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西宮委員 政治資金規正法と同時に
提案をし、同時に
審議をしてほしい、こういうことでありますが、私もその点は全く同感であります。むしろ厳密な
ことばの使い方をするならば、私は
政治資金規正法をまず出して、金のかからない
選挙をやる、こういうことを大前提にしてその上で
自由化を推進する、こういうことでなければならぬと思うのです。いわゆる
自由化と称するやつが先行いたしまして、しかも金のかかる
選挙を
規制するということが何ら行なわれていないということになると、これはもうはなはだしい弊害を生ずると思う。同時にという表現でもけっこうでありますが、厳密に言うならば、
政治資金の
規制が先行すべきであるというふうに私は思います。
それから、いま
大臣は一つの例として戸別訪問の問題を引用されましたけれ
ども、私もこの点はかなり問題があると思うのです。なぜならば、戸別訪問というのが
選挙運動の本来の姿であるかどうか、非常にその点にまず疑問があると思うのです。これは政党が政策の普及をするのだというふうに、当時中間案として発表された中にはそういう表現がありましたけれ
ども、実際の現実は、そういう政党の政策普及員が政党の政策を普及するというようなことではなしに、全く
候補者に直結をした運動員が、頼みます頼みますということで言って歩くという結果になってしまうと思うのですよ。一つの
選挙区に複数の
候補者が立つわけでありますから、その際に、そのいわゆる普及員なる者は政党の政策だけを論ずるというのではなしに、その
選挙区内の甲を頼みます、乙の運動員は乙をよろしくということで言って歩く、こういう結果に終わってしまう。それに終始してしまうと思うのです。ですから、そういうやり方が
選挙運動としてあるべき
選挙運動であるかどうかということに私多大の疑問を持つので、いま
大臣、戸別訪問について問題があると言われた点は、問題があるという点については私も同感であります。
いろいろお尋ねをしたい点もたくさんありますが、時間もありませんので一つだけ。
伝えられる中間案では、たとえば
選挙費用をもう少し現実に合うものにしたい、こういう案もあったようであります。私は、何も
選挙費用を増額しろということを言うのではありませんが、およそ世の中で、この
選挙費用ほど実態と届け出その他が不一致であるという点で極端なものは、まずないのではないかというふうに
考えるわけです。そこで、これは局長でけっこうでありますが、この点を何とかもう少し是正できないものであろうかどうか。たとえば一日の食費は何円である、そしてその食事を出す人数は何名である、こういうふうに規定をされているから、届け出のときには何百円掛ける何人ということで計算して届け出をする。要するに、そういうふうに
法律に書いてあるからそのとおりに届け出をするということだけに終わっておって、それではもうこれは当然に
選挙費用のワクの中で経理をされているという届けになっていることはもちろん当然でありますが、しかし、これは現実に必ずしも一致しておらない。というよりも、むしろかなり実態を離れておる報告がなされておると思うのですね。大体衆議院の場合に
選挙費用の限度は二百五十万ぐらいが平均だといわれておるのでありますが、実際の届け出は、みんな百万台で届け出をされているわけです。それで実際にあがるというならたいへんけっこうな話だけれ
ども、実際はそうではない。ただ
法律にそう書いてあるから、その
法律に書いてあるとおりに届け出をする、こういう結果に終わっておるわけですね。それではおよそ
意味がないと思うのだけれ
ども、何かもう少しこれを現実に即した届け出をさせる、したがってそういう立場で
規制を加える、こういうことにもう少しうまい
方法がないかどうか、知恵がないかということを痛感するのですが、どうですか。