運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1968-03-05 第58回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月五日(火曜日)    午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 門司  亮君    理事 大久保武雄君 理事 大竹 太郎君    理事 木部 佳昭君 理事 登坂重次郎君    理事 濱野 清吾君 理事 板川 正吾君    理事 兒玉 末男君 理事 河村  勝君       加藤 六月君    亀山 孝一君       河野 洋平君    田中 榮一君       井上  泉君    太田 一夫君       加藤 勘十君    古川 喜一君       松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中曽根康弘君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     赤澤 正道君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      田中 龍夫君  出席政府委員         総理府総務副長         官       八木 徹雄君         内閣総理大臣官         房陸上交通安全         調査室長    宮崎 清文君         警察庁交通局長 鈴木 光一君         運輸大臣官房長 町田  直君     ————————————— 二月三日  委員大石八治君辞任につき、その補欠として山  口シヅエ君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 二月十九日  交通事故防止国民運動に関する請願(原健三  郎君外二百八十名紹介)(第一二〇〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 門司亮

    門司委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めることといたします。  この際、交通安全対策に関して田中総理府総務長官、さらに中曽根運輸大臣赤澤国務大臣、これらの方々からそれぞれ所信を聴取することといたします。  まず最初に、田中総理府総務長官からお願いをいたします。
  3. 田中龍夫

    田中国務大臣 田中龍夫でございます。よろしくどうぞ。  このたび、今国会における交通安全対策特別委員会の審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府方針を申し述べたいと存じます。  御承知のとおり、わが国経済の成長に伴います輸送需要増加は、ここ数年来自動車台数の急激な増加をもたらし、これが交通事故発生一つの大きな要因となり、交通事故による死傷者は、逐年増加する傾向を示しております。昨年におきましては、交通事故による死傷者は、死者数一万三千六百十八人、負傷者数約六十五万五千三百人で、一昨年に比べまして、死者数では幸い若干減少いたしておりますが、負傷者数は、遺憾ながら大幅な増加を見ており、わが国交通事故は依然として楽観を許さない状況にございます。  このような趨勢に対処いたしまして、政府は、従来から人命尊重の見地に立ちまして、交通安全の確保政府の最重点施策一つに取り上げ、歩行者保護重点を置いた交通安全施設整備交通安全思想普及徹底、安全な運転確保交通秩序確立被害者救済対策強化等の総合的な交通安全対策を強力に推進してまいりました。今後も、これらの施策推進に一段と努力をいたす所存でございます。  このため、政府は、昭和四十三年度予算編成にあたりましては、前年度に引き続き、交通安全施策推進に必要な予算確保に特に配慮をいたし、財政規模増大が抑制されているおりにもかかわらず、交通安全対策関係予算として前年度の当初予算額に比し約四七%増という総額約五百九十七億円を計上いたしておるのでございます。  以下、当面の交通安全対策重点事項を申し述べます。  まず第一に、交通安全施設整備につきましては、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急措置法に基づきまして、交通安全施設等整備事業三カ年計画に定める事業として、昭和四十二年度及び昭和四十三年度の両年度におきまして、歩道横断歩道橋、防護さく、信号機等交通安全施設を大幅に整備し、危険度の高い既存の道路、特に通学通園路における交通の安全の確保をはかる所存でございます。  また、踏切道改良につきましても、同じく通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急措置法に基づきまして、昭和四十二年度及び昭和四十三年度の両年度において、踏切道緊急整備計画に定める事業として、踏切道構造改良及び保安設備整備を促進することといたしておりますが、これらの事業とあわせて、踏切道立体交差化踏切道統廃合等事業を強力に実施いたすことにより、危険度の高い踏切道改良をはかる所存でございます。  なお、御承知のとおり、本年七月以降、交通安全対策特別交付金交通安全施設整備のため都道府県及び市町村に交付されることとなりますが、これにより地方公共団体が行なう交通安全施設整備が飛躍的に促進されるものと考えております。  第二に、交通安全思想普及徹底につきましては、学校における交通安全教育の一そうの充実強化をはかるほか、春秋二回の全国交通安全運動実施交通安全国民会議の開催、都道府県及び市町村における交通安全に関する地域総ぐるみ運動推進等あらゆる手段及び機会を通じまして、広く国民一人一人に交通安全思想普及徹底するよう努力いたす所存でございます。  以上のほか、学校における交通安全教育を一そう効果的に行なうため、昭和四十三年度からいわゆる交通安全教育センター全国主要都市整備することといたしております。  第三に、安全な運転確保につきましては、自動車運行管理安全運転管理及び運転者に対する労務管理改善運転者改善対策推進車両検査充実車両構造装置安全性向上等につきましてさらに一段と努力いたすとともに、このたび施行されました土砂等を運搬する大型自動車による交通事故防止等に関する特別措置法に基づく諸措置によりまして、ダンプカー等による重大事故の絶滅を期する所存でございます。  第四に、交通秩序確立につきましては、酒酔い運転、無免許運転等のいおゆる交通暴力排除するため、従来に引き続き強力な取り締まりを行なう所存でございますが、今後は、これとあわせて最近増加傾向にある追突事故等防止のための取り締まり徹底及び安全な運転確保に関する雇用者等責任体制確立をはかる考えでございます。  第五に、被害者救済対策強化につきましては、救急自動車整備増強等救急業務体制強化をはかるとともに、脳神経外科を含む救急医療センター整備を中心とした救急医療体制整備等をさらに強力に進める所存でございます。  次に、損害賠償問題、更生問題等交通事故被害者にかかる諸般の問題に関する相談活動につきましては、各都道府県交通事故相談所充実強化する等その一そうの積極化をはかる所存でございます。  第六に、交通の安全に関する科学的研究推進につきましては、関係各省庁の試験研究機関充実及び総合的研究推進をはかることによりまして、その研究体制をさらに充実強化する所存でございます。  最後に、以上申し述べました交通安全施策につきましては、これを総合的かつ計画的に推進することが何よりも必要と考えられるのでありますが、この点につきましては、現在総理府で行なっております交通安全行政に関する総合調整の機能の一そうの強化につとめ、総合的な交通安全施策をより強力に推進いたす所存でございます。  以上、簡単に政府交通安全対策方針について申し述べまして、ごあいさつにかえる次第でございます。
  4. 門司亮

    門司委員長 この際、田中総理府総務長官に対する御質問は後日に譲ることといたします。  それでは、次に中曽根運輸大臣
  5. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 運輸大臣といたしまして、交通安全対策に関する所信を申し述べたいと存じます。今日、運輸省が所管しております行政は、陸、海、空の各分野にわたっておりますが、いずれの分野におきましても交通国民生活に密接な関係を持っており、交通活動はそのまま国民の日々の生活を左右しているのであります。したがって、国民生活遂行のため最も重要なことは、交通における安全の確保であると信じております。ところが、最近における交通事故発生状況を概観いたしますと、残念ながら事故は必ずしも少なくなっておりません。  道路交通事故は一日平均三十七人もの人命が奪われ、一千八百人にのぼる負傷者を出しております。鉄道においては、保安施設整備の進捗により事故は漸次減少傾向にあるとはいうものの、踏切事故は依然としてあとを絶ちません。船舶の海難についても、件数横ばい状態でありますが、遭難船舶一隻当たりのトン数は増加する傾向にあり、航空についても、一昨年は数多くの貴重な人命が失われたのであります。交通国民生活の根底をなすものである以上、このような交通事故の多発は、国民生活を脅かすおそれがあるといわねばなりません。かかる情勢に対処し、運輸省におきましては陸海空を通じ 一、線路増設、港湾、航路、空港の整備等による交通容量の拡大 二、踏切道航路標識航空路保安施設気象業務等交通安全施設及び業務整備 三、車両船舶航空機等可動施設安全性の向 四、安全運転確保のための人的対策 五、巡視船艇航空機等整備による救難体制充実、並びに自動車損害賠償保険制度等被害者救済 六、安全のための科学技術研究体制充実等さまざまの角度から施策実施してまいっておりますが、私は、さらにこの際、安全行政基本姿勢を正し、国民全体が一丸となって安全確保に徹する必要があると考え、昨年十二月十日から本年一月十日までの間、年末年始輸送における交通安全特別総点検を実施いたしました。その結果、この期間においては前年同期間に比し、事故件数死傷者数とも相当程度減少を見ることとなりました。もちろん私としては、これをもって満足しているわけではありません。  私は、人命尊重基本理念に基づき、安全の確保運輸行政における最も重要な課題の一つであると考え、これを一そう強力に推進する所存であります。その手始めとして、海上交通について、交通量の著しい増大にかんがみ、交通規制及び交通災害防止を目的とした海上交通法案(仮称)を本国会に提案いたしたいと考えております。また船舶安全性を一そう向上させるため船舶安全法の一部を改正する法律案を提案いたすこととしております。  なお、本年度の具体的な安全施策推進するための諸経費については、別途御説明申し上げさせることといたします。何とぞよろしく御指導、御鞭撻をお願いする次第であります。  以上はなはだ簡単でありますが、これをもって所信表明を終わります。
  6. 門司亮

    門司委員長 中曽根運輸大臣に対する御質問は後日に譲ることといたします。     —————————————
  7. 門司亮

    門司委員長 次に、昭和四十三年度における交通安全対策関係予算等について説明を求めます。宮崎陸上交通安全調査室長
  8. 宮崎清文

    宮崎(清)政府委員 それでは、昭和四十三年度におきます交通安全関係各省予算概要と、それから臨時国会におきまして御制定になりました二つの緊急措置法のその後の実施状況につきまして、概要を簡単に御説明申し上げます。  まず、予算のほうから御説明申し上げますが、お手元に「昭和四十三年度陸上交通安全対策関係予算調書」という数枚のプリントがございます。概要はこれに書いてございますので、これに基づきまして簡単に御説明申し上げます。  御承知のように交通安全対策に関します予算は、関係各省がそれぞれ予算要求をいたしまして、関係各省庁の予算となっているわけでございますが、一応従来から交通安全に直接関係ありと思われます予算総理府のほうで取りまとめましたのがこの表でございます。  結論を先に申し上げますと、先ほど総務長官の御説明がございましたように、昭和四十三年度におきます交通安全対策に直接関係ありと思われます予算は、総額五百九十七億でございまして、これは前年度の当初予算四百六億に比べまして、四七%の増加となっております。  以下、この予算につきましては項目を七つ立てて書いてございますので、それぞれの項目に従いまして簡単に御説明申し上げます。  第一は、道路交通環境整備でございまして、これにつきまして約五百三十億を計上いたしております。そのおもなものといたしましては、(1)にございますように、交通安全施設等整備に要する経費でございます。これは総額二百十億でございまして、内訳を申しますと、警察庁に関します予算、これは信号機あるいは道路標識道路標示等に関します予算でございますが、これが十四億、それから建設省関係予算、これは歩道をつくりますとか、横断歩道橋をつくるとか、街路照明灯をつけるとかという予算でございまして、これが百九十六億、合計二百十億でございます。これらはいずれも現行の、すでに現在実施いたしております交通安全施設等整備事業三カ年計画の第三年目に当たるわけでございます。これによりまして交通安全施設等整備事業三カ年計画昭和四十三年度実施されるというわけでございます。  なお、この国費二百十億に対します総事業量といたしましては約三百二億でございます。と申しますのは、この国費は大体補助金でございますので、総事業量といたしましては約三百二億になるわけでございます。なお、このうちには当然昨年緊急立法されました通学路にかかります交通安全施設整備に関する予算が含まれているわけでありまして、その内訳は後ほど通学路交通安全施設緊急整備法施行状況の御説明の際に申し上げます。  それから、次が踏切道立体交差化でございまして、これにつきましては約二百九億を計上いたしております。こまかい項目を申し上げますと、最初踏切保安施設整備でございまして、これが一億三百万円でございます。この保安施設整備予算は、これは私鉄に対します補助金でございます。私鉄と申しましても、いわゆる赤字会社に対しまして、赤字会社遮断機でございますとか警報機設置いたします場合に、これに対して国が補助いたすということでございまして、従前はこの補助率は三分の一でございましたが、昨年の緊急措置法をつくります際に、この補助率をアップいたしまして、二分の一と相なっております。  なお、この私鉄に対します保安設備整備につきましては、国が二分の一を補助し、それから地方公共団体が三分の一を補助することになっておりますので、したがいまして、赤字私鉄負担分は六分の一でございます。従来はこれは国、地方公共団体私鉄、三分の一、三分の一、三分の一ずつでございましたが、国が二分の一に引き上げられたことに伴いまして私鉄は六分の一ということでございまして、これによって赤字私鉄の行ないます踏切保安設備整備がさらに推進されることと期待いたしております。  次が踏切道立体交差化でございまして、これは昨年成立いたしました緊急措置法に基づきます構造改良の分と、それから一般踏切道立体交差の分と二つございますが、総額が二百八億になっておりますが、この内訳を申しますと、構造改良の分が約二十七億であります。二十六億八千九百万と相なっておりますが、約二十七億でございます。これは昨年制定されました緊急措置法によりまして、さしあたって非常に危険度の高い踏切の拡幅と舗装に要する費用でございます。この予算は、これは道路関係予算でございますので、原則といたしましては三分の一の補助になるわけでございますが、市町村道につきましては、先ほど申し落としましたが、通学路安全施設と同様二分の一の補助率をアップいたしております。残りの分が踏切道のいわゆる立体交差化に要する経費でございまして、二百八億から約二十七億を引きますので、百八十億余りが踏切道立体交差化に使われる経費でございます。この経費内訳といたしましては、補助事業あるいは直轄事業改良事業、いろいろございますが、時間がございませんので詳細は省略させていただきます。  それから三番目には、交通安全対策特別交付金という項目がございます。これは先ほどの長官説明にもございましたように、昨年道路交通法の一部改正によりまして交通反則金制度というものが創設されました。軽微な交通違反につきましては、交通反則金を納付すれば刑事訴追がされないという制度でございまして、これによって入りました金額につきましては、これを交通安全施設等整備に要する経費として地方公共団体に交付するということになっております。その交付金でございまして、本年七月以降これが実施されまして、その額は昭和四十三年度におきましては約百二億と見込まれております。この百二億は、大部分は地方公共団体単独事業として行ないます交通安全施設整備等に充当される予定になっております。  四番目が児童公園等整備でございまして、これは御承知のように、子供の遊び場がないために、道路で遊戯をすることによって交通事故が起きやすいというところから、数年前から年次計画によりまして児童公園運動公園河川敷緑地化等を鋭意実施しているところでございまして、昭和四十三年度は約九億七千万を投入いたしまして児童公園約七百カ所、運動公園五十カ所、河川敷緑地十七カ所を計画中でございます。     —————————————
  9. 門司亮

    門司委員長 赤澤国務大臣が出席されましたので、交通安全対策に関しましての説明を聴取することにいたします。赤澤国務大臣
  10. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 私は、国家公安委員会委員長として、所管する警察行政における交通安全対策につきまして所信の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存ずるものであります。  御承知のとおり、交通事故発生は依然として増加の一途をたどり、昭和四十二年中における交通事故死傷者数はこれまでの最高を記録するに至ったのでありますが、本年に入りましても著しい増加を続けているのであります。  一方におきまして、大都市及び主要幹線道路における交通渋滞も次第に深刻化し、かつ慢性化傾向を示しているところであります。  このような憂慮すべき道路交通事情に対処するため、私は、交通事故による死傷者数増加を抑制するための交通事故防止対策重点的に推進するとともに、都市交通における渋滞の激化を緩和し、その円滑化をはかるための交通渋滞緩和対策を積極的に推進してまいる所存であります。  第一の、交通事故防止対策重点的推進につきましては、昨年に引き続き歩行者事故防止対策強化無謀運転排除徹底雇用者等責任体制確立を主眼とし、このため、特に飲酒運転排除徹底追突事故防止対策推進及び雇用運転者による無謀運転防止するための事業所等における安全運転管理体制確立並びに雇用者等責任追及強化をはかってまいりたいと考えております。  また、交通安全施設整備充実につきましては、昭和四十一年度から建設省と共同して交通安全施設等整備事業三カ年計画に基づく整備を進めてまいったところでありますが、さらに第五十五特別国会における通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急措置法制定によりまして、通学路における交通安全施設整備は一段と充実されることになりましたので、本年におきましてはこれら交通安全施設早期完工をはかってまいる所存であります。  第二の、交通渋滞緩和対策といたしましては、交通規制合理化信号機高度化及び交通情報収集体制整備等を積極的に推進する考えでありますが、都市交通渋滞緩和のためには、都市計画行政道路行政あるいは運輸行政等の各分野にわたる諸問題が総合的に解決されることが必要でありますので、関係各省と十分密接な連絡を保ち、都市交通問題の総合的解決の促進につとめてまいりたいと考えております。  最後に、道路交通法の一部改正により、本年七月一日から実施されることになりました交通反則通告制度につきましては、その円滑、適正な運営をはかることが警察に課せられた重大な責務でありますので、この制度実施に伴い、交通指導取り締まりのあり方について、より一そう適正を期するよう指示いたしますとともに、この制度実施に関する部内の指導教養及び部外に対する広報徹底をはかることによりまして、従来にも増して国民の信頼と支持が得られる指導取り締まり推進につとめてまいりたいと考えておるところであります。  以上、所管行政の当面の諸問題について所信を申し上げたのでありますが、委員各位の格段の御協力によりまして、その実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
  11. 門司亮

    門司委員長 赤澤国務大臣に対する質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  12. 門司亮

    門司委員長 引き続いて、昭和四十三年度における交通安全対策予算等について説明をお願いいたします。宮崎陸上交通安全調査室長
  13. 宮崎清文

    宮崎(清)政府委員 第二の、交通安全思想普及という柱でございます。  これは、金額は非常に少のうございまして、四千四百万円でございます。  第一が、交通安全広報事業等の委託でございまして、これは、従前から、警察庁全日本交通安全協会交通安全に関するいろいろの広報活動を委託しておりますが、それに要する経費でございます。前年度に比べまして百万円減少になっておりますが、これは節約額をあらかじめ見込んだ額でございます。  それから第二の交通安全教育センター設置、これは文部省関係でございまして、二千八百万でございますが、これは、昭和四十三年度から初めて発足いたします新しい予算でございます。  簡単に申し上げますと、ここにも書いてございますように、全国主要都市におきます小中学校の適当な学校の校庭に小規模な交通公園をつくりまして、そこで学童、生徒に即物的な交通安全教育をいたそうということでございまして、私たちといたしましては、非常に画期的なことであると考えております。なお、昭和四十三年度におきましては、当面四十六カ所でございますが、これは逐次ふやしていきたいと思っております。  三番目の交通安全指導研究推進、これは、文部省におきまして、教育関係者に対する交通安全に関する講習会を開催する経費でございまして、額も二百万でございます。  それから、第三番目の安全運転確保でございますが、これは五十三億を計上いたしております。  非常にこまかいものが多うございますが、一応順に申し上げますと、第一は、運転者管理センター設置でございまして、これは警察庁関係でございます。  御承知のように、警察庁におきましては、現在三カ年計画で、大きな電子計算機を備えつけまして、これにいわゆる運転免許台帳を全部記憶させ、これに基づきまして、合理的な運転者対策運転者改善をやろうということでございまして、昭和四十三年度は三カ年目でございます。これによりまして一応完成いたしまして、昭和四十四年の秋ごろからこのセンターが動き出す、かようになっております。三年目の経費といたしましては、二億一千七百万でございます。  第二が、交通取り締まり用車両整備でございまして、これは、警察としましては、白バイパトカー事故処理車等年次計画をもって整備いたしておるわけでございまして、それに要する経費でございまして、一億七千三百万でございます。  内訳を簡単に申し上げますと、交通パトカーが八十七台、これは純増でございます。それから白バイが二百二十二台、これは減耗保持でございます。それから事故処理車が五十六台、計三百六十五台ということに相なっております。なお、警察で使います車両経費につきましては、警察法の規定上全額国庫負担となっております。  それから三番目が、交通取り締まり等強化でございまして、七億二千七百万、ここに書いてございますように非常にこまかいものがたくさんございます。これは大体におきまして補助金でございまして、補助率警察法の規定によりまして二分の一でございます。  それから次のページに参りまして、四番目の交通事件裁判処理体制の整備でございますが、最初に、裁判所に千二百万ほどございますのは、交通事件が非常に増加しております関係で、簡易裁判所におきます判事と書記官の増員がそのおもな内容でございまして、判事五名、書記官五名、計十名の増員がその主たる内容でございます。  同じく五番目、交通事件処理体制の整備につきましては、検察庁の交通事件処理要員の増員の分でございます。二億九千百万の主たる内容は副検事を二十名増員することがその主たる内容になっております。  六番目がダンプカーの事故防止対策等でございまして、これは先ほど来しばしば申し上げております。昨年国会でおつくりになりましたいわゆるダンプ規制法の実施に要する人員の増員等がその主なる内容になっております。運輸省の陸運事務所関係でございまして、この一億千三百万の内容といたしましては、定員七十二名、それから賃金三十人分、計百二名分の増員に要します経費でございます。  それから七番目が自動車検査登録業務の処理体制の強化でございまして、これは運輸省の系統でやっております自動車の検査、これに要します経費でございまして、三十七億六千九百万でございます。これは検査場の増設でございますとか、検査要員の増員でございますとか、登録関係の要員の増員がその主たる内容になっております。  それから八番目が自動車乗務員手帳制度普及等でございまして、これは労働省の関係でございますが、労働省におきましては、現在主としてトラック関係のモデル事業所に対しまして、運転者自動車乗務員手帳というものを交付いたしまして、それによりまして労務管理安全運転管理の適正化をはかっておるわけでございまして、これを昭和四十三年度は一千万使いまして、約二万人を対象といたしましてこの手帳を配る、こういう予定にいたしております。  四番目が被害者救済対策の柱でございます。これにつきましては七億九千九百万計上いたしております。  第一が救急医療施設の整備等でございます。これは先ほど総務長官の御説明にもありましたように、現在政府といたしましては、年次計画をもちまして脳神経外科を中心といたします救急医療センター全国の国立及び公立の病院に整備中でございまして、それに要する経費、それからこれは主として開業医の方に医療機器を貸し出すことを目的といたしました救急医療サプライセンター、これを主要都市に逐次つくっていく、これらに要します経費でございまして、三億七千万でございます。  それから二番目がむち打ち症対策でございまして、これはむち打ち症が非常に最近ふえておりますので、このむち打ち症に関します治療方法、治療範囲、治癒、障害の認定等につきまして、主として労災保険の見地からこれを研究いたそうということでございまして、労働省におきまして、昭和四十三年度に約四千百万の経費を計上いたしております。これは調査研究費でございます。  それから三番目が救急業務施設整備でございまして、これは消防関係経費でございます。本年、四十三年度は一千万でございまして、四十二年度の四千万から三千万減少いたしておりますが、実は、従来は救急自動車に対しましても国がその三分の一を補助いたしておりましたが、四十三年度からは、いまの予定におきましては、この救急自動車整備は、大部分は先ほど申し上げました交通安全対策特別交付金でこれを処理しようということになっておりますので、救急自動車分が大部分抜けておるわけでございます。この三千万の減はそういうものでございまして、残りの千万につきましては、ここに書いてございますように、救急指令センター、これは簡単に申しますと、中央にセンターを設けまして、交通事故の現場、それから救急車、それから患者を運ぶべき病院等と無電で連絡をとりまして、的確な救急処置をとるためのセンターでございまして、これは現在東京にはできておりますが、今後主要大都市に逐次これを整備してまいりたい。四十三年度におきましては、とりあえず五つの都市に救急指令センターを設けようということでございます。これは今後も逐次ふやしてまいりたいと思っております。  四番目が交通事故相談活動強化でございまして、これは総理府が昨年から始めました都道府県交通事故相談所に対します補助金でございます。都道府県交通事故相談所はたいへん好評を博しておりまして、昭和四十三年度におきましては、約二千万を増額いたしまして、従来は都道府県のみでございましたが、指定都市のうちで県庁所在地でないもの、つまり北九州市に一カ所相談所を増設すること、及び非常に交通事故相談所が繁盛いたしておりまして相談員の数が不足しておりますので、全国平均約一名の相談員の増加並びに補助職員に関します賃金、これを見込んでおります。それが二千万増加いたしました内訳でございます。  五番目が法律扶助事業補助でございまして、これは法務省関係の団体でございます法律扶助協会というものがございまして、貧困のために訴訟ができない者に対して訴訟費用の立てかえをいたしております。交通事案につきましてこの法律扶助協会から金を借りて訴訟をいたす場合が非常に多うございますので、来年度は本年度より五百万増加いたしました六千五百万の補助金をこの法律扶助協会に対して行なうことにいたしております。  それから六番目が自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助でございまして、これは御承知のように、自賠責のうちの補償勘定に若干の累積黒字がございますので、その利子を使いまして、ここに書いてございますように、救急医療機器の整備とか相談業務等につきまして補助をいたそうということでございます。四十三年度は約二億四千三百万を投じまして、救急医療機器の整備でございますとか弁護士会の行ないます相談活動でございますとか、ただいま申し上げました法律扶助協会等に対してそれぞれ助成をいたそうということでございます。  それから五番目の柱といたしましては、交通事故防止に関する科学研究の推進でございまして、これは各省庁のやっております交通事故防止に関します科学的研究のうちの主要なものを拾い上げたわけでございます。総額が三億でございまして、警察庁におきましては、御承知の科学警察研究所というものがございまして、ここでいろいろここに書いてありますような研究をいたしておりますが、それに要する経費でございます。  それから自動車の安全研究につきましては、通産省が、ここにございますように、自動車安全性の向上に関する基礎的な開発研究、設計基準の作成、JISの制定等に関する研究を推進いたしておりますし、また運輸省におきましては、自動車そのものの安全性の向上を目的といたしました諸般の研究を推進いたしておりまして、通産省関係が二億三千四百万、運輸省関係が三千三百万となっております。  なお、最後脳神経外科充実でございまして、これは御承知のように、現在、脳神経外科の専門医が非常に不足しておりますので、これらを急速に養成しなければならないというところから、来年度は三千三百万を投じまして二つの大学に脳神経外科を開設するほか、一つの大学に救急部というものを設けまして、このような脳神経外科の専門医の養成と、それから大学病院におきます脳神経外科の機能の充実をはかろうといたしておることでございます。  最後に、その他として、交通事故実態調査委託費等というのがございまして、これは総理府の私のほうでやっておりますが、私のほうも総合的な交通安全対策推進いたすに必要な交通事故実態調査、これを毎年やっておりますが、ここに一千三百万とございますが、そのうち実態調査あるいは研究調査に要します経費は約八百万でございます。残りの五百万は、何と申しますか、私のほうの室のいわゆる生活費みたいなものでございます。  以上が昭和四十三年度におきまして、交通安全に直接関係ありと思われます各省庁予算の集計でございます。  なお、それ以外に、間接的に交通事故防止あるいは交通安全に関係ありと思われます予算といたしましては、たとえば自動車損害賠償責任再保険の特別会計がございまして、これは額といたしましては千八百億あるわけでございますが、これは保険のほうの問題でございます。  それから国鉄におきましても、毎年国鉄の安全運転あるいは踏切事故防止等につきまして経費を計上いたしております。本年度は三百四十二億でございましたが、四十三年度は現在まだ確定はいたしていないようでございますが、これに近い——ちょっと下回るかと思われますが、これに近い数字が計上される予定になっております。  それから私鉄に対します日本開発銀行の融資も、これも現在計画中でございます。昨年は約六十五億が計上されております。  それから非常に小さな額でございますが、先ほどの労働省のむち打ち症対策と並行いたしまして、厚生省におきましても、このむち打ち症研究の推進をいたすために、現在、これは少額でございますが調査費を四十三年度において計上いたす予定になっておりますが、これはまだ確定いたしておりません。  以上が昭和四十三年度におきます交通安全対策に要します経費予算概要でございます。  それから次に、昨年当国会におきまして立法されました二つの措置法のその後の実施状況につきまして簡単に申し上げます。  まず第一に、通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急実施状況でございますが、これは御承知のように、公布と同時に施行されております。この法律におきましては、若干の政令事項がございましたが、二十四条に規定いたします政令を除きまして、すでに政令並びにこれに基づきます省令はすべて公布施行済みでございます。この二十四条に基づく政令と申しますのは、先ほども予算でちょっと触れましたが、私鉄の行ないます踏切保安設備整備に要する補助補助額を政令で定めることになっておりますが、これは従来の三分の一が二分の一に上がりましたので、この予算が通りませんと政令が出せないわけでございます。したがいまして、予算成立と同時にこの政令を出しまして、三分の一を二分の一にいたす、こういう予定になっております。  それから、この緊急措置法に基づきます通学路に係る交通安全施設整備につきましては、すでに昨年の十二月一日の閣議決定によりまして、通学路の緊急整備計画とあわせまして、従来の交通安全施設等整備事業三カ年計画を改定いたしております。  御参考までに申し上げますと、従前の三カ年計画におきましては総事業量が約六百三億でございましたが、昨年この通学路分が加わりましてその事業量がふくれたため百七十九億増の七百八十二億ということになっております。七百八十二億のうち、予算額といたしましては約五百三十七億でございます。それから、この七百八十二億のうちの通学路分は、これは四十二年と四十三年度実施されるわけでございますが、事業量といたしまして約三百八十二億でございまして、これに対応いたします国の予算額は二百六十八億でございます。現在これらの事業は着々実施中でございまして、四十二年度予算にかかわります事業は、これはほぼ年度内に完了する見込みでございます。それから昨年補正予算によりまして新たに追加されました通学路に関します事業も、おおむね着工の見通しがついております。したがいまして、現在のところこの緊急措置法に基づきます通学路を含めました交通安全施設整備はおおむね順調に進んでおりますが、なお、その詳細の結果につきましては、何ぶん三月末までに至りませんとわかりませんので、いずれ結果が集計されましてから御報告申し上げたいと思っております。  それから、同じく踏切道につきましては、総額百十二億でございまして、このうち踏切道構造改良に要します経費が六十四億、それから保安設備整備に要します事業量が四十八億でございます。この六十四億のうち、鉄道事業者の負担分が十二億ございますので、道路負担分は五十二億となっておりますが、五十二億のうち、昭和四十二年度におきましてはすでに既定経費の流用によりまして約八億程度を充当いたしておりますので、昭和四十三年度におきましてはこれが四十三億ちょっとになるわけでございます。これに見合います予算額が先ほど申し上げました二十六億七千八百万という数字でございます。このほうも目下順調に進んでおりまして、大体所定の期間踏切道構造改善及び保安設備整備が完了するというように考えております。  それから、次にいわゆるダンプ規制法、「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故防止等に関する特別措置法」の実施状況でございますが、これは御承知のように本年二月一日から施行されております。あの法律の一つの骨子でございますダンプカー、すべての大型ダンプカーに届け出させて番号を与え、その番号を三方に大きく表示させるという制度でございますが、その点につきましては、本年二月一日以降新しくダンプカーを使用するものは直ちにその義務を負うことになりますが、二月一日現在すでにダンプを使用しているものにつきましては、附則によりまして三カ月間の猶予期間がございますので、すべてのダンプカーが背中に番号をつけますのは本年の五月一日以降に相なるわけでございます。しかしながら、現在、これは二月末の集計でございますが、すでに約三万二千台の届け出が行なわれておりまして、全体のダンプの大体五分の一はすでに届け出をいたしまして、大きな番号をつけておるというわけでございます。  なお、もう一つの大きな骨子でございますダンプカーの運転手が非常に悪質な違反をした場合、あるいは事業者が悪質な労働基準法違反をやった場合には、そのダンプカーの使用停止をするという規定がございますが、これは現在この一カ月間、まだその使用停止をやった例はございません。まだ詳細は聞いておりませんが、一件警察のほうで通知をしたという事例は聞いておりますが、この結果がどうなったか、まだ報告を受けておりません。したがいまして、現在いわゆるダンプ規制法の大きな眼目でございます使用者に対します使用停止の処分、これはまだ発動されていないわけでございます。  それから、もう一つの大きな眼目でございますダンプカーに対します自重計の取りつけでございますが、これは法律におきまして本年五月一日から施行することになっております。しかも、それは新車でございまして、在来車はさらに三ヵ月間の猶予期間がございますので、すべてのダンプカー等に自重計が取りつけられますのは本年八月以降になるわけでございます。この自重計につきましては、いろいろ技術上の問題がございましたが、去る二月五日に通産省、運輸省の共同省令によって技術上の基準を定めまして、すでにメーカー等も数社で現品をつくっておるようでございます。したがいまして、これも大体順調に取りつけられる見込みでございます。  なお、ダンプカーの取り締まりに関しまして、特に陸運事務所の要員が問題になったわけでございますが、これは先ほど予算の際にも御説明申し上げましたように、昭和四十三年度におきまして陸運事務所の定員七十二名、賃金職員三十名、計百二名を増員いたしましたので、これで大体この事務もやっていけるのではないか、かように考えておるわけでございます。  たいへん簡単でございますが、昨年国会制定されました二つの法律のその後の実施状況につきまして御説明申し上げました。
  14. 門司亮

    門司委員長 次に、町田官房長の説明を求めます。
  15. 町田直

    ○町田政府委員 運輸省関係交通安全関係予算について御説明申し上げます。御配付申し上げてございます交通安全対策関係資料、運輸省というざら紙の資料がございますが、これに基づきまして御説明申し上げます。  一番最後の紙をごらんいただきますと、総計でございますが、四十三年度予算といたしましては二百九十三億八千二百万円、対前年二十四億一千四百万円増で、約九%の増でございます。この中で陸運関係につきましては、ただいま宮崎室長から詳細な御説明がございましたので省略させていただきまして、航空関係、海運関係について御説明いたしたいと思います。  二枚目の第二、海上交通安全対策というところから御説明申し上げます。  海上交通安全対策金額は百十二億四千三百万円でありまして、対前年九億円の減でございます。減の内容は個々の御説明の際に申し上げます。  まず第一が交通環境、交通安全施設等整備、その中の(1)が幹線航路整備、これは二十九億でございまして、五億七千万円の減でございます。この内容は瀬戸内海航路、関門航路を、現在瀬戸内海航路につきましては水深マイナス十七メートル、関門航路につきましてはマイナス十一メートルで掘っております。この継続をいたす分でございます。そのほか東京湾口につきまして、いわゆる第一海堡、第二海堡の間を、大体いまの計画ではマイナス二十三メートルくらいに掘る予定でございますが、この実施設計調査の費用がついております。ここで減になっておりますのは瀬戸内海航路、備讃瀬戸でございますが、ここの計画が三十八年から始まりまして、本年度で大体一段落するわけでございます。この金額が昨年は二十一億七千万円でありましたのが、今年は最終年度で十三億になっております。そこで減が出ておるわけでございます。  次に、(2)の避難港の整備、これは六億一千万円でございまして、六千百万円の増でございます。個々の具体的な内容については、現在大蔵省と実施計画を折衝中でございます。  (3)の水路事業の維持運営、これは年前どおり海上保安庁の水路図誌の刊行、水路測量、観測というようなものでございます。  (4)の航路標識整備及び維持運営、二十六億でございまして一億二千二百万円の増でございます。港湾標識、電波標識等の整備、それから既存の航路標識改良、維持というものを含んでおります。  第二番の項目といたしましては、船舶安全性強化でございます。その中の(1)と(2)は大体前年どおりでございますので、節約で若干減っておりますが、省略させていただきます。  (3)が国内旅客船、離島航路旅客船の船質の改善、これは十二億でございまして、一億の増でございます。これは船舶整備公団の融資でございまして、国内旅客船の代替建造が七億、離島航路旅客船の代替建造が五億、合計十二億でございます。  三番目の安全運航の確保、(1)は船員に対する安全指導でございまして、前年どおりでございます。  それから海上交通法令の整備励行、これは船舶に対する海上交通安全指導のための事務費、それから港湾調査、個々の港湾の取り締まりをいたしますための調査でございます。金額は小そうございますけれども、七百万で六百万円の増でございます。  四番目の警備救難体制整備、これは海上保安庁の舟艇等でございまして、(1)は巡視船艇、化学消防船の整備、これが十三億五千七百万円、一億一千三百万円の増でございます。なお増加いたしました内容は、巡視船艇九隻の代替建造、二千トン一隻、三百五十トン一隻、百三十トン一隻、それから十五メートル六隻、合計九隻の代替建造、それから化学消防艇一隻の建造ということでございます。  それから二番目の海上警備救難業務の運営等、三十四億七千九百万円、六億四千万円の減でございますが、内容は、巡視船艇の運航費、航空基地、通信施設等でございます。ここで減が出ておりますのは、昨年度は、航空機YS11の一機の購入が認められておりますが、今年度航空機がございませんので、その面で減が出ております。ただこの中で、オイルフェンス等の整備というのがございますが、昨年の英国のトリー・キャニヨン号事件等に対処いたしまして、金額はそう多くございませんけれども、オイルフェンスその他海上の油の流出に対する措置等が見られております。  五番目が科学的研究推進船舶研究所におきまして、液化メタン運搬船の安全及び事故対策等の研究をいたすことにいたしております。  以上が海上の安全対策の予算でございます。  それから、その次が航空交通安全関係予算でございまして、総額で百三十八億七千九百万円、十八億六千百万円の増、約一四%の増でございます。  第一が、交通環境、交通安全施設整備、(1)が、空港の維持運営、十一億五千二百万円、それから増員五十二人でございます。これは空港の滑走路、それから照明、通信施設等の維持運営に要する費用でございます。  それから二番目が空港整備事業費、これは八十四億、六億五千五百万円の増でございまして、前年度の伸びが八・五%でございます。これは昭和四十二年度以降空港整備五カ年計画を立てまして、その第二年度に当たるわけでございまして、東京国際空港、大阪国際空港、その他地方空港の滑走路の延長あるいはいろんな施設の整備というような予算でございます。  それから三番目が航空路施設の維持運営、十二億六千百万円、これは三億三千九百万円の減になっておりますが、内容は、航空保安施設あるいは交通管制施設等の維持運営でございます。なお、増員が三十七人ついております。この減になっておりますのは、四十年度から始めました管制自動化が、四十二年度、本年度で一応終了いたしましたので、その金額がことし減ったために減になっておりますが、具体的には、予算要求いたしました航空路施設VORとか、そういうような施設の整備はほとんど認められております。  それから四番目が航空保安施設等の検査、これはいわゆるフライトチェック、飛行検査でございます。九億八千三百万円、五億四千六百万円の増でございます。内容は、航空機三号機の昨年に引き続きますYS11の購入その他でございます。  それから五番目が航空気象業務整備強化、四億三千六百万円で、二千五百万円の増でございます。これは空港におきます気象観測機器の整備あるいは沖永良部空港の出張所の新設等を含みます維持運営費でございます。  それから二番目に、般空機の安全性強化といたしまして、航空機等の検査、これは前年度同額でございます。  それから三番目に、安全運航の確保といたしまして、(1)が航空技能証明、これは航空従事者の技能証明の費用でございまして、千二百万円でございます。  それから二番目が航空交通符制業務の対策、管制官に対する技能検定試験の関係の事務費でございます。  それから三番目が航空保安職員研修所の拡充整備でございまして、一億六千八百万円、一億五千四百万円の増でございます。これは本年度お認めいただきました航空保安職員研修所を内容を充実いたしまして、航空保安職員の研修定員を増加し、かつ年限も長くいたしまして、実質的な充実をはかった内容でございます。  それから四番目の航空学校の拡充強化、これは十三億五千五百万円、七億五千九百万円の増でございます。これも四十二年度発足いたしました現在の航空学校の養成規模三十人を九十人にふやしまして、また年限も二年間を三年間に長くいたしまして、四十三年度から実施するための航空機の購入費あるいは庁舎、宿舎等の費用でございます。  それから五番目は科学的研究推進でございまして、主として電子航法研究所におきまして電子航法における高性能ILSアンテナの開発等々、電子航法関係の研究をいたす内容でございます。  簡単でございますが、航空、海運関係の四十三年度の安全予算の御説明を終わります。
  16. 門司亮

    門司委員長 以上で説明は終わりました。  なお、質疑は後日に譲ることといたします。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十六分散会