○大久保
委員 大臣がお急ぎでございますから、私は
大臣に一言だけお
答えを願って、
あとは自重計の問題に主として関連して
事務当局に
質問いたします。
事務当局からよく
大臣に報告してもらいたいと思います。
大臣にお尋ねしたいのは、先般来予算
委員会で、
大臣の御欠席のときに政務次官あるいは
事務当局から答弁を得ているものでありまして、
大臣にこの際お
答えを願っておいたほうがよかろうと思う二点だけについて申し上げます。
一つは、むち打ち
対策につきまして昨年の暮れ私は
質問をいたしました。それに対して運輸省の
事務当局から、
整備部長から、翌年すなわち四十年の四月にはぜひ安全基準を出します、こういう
答えがあった。なかなか国会で
質問しましても、
事務当局が約束したことを実行するためしはめったにありません。しかし、今回の運輸省の
事務当局はこの国会答弁を忠実に守って、四月に案を提示して、目下それが確定に向かって努力をしておるところであります。これは私はまことに言行一致であって、りっぱだと言って先般の
委員会で称賛をしたわけであります。そこで、この安全基準はきわめて重大な問題でございます。運輸省が今回やろうとしておられるのはまことに画期的な安全基準の策定であります。ところが、
日本の
自動車メーカーが新聞にほとんど一ページ使って広告しているのを
大臣もごらんになると思いますが、あれは何と書いてあるか読んでみますと、アメリカの安全基準を上回ると書いてある。これはおかしいじゃないかと私は思う。
日本の新聞で
日本のユーザーに向かってメーカーが宣伝をするのに、アメリカの安全基準を上回るとはどういうことだと言って、この間私はメーカーを参考人として呼びましたときに厳重な忠告をいたしておきました。もっとそういうことよりも
日本の安全基準をなぜ書かないのか。またそれはいままで安全基準に対する運輸省の怠慢でもあったのじゃないということを申し添えておきましたわけでございます。
そこでこの安全基準は、
自動車が国際化した今日においては、一国だけの安全基準であってはならないのであって、
日本のように
自動車を国外に輸出をするといったような際におきましては、相当国際性を持たせる必要もあるわけであります。そこで国際的な
自動車の、安全基準の会合といたしまして、ヨーロッパにECEという会合がある。これはヨーロッパの各国が相互に集まって安全基準の策定をしておるわけであります。このECEの機構に、アメリカは域外国であるのに、正式メンバーとして参加をしておる。しかるに
日本は
自動車の生産が世界第二位であるのに、このECEには参加できない。
自動車局長が行って傍聴をして帰っておる、こういうことであります。
そこで私は外務省に向かって、外務省は何をしているのだ、まことに追随外交もはなはだしいのではないかということを言って外務省にやかましく言ったわけであります。ところが外務省は、通産省と運輸省からこれに対する強い要請がございませんから申しません、こういうのであります。全くくつのひもを結ぶ外交であって、言われぬから言わぬという外務省のやり方もまことに私はなっておらぬと思うのでありますけれども、通産省と運輸省からこれに対する強力な発想がないのも私はおかしいと思うのであります。そこで、先般通産政務次官と運輸政務次官がおそろいの席上で、両政務次官が
大臣にかわって何とこれに対して
考えられるかということを
質問しました結果、両政務次官とも、外務省に向かって厳重に、強硬に申し入れをいたしますというそろっての答弁がございました。きょうは通産
大臣は出ておりませんけれども、
運輸大臣は実行力におきましては通産
大臣を上回る
大臣だと思いますから……。そこで私はこの両政務次官が言ったことを
大臣も一ぺんお聞き願って、この点に対する
大臣の政治的判断をお聞きしたいことが
一つであります。
それからもう
一つは、この試験
設備であります。アメリカのような
自動車の発達した国におきましても、昨年でございましたか、
自動車のメーカーあるいは
自動車に関連する官庁等が全部集まりまして、そうして
自動車の強力なる試験研究
設備をつくろうということを決議をいたしまして、すでにいままでも相当アメリカは進んでおりますが、なおその上に強力なる推進をしようという申し合わせをいたしておるようであります。私もせんだって谷田部の試験場を視察をいたしましたが、
民間で相当大きな試験
設備をつくっております。ところがどうしても安全基準を運輸省がリーダーシップをとって引きずっていくからには、それだけの自信のある試験研究の結果、これでいけという基準を示さなければいかぬと思う。ところが運輸省の試験研究
設備というのはどうなっておるかと申しますと、これは御承知のとおり船舶技術研究所の片すみに細々とともしびをともしておる、こういう形であります。死傷者六十六万人をこえる、ことしは昨年を上回る新記録が出るというこの際におきまして、私はまことにさびしい話であると思う次第であります。そこで
大蔵省は、通産省と運輸省と試験研究
設備が二つあるのはおかしいじゃないか、こういうことを言うかもしれませんけれども、これは通産省の研究は
民間の生産と密着した研究であろう、またそうあるべきである、運輸省は安全基準を出していくという上において、これは
一つの行動の、独自な
考え方を打ち立てていかなければならない次第であって、これは両省から出たってちっともそれは矛盾ではないと私は思っておる次第であります。八月から次の年度の予算にも入っていくわけでありますから、新しい年度におきまして、この点につきまして
大臣はどうお
考えであるか。アメリカのような国ですから、いま非常に大々的な試験研究
開発設備——衝撃試験というものは全く新しい分野の試験研究でございますから、これに対する
大臣の清新なる感触の御発言をひとつ願いたいと思う次第でございます。その二点
大臣から
お話を承って、お引き取り願ってけっこうであります。