○
板川委員 ひとつそれはこういう発言もあったので、
関係者が
検討してみてください。
それで、これは今度
アメリカの場合と逆に、
アメリカの車を
日本で売る場合には右ハンドルに直してこい、こういう指導をしたっていいのである。
アメリカの
安全基準ばかり
日本が守って、こっちの
安全基準を向こうの車が守ってくれないのでは困るのであって、そういう点は今後はひとつしかるべく主張をしてもらいたい、こう思います。
それから、もう二つばかり伺いたいのですが、大久保さんの話にも
関係しておるのですが、二月二十七日の朝日
新聞に、邦正美という人が「米国の
安全運転教育」ということで、わりあいにまとまった論文といいますか、報告書があるのであります。これは、米国では交通
安全というものの三つの
条件というものをどう考えているかというと、第一は
自動車道を整備することだ。そうしてその
自動車道に交通標識を整備する。これが交通
安全の
一つの
条件。第二の
条件は、
自動車の
安全構造というものを高めていく。いま報告されました
安全基準というようなものをさらに高めていく。これが第二。第三として、
安全運転の制度的教育の充実だ、こう言っております。特にそこで強調しておるのは、第三の
安全運転の制度的教育の充実ということをわりあい詳しく報告しております。そして、米国では
自動車の
安全運転の教育を小学校、中学校、高校で実際教育を行なっておる。そしてこれは必須科目になっておるのだ。またその教育を受けたからといって免許がただでくるのじゃないのだ。こういうことで、この
安全交通というものに対して基礎的教育をやっておる。その費用はどうかというと、
自動車メーカーが各小中高校に車を寄付したり、ガソリン
関係者がガソリンを寄付したりして、その費用の七割はそういったカンパによって教育を行なっておる、こういうことです。そういう点からいいますと、この
日本の
メーカーなどはいま少し
安全教育というものに理解と協力を持つ必要があるのではないだろうか、こう思うのです。
これは
運輸省でも通産省でもいいのですが、
自動車の
生産台数と保有台数を四十二年から四十五年までちょっと言ってみてくれますか。わかりますか。——四十一年が
生産台数が約二百三十万台、四十二年が三百十五万台、四十三年が四百万台、四十四年になると五百万台になるのではないか。
アメリカの
生産台数が、四十二年が九百二万台というのですから、人口の割合からいうと、人口が
アメリカは
日本の二倍ですから、
日本の四十三年の四百万台というのとほぼ一致するんです。そうして保有台数も
昭和四十五年では千八百五十万台になる、こう言っておるのです。こういうように
生産台数が年々百万近くふえてき、保有台数が年間二百万台から三百万台ふえていく、こういうことになりますと、
日本の交通事情というのが全く変わって、
自動車のはんらんによって交通が非常に渋滞をする、こういう状況になりつつあると思うのですね。
これをヨーロッパの諸国と比較してみたのです。
日本の場合には、面積の八割以上が山岳地帯ですから、面積当たりというだけじゃいけないと思うのです。そこで
日本の関東地方、オランダ、ベルギー、これは面積が大体同じようですから、この関東地方、オランダ、ベルギーと比較してみた。関東地方の面積が、平方キロにして三万二千、オランダが三万四千、ベルギーが三万一千。そして一平方キロ当たり人口密度というのは、関東地方が八百十六人、オランダが三百六十六人、ベルギーが三百十人、そしてその
自動車の保有台数を一九六五年で比較しますと、
日本が二百四万台、オランダが百五十三万台、ベルギーが百五十七万台ということになる。しかしこれは一九六五年、二年前の話で、これを六七年、
昭和四十二年で比較いたしますと、
日本は三百十万台見当になるのですね。ですから、オランダ、ベルギーよりも面積当たりで人口は約二倍半、そして
自動車の保有台数も約二倍ということになります。ですから、この関東地方という平野の地域、この地域を見ますと、ヨーロッパよりも人口も非常に多いし、
自動車台数も多いということになるのですね、これが
昭和四十二年で比較して。しかも四十二年の保有台数一千万台が、四十五年、三年後には一千八百五十万台になるというのでしょう。これは
運輸省の
資料でちょっと見たのですが、四十五年で一千八百五十万台、こういうように急速に
自動車がふえていった場合に、一体この関東地方、東京を
中心とする首都圏の交通事情というものはどういうふうに
変化するだろうか、こういう点を
運輸省なり交通警察なり建設省なりというものがひとつ本気で考えないと、
自動車のはんらんによって交通が渋滞をして、結局文明の利器だといいながら、それが効力を発揮しない、こういう
条件になるのじゃないでしょうかな。これをひとつ、交通
安全というのか、そういう立場から見ても私は問題だろうと思うので、
自動車の保有台数の
増加に伴う交通
安全というものをどういうふうに考えておるか、ひとつ各省で
意見を出してもらいたいと思うのです。