○
宮崎(清)
政府委員 第二の、
交通安全思想の
普及という柱でございます。
これは、
金額は非常に少のうございまして、四千四百万円でございます。
第一が、
交通安全広報事業等の委託でございまして、これは、
従前から、
警察庁が
全日本交通安全協会に
交通安全に関するいろいろの
広報活動を委託しておりますが、それに要する
経費でございます。前
年度に比べまして百万円
減少になっておりますが、これは
節約額をあらかじめ見込んだ額でございます。
それから第二の
交通安全教育センターの
設置、これは
文部省関係でございまして、二千八百万でございますが、これは、
昭和四十三
年度から初めて発足いたします新しい
予算でございます。
簡単に申し上げますと、ここにも書いてございますように、
全国の
主要都市におきます小中
学校の適当な
学校の校庭に小規模な
交通公園をつくりまして、そこで学童、生徒に即物的な
交通安全教育をいたそうということでございまして、私たちといたしましては、非常に画期的なことであると
考えております。なお、
昭和四十三
年度におきましては、当面四十六カ所でございますが、これは逐次ふやしていきたいと思っております。
三番目の
交通安全指導の
研究推進、これは、
文部省におきまして、
教育関係者に対する
交通安全に関する
講習会を開催する
経費でございまして、額も二百万でございます。
それから、第三番目の
安全運転の
確保でございますが、これは五十三億を計上いたしております。
非常にこまかいものが多うございますが、一応順に申し上げますと、第一は、
運転者管理センターの
設置でございまして、これは
警察庁関係でございます。
御
承知のように、
警察庁におきましては、現在三カ年
計画で、大きな
電子計算機を備えつけまして、これにいわゆる
運転免許台帳を全部記憶させ、これに基づきまして、合理的な
運転者対策、
運転者の
改善をやろうということでございまして、
昭和四十三
年度は三カ年目でございます。これによりまして一応完成いたしまして、
昭和四十四年の秋ごろからこの
センターが動き出す、かようになっております。三年目の
経費といたしましては、二億一千七百万でございます。
第二が、
交通取り締まり用車両の
整備でございまして、これは、
警察としましては、
白バイ、
パトカー、
事故処理車等を
年次計画をもって
整備いたしておるわけでございまして、それに要する
経費でございまして、一億七千三百万でございます。
内訳を簡単に申し上げますと、
交通パトカーが八十七台、これは純増でございます。それから
白バイが二百二十二台、これは
減耗保持でございます。それから
事故処理車が五十六台、計三百六十五台ということに相なっております。なお、
警察で使います
車両の
経費につきましては、
警察法の規定上
全額国庫負担となっております。
それから三番目が、
交通取り締まり等の
強化でございまして、七億二千七百万、ここに書いてございますように非常にこまかいものがたくさんございます。これは大体におきまして
補助金でございまして、
補助率は
警察法の規定によりまして二分の一でございます。
それから次のページに参りまして、四番目の
交通事件裁判処理体制の
整備でございますが、
最初に、裁判所に千二百万ほどございますのは、
交通事件が非常に
増加しております
関係で、簡易裁判所におきます判事と書記官の増員がそのおもな内容でございまして、判事五名、書記官五名、計十名の増員がその主たる内容でございます。
同じく五番目、
交通事件処理体制の
整備につきましては、検察庁の
交通事件処理要員の増員の分でございます。二億九千百万の主たる内容は副検事を二十名増員することがその主たる内容になっております。
六番目がダンプカーの
事故防止対策等でございまして、これは先ほど来しばしば申し上げております。昨年
国会でおつくりになりましたいわゆるダンプ規制法の
実施に要する人員の増員等がその主なる内容になっております。
運輸省の陸運事務所
関係でございまして、この一億千三百万の内容といたしましては、定員七十二名、それから賃金三十人分、計百二名分の増員に要します
経費でございます。
それから七番目が
自動車検査登録
業務の処理体制の
強化でございまして、これは
運輸省の系統でやっております
自動車の検査、これに要します
経費でございまして、三十七億六千九百万でございます。これは検査場の増設でございますとか、検査要員の増員でございますとか、登録
関係の要員の増員がその主たる内容になっております。
それから八番目が
自動車乗務員手帳
制度の
普及等でございまして、これは労働省の
関係でございますが、労働省におきましては、現在主としてトラック
関係のモデル
事業所に対しまして、
運転者に
自動車乗務員手帳というものを交付いたしまして、それによりまして
労務管理、
安全運転管理の適正化をはかっておるわけでございまして、これを
昭和四十三
年度は一千万使いまして、約二万人を対象といたしましてこの手帳を配る、こういう予定にいたしております。
四番目が
被害者救済対策の柱でございます。これにつきましては七億九千九百万計上いたしております。
第一が救急医療施設の
整備等でございます。これは先ほど
総務長官の御
説明にもありましたように、現在
政府といたしましては、
年次計画をもちまして
脳神経外科を中心といたします
救急医療センターを
全国の国立及び公立の病院に
整備中でございまして、それに要する
経費、それからこれは主として開業医の方に医療機器を貸し出すことを目的といたしました救急医療サプライ
センター、これを
主要都市に逐次つくっていく、これらに要します
経費でございまして、三億七千万でございます。
それから二番目がむち打ち症対策でございまして、これはむち打ち症が非常に最近ふえておりますので、このむち打ち症に関します治療方法、治療範囲、治癒、障害の認定等につきまして、主として労災保険の見地からこれを研究いたそうということでございまして、労働省におきまして、
昭和四十三
年度に約四千百万の
経費を計上いたしております。これは
調査研究費でございます。
それから三番目が救急
業務施設
整備でございまして、これは消防
関係の
経費でございます。本年、四十三
年度は一千万でございまして、四十二
年度の四千万から三千万
減少いたしておりますが、実は、従来は
救急自動車に対しましても国がその三分の一を
補助いたしておりましたが、四十三
年度からは、いまの予定におきましては、この
救急自動車の
整備は、大部分は先ほど申し上げました
交通安全対策特別交付金でこれを処理しようということになっておりますので、
救急自動車分が大部分抜けておるわけでございます。この三千万の減はそういうものでございまして、残りの千万につきましては、ここに書いてございますように、救急指令
センター、これは簡単に申しますと、中央に
センターを設けまして、
交通事故の現場、それから救急車、それから患者を運ぶべき病院等と無電で連絡をとりまして、的確な救急処置をとるための
センターでございまして、これは現在東京にはできておりますが、今後主要大都市に逐次これを
整備してまいりたい。四十三
年度におきましては、とりあえず五つの都市に救急指令
センターを設けようということでございます。これは今後も逐次ふやしてまいりたいと思っております。
四番目が
交通事故相談活動の
強化でございまして、これは
総理府が昨年から始めました
都道府県の
交通事故相談所に対します
補助金でございます。
都道府県の
交通事故相談所はたいへん好評を博しておりまして、
昭和四十三
年度におきましては、約二千万を増額いたしまして、従来は
都道府県のみでございましたが、指定都市のうちで県庁所在地でないもの、つまり北九州市に一カ所相談所を増設すること、及び非常に
交通事故相談所が繁盛いたしておりまして相談員の数が不足しておりますので、
全国平均約一名の相談員の
増加並びに
補助職員に関します賃金、これを見込んでおります。それが二千万
増加いたしました
内訳でございます。
五番目が法律扶助
事業の
補助でございまして、これは法務省
関係の団体でございます法律扶助協会というものがございまして、貧困のために訴訟ができない者に対して訴訟費用の立てかえをいたしております。
交通事案につきましてこの法律扶助協会から金を借りて訴訟をいたす場合が非常に多うございますので、来
年度は本
年度より五百万
増加いたしました六千五百万の
補助金をこの法律扶助協会に対して行なうことにいたしております。
それから六番目が
自動車損害賠償責任再保険特別会計による
補助でございまして、これは御
承知のように、自賠責のうちの補償勘定に若干の累積黒字がございますので、その利子を使いまして、ここに書いてございますように、救急医療機器の
整備とか相談
業務等につきまして
補助をいたそうということでございます。四十三
年度は約二億四千三百万を投じまして、救急医療機器の
整備でございますとか弁護士会の行ないます
相談活動でございますとか、ただいま申し上げました法律扶助協会等に対してそれぞれ助成をいたそうということでございます。
それから五番目の柱といたしましては、
交通事故防止に関する科学研究の
推進でございまして、これは各
省庁のやっております
交通事故防止に関します
科学的研究のうちの主要なものを拾い上げたわけでございます。
総額が三億でございまして、
警察庁におきましては、御
承知の科学
警察研究所というものがございまして、ここでいろいろここに書いてありますような研究をいたしておりますが、それに要する
経費でございます。
それから
自動車の安全研究につきましては、通産省が、ここにございますように、
自動車の
安全性の向上に関する基礎的な開発研究、設計基準の作成、JISの
制定等に関する研究を
推進いたしておりますし、また
運輸省におきましては、
自動車そのものの
安全性の向上を目的といたしました諸般の研究を
推進いたしておりまして、通産省
関係が二億三千四百万、
運輸省関係が三千三百万となっております。
なお、
最後は
脳神経外科の
充実でございまして、これは御
承知のように、現在、
脳神経外科の専門医が非常に不足しておりますので、これらを急速に養成しなければならないというところから、来
年度は三千三百万を投じまして二つの大学に
脳神経外科を開設するほか、
一つの大学に救急部というものを設けまして、このような
脳神経外科の専門医の養成と、それから大学病院におきます
脳神経外科の機能の
充実をはかろうといたしておることでございます。
最後に、その他として、
交通事故実態
調査委託費等というのがございまして、これは
総理府の私のほうでやっておりますが、私のほうも総合的な
交通安全対策を
推進いたすに必要な
交通事故実態
調査、これを毎年やっておりますが、ここに一千三百万とございますが、そのうち実態
調査あるいは研究
調査に要します
経費は約八百万でございます。残りの五百万は、何と申しますか、私のほうの室のいわゆる
生活費みたいなものでございます。
以上が
昭和四十三
年度におきまして、
交通安全に直接
関係ありと思われます各
省庁予算の集計でございます。
なお、それ以外に、間接的に
交通事故防止あるいは
交通安全に
関係ありと思われます
予算といたしましては、たとえば
自動車損害賠償責任再保険の特別会計がございまして、これは額といたしましては千八百億あるわけでございますが、これは保険のほうの問題でございます。
それから国鉄におきましても、毎年国鉄の
安全運転あるいは
踏切の
事故の
防止等につきまして
経費を計上いたしております。本
年度は三百四十二億でございましたが、四十三
年度は現在まだ確定はいたしていないようでございますが、これに近い——ちょっと下回るかと思われますが、これに近い数字が計上される予定になっております。
それから
私鉄に対します日本開発銀行の融資も、これも現在
計画中でございます。昨年は約六十五億が計上されております。
それから非常に小さな額でございますが、先ほどの労働省のむち打ち症対策と並行いたしまして、厚生省におきましても、このむち打ち症研究の
推進をいたすために、現在、これは少額でございますが
調査費を四十三
年度において計上いたす予定になっておりますが、これはまだ確定いたしておりません。
以上が
昭和四十三
年度におきます
交通安全対策に要します
経費の
予算の
概要でございます。
それから次に、昨年当
国会におきまして立法されました二つの
措置法のその後の
実施状況につきまして簡単に申し上げます。
まず第一に、
通学路に係る
交通安全施設等の
整備及び
踏切道の
構造改良等に関する緊急
実施状況でございますが、これは御
承知のように、公布と同時に施行されております。この法律におきましては、若干の政令事項がございましたが、二十四条に規定いたします政令を除きまして、すでに政令並びにこれに基づきます省令はすべて公布施行済みでございます。この二十四条に基づく政令と申しますのは、先ほども
予算でちょっと触れましたが、
私鉄の行ないます
踏切の
保安設備の
整備に要する
補助の
補助額を政令で定めることになっておりますが、これは従来の三分の一が二分の一に上がりましたので、この
予算が通りませんと政令が出せないわけでございます。したがいまして、
予算成立と同時にこの政令を出しまして、三分の一を二分の一にいたす、こういう予定になっております。
それから、この
緊急措置法に基づきます
通学路に係る
交通安全施設の
整備につきましては、すでに昨年の十二月一日の閣議決定によりまして、
通学路の緊急
整備計画とあわせまして、従来の
交通安全施設等整備事業三カ年
計画を改定いたしております。
御参考までに申し上げますと、
従前の三カ年
計画におきましては総
事業量が約六百三億でございましたが、昨年この
通学路分が加わりましてその
事業量がふくれたため百七十九億増の七百八十二億ということになっております。七百八十二億のうち、
予算額といたしましては約五百三十七億でございます。それから、この七百八十二億のうちの
通学路分は、これは四十二年と四十三
年度で
実施されるわけでございますが、
事業量といたしまして約三百八十二億でございまして、これに対応いたします国の
予算額は二百六十八億でございます。現在これらの
事業は着々
実施中でございまして、四十二
年度の
予算にかかわります
事業は、これはほぼ
年度内に完了する見込みでございます。それから昨年補正
予算によりまして新たに追加されました
通学路に関します
事業も、おおむね着工の見通しがついております。したがいまして、現在のところこの
緊急措置法に基づきます
通学路を含めました
交通安全施設の
整備はおおむね順調に進んでおりますが、なお、その詳細の結果につきましては、何ぶん三月末までに至りませんとわかりませんので、いずれ結果が集計されましてから御報告申し上げたいと思っております。
それから、同じく
踏切道につきましては、
総額百十二億でございまして、このうち
踏切道の
構造改良に要します
経費が六十四億、それから
保安設備整備に要します
事業量が四十八億でございます。この六十四億のうち、鉄道
事業者の
負担分が十二億ございますので、
道路負担分は五十二億となっておりますが、五十二億のうち、
昭和四十二
年度におきましてはすでに既定
経費の流用によりまして約八億程度を充当いたしておりますので、
昭和四十三
年度におきましてはこれが四十三億ちょっとになるわけでございます。これに見合います
予算額が先ほど申し上げました二十六億七千八百万という数字でございます。このほうも目下順調に進んでおりまして、大体所定の
期間に
踏切道構造
改善及び
保安設備の
整備が完了するというように
考えております。
それから、次にいわゆるダンプ規制法、「
土砂等を運搬する
大型自動車による
交通事故の
防止等に関する
特別措置法」の
実施状況でございますが、これは御
承知のように本年二月一日から施行されております。あの法律の
一つの骨子でございますダンプカー、すべての大型ダンプカーに届け出させて番号を与え、その番号を三方に大きく表示させるという
制度でございますが、その点につきましては、本年二月一日以降新しくダンプカーを使用するものは直ちにその義務を負うことになりますが、二月一日現在すでにダンプを使用しているものにつきましては、附則によりまして三カ月間の猶予
期間がございますので、すべてのダンプカーが背中に番号をつけますのは本年の五月一日以降に相なるわけでございます。しかしながら、現在、これは二月末の集計でございますが、すでに約三万二千台の届け出が行なわれておりまして、全体のダンプの大体五分の一はすでに届け出をいたしまして、大きな番号をつけておるというわけでございます。
なお、もう
一つの大きな骨子でございますダンプカーの
運転手が非常に悪質な違反をした場合、あるいは
事業者が悪質な労働基準法違反をやった場合には、そのダンプカーの使用停止をするという規定がございますが、これは現在この一カ月間、まだその使用停止をやった例はございません。まだ詳細は聞いておりませんが、一件
警察のほうで通知をしたという事例は聞いておりますが、この結果がどうなったか、まだ報告を受けておりません。したがいまして、現在いわゆるダンプ規制法の大きな眼目でございます使用者に対します使用停止の処分、これはまだ発動されていないわけでございます。
それから、もう
一つの大きな眼目でございますダンプカーに対します自重計の取りつけでございますが、これは法律におきまして本年五月一日から施行することになっております。しかも、それは新車でございまして、在来車はさらに三ヵ月間の猶予
期間がございますので、すべての
ダンプカー等に自重計が取りつけられますのは本年八月以降になるわけでございます。この自重計につきましては、いろいろ技術上の問題がございましたが、去る二月五日に通産省、
運輸省の共同省令によって技術上の基準を定めまして、すでにメーカー等も数社で現品をつくっておるようでございます。したがいまして、これも大体順調に取りつけられる見込みでございます。
なお、ダンプカーの
取り締まりに関しまして、特に陸運事務所の要員が問題になったわけでございますが、これは先ほど
予算の際にも御
説明申し上げましたように、
昭和四十三
年度におきまして陸運事務所の定員七十二名、賃金職員三十名、計百二名を増員いたしましたので、これで大体この事務もやっていけるのではないか、かように
考えておるわけでございます。
たいへん簡単でございますが、昨年
国会で
制定されました二つの法律のその後の
実施状況につきまして御
説明申し上げました。