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伏木委員 それでは、後ほどこの問題については伺うこととして、私は、前回の
選挙と比べて地域的な、あるいは生活条件による問題でないということは、
あとで資料をいただけば明らかになってくると思います。したがいまして、この問題についてはこの程度にしておきたいと思いますが、先ほど申し上げました
選挙の運動に欠陥があるのではないか、本来の
選挙の公平を欠いてしまうような今日の
選挙運動自体に、私は問題があると思います。したがって、
選挙運動の
自由化が叫ばれておるわけですが、最近、自治省等の見解を伺いますと、戸別訪問につきましては、制限つきで戸別訪問を許可するという、こういうような問題が出ております。しかし、この制限つきも、二十人や三十人のワクにとどめるというのであれば、従来と一向変わりがないと思います。この戸別訪問禁止につきましては、憲法の二十一条にうたわれている表現の自由を明らかに逸脱するものではないか、私はこう
考えます。
これは従来から申し上げてきた点ですが、実はきょうの
新聞に、和歌山県の妙寺簡易裁判所で開かれた
公職選挙法違反の裁判の判決の問題ですが、この裁判所で安倍裁判官は、戸別訪問違反の被告に対しまして、
公職選挙法の戸別訪問で罪に問うのは憲法に認められた言論表現の自由を侵すものである、こうはっきりと打ち出しました。従来、こうした戸別訪問につきましては条件つきで無罪の判決があったものを、今回の判決は、全面的に憲法二十一条の立場から、無条件でこれを無罪としている、こういう判決が昨日あったようであります。このように、今日、全国の裁判所が戸別訪問の緩和をいっております。また、昨日の裁判におきまして、憲法二十一条の精神から戸別訪問は無罪であるとはっきり断定を下しているわけです。それに対して、いま自治省が
考えている制限つきの戸別訪問という問題は、私は大きな問題があるのではないか。かりにそういう
法律をつくっても、裁判所においてどんどん無罪にしていくことになると、この
選挙法
自体が憲法に違反するものであるという点が明らかになってくる、私はこう
考えるわけです。したがって、これは基本的な問題として、もう一回
自治大臣の御見解を承っておきたいと思います。