六十四億の被害である。吉松町においては二十一億円の被害である。もしそれ青森県下が指定されて、鹿児島、宮崎が指定されないという場合においては、市町村単位に考えた場合に、非常に不公平な政治が行なわれるというわけであります。でありまするから、えびの吉松地震についても十勝沖と一括してこれを救済すべきである、こう考えるのでありますが、いかがです。
  76. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 えびの・吉松地区の方々からごらんになりますれば、今回の処置がひとしからざるを憂えるのだというようなお気持ちであろうと存じますが、私ども何とかこういうふうな局地災害に対しましてもこの救済ができますように、また総理もたびたび御答弁になっておりますような激甚に準じた処置がとれますように、目下努力をいたしております。
  77. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 激甚地に指定されますというと、国庫補助最高八〇%、これに準ずるところのやり方といたしましては符交あるいは起債——特交はよろしいといたしまして、起債は借金でございますよ。市町村が借金を負うのですよ。その借金を負うことなく、特交で八〇%補充するというお約束ができますか。
  78. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 ただいまの御指摘でございますが、私どもはぜひともその準ずるというたてまえのもとに、あるいは予備費あるいは交付金あるいは特交に、最後の帳じりの締めにおきましてはそれに近いものに考えなくちゃならぬ、かように考えております。
  79. 池田(清)委員(池田清志)

    池田(清)委員 私といたしましても、そうしてまたこの委員会全体といたしましても、南北を区別することなく、南北を一括して、市町村の単位で見た場合に、南も北も区別がない、そういう政治をやってほしいということを強く要望いたしまして、終わります。
  80. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 兒玉末男君。
  81. 兒玉委員(兒玉末男)

    ○兒玉委員 田中総務長官にお伺いいたしますが、去る五月十七日の本会議におきまして佐藤総理並びに大蔵大臣は、私の質問に対しまして、今回の一連の災害対策につきましては、総合予算制度がもたらしたその結果において、この災害復旧に対して補正等の措置をやる必要はないのか、これに対しましては、特に大蔵大臣は十分対処するというふうに明確に答弁されております。また、えびのなり今回の地震の特殊性というものが、地域に非常に集中的に局限される、この特殊事情というものは十分今後の課題として検討し、処理をします、こういう御答弁を明確にされておるわけでございますけれども、吉松、えびの地区のいろいろな自治体からの要求に対しましては、特に財政的な問題において、すべてこれが未解決の状態であり、ほとんどその要求は一般災害並みに扱われて、大半が善処を見てない、こういう実情であります。すでに六月の梅雨期を控えまして、復旧できない住民、地方自治体の焦燥感というものは、言語に絶するものがあるわけでございますが、これを含めたところの財政的な問題の解決に、長官としてはどういうふうな御指導をされ、対策本部として、関係各省、中でも大蔵省に対して前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと考えますが、これに対する御所見を承りたいと思います。
  82. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 ただいまお話がございましたごとくに、大蔵大臣におきましても、この処置につきましては十分心得ておると存じますので、私のほうは本部長といたしまして、事務当局に対しまして、目下話を詰めるべく、幹事会その他を通じまして努力をいたしつつある次第でございます。
  83. 兒玉委員(兒玉末男)

    ○兒玉委員 時間の制限もございますので、大蔵省並びに林野庁長官にお伺いいたします。  この前の本委員会における質問に対しまして、林野庁は、この災害に対しましての備蓄材五万立米を用意していると言われましたが、十勝沖地震では一万立米の放出を計画しておる。これに対しましては、その払い下げ対価等についてはいかがな措置をなされているのか。特に吉松、えびの地区におきまして、ボーダーライン層として約六百戸の住民の住宅復旧がどうしても自己資金でできない、そのために、少なくともこのボーダーライン層にある六百戸の国有林材の備蓄材の払い下げについては、二分の一の補償をお願いしたい。これは全然大蔵省のほうがオーケーをしない、こういうふうに聞いておるわけでございますが、この補助策を含めて、どういうふうな措置をとろうとしておるのか、この際、林野庁並びに大蔵省当局にお伺いしたい。
  84. 井上説明員(井上幸夫)

    井上説明員 お答えいたします。  ただいまの備蓄材の払い下げの問題でありますけれども、御質問は、あるいは突っかい棒的なものをということと存じますが、これはただいまその対策措置について検討しております。
  85. 木村(晴)説明員(木村晴吉)

    木村(晴)説明員 お答え申し上げます。  国有林材の払い下げの方針は、物品の無償貸付及び譲与の法律に基づきまして減額し得る場合は、県が直接行なう応急簡易住宅あるいは町村営の公共施設、学校、橋梁あるいは診療所、保育所等が被災した場合における復旧材につきましては、半額払い下げを実施いたしておりますが、一般個人の補修材あるいは復旧材については、これは災害以前の時価でもって協同組合あるいは市町村を通じて随意契約で払い下げるというたてまえをとっております。
  86. 兒玉委員(兒玉末男)

    ○兒玉委員 ただいまの指導部長の答弁は、もう私は何回も聞いて知っておるわけですよ。それであっても、先般来われわれが強く主張していることは、国有林の払い下げになるその材料というものを、市町村、自治体等がまとめて、住民の自力で復旧できない個人に対しまして、町なり県等が一括した形で行なうならば、いま部長が言われたような趣旨というものは十分私は対応できる、そのことは先般来知っておるわけであります。それができないから、できるようにできないのかどうか、こういうことを私は聞いておるわけです。この際特に災害復旧に関連しまして、対象が公共施設等でなければできないということはわかっておりますが、県なり地方自治体が総体的な全体の住宅等の復旧資材としてまとめて行なう形をとるならば、いま部長が言われたような条項に準じて対処できないはずはない。この辺の見解を伺っているわけであります。
  87. 木村(晴)説明員(木村晴吉)

    木村(晴)説明員 実は松代地震のときに包括して払い下げた事例がございますが、これもやはり災害以前の時価で国有林材を払い下げておりまして、その後の処置につきましては地方自治体なりあるいは消防庁等のほうで配慮いたしたことを聞いております。  以上でございます。
  88. 兒玉委員(兒玉末男)

    ○兒玉委員 総務長官、ただいまの林野庁の答弁では全然前進しないわけでありますけれども、先ほど私が申し上げていますように、全体的に非常に被害を集中的に受けた吉松、えびの地区においては、このボーダーライン層六百戸の復旧というものは切実な問題であるわけでありますが、これに対して特に災害対策本部長として、林野庁、大蔵当局とも十分相談していただきまして、私たちの地元の要求にぜひひとつこたえるように、前向きの姿勢で対処していただきたい。このことについての御所見を承りたいと思います。
  89. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 ただいま御指摘の件でございますが、たまたま八木長官がその問題につきまして役所のほうといろいろと交渉いたしましたので、ちょっと副長官から私にかわりましてお答えさせます。
  90. 八木政府委員(八木徹雄)

    八木政府委員 えびの、吉松のいわゆる激甚に準ずる措置というものの中に、それが一つの大きな項目だと私も思っております。いま林野庁の申しておりますように、林野庁自体は、一般民間に対しては災害以前の価格で払い下げる。しかし松代地震のときにはその払い下げ価格に対して地方自治体並びに国が助成をしたということでございますから、林野庁自身の問題ではなくて、問題は自治省並びに大蔵省にかかってくることだと思っております。私のほうはできるだけすみやかに、えびの、吉松に準ずる措置の一環の中でその問題を解決したいということで鋭意折衝をいたしておるところでございますけれども、まだ具体的に、その要請がどの程度あるのか、たとえばそういう措置をしたときにはどれだけのものが要るのかといったようなことの把握もできていないようでございますので、ということは町村から具体的にそういうものに対する石数の要求もないようでございますので、最終結論を得ておりません。得ておりませんが、準ずる措置としての最大の課題として今後ともこの問題には前向きで十分対処するように努力を重ねたい、こう考えております。
  91. 兒玉委員(兒玉末男)

    ○兒玉委員 それでは時間がありませんので、あと二問まとめてお伺いしたいと存じます。  一点は上水道関係の復旧でありますが、この点、先般この委員会における私の質問の、新潟地震等の例を引用しまして、新潟の場合は十分の八の補助を出しております、同じ地震であって、内容については全然変わりないから、この点同様の適用をしていただきたい、これに対しましては副長官も、地域住民に負担のかからぬように対処します、こういう御答弁をいただいているわけですが、現在のところまだその対策は結論が自分のうちでとまってしまって、新潟同様の措置に最終がいってないやに聞いておりますが、この点総務副長官並びに厚生省はどういう取り扱いをしておるのか。  もう一点は、これは大蔵関係になろうかと存じますけれども、松代地震の場合は国民金融公庫なり商工中金等の利率については特に六分五厘にこれが下げられております。しかし、今回のえびの、吉松地区の場合においては依然として八分二厘から八分四厘の高率の適用のまま今日に至っておりますが、同じ形態の地震であってこういう差異があることは、先般来佐藤総理をはじめ、関係責任者が準じてやるという一体その思想はどこにあるのか。きわめて不合理な取り扱いと言わざるを得ない。この辺の見解について、責任ある御答弁と同時に、できるだけ各関係地区の問題が平等に処理されることを強く要望して質問を終わります。
  92. 八木政府委員(八木徹雄)

    八木政府委員 最初の水道の問題でありますが、先ほどの国有林の払い下げと一体に、現行基準の中で操作し得る、これは一つの課題だと思っております。基準がなくて、その場の実情に応じてやれる可能性を持っておるものでございますので、そういう意味で、私どもといたしましては、普通災害十分の五というものを十分の八まで上げられるように、これも鋭意折衝中でございます。この問題と消防の問題と先ほど言った木材の問題とは、現行基準の中で操作し得る可能性のある課題だと思いますので、あくまでも準ずる措置というものは、こういうできるものからやっていくということが一番行政当局としてやり得る問題でありますので、そういう線に従って今後とも一そう努力をして、御期待に沿うようにいたしたい、そういうように念じております。
  93. 松尾政府委員(松尾正雄)

    ○松尾政府委員 お答えいたします。  水道につきましては、いま御指摘がございましたように、新潟の場合の例等もございますので、私どもも、いま副長官からお答えのような、できるだけ高い率で適用すべく、いろいろ資料を集めて検討しておるところでございます。
  94. 井川説明員(井川博)

    ○井川説明員 えびの、吉松地区の中小企業金融の問題でございますが、御質問の六分五厘にはなっておりません。しかしながら、すでに御報告申し上げましたように、国民公庫が中心でございますけれども、そのほか中小公庫、商工中金のほうで災害特別貸し付けを実施しておりまして、貸し付け期間あるいはまた据え置き期間あるいはまた償還期限の延長といった問題について弾力的な処置地元のいろいろな御意見を十分くみながら実施しておるということでございます。御了承いただきたいと思います。
  95. 芳賀委員長(芳賀貢)

  96. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 いままで質問がありましたから、重複を避けます。  第一は、この基準の改定をするとおっしゃるが、目標としては何月ごろまでに基準改定が終わりますか。それは十勝沖、えびの地震、当然遡及するものと思いますが、そのとおりですか。
  97. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 先ほど申しましたように、この基準改定の問題は、何しろ、具体的な応用の問題ではなく、基本的な基準でありますので、非常に各省庁間に議論がございます。私のほうもできるだけすみやかにとは存じておりますが、相当おくれることは、どうぞ御了承いただきとうございます。
  98. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 そうすると、まだ今年一ぱいにとうてい期待できない、こういうことですか。
  99. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 さようには考えておりませんので、一日も早くとは存じております。
  100. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 遡及しますか。基準の改定ということを言っている以上は、十勝沖地震えびの地震に遡及することは当然の前提だと思うのですが、その点どうですか。
  101. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 臨時国会には間に合わしたいと存じておりますが、しかしながら、防災会議の幹事会並びに本会議もなかなかこの問題は抵抗の強い問題でございます。いまの遡及の問題につきましても、今日これをはっきりと申し上げることができないことはまことに残念でございますが、御了承願いたいと存じます。
  102. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 これだけ問題になっておるのは、準ずる措置というようなことを総理が国会で答弁したことに端を発しておるわけです。これが遡及しないのだったら、基準の改定の意味をなさぬですよ。ですから、それははっきりと遡及させるということを、政府として、責任長官として御答弁願いたい。
  103. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 準ずる措置と申しますのは、現行法において何とかこれを処理するということでございまして、基準改定という根本の問題にまでまいりますれば、これは準ずるのではございませんので、当然激甚法が改定せられ、激甚法に指定せられるということでございます。準ずると申しまする以上は、現行法によって行政措置として何とかこれを激甚法適用と同じようなところまで救済をしてまいるということでございます。
  104. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 どうも長官はおわかりにならぬようですが、準ずる措置がいろいろ問題になっておるのは、現在の基準が不備だからなんですよ。その基準を変えろということを各委員がこもごも立って言っておることは、現在の法律では十勝沖地震の場合にもえびの地震にも適用できないからそれを変えろと言っておるのですよ。そうすれば、基準を改定する以上は、十勝沖地震えびの地震適用できない法律改正をしてもらったのでは、ここで言っておる人たちのいままでの質問なり要望が全然無視されることになりますよ。当然遡及するのでしょう。それは国務大臣として当然考えるべきですよ。(「少なくとも努力ぐらいしなさいよ」と呼ぶ者あり)努力じゃなくて、当然遡及すべきですよ。
  105. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 私も小山委員の御発言のとおりに気持ちの上では十分にいたしたいとは存じておりますが、なかなか、ただいまここで明確に責任ある答弁として申し上げられないことをまことに残念に存じます。
  106. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 いまの問題は、私が質問しておりますと、そうだそうだと皆さんおっしゃっておるから、これはこの災害対策特別委員会の総体の意思だというふうにお聞き取り願って、それで善処されんことを要望いたします。それが一つ。  それからもう一つは、えびのの場合には、特にやっかいな問題は、あそこが温泉地帯であり、観光地帯である。ところが地震のために観光客が来ない、観光客が相手の商工業者は物を売れない、こういう状態があるわけですね。松代地震の場合に金利を六分五厘に下げたというのは、いま私の調べたところによると、ある程度時間がたってからのようです。一年か二年続いたものだから、これではたいへんだろうというのでおやりになったようですが、それならば、こういうえびの地震の場合も同じような状態にあるのですから、早晩閣議でもっておきめ願いたいと思いますが、いかがですか。
  107. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 ただいまの八分二厘の分を六分五厘という特別措置をという御要望につきまして、私どももぜひさよういたしたい、かよう考えておって、いまいろいろと、ただいまも御質問が出ましたように各省の関係を調整中でございます。
  108. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 これは法律に基づかずにやったわけですから、閣議ということは最高の政治的な判断においてやったということなんですから、ぜひ最高の政治的判断において、松代地震適用されたと同様に金融及びその利率を引き下げてほしい。これはよろしゅうございますね。  もう一つ最後に自作農維持資金について、これはいま農林省から大蔵省に出しておると思いますが、別ワク扱いを申請しておるについて、大蔵省が異議を唱えているやに聞きますが、大蔵省、どなたかおいでですか。
  109. 大河原政府委員(大河原太一郎)

    ○大河原政府委員 お答え申し上げますが、これは急を要するものでございますので、自作農資金の一般資金の配分につきまして早急に手を打ちまして、とりあえず五千万の配分をするようにいたしまして、通知済みでございます。
  110. 小山(長)委員(小山長規)

    小山(長)委員 以上で終わります。      ————◇—————
  111. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 この際、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同をもって、地震による災害対策に関する件について、本委員会において決議いたしたいとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺栄一君。
  112. 渡辺(栄)委員(渡辺栄一)

    ○渡辺(栄)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派を代表して、地震による災害対策に関する件につきまして、本委員会において決議いたしたい旨の動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     地震による災害対策に関する件(案)先般のえびの吉松地震並びに十勝沖地震により、各地に発生した被害は激甚であり、被災住民の窮状と不安は看過し得ないものがある。本委員会においても、地震発生の都度災害対策の樹立に努力を致して参つたところであるが、これまでの経験に徴し、地震による災害に対する現行災害関係諸法令、諸制度の実態は必ずしも満足すべきものとは言い難い。  現在のところ地震の予知は困難であり、その被害の態様は、津波或いは火災の発生を見るなど複雑多岐に亘るため、住民の生活経営並びに地方公共団体財政に与える影響は特に深刻なものがある。  よつて、政府は、早急に地震による災害対策の根本的確立を図るため、次の諸点について積極的に措置すべきである。  一、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律をはじめ災害関係諸法律の運用に当つては、地震災害など、局地的に激甚なる災害に対処できるよう適用基準の緩和について、速やかに検討を加え改善を図ること。  一、災害発生と同時に地方公共団体の長において、各般に亘り適切なる救援措置実施できるよう制度の改善について検討するとともに、地方公共団体に対する財政的裏付け措置について十分に配慮すること。  一、個人災害に対する援護措置について考慮するとともに、地震保険の充実、災害保険制度について検討すること。  一、地震観測に当つては、研究、観測体制の一元化を図るとともに、気象業務に従事する技術者の確保、諸施設、設備の飛躍的拡充について特段の配慮を行なうこと。  一、最近におけるいわゆる過密現象に即応する大都市の防災態勢の確立について、総合的な立場から早急に措置すること。  以上  決議の趣旨につきましては、皆さま十分御承知のとおりでありますので、説明を省略させていただき、満場一致御賛同あらんことをお願いいたします。
  113. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  114. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  お手元に配付いたしてあります案文のとおり本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  115. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 起立総員。よって、動議のごとく決しました。  この際、田中総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。田中総務長官
  116. 田中国務大臣(田中龍夫)

    田中国務大臣 ただいまの御決議の趣旨を十分体しまして、今後ともに努力をいたします。
  117. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 おはかりいたします。  ただいまの決議の関係政府当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 芳賀委員長(芳賀貢)

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時十五分散会