○小林
説明員 全般的に都市の開発と交通
施設との
関係でございますが、これは都市
計画そのものといたしましては、まず
道路等の公共
施設は、これは公共団体がつくるわけでございますが、その発生源になりまする建築物は、私人の土地の上に私人が建てるわけでございます。特に大きな資本でビルがどんどん建つということが、
道路交通との
関係でどうなるかということが、特に都心部等においては問題になっております。そこで、
昭和三十七年に建築基準法の改正に伴いまして、容積地区制という制度をとりまして、建築物の容量、延べ床面積を、
道路の交通容量との
関係から一定限度で押えるという容積地区制をとりまして、東京都におきましては、環状六号線の内側について三十七年にその指定をしたわけでございます。すなわち、都心部に近いほど
道路が広くなっておるわけでございます。したがいまして、そういうところにつきましては、建築物の容量を高くする。たとえば丸の内のように、
市街地の面積に対する
道路の占める割合が四〇%をこえているというような西欧並みの町並みが整っておるところにつきましては、敷地面積に対して一、〇〇〇%、十倍の面積を許す。しかし、だんだん都市の形は富士山のすそ野のように中央部に集中し、周辺がすそ野のように低くなるわけであります。したがいまして、建築物の容量を、外側になるほど容量の制限を低く押える。したがって、また一というのは、つまり
道路の
整備状態とか、
道路の
計画が外ほど疎になるということであります。これは大体都市の
道路の形態が、周辺部から放射状に中へ入っている。したがって、中ほど密になり、外ほど疎になるという
関係でございます。
そこで先般、環状六号線の外側につきまして、大体環状七号線との間にも同様の容積制限をいたすことにしたわけでございます。それで問題の、本日の
新聞にも出ておりました大井地区の問題でございますが、ここには現在、
計画街路といたしましては、補助線二十六号という
道路が
計画されておるわけでございますが、従来、
建設省の街路の補助方針といたしまして、大都市につきましては、きわめて広幅員の幹線街路にだけ補助金をつけておりまして、こういうやや補助的な
道路には補助金をつけておらなかったわけでございますが、東京都から
昭和四十一年に、いまのような問題の
道路の
整備が必要であるということで要望がございまして、
建設省としましては、四十二年度、四十三年度、それぞれ補助金をつけて工事をやっておるわけでございますが、その個所を東京都の要望では
——補助二十六号線と申しますのは、いわゆる中央線で申しますならば、中野駅の付近から青梅街道に出る、いわゆる中野通りの延長で、いわゆる環状六号線、七号線の間の
一つの補助的な、環状線の一部をなすものでございます。特に中原街道と第二京浜
国道との間、この中に非常に詰まっておりますので、中原街道から第二京浜
国道の方向に向けて、四十二年度から、四十二年度三億円、四十三年度三億九千万円の事業を
計画いたしまして、それだけの所要の補助金をつけたわけでございますが、まだ、この問題の大井の付近は、第二京浜
国道を越えまして、さらに第一京浜
国道までの間にあるわけでございます。そこで、ただいまの
整備計画としましては、中原街道と第二京浜
国道の間を極力早くやりたい。したがいまして、大井の工事は、それができてからということで、やや後年度になるわけでございます。実は、これだけの
予算を東京都の要望によりましてつけたわけでございますが、用地買収が、いまのところ遅々として進んでおりませんので、実際は、この
予算が消化できないという情勢でございます。しかし、あの方面の交通混雑というのは放置できませんので、これは極力推進してまいりたいというように考えております。
それから次に、放射四号線、玉川通りの問題が、いま御
指摘がございました。これは、御
指摘ございましたように、本年、今月の末に
東名高速道路が東京−厚木間が開通いたします。続きまして来年の春には、東京−名古屋間が全線開通いたすわけでございます。それに伴いまして、相当の車がそれを通じて都内に流れ込んでくるわけであります。これをさばく問題としましては、まず
東名高速道路を通りまして直接都心へ入ってくる車、これは大部分が放射四号線、いわゆる玉川通りを通じて入ってくるであろうと考えられます。この玉川通りにつきましては、すでにオリンピックの際に拡幅を終わっておりまして、大体十二時間当たり四万五千台
程度の能力があるわけであります。しかし、去年九月の交通量の
調査によりましても、すでにその能力をこえる交通量がありました。上馬の環状七号線の
交差点では、去年の九月の
調査では五万五千台をこす交通量がございました。ここで申しました四万五千台の交通容量と申しますのは、大体信号一回で渡れるという
程度でございます。これが、それをオーバーしておりますので、ラッシュ時には一回で渡れないという
程度の込み方になっておるわけでございますが、これをこのまま放置いたしますと、
昭和四十六、七年ごろには、玉川通りの交通というのが、現在の甲州街道の
程度にまで込み出してしまう。したがって、三軒茶屋とかあるいは上通四丁目のような主要な
交差点においては、現在の甲州街道の大原
交差点で見られる
程度の混雑になるおそれがあるわけであります。これを救済いたしますのには、きわめて強力な
高速道路を都心に直通させる必要がございますので、現在、都心から
渋谷まで来ております首都
高速道路三号線を
東名高速道路に直結をする必要があるわけでございます。
東名高速道路の開通の時期が大体わかっておりましたので、ほんとうは開通までにこの延長工事ができていることが望ましかったわけでございますが、諸般の事情でおくれておりましたが、四十二年度から着工をすることになりまして、現在用地買収にかかっているわけでございます。
ただ問題は、放射四号線に現在、玉川電車が路面で残っておりますので、この玉川電車を何とか処理しない限り、
高速道路がつくれない。それで、
高速道路のルートにつきましても、いろいろ地元に
意見がございましたが、結局、現在の放射四号線のまん中に足を立てまして通るということに決定したわけでございますが、たまたまそのまん中に、上通四丁目から新町までの間は、玉川電車と競合いたしまして、これにつきましては、一応、地下鉄工事をやる場合と同じように、路面に覆工いたしまして、電車を一時横に移設をして工事をしたい、こういうふうに考えていたわけでございますが、たまたまそれと並行しまして、三軒茶屋と大橋の間は、玉川電車とは別に、東京急行電鉄が、二子玉川から
渋谷までの新玉川線というものを地下鉄なり高架線で建設する免許を持っておりますので、
高速道路だけを先行いたしますと、あとで地下鉄がつくれなくなる、こういう問題がございます。民間企業でございますので、先行
投資をするということはなかなか困難であるというような事情がございまして、
建設省と東京急行あるいは首都
高速道路公団といろいろ折衝いたしました結果、三軒茶屋−大橋間では地下鉄を東急が先行的につくろう、その工事は首都
高速道路公団と一緒にやろうということで話がついているわけでございます。大体現在の見通しでは、順調にまいりますれば、四十六年には
高速道路が
渋谷まで直結をすることができるであろうと考えておりますが、この
高速道路は大体六万台の処理能力がありますので、現在の四万五千台の下と上下合わせまして十一万台
程度の交通がさばけるため、四十六年度ごろにおける交通量を推定いたしますと、大体八万台
程度になるのじゃないか。そういたしますと、十万台あるいは十一万台の交通能力に対して八万台ばかりでございますので、その時点においては十分これが処理できるのではないかと考えております。ただ、工事中につきましては、交通量は相当ふえると考えなければいけない。したがって、工事中の交通処理はどうするかというのが
一つの問題でございますので、その点につきましては、全面的に鉄板で覆工をして交通を確保し、かつ、舗道を一部暫定的に削りまして狭くして、車道の幅員を確保するということによって工事を進めたいと思います。
なお、それにいたしましても、三軒茶屋の
交差点でございます。三軒茶屋がかなり込むおそれがございますので、この三軒茶屋の
交差点を一部立体交差にするという工事を同時に並行して行ないたいと思います。
それから、都心部以外のほうへ
東名高速道路から入ってくる車につきましては、これは環状八号線を早急に建設することによりまして、北及び南にこれを迂回させて所要の放射線を通じて都内に入るという必要がございます。現在、環状八号線は大体今年度一ぱいに甲州街道までできるわけでございますが、問題は、途中で京王線と小田急と交差をしなければいけない。現在、小田急も京王電車もいずれも平面を走っておりますので、これを電車のほうをむしろ高架にするという必要がございます。それで、これはやはり相手方が私企業でございますので、相当部分を
道路側で負担をしてこれを上げていただく。この折衝がややおくれておりましたけれ
ども、現在はすでに着工しておりますので、大体四十五年ぐらいには両方とも高架になるのじゃないか。ただ問題は、その間どうするかという問題が
一つございますので、この点につきましては現在各方面と折衝しておりますが、暫定的に平面的な踏切をつくるということも一案ではないかというように考えております。
それからもう
一つ考えられますことは、環状八号線と放射四号線との
交差点でございますが、この点についても立体交差を考えております。