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1968-04-05 第58回国会 衆議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月五日(金曜日)    午前十時二十分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 金丸  信君 理事 砂原  格君    理事 丹羽喬四郎君 理事 森下 國雄君    理事 渡辺 栄一君 理事 岡本 隆一君    理事 佐野 憲治君 理事 内海  清君       伊藤宗一郎君   稻村左近四郎君       浦野 幸男君    大野  明君       澁谷 直藏君    正示啓次郎君       田村 良平君    葉梨 信行君       廣瀬 正雄君    阿部 昭吾君       井上 普方君    石川 次夫君       島上善五郎君    福岡 義登君       渡辺 惣蔵君    吉田 之久君       小川新一郎君    北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 保利  茂君  出席政府委員         建設大臣官房長 志村 清一君         建設省計画局長 川島  博君         建設省都市局長 竹内 藤男君  委員外出席者         建設省都市局参         事官      小林 忠雄君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 本日の会議に付した案件  都市計画法案内閣提出、第五十五回国会閣法  第一五二号)  都市計画法施行法案内閣提出第五六号)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  都市計画法案都市計画法施行法案、右両案を一括議題とし、審査を進めます。  両案に対し質疑の通告があります。順次これを許します。小川新一郎君。
  3. 小川新一郎

    小川(新)委員 二十世紀後半の問題といたしましては、都市問題と宇宙開発があげられております。この都市問題という問題は、非常に大きく、また広大にわたっておりますので、私ども野党といたしましても真剣に取り組んでまいりたいと思う所在であります。大臣はじめ政府におかれましても、都市計画都市開発土地収用法または建築基準法、そういった一連都市法規というものの改正強化をはかられておりますことは、私どももその努力に対しては十分認識しております。さらにこの都市計画をよくするためには、われわれは不勉強でもありますけれども、私ども意見を加えまして、ひとつよりよく協力さしていただきたい、このように考えております。もちろんこの都市計画法改正しなければならぬ。大正八年にできて以来数度の改正が行なわれているとはいえども、根本的に改正する時期に立っております。  まず、なぜこの都市計画法を今回大幅に改正するに至ったのか、その点において大臣の所見を承っておきたい、このように思っております。
  4. 保利茂

    保利国務大臣 小川議員から、都市問題と申しますか、国土利用問題に対して、積極的、建設的な御協力をいただきまして、まことに感謝にたえないわけであります。  先日来申し上げておりますように、この狭隘な国土にこの密度の高い人口、しかもこれが世界の中に立って産業経済の上における日本国民のないしは日本国役割りというものをお互いに高く評価し、それに期待をかけていっているわけであります。したがって、国土が狭隘でありますだけに、この狭隘な国土をいかに効率的に利用してまいるのかということは、非常に大きな問題であり、そういう大きな視野から見まして、かつまた、現実の状態といたしましては、きわめて短期間に経済高度成長がもたらされ、その結果として、人口産業の集中的な現象、それから起こる都市、公害、交通、諸般の国民生活の上に障害を起こしている事態が展開せられておることは、はなはだ遺憾であるわけでございますから、この時点に立って将来のわが国土開発利用をどうはかってまいるべきであるかという全国的な視野から見る総合開発計画も、ただいま経済企画庁で作業を続けられて、秋ごろまでには、今後少なくも二十世紀後半の日本国土利用の展望というものが示されるであろうと思いまするし、同時に、それにあわせまして、都市並びに都市周辺の地についた利用計画を持ちますということが、あるいは地価問題等にも関連いたしましてどうしても土地の地についた利用計画を樹立するということが、この地価問題等にも一つの役割りを果たしていくという意義を持っておると思うわけでございまして、いろいろ法案につきましては御意見も多かろうと存じますけれども、何とかひとつ国会の御審議を通じてこのむずかしい問題、国民の課題に取り組むという形で一歩踏み込ましていただきたい、そういうことでございますから、ぜひいろいろの御意見等をお聞かせいただきまして、何とか合意をいただきたいものだ、こう願っておるような次第でございます。
  5. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただいま大臣から、私の質問に対しまして、この都市計画法改正するにあたっての意義並びにその目的、また必要性について御説明がありましたので、私どもも、この重大な都市問題に対する肝心かなめの方策であるところの法律改正という問題についてはよく理解しておりますので、ただいまの大臣趣旨に沿って、また、私ども意見というものも大臣におかせられてもよく謙虚に耳を傾けていただいて、国民のためにしてよりよくいきたい、このようにお願いしておくわけであります。  それにあたりまして、資料要求お願いしたいのでありますが、今回の都市計画法は非常に大きな問題でありますので、議員の調査に対して、政府のほうにおかれましても、建設省においても、私どもの勉強しやすいようにいろいろと参考資料を好意的にお配りくださっておりまして、この点につきましてはまことに感謝しておりますが、私はまだ一年生でありますので、前の法律でありますところの河川法とか、そういう審議に携わったことがございませんから、都市計画法のようなこういう重大な法律は初めてなので、前にどういうことをやられておるかということは、会議録と、また先輩諸氏にお聞きしながら、私は私なりに研究しておるわけでございます。今回、都市計画法案資料第1集といたしまして、外国の制度抜粋をいただきましたが、でき得るならば、イギリスアメリカフランス等の具体的な全訳文をいただきたい。まず資料要求をしておきたいのであります。これが第一点であります。  次は、今回の都市計画法は、当然憲法第二十五条及び第二十九条の国民財産権、これに相当に関係がございます。侵害するとかしないとか、また正当な問題とかいう憲法上の論議はいろいろとございます。私は、新都市計画法を施行するにあたりまして、国民のこういった私権財産権制限——私権というものは、土地の問題にもせよ、または収用の立場にもせよ、建設大臣が所々に、この土地制限とか国民財産権制限もある程度はやむを得ないのではないかということを発表なさっております。そこで、断片的なそういった制限発表でなくして、これを文書にしていただいて、建設省の、憲法二十五条もしくは二十九条の正式見解をひとつ書いていただきたい。それによって、私どもは、その基本的財産権問題等を勘案しながら、都市計画というものを論じていきたい、このように思っておりますので、第二点はその点をまずお願いしたいのであります。  この点いかがでございましょうか。
  6. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 イギリス都市計画法、これは一九六二年法といわれておりまして、全訳のものがあると思いますので、差し上げられると思います。それからアメリカは、御承知のように条例できめておりますので、これは条例がいろいろございまして、ゾーニング条例でございますとか、建築条例とか、あるいは排水、配管、給水と、いろいろございますので、ゾーニング条例、これはちょっと全訳するのに時間がかかるかと思いますけれども、英文の資料はございますので、できる限り早くお届けいたします。フランスの分は、いまちょっと全訳したものが手元にございません。要約したものでも差し上げたいと思います。  それから第二番目の憲法二十五条と二十九条の正式見解、これは憲法解釈になりますと学説も非常にいろいろございますので、都市計画法の規定に関連いたしまして憲法との関連を書いたものではいかがでございましょうか。そういうものなら出せると思いますけれども憲法二十五条の解釈、二十九条の解釈ということになりますと、各学者によっていろいろ説が分かれておりますので、法制局ともよく相談いたしまして……。
  7. 小川新一郎

    小川(新)委員 二十五条、二十九条につきましては、学者によっていろいろと見解もございますので、保利建設大臣が発表なさった時点において、いろいろと制限等の問題に触れておりますから、第一番の主務大臣であります大臣見解というものが建設省においてどういう見解のもとに発表されたか。確かに、いま局長おっしゃられたように、全部の見解ということはちょっとむずかしいでありましょうから、都市計画法関連したことでけっこうでございます。
  8. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 提出いたしたいと思います。
  9. 小川新一郎

    小川(新)委員 では次に進みます。  この改正法案をいただきまして私はまず建設大臣に一点お尋ねいたしたいことは、この都市計画法というものは、私のような経験の浅い、キャリアの未熟な者は、こうだと断定するようなことはできませんが、これはあくまでもお尋ねで、教えていただきたいのですが、計画法施行法というものだけ私ども議員審議させるだけで一体この計画法というものは万全にできるのでしょうか、それとも、再開発法とか建築基準法とか、一連都市関連法というものが一括議員手元に渡って審議していくというのがしかるべき筋であるのでしょうか、この点私は理解ができませんので、まず大臣にお尋ねしたいのであります。
  10. 保利茂

    保利国務大臣 仰せのとおり、今日の都市問題ないし土地政策を考えていきますのに、都市計画法、ただいま御審議をいただいておりますこの法案をもってすべての目的が同時に達成できるものでない。したがって、あるいは関連する再開発法でありますとか、農業振興地域に関する法律であるとか、ないしは——本来のねらいは、これは結局市民生活都民生活をよりよき状態に持っていきたいというところがねらいであるわけでございますから、何も法律それ自体が目的でなしに、あくまで国民生活を改善してまいるというところにねらいがあるわけでございますから、したがって、それに関する一連の、たとえば建築基準法でありますとか、あるいはこれに関連します税制の問題でありますとか、すべてをテーブルに載せて御審議をいただくということであれば、それが一番願わしい姿であると思うわけでございます。しかし、どっちが主、どっちが従とも言えませんけれども、何かそこにそういうものを秩序立てて考えて実行に移していけるような、たとえば税なら税の問題を考えてみましても、土地利用計画が立てられるそれの構想もわからずして土地税制を考えるということはできないというようなことも、大いに傾聴すべきところであろうと思います。とにかく一番先にそういう問題について牽引車的な役割りをするという意味においてこの法案は御審議をいただき、その御審議の過程においてそういうものの問題についてもろもろの構想を描きつつ御審議を願うというほかは、今日の段階では、ないわけでございますから、そう御理解をいただいて、ひとつ御審議を進めていただきたいものだとお願いする次第でございます。
  11. 小川新一郎

    小川(新)委員 確かに法律目的ではない、国民生活、また国民の福祉安定、これが目的であります。そのために法律というものができる、確かにそうなのでありますが、では一体国会において、こういった常任委員会等専門審議機関において——どもはそういった精神精神としてこれはよく理解できます。確かに大臣の言われたような大目的に立ってわれわれはこれを審議するのでありますが、審議させられるわれわれにとっては、実は逐条説明なんかもきのう出てまいった、これなんかもきのうぽんともらって、岡本さんにもお話したのでありますが、岡本さんは相当の先輩ですから、わずかの間でさっと読めるかもしれないが、われわれのようなしろうとはなかなかできない、だから私は一々先輩に聞きながらやっているのでありますけれども、それだけ大事な問題を審議させられるこちら側にとって——非常に御親切にしてくださったので、文句をつけるのは悪いのでありますが、この都市計画法案資料という薄いのなんかもきのう出たのです。大臣手元にも渡っております。これは私、別にここで文句をつけるわけではないのです。非常に親切にしていただいたのに、こんなことを言うのは悪いのでありますが、これも参考資料のほうの、計画法の第十条のあれが抜けているので、私としてはこれにあらためて書いております。文字も抜けておりました。それがこうしてまたあとから出てくる。それから逐条説明がきのう出てきた。これだけ大事な問題が、大臣がそれほどになさっておる問題が、こうしてばらばら出してこられたのでは、私はきょう質問に入ったが、岡本さんあたりはもう一週間も十日も前に質問なさっている。そうすると、逐条のことを理解しないで先輩方質問しなければならない。私どもは第六番目の質問順位でありますから間に合ったが、きのうわずかの時間ではとてもこれができない。こういう点は、局長でも大臣でもいいのですが、こんなになったところをちょっと御説明していただきたいのですが、いかがでしょう。
  12. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 参考資料としてお渡しいたしました旧都市計画法に四、五項ばかり落ちていたところがありまして、まことに相済まないと思います。したがいまして、昨日旧都市計画法を急遽お配りしたわけでございます。それから逐条説明につきましても、もう少し早くお手元にお配りしたかったのですが、おそくなりましてまことに申しわけないと思います。
  13. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは、私もほんとうにあげ足をとって悪いのですけれども、きのうも廊下で要求をいたしました。そうしたらばさっそく出された。こんなのは用意されているように思うのです。急にそんなに印刷が間に合うわけじゃないんだから、逐条でも何でも用意してある。言わなければ出さないという感覚ではちょっと困る。こちらが要求しなくても河川法のときには出ておるのですから、逐条でも何でもひとつ出して、お願いしたい、こういう、まず審議にあたる姿勢について私は言いたいのです。これが第一点。  第二点は、大臣にお尋ねいたしますが、具体的な問題に入ります。  都市計画法の第十二条一項四号ですね。四号においては、「都市開発法昭和四十二年法律第 号)による市街地開発票業」四項においては「市街地開発事業について」云々、こう出ております。これは厳密に言えば、都市開発法がここに出てきました。そういたしますと、都市開発法がいまこっちのほうには付託になっておりませんが、これで一体いいのかどうかということ。それから都市計画法施行法案、一一九ページ、第七十一条、都市開発法附則の問題、その前に一一一ページ第六十九条、「都市開発法昭和 年法律第 号)の一部を次のように改正する。」ずっと出ておりますね。これはやはり審議をわれわれのほうにまかされたのですけれども、再開発法法案というものは、いま参議院先議参議院のほうに回されております。そういう場合に、こういった法案参議院のほうで審議されているときには、衆議院では予備付託になるのですか、その点ちょっとお願いします。
  14. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 再開発法予備付託にはなっておりません。
  15. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうするとどういうことになるのですか。これは法案が出てこないのに私どもがこれを見ろというのですか。
  16. 保利茂

    保利国務大臣 これはどうでしょうか、もう先国会継続審議になって国会提案をされておるわけでございまして、そして引き続き審議をいただいて、ただいま参議院のほうで具体的な審議をいただいておるわけでございます。その手続関係は、本委員会審査日程にはいま入っていないことはもう事実でございます。そこで私は小川さんに申し上げたいのですけれども、こういうことになるからそこでぽんと総ざらいに一緒に持ってくれば、どうしても法案のからみ合いというものが出てくる。そこで、都市計画法と再開発法というものは不可分ではございませんけれども、非帯に密接な関係にあるものでございますから、同時に国会の御審議をいただきたいというようなことで、これがまたいろいろな税法とかなんとかいうことになると、全部それにひっからんでくるということになってくるのではないだろうかというようななにもあり、その点はどういうふうに国会として御処理をいただいていくかということは、これは共通の問題として考えなければならぬと思うわけです。手続の問題につきましては、ひとつもう少し調べて申し上げることにいたします。
  17. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 先例は相当あるようでございます。
  18. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は一年生ですから先例をよく知りませんけれども、真剣になって都市計画法を一条一条、未熟ではありますけれども、読んでいきますと、そういう問題にぶつかってくるわけですね。確かに私どもも、最初に大臣がそういう要求を出されたときに、あまり深く考えてはおらなかったのでありますが、審議を委託されまして、国民ほんとうに私ども国会議員が真剣になって審議したという姿を示すのは当然ですね。そうなりますと、こういう問題にぶつかってきたわけだ。確かに先例もあるでしょう。私どもそういった——どもと言っては失礼ですが、大臣からいま逆に、だから小川のほうでも、君のほうでも、私どもが言ったじゃないか、一括審議しろと言ったじゃないか、そのときになぜ審議しないんだ、こう大臣のほうで………。
  19. 保利茂

    保利国務大臣 そうじゃない。そう言ってはいない。
  20. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうじゃないですか。そう解釈したいのです。切り返されたように、私は心がひねくれているのか、とったわけです。私は、そうじゃなくて——確かに、人間のやることでありますから、ぱっと出されたとき、まだ法案も何も見ておりません。確かに大臣の言われる意味もわかりますか、やはり再開発法——これは参議院の側に行ってもそうだ。向こうに行っても、計画法案がこっちに来ているわけですね、そうすると、向こう向こうで、計画法をおそらく出せと言うんじゃないですか。その点どういうふうに参議院側で言っていますか。
  21. 保利茂

    保利国務大臣 参議院側では当然都市計画法国会提案されて審議中であるということをよく御理解いただいておりまして、その問題についてはまだ御論議をいただいておりません。したがって私は何も申し上げておりません。
  22. 小川新一郎

    小川(新)委員 いま再開発法審議委員会では入っておりますか。
  23. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 入っております。
  24. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、私は大臣にお尋ねしたいのですが、いまのこの施行法は一歩譲るといたしまして、計画法は確かに急がなければなりません。施行法は、あれになるのは一年後ですね、でありますから、上げる順序からいきましても、計画法を当然先に——これは一括審議で出てきても、どっちを先に優先的に調べるかといえば、われわれこっちを調べるわけです。その場合、一歩譲ったとしても、施行法のほうはうんとからんでおります。この点は再開発法がこっちへ回ってきてから審議をしなければならぬという見解を持っているのですが、その点どういう考えを持っていらっしゃいますか。
  25. 保利茂

    保利国務大臣 どうもたいへん御無理をお願いするわけでございますけれども、ひとつ今日の現状からいたしまして、ぜひ御協力いただきまして、この両法案をできればひとつこの国会で御審議の決着をつけていただくことを心から期待をいたし、またお願いもいたしておるようなことでございます。私どもとしても最善努力を払うつもりでおりますから、ひとつよろしくお願いします。
  26. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただいま私の発言に対しましては、手続上の問題であります。何も私ども審議を拒否しようという態度でこんなひねくれたことを言っているのではありません。この点ははっきりひとつ了解を願いたいのでありますが、ただ、こういった審議というものはいかに真剣であるか、こういう法文というものを読んでいかなければならぬということですから、私どもも読ましていただいて、こういう疑義が出てきた。それに対してはやはりきちっとしていただきませんと、何かばかにされたような変なムードの中で審議しなければならない。皆さんのほうも真剣になってこの法案をおつくりになったのでありますから、われわれ野党もこれを真剣になって審議する義務がある。その義務に対してはわれわれの権利というものを当然主張してまいりますから、その権利に対して、大臣からいまの問題で釈明をお願いしたいと思います。
  27. 保利茂

    保利国務大臣 小川さんの真剣な御論議に対しまして、手続上多少の欠陥があるように私は率直に思うわけでございますけれども政府といたしましては、都市計画法並びに都市開発法は非常に密接な関係になっておるものでございますから、でき得べくんばひとつ同時に成案を得るようにということを心から期待をいたして、相前後して提案をいたしておるわけでございます。したがいまして、この立案の上におきまして相関連した条項がそこに示されておるわけでございますが、ただいま都市開発法案は同様に参議院において具体的な審議をいただいておるわけでございまして、できるだけ参議院審議を促進していただいて、すみやかに本院の御審議を今国会でいただくように最善努力をいたしたいと思うわけでございます。そういう相関連する条項につきましては、審議の成り行きも十分考慮いたしまして善処いたしてまいるようにいたしたいと思うわけでございますから、前例も幾多あるわけでございまするし、不可解の点も多かろうと思いますけれども、ひとつ実質の上審議をお進めくださるようにお願いをいたす次第であります。
  28. 小川新一郎

    小川(新)委員 全面的に承服したわけではありませんけれども大臣の真摯な御答弁に私どもも了解いたします。このことはまた今後も起きてくる可能性がございますので、速記録に載せていただいたわけであります。  では、具体的な問題でお尋ねいたしますが、この都市計画法はただ単なる作文であってはならぬ。非常に画期的な問題が四点か五点ある。私は、この趣旨説明から順次入っていく前に、第十条、すなわち、一三ページに、「地域地区内における建築物その他の工作物に関する制限については、この法律に特に定めるもののほか、別に法律で定める。」とあります。この「別に法律で定める。」という法律は何でありますか。
  29. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 第十条は、第九条を受けまして、それぞれの地区についての具体的な規制内容を別の法律に特に定めのあるものに譲ってあるわけでございますが、その別の法律といたしましては、用途地域から美観地区に至るまでは、建築基準法でございます。それから、駐車場整備地区につきましては、駐車場法でございます。臨港地区につきましては、港湾法でございます。歴史的風土特別保存地区につきましては、古都における歴史的風土保存に関する特別措置法でございます。近効緑地特別保全地区につきましては、首都圏効緑地保全法近畿圏保全区域整備に関する法律でございます。流通業務地区につきましては、流通業務市街地整備に関する法律でございます。
  30. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただいま数多くの法律を読み上げられました。その中で、私は特に建築物のことで、冒頭に述べられた建築基準法の点について、これは当然改正しなければならぬ点が多々ある。建築基準法改正という点につきましては、建設大臣委員会で発言しておられます。それがこの都市計画法都市開発法とあわせまして当然改正されて、この重大な都市問題解決にあたっての法律だと考えておりますが、なぜ建築基準法改正法案が出てこないのでしょうか。これは大臣から。
  31. 保利茂

    保利国務大臣 これは、事務当局におきまして建築基準法改正作業を進めております。相なるべくは同時に御審議を願いたいというような準備を進めておりましたけれども、ともかく建築基準法は、法改正を要するとは申しながら、あるわけでございます。したがって、まず、私が先ほど申し上げましたように、都市改善への牽引車的な都市計画法、再開発法が持たれなければ、建築基準法をどう整備してみたところでどうも相前後するんじゃないだろうか、これは私の感覚の問題なんでございます。同時に、これはもう大法案でございますから、一国会で同時にこれらのものを全部御審議いただくということが事実上可能であるかどうかということに非常な危惧を持つと、率直にこれは申し上げておるわけでございます。都市計画法、再開発法にあわせまして当然基準法の改正は引き続きお願いをいたすわけでございますけれども、まずもってこの両法案の成立をさしていただいてから、こう思っておるようなわけでございます。
  32. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、建築基準法改正法案は今国会では提出されない、そういうふうに了解してよろしいですか。
  33. 保利茂

    保利国務大臣 私としましては、そういうふうに次の機会に譲りたい、こう考えております。
  34. 小川新一郎

    小川(新)委員 都市計画法都市開発法も前回の国会に提出されたのでありますけれども、実質審議は今国会に始まっているわけでありまして、当然それはいま継続審査になっておりますが、国民の側に立っては、いま非常に注目されておりますところの土地問題または住宅問題、こういう問題でいろいろなうわさが飛んでおります。どういうふうに改正になるのかとか、または日照権の問題とかございますので、これは上程だけでもして、審議というような問題は作戦上いろいろな問題もございますのでしょうが、こういうことに政府としてはいま前向きに進んでいるのだということで、都市問題解決の場にあたっては当然やらなければならぬと思うのですが、その点いかがでございましょう。
  35. 保利茂

    保利国務大臣 いま事務のほうで聞いてみますけれども、私のほうはそういう気持ちだったものですから、部内的に準備が幾らかおくれておるようでございます。ちょっと御期待にこたえる……(「そんなことないよ、おくれているはずないよ」と呼ぶ者あり)いや、どうもまだ文書化審議の段階らしいのです。そういう状態で、これはもうあからさまに申し上げますが、私がこれを早く出さなければいかぬとしりをたたいて督促してきておれば、もっと進んでおったかもしれませんけれども、はなはだ御不便でしょうが、この両法案に集中していただいて目鼻をつけていただくことのほうにどうも精一ぱいじゃないだろうか、こういうふうなことで、あまり督促をしなかったものですから、多少渋滞があるだろうと思います。
  36. 小川新一郎

    小川(新)委員 先ほど私が申しましたのは、結局、市街地開発にしても、いまの建築基準の問題にしても、建物制限の問題にしても、別の法律が、いま十幾つでしたか、数を覚えておりませんが、相当並んでおりました。その中で一番大事な建築基準法改正して国民期待に沿うのだということは、大臣も御意見等を新聞で発表なさっておりますね。新聞に出ておりますよ。それで問題が出ている。それだけ保利建設大臣のウエートが高いから、いまの問題では非常に国民は注目しているわけです。それは所々で大臣のいろいろな談話等について記者が拡大的な解釈もしているだろう。それを何も倉石発言のようにわれわれはまた追及するわけではありません。これはいいことですから、いい発言に対しては宣揚してもらわなければならぬ。それでは、そのことはさておきまして、やはり建築基準法改正するという前提のもとにいろいろと都市計画というものは立案されているんですよ、はっきり言うと。都市開発法だってそうなんですよ。われわれ順序がどうも違っているように思うのです。計画ができて再開発法ができなければならぬのに、何か再開発法ができちゃって、計画をそれに合わせていくような感覚を持ってしょうがないんです。そのために衆議院に回ってこないんじゃないかというような、やぶにらみ的なものの考え方を私どものような若い者はすぐしたがる。これは非常によくない。よくないけれども、そういう感覚を建設大臣が持たせるということは——われわれはいいのです。ここでもって幾らでも意見を言い、聞き、また問いただすことができるが、国民はそうはいかない。それによって土地の値段が上がったり下がったりもする。実質の面について非常に影響する。建築の基準がどうなるかということによって、いま建てた家まで影響してくる。そこまで考えてきますと、これはどうしても——いまも、督促とか、しりをたたいてということばが出てまいりましたが、要綱だけでも発表していただけないですか。
  37. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 答弁の前にちょっと関連して。  大臣都市三法といわれている基準法と計画法と再開発法とあって、そして都市計画法で市街化区域と調整区域ときめまして、建築規制を許可制にしてやりましても、不法建築がどんどんいまのように行なわれておったのでは、都市計画法はもう空文に帰するでしょう。だから、都市計画法を実際にやっていくのに最低限必要なものだけでも一ほかのいろいろ問題のある部分については改正しなくてもいいですよ。しかし、この都市計画法関連して、どうしてもそれがついてこなければ都市計画が実行できない、そういう部分だけでも改正案をまとめて出してこられるべきなんです。それがなければ、一体としての都市計画というものは形をなさないのです。計画法と再開発法と基準法とが三つ組み合わされて、いわば銃が三本で立てられるように、三叉銃で立てられるように、この三本が一つのこれからの都市計画をどうつくっていくかというふうな、そのつくっていくためのほうちょうになるわけですね。都市という料理をつくり上げるためのほうちょうになるわけですね。その三叉銃の一本が欠けていたのでは、これは柱として立たないのですよ。そういう意味では、都市計画法を実施していく、再開発法が成立したらそれを実施していく、それの実施のために必要なこととして最低限こういうことをやりますということだけは、一緒に出されるべきだったのです。またそのように私らも聞いておりましたし、内々そういう説明も受けておったんです。どういうことをやるんだ、いやこういうことをやりたいと思っていますと。だから、いまこういうような質問がありましたら、いや法律案の細部の問題については、各省間の折衝とか、あるいは党からのなにもあるかもしれませんが、いろいろな点でむずかしい問題も残されておりますが、しかしながら、最小限こういうふうなことはやり遂げるつもりです、またこういうにやりたいと思ってこういう形の要綱も準備しております。そういうふうな作業の進んでおる程度ぐらいは御説明がないと——小川君の言うのは当然なんですよ。
  38. 保利茂

    保利国務大臣 よくわかりました。ひとつ何とか御期待に沿いたいと思いますし、ぜひそういうふうに運ばなければいかぬかと思うわけです。ただ、間に会うかどうか、それを心配しておりますけれども、ごもっともなことであるし、当然のことでありますから、ひとつ何とか至急勉強してみますから、しばらく………。
  39. 小川新一郎

    小川(新)委員 その点は大臣のほうでそう確約なさったのですから、至急お約束を守っていただきたいと思います。  次に、都市計画法案資料の第II集「都市計画制度の変還」の中で、一一ページの都市計画制度新旧対照表に出ているのは、抜粋ですか、それとも全文ですか。
  40. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 抜粋でございます。
  41. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうしますと一二ページの法適用制度の、現行法、新法なし、これは載せる必要ありませんね。
  42. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 新法におきましては法適用制度というのをやめておりますので、なしというふうに書いてあるわけであります。
  43. 小川新一郎

    小川(新)委員 それでは、ほかのものも、ないものは全部なしと書いたらいいじゃないですか。
  44. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 できる限り書いているつもりでございますけれども……。
  45. 小川新一郎

    小川(新)委員 それでは、第二条がずっときまして、その次の第一五ページのところに第一条から第六条まで載っておりますが、第七条が抜けているのです。この現行法の第七条は非常に大事な問題なんですね。これは「主務大臣必要ト認ムルトキハ前条ノ規定ニ依リ公共団体ノ負担スヘキ毎年度ノ金額ノ最低限度ヲ定ムルコトヲ得」これは要するに、地方公共団体が都市計画を行なうにあたってのいろいろな費用等に対して、国がその最低限度を定むるもの、こういう大事な第七条が抜けているということは、いま言ったように、新法で法適用制度は要らないんだから、なしと書いてあるんだというならば、ないものは載せないんだということになれば、ほかのものも全部載せて、そういう解釈に対しては、現行法、新法には必要はないんだ、なしと載せるんだというふうに、なぜこれに載せないんですか。
  46. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 第七条に対応する新旧対照表をつくっておきませんでしたのは、私どもの手落ちでございます。
  47. 小川新一郎

    小川(新)委員 資料はそこらじゅう手抜きだらけであります。これは私どもとしましては、ほんとの氷山の一角で——そんなことはないと思いたいのです。こういう大事な問題を、そこらじゅうで抜かれたら困る。私どもはこれを信用して——これも御親切につくってくださったんですから、法律的にこれを出さなければならぬというものではない、ものではないけれども、これだけ大事な法律審議するにあたっては、議員の皆さんはこういうものをやりなさいといってやってくださったんですから、画龍点睛を欠くことにならないように、仏つくって魂入れずにならないように、またあとから次々に法文がくるのでは、混雑しちゃって、私の机の上を見てもこんなに広がってしまうようになりますから、ひとつ十分御注意いただきたい。  その次は、地方公共団体に対する国の負担であります。それに対する見解でありますが、「新都市計画論」という本が出ております。これは皆さんもよく御存じになっておりますが、それに書かれておる人たちの名前をちょっと言いますと、鶏飼信成さんとか、播磨雅雄さん——この播磨雅雄さんという方は、これは建設省のお役人だと思います。この本の三一四ページ、現行法におきまして、国庫負担金が——田中さんという人が質問しているのですが、「二分の一の国庫負担金が実際には発動していないというのは、なぜなのでしょうか。」という質問がある。それに対して、播磨さんが答えている。「私、よく知らないのですが、そういう政令がなくても、一応、予算措置で補助金は出ておったのです。」この都市計画法の法文を見ますと、政令委任がものすごくある。この政令委任に対して、現行法では、その政令を実行するところの施行令案というものが出てないんじゃないですか。その点どうなんですか。
  48. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 施行令案はお配りしてあるはずでございます。
  49. 小川新一郎

    小川(新)委員 いやいや、現行法です。
  50. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 現行法の施行令はまだお配りしておりません。
  51. 小川新一郎

    小川(新)委員 それは出してあるのですか。出してあればこういう質問——私が言っていることをこんがらがらないでくださいよ。私が言っているのは、都市計画法案の中に、政令にゆだねるということが一ぱい出てくるのですが、その政令が守られていないのです。それだからこういう質問が出てくるのです。これはお金の問題です。国庫負担金が実際に発動しているか、していないかという政令なんです。法律で定められているのです。
  52. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 現行法の政令は出ておりません。いまの六条の二に基づきます政令は出ておりません。予算措置で国庫補助を出しておるわけでございます。したがいまして、都市計画事業の、たとえば街路事業でございますと、国庫補助率は三分の二ということになっておりますし、公園、下水道につきましてもそれぞれ法律で予算措置をきめておるわけでございます。
  53. 小川新一郎

    小川(新)委員 それは出なくていいのですか。それじゃおかしいじゃないですか。政令がなくても一応予算措置で補助金は出ておった。それは確かに出ておった。けれども、二分の一とか三分の一とか、この予算措置でそれ以下になる場合もある。その見解はどうですか。
  54. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 現行都市計画法に基づく政令に基づくものではなくて、地方財政法の十三条に基づく補助という形になっておるわけでございます。
  55. 小川新一郎

    小川(新)委員 新都市計画法では、この問題に対しては、今後のあれには施行令案要旨が出ておりますね。まだ改正になってございませんけれども、現行法ではこういうものは出す必要はなかったのですか。いまの地方財政法のそれぞれやってしまうのですか。そこのところの見解がわからないのです。
  56. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 この法律によりまして、政令で定むるところによって国がその二分の一を負担するというふうに書いてあるわけでございますが、政令というものがきまっていないために、地方財政法に基づいて予算措置をしたわけでございます。
  57. 小川新一郎

    小川(新)委員 それはおかしいですよ。法律できめるんじゃないですか。政令で定める、だからこういう質問が出てくるんじゃないですか。そういうことはいままでの現行の都市計画法では随所に見られているのです。いろいろな不備がある。そういう不備をたな上げにしておいて、さらに何か改正すればいいのじゃないかという上積みをしていくことは、市町村の実施段階におけるところの最前線の現場においてはこれは混雑を起こしますよ。こういう態度が私はいかぬというのです。そのあらわれがいまいろいろなところに出てきているじゃないですか。こういった、正確を期さなければならない法文の中に、字が落としてあったり、また、いま言ったとおり、あれが抜けていたり、これがこうだったり、都市開発法参議院付託になっちゃって、こっちはどうでもいいんだ、そういう姿勢のもとにこれだけの大法案審議していかなければならぬという国会の姿勢が私は納得できないから、いま一例をあげてこういう問題を出したのです。これだって、きのうお配りしたんでしょう。これを全部一括してばさっと束にして、さあ議員の皆さん、こういうふうに渡しますから、あなた方お調べくださいといって出したのじゃないでしょう。私のほうでいまいろいろな問題について不備なものをそろえて出した。それはどうなんですか。
  58. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 私どもの手落ちで資料の配付がおくれましたことは、まことに申しわけないと思っております。今後こういうことのないように気をつけたいと思います。
  59. 保利茂

    保利国務大臣 これは全く私ども建設省がこれだけの大法案を御審議お願いするにあたり、もはや法案提案して相当の長い期間にわたっておるところでございますが、何ともおそくなって、御審議に支障を来たしておりますことにつきましては、はなはだ遺憾だと思います。それは深く遺憾の意を表します。今後は十分気をつけまして、なお、さらに提出いたすべき、ないしは御参考になるような資料等がありましたならば、すみやかに提出をいたすように取り計らいますから、御了承いただきたいと思います。
  60. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣がりっぱな頭を何回も下げなければならぬような、私のような弱輩に責められている姿は耐えられない。私もお気の毒であると思うのです。ほんとうにうまくないです、局長。こういう点まだありますよ。だけれども、そんな小じゅうとじゃあるまいし、法案審議に先だって、ああでもないこうでもない、ということを公明党は追及するのは本意じゃないのですけれども、まず姿勢について、私は、前国会において上程され、今国会も倉石問題等においても相当の空白期間があった。世の中では倉石バカンスなどといっておりますが、私は、バカンスどころじゃない、その間、一生懸命に、ない知恵をしぼって見ていたんです。そういうことでありますのに、こういった遺憾の意を表してくるということに対してはまことに遺憾でありますので、その点十分御注意いただきたい。保利大臣がそこまで申されるのですから、私もそれ以上ほかの点については追及いたしません。どうかひとつ十分御注意いただきたい。  では、実質問題で、この法案審議にあたりまして、日本全国の市はいま幾つあるのですか。
  61. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 五百六十一でございます。
  62. 小川新一郎

    小川(新)委員 この法律改正するにあたりまして、その五百六十一の市に対して、モデルケースはどことどこを選ばれましたか。
  63. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 埼玉県の一部の市を選びました。
  64. 小川新一郎

    小川(新)委員 埼玉県、私の出身の県でございますので、まことにありがたい答弁をいただいたわけですが、一体どこの市ですか。
  65. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 大宮、浦和、与野でございます。私どもが机上でやったわけでございまして、モデル計算でございます。机上でやったわけです。
  66. 小川新一郎

    小川(新)委員 埼玉県の地図を持ってきましたけれども、大宮と浦和と与野ですね。これは私は一番よく知っております。私は大宮に生まれたのですから、変な答弁をしても、たいがいわかることになっております。もっと違うところをやればよかったですね。埼玉県の浦和、大宮、与野というような、県南三市の中で最も人口が急速にふえておる川口をはずしておる。また、もう一つの希望といたしましては、都市計画と米軍の施設、自衛隊の施設、こういった軍事関係、これで悩んでおるところ、または公害等で悩んでおるところ、また財政問題、ぼくはいろいろなケースがあると思う。これだけの大法案をおつくりになるのに、埼玉県の同じ性格の市を三つ選んだだけでは、都市計画のプランニングとしては不備だと思う。もっと、たとえば新産都市をかかえている市はどうなのか、九州方面の産炭地帯におけるところの都市はどうなのか、また、いま申しました首都圏の中では、最も人口が稠密な埼玉県はどうなのか、また、過疎問題で悩んでおるところの東北の青森とか岩手とか、裏日本の富山とか石川とか、こういう点はどうなのかという、違った市のモデルケースというものがなければ、こういうものは、問題の提起は同じであっても、受ける側にとってはこれは多くの益があります。百千枝葉一根にして同じからず、根は同じであっても枝というものは全部違うわけですから、そういった種類の変わったケースの、またはスタイルの変わった市に対するモデルケースというものはなぜ組まれなかったのですか。
  67. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 私ども、いままでも全国各地の都市計画に当然タッチしておりまして、先生言われましたような各種の市の実態というものは掌握しているつもりでございます。ただ、モデル計算をいたしましたのは、ただいま申しました三市と、それからほかに札幌、仙台あるいは北九州というようなところについても調べております。
  68. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は、地図を調べて見てもらって、どこからどこまでが市街化区域だ、調整区域はどうなる、たとえば大宮の場合はどうなる、浦和の場合、ここはこういうふうになるけれども、どうなるかという、ほんとうは実際的に大きい地図を持ってきて、具体的に、こうこうこういうふうになるから、こうなってしまうんだという御説明がいただければ、われわれのような頭には一番納得できるのでありますが……(「資料として要求しなさいよ」と呼ぶ者あり)
  69. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 首都圏については一応やったものがございますけれども、克明にやりましたものは、先ほど申し上げました三市、それからそのほかの市でございます。
  70. 小川新一郎

    小川(新)委員 それでは、浦和、大宮、与野のモデルケースに対して、今度の新都市計画法に立ってあてはめればこういう姿になっていく——浦和と与野とは財政規模も違います。与野の場合は赤字に近い。そういう市がはたして受けられているかという問題も出てきますが、そういった三市の計画ができておると聞きましたから、それをひとつ提出していただきたいと思います。
  71. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 御提出したいと思います。
  72. 小川新一郎

    小川(新)委員 それでは、提案理由に基づきまして総括的な質疑に入っていきたいと思います。  三ページに、今回の都市計画法改正の最も要点は、何がいままでの計画法と違っておるかということがこの提案理由の説明になっておりますが、一口に言いますと、何点あるのですか。
  73. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 提案理由にございますように、大きな点は八点ございます。
  74. 小川新一郎

    小川(新)委員 それを説明してください。
  75. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 第一は、都市計画区域のきめ方でございます。従来は市町村単位でございましたけれども、必ずしも市町村の行政区域にとらわれずに、一体の都市として整備開発、保全する必要のある区域を、都市計画区域として定めることができるようになったことと、都市計画区域の指定の手続につきまして、都道府県知事が建設大臣の認可を受けて指定することを原則としたということでございます。  第二点は、都市計画の内容といたしまして、従来は、都市計画というのは、概括的に何でも都市計画としてきめられるというような形になっておったのでございますけれども都市計画の内容を列挙いたしまして、用途地域その他の地域地区、道路その他の公共都市施設、それから土地区画整理事業、その他の市街地開発事業の三種類を都市計画の内容とし、それぞれについて限定的に列挙して書いたということであります。  そのほかに、さらに、都市計画の内容として重要な点は、市街化区域、調整区域という区分をきめまして、市街化区域につきましては、既成市街地のほか、優先的、計画的に市街化をはかるべき区域と定め、市街化調整区域化を定めて市街化を抑制すべき地域としたことでございます。  第三点は、都市計画の決定主体を変えたことでございます。従来は、御承知のように、建設大臣が地方の都市計画審議会の議を経て決定するということであったのが、今回は広域的あるいは根幹的な事項につきましては、都道府県知事がきめる、それからその他の都市計画につきましては市町村がきめる、そういうことにいたしたわけでございます。  それから第四番目は、開発許可の制度をつくりまして、市街化区域及び調整区域におきまして開発行為をしようという者につきましては、知事の許可を受けなければならない。その場合に、良好な市街地が形成されるようないろいろな都市施設を備えたものでなければならぬ、あるいはまわりに迷惑を及ぼしてはいかぬというような要件をつけるとともに、調整区域につきましては、やむを得ないもの以外は開発行為を許可しない、こういうことにしたわけでございます。  五番目は、都市計画施設と市街地開発事業の区域につきましての、いわゆる都市計画制度——建築制限でございます。計画決定の段階におきまして、従来と異なりまして、すべての都市計画施設、すべての市街地開発事業につきまして、一定の建築物の建築を規制することができるようにした、さらに、特に重要な都市計画施設の区域あるいは市街地開発事業の区域につきましては、建築を許可しないこともできるようにした反面、土地の所有者の申し出によって土地を買い取ることができるという制度にしたわけでございます。  六番目は、都市計画事業でございます。従来は国の機関委任事務ということで市町村長——あるいは知事、あるいは土地区画整理組合等ございますけれども、原則として市町村長が執行するということになっておったものを、事業は公共団体の事務であるというふうに観念いたしまして、市町村が施行することを原則としたということでございます。  さらに、都市計画事業につきましては、従来、面開発について認められていましたような先買い権なりあるいは買い取り請求の規定が、事業決定と同時に働く。当然収用権も働くわけでありますが、そういうふうに改めたのでございます。  七番目は、都市計画に関する調査審議のために、建設省都市計画中央審議会、府県に都市計画地方審議会を置きますと同時に、開発許可というものにつきましては、相当不服の申し立ても出るということが考えられますので、不服審査を処理する機関といたしまして、都道府県に開発審査会というものを設けることにいたしたわけであります。  八番目は、附則で農地法を改正いたしまして、市街化区域の農地等につきましては、農地法に基づく転用許可を要しないことにした、こういうことでございます。
  76. 小川新一郎

    小川(新)委員 ちょっと質問が前後いたしましたが、資料要求の中で、先ほどの埼玉三市のほかに、朝霞のように自衛隊の基地がまん中にある市、朝霞市のほかにもございますでしょうが、そういう軍事基地のある場合、日米安保が存続しておりますので、当然こういった問題は建設省だけではできませんが、それを取り除いた場合、あの広大な、何万ヘクタールのジョンソン基地等が取り除かれた場合の都市計画はどうなるかというモデルケースをひとつお願いしたいのですが、どういう構成になりますか。
  77. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 ちょっと現在の段階ではむずかしいと思います。
  78. 小川新一郎

    小川(新)委員 ジョンソン基地は、もちろんこれは日米共同防衛の中に含まれているが、社会も政治も急速に変動しております。ベトナム問題でジョンソン大統領がああいう発言をするということをだれも予想し得た者はない。ここでベトナム問題が解決し、特にああいうところがもう要らない、どんどんこれから日本に返すのだ、そういうふうになったときに——朝霞市のどまん中に巨大な基地があるために、全然都市計画ができない。御存じのとおり、道路も迂回しております。はっきり言って、それがあるために都市計画ができていないのです。こういう問題は不可抗力としてあきらめておる。しかし、政情の変化というものはわれわれの予測しないところに起きておる。ジョンソン大統領のあの発言というものは、サンアントニオ方式を放棄して、拡大方式からデスカレーションに変った。こういう政治的問題はわれわれのような者にはわからないけれども、世界の最高首脳者の腹の中にきまっているわけだ。しかし、そういう問題が起きたときに、あわてて、さあ都市計画だ、いやどうするのだということは、これは政治ではないと思う。当然そういう前提に立って問題を研究し、考慮してもらわないと、私どもとしてはやはり地元にいって聞かれるわけですから、この点ひとつお願いします。できませんか。
  79. 保利茂

    保利国務大臣 どうもたいへんむずかしいことに発展をしての御発言でございます。実は私自身の頭には、こうあってはいかぬという反省は強くいたしておりますけれども、とにかく事後追認といいますか、すべての公共事業等の進め方が、あと追いかけの形にならざるを得ないというところに、一面非常に反省をいたしております。同時にまた、都市計画を立てるにつきましても、いまお話しのように、そういうところにばかりとらわれておると、長期展望に立ったときの都市の姿というものははなはだ遺憾である、そういうことで、さしむき私自身が何とか皆さまのお力をいただいて解決してまいりたいというのは、この東京並びに南関東のこの状態並びに阪神を中心とする地域、中京を中心とする地域、ここに少し頭がいき過ぎているかもしれない、したがって、全体の実施におきましては、やはり長期の展望の上に立って都市計画を定めてもらいたい。もちろん、これは佐野議員からもお話がありましたように、どこまでも地域住民の方々に自発的に、自分たちの住む場所を住みよい町にしていただくという気持ちから、都市計画は策定をいたしてもらいたいと思うわけでございます。  いま、都市並びに都市周辺に幾多の米軍の基地があります。かりにこれがなくなった場合に一体どうなるのであろうか。いろいろ公共の用途に供せられる面も出てきましょうし、あるいは地域住民のために開放せられる場合もございましょうし、そこらは地域の方々の描き方でどうにでもなっていくのじゃないかと思います。ただ、現在、朝霞の基地がなくなった場合にどうなるであろうか、ジョンソン基地がなくなった場合にどうなるであろうか。描いてみれば描けぬことはなかろうと思うので、描けるものなら描かしてみましょうけれども、それでどれだけの実益が伴ってまいりますか、いまのところは、どうもそこらはまだあまりに仮定のことになってくるのじゃないかという気がしておるわけです。これはお答えにはならぬと思いますけれども、私の抱いております感じをそのまま申し上げたのであります。
  80. 小川新一郎

    小川(新)委員 横道にそれておりますが、それは、なぜそういう質問に入ったかと申しますと、建設大臣の、米軍の電波問題について都市問題と関連しての非常に前向きなお考えを私知ったからです。いま米軍から要求のありますのは、キャンプ千歳、三沢、柏、埼玉県の大和田、厚木、横須賀、淵野辺、岩国、雁ノ巣、佐世保の周辺、崎辺、こういった周辺が、すなわち、米軍の電波の障害になるから、その辺の一・三キロ四方は住宅を建てることはだめなんだという規制がいま米軍から申し込まれておりますね。これは御承知だと思うのです。その点におきまして、大臣が、例の横浜の上瀬谷地区の電波の問題で、テレビが映らない、だからこういった立ちのきの問題とか、または損害に対してはどうかというようなことでいま地元で問題が非常に起きてきておりますが、こういった問題に対して前向きに御答弁になっている。それは十二日の参議院建設委員会です。お忘れになりましたか。私のほうの記憶がおかしいのか、それはわかりませんが……。その点につきまして、私考えるところがありますので、実はいま御質問したわけです。ジョンソン基地は——何といっても、首都圏の中で埼玉県というのは東京都と一体になっていかなければならない。東京の一千万都民と埼玉県の三百二十万県民が一体になりますから、昭和四十五年から昭和五十年になりますと一千五百万にも一千八百万にもなる予想が立っておりますが、そういう中でわれわれが長期のマスタープランを立てる場合に、こういった基地が阻害になっている点は、都市計画の問題で非常に問題がある。この点についてはどう考えているか。こういう問題があるからいま都市計画が隘路になっているのだから、これは交渉の段階に幾らでもなる。都市計画の担当の大臣の面からいえば、都市問題の面からいえば、ここに米軍の基地があるということは非常な隘路である、だから、この基地地をしかじかかくかくになさいという意見にもなる。そのために私としてはそういったことをいま質問しているわけなんです。それは、いま大臣が前向きの姿勢ということで答えられたから、私了解しますけれども、この電波緩衝の問題について、大臣は、都市問題として正式にはどうお考えになっておりますか。
  81. 保利茂

    保利国務大臣 参議院の建設委員会で、どなたか忘れましたけれども、いまの上瀬谷の問題を御提起になりましたときに、私は概括的にこう申し上げたのであります。私は日米安保条約等をこの段階では批判することはいたしませんけれども、とにかくも条約の実行はこれは忠実でなければならぬ、しかし、日本の国の実情、国民生活の実情というものを考えてみますと、どうでもこうでも置かなければならぬものはしかたないとしても、少し離れたところへ持っていってもらえるものならば、そっちへ持っていってもらわないと、さなきだにこうやって混雑しておる中であるから、なくて済むものならば、ほかへ移してもいいものがあるならほかに移してもらいたい、私どもこう感じておるわけです。そのことを率直に申し上げたわけです。
  82. 小川新一郎

    小川(新)委員 それは閣僚会議等で懇談の席上、そういうことで大臣意見を発表して、これからもそういう姿勢で、米軍から電波緩衝地帯というものを十何カ所設けるから了解してくれといってきた場合には、大臣は、総理等にはかって、そういう問題を米軍に対して、大臣のいま申された希望に沿った点を意思表示する考えなんですか。
  83. 保利茂

    保利国務大臣 私も公人でございますから、申し上げていることにつきましては、自分の立場と自分の職責を申し上げなければならぬと思っております。
  84. 小川新一郎

    小川(新)委員 その点は都市問題の非常な隘路として私は注目しておりますので、こういうように現実に米軍がいま何県何県の何地区地区と指定してきておる、これは都市問題からいま非常に隘路になっておるのだから、そこに置かなくてもいいものなら、管制しなくてもいいものなら、どこかへ立ちのいてくれ、こう私は理解したのですが、そういう点で、当然発言すべき問題であるならば、建設大臣としての権限のもとに米軍に申し入れまたは対処する、こう理解していいですか。
  85. 保利茂

    保利国務大臣 権限と言われますが、権限がどの程度にあるかわかりませんけれども、私はとにかく建設大臣として都市行政の責任者でございますから、多少便利だからという程度ならば、なるべく都市は避けてもらいたい、こういうことはどこへでも申すつもりでございます。
  86. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は、その点がちょっとかみ合わないのです。都市計画法をこれだけに改正する、それでいろいろな問題をやられますね。大臣は国家のため国民のためを思うてやられておる。そうであるならば、国民の側に立って——ただし、防衛問題とは別な問題として、担当責任者として国民都市問題の解決のためにはこうあらねばならないという点においては、建設大臣としての権限があるのですから、私は、それを当然発言し、要求し、それに対するきちっとした態度を表明するのは当然だと思うのですが……。
  87. 保利茂

    保利国務大臣 都市のあり方につきまして私どもが希望を持つ、また現状改善をはかってまいりたいという上から、申し上げることは申し上げなければならぬけれども、とにかく学校を一つ移すのですから、国内の教育施設一つ移すのですら容易でないということを考えていただきたいと思うのであります。しかし、私はこの私の考え方は曲げるつもりは全然ありませんから、その点は御了承いただきたいと思います。
  88. 小川新一郎

    小川(新)委員 その点はこの程度にとどめておきます。  では逐条に入ってまいりますが、いま局長が言われたように、問題点が四点あると、私は私なりに理解しておきます。  第一点は、三ページの「第二に、都市計画の内容として、」のところでありますが、「新たに、市街化区域と市街化調整区域の区分を定めることといたしました。すなわち、優先的かつ計画的に市街化をはかるべき区域を市街化区域とし、市街化を抑制すべき区域を市街化調整区域とし、都市計画区域をこれらの両区域に区分することにより、秩序ある市街地の形成をはかることといたしております。」とありますが、市街化区域、調整区域について一体どういうふうにあるかという国の考え方がこれにははっきりしておりませんが、その点を明確にしてもらいたいと思うのであります。たとえば埼玉県などの場合は首都圏として最もスプロールの激しいところでありますが、これは都市計画法として当然実施しなければならぬ。ところが、市街化区域というものを設けますと、ここに公共投資を行なって、ここからここまでの線は市街化するところなんですよ、ここからこっちは、将来はするけれども、いまのところはしないのだ、こういうラインを引く。地元ではおそらく市街化区域を拡大してもらいたいと思うのです。当然ここに公共事業の投入も行なわれるでしょうし、また国からの応援もあるし、よくなる、地価も上がりますから。だから地元ではどんどん広げろ広げろとラインを引いてくる。ところが、十年という限度がありますから、十年間の限度の中で市街化をするということが一体どうなるかという問題になってまいりますと、その点、どの程度でどうするのか。地元の圧力がかかってきた場合にふくらんでいってしまうという、これは農地法とも関係してくるでしょうし、いろいろな問題に関係してくると思いますが、この法文の中でははっきりいたしておりません。それはどういうふうになるのですか。そのところは明らかにできませんでしょうか。
  89. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 市街化区域をきめます場合に、各種の基礎調査に基づきまして、その地域の人口産業あるいは市街化の発展動向というようなものを見定めまして、今後おおむね十年内にどれくらいの人口が、どれくらいの工業がその地域に来るかというようなことを見まして、そうして住宅なり工場なりがはっきりつき得るような広さの市街化区域をとっていく、その場合に——法文の七条二項に市街化区域の定義がございますが、「市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。」こう書いてございます。したがいまして、既成市街地のほかに、いま申し上げましたような人口産業が入り得るような広さの地域を市街化区域として定めようとするわけでございます。その場合、実際今度それをはりつけます場合には、市街地の発展動向、あるいはその地域内におきます公共投資をどこに持っていくべきか、あるいは優良農地との関係、それから自然の保護をしなければならない地域との関係というようなことを考えて市街化区域の設定をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、実際に指定いたします場合には、現在の用途地域などと同じように、地形、地物と申しますか、河川とか、あるいは字界とか、あるいはその他の建築物によりまして区域の設定をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  90. 小川新一郎

    小川(新)委員 これはいつも議論になった点で、先輩方もこの点では議論しておりましたが、市街化区域と市街化調整区域においては、土地の値段に対して相当いろんな問題が出てくる。開発区域とされているところ、いろいろと価値の出てくる土地というものは当然上がってくる。これは建設大臣にお尋ねしたいのですが、現在の土地問題で、土地の値段を押えるために一番手っとり早い、公共料金のストップ令のような、土地の値段のつり上げ、土地の値段の高騰に対してのストップ令というものをかけるようなお考えはございませんか。
  91. 保利茂

    保利国務大臣 とにかく、これは率直に申して、手おくれになっているという感じが——ほんとはもう手おくれなんですね。そこで、いまから——督促を受けておりますように、公示価格制度をできるだけ早く実施いたしまして、これまた大いに論議のあるところでございますけれども、その公示価格が取引上の目安として行なっていけるようにしなければならない、それとのかみ合いを考えて、そして基本的には——いまはとにかくそういう全く秩序なき都市開発というか、都市発展が行なわれておるわけです。したがって、本法が実施、運営されるという場合を描いてみますと、もちろん、それは市町村の発意によって知事がきめられるわけでございますが、その地元の方々からごらんになって、おおよそこの程度は住居地域として市街化区域の中に入れよう、あるいは商業地域としてこういうふうに入れようということになりますと、十年くらいの間にはかなり満ぱいになるのではないかと思われる程度の——というと相当の広さにもなってまいりましょう。そうしますと、そこに秩序ある住居地域が建設せられるというようになってまいりますと、土地暴騰の基盤が宅地の需給の著しい不均衡から来ておることから考えてみますと、十年くらい先まで見て需給上のバランスをとり得るであろうという区域になるわけでございますから、私は、この上そう著しい暴騰を来たすようなことはないだろう、一方におきましては、公示価格の制度をできるだけ早く、四十五年、おそくも四十六年には実施をいたしたい、そうして一つの土地取引上の目安がそこに立つわけです。また小川さんおっしゃいましたように、いろいろ都市の基幹施設をつくっていくと、利用価値が高くなって、値段が上がっていくのではないか、その傾向をいなむことはできない。それはその土地の所有者がその土地に何事か加えて上がるものでなしに、たまたま市街化区域に指定されて、そうして道路をつけられ、下水道をつけられ、そういう関連の公共施設が持たれるということからくる値上がりでございますから、それが土地所有者に全部、期待利益といいますか、開発利益というものが専属していくということは、これはもう当然措置せられなければならない。それは税制の上に期待をいたす。その税制の上に期待をかける、そのことが一体できるのかという御不安があろうかと思いますが、いまやこの点に関しては、度合いの問題はあるかもしれませんけれども、大体そういうふうな措置をとるべきであるということは、およそ私は国民的合意といいますか、みんなの常識になっていると思うのでございます。したがって、税制調査会でもどういう具体案を出していただけますか、私は十分期待をかけ得ると確信しております。しかし、何さまここに土地利用計画というものを持ち得ないという今日の状態においては、税制だけでどうにもできない、こういうところがあるものでございますから、税制調査会の土地部会でも、夏ごろには何とか結論をつけたいというような気持ちも強いようでありますし、そのためにも、どうしてもそういうところにお互いに一歩踏み込んで事態の改善のためにやらなければなるまい、こう考えておるようなわけであります。
  92. 小川新一郎

    小川(新)委員 いつも、土地問題になると、大臣にごまかされてしまう——ごまかされてしまうということばはいけないのですが、私は青年でありますので、大臣と違って、ことばのテクニック、発言のしかたがへたなんです。ですから、ストレートに、土地というものはこうするんだ、手おくれなんだから、手術しなければいけない。ガンが進行して手おくれになれば、胃酸だけ飲ましているわけにいかないのです。手おくれなんです。岡本病院にでも入院させて手術ということになる。それで大執刀をしなければならない。(発言する者あり)産婦人科でも何でもいいですけれども……。大臣、これは笑いごとじゃないのですよ。岡本病院はともかくとして、腹を断ち切って摘出しなければならぬ。そうしないと、住宅建設五カ年計画が今度危ぶまれてくる。そうなってくると、民間自力建設に六割頼んでおる、政府施策住宅が四割、それにはいろいろ議論が出ておりますが、少なくとも、大臣のおっしゃるように、土地の値段はこれ以上上がらないのじゃないか、ここが限度じゃないかというようなものの見方、これは非常に甘いと思うのですよ。そんな考え方だから、いま言ったとおり、うちが建たない。第一、この計画ができますと、市街化調整区域内には——たとえば小川新一郎がささやかな貯金ができた、二百万か三百万の小金ができたので、その土地を買いに行って、その調整区域に今度うちが建てられるのですか。それを具体的に聞きたいですね。
  93. 保利茂

    保利国務大臣 そういうことをやってもらいたくないというのがこの法案の骨子でございます。そういうことをやっていただいていいというならば、これはこういう苦労をすることはないだろうと思います。
  94. 小川新一郎

    小川(新)委員 それは私だってわかってますよ。二百万しか貯金がなくて、いま立ちのきを迫られておる。じゃ、私の埼玉県の市街化区域の中に三百万しか貯金のない人間がうちを建てたい、その土地が市街化区域のどこにあります。市街化区域になっちゃったら土地は上がっちゃうのですから、坪何十万になっちゃう。できないからいまスプロールしているのじゃないですか。まるで国民が悪いみたいなことを言っておるけれども、だれが好きこのんで二時間も三時間も電車にゆられて、往復四時間——四時間といいますと、十年、二十年間は電車の中で暮らす計算になるのですよ。だれが好きこのんで遠いところに、往復四時間も満員電車に——私は毎日七時十分に蕨の駅から乗っておりますから知っておりますけれども、二百六十カロリーも消耗するのです。大臣は自動車に乗っていらっしゃるから消耗なさっていないかもしれないけれども、二百六十カロリー補給するのには、卵二個と牛乳二本です。牛乳が一本二十五円としたって五十円、卵が二十五円で五十円、百円は電車の往復で取られてしまう。エネルギーの面からいったって損しておる。それはさっき言ったように、何も二時間も三時間もかかるところから通いたいのではないのです。もっと近いところから通いたいのです。だけれども、そんな安い土地がないのです。だから、しょうがないけれどもスプロールしちゃうのです。それを、国民がスプロールしていくのは悪いのだ、だから小川、そんなことを言っちゃいけないのだと、でかい目でにらまれたって、それは私困りますよ。だから、市街化調整区域内には確かに一個人のうちは建たないから、そういうところに政府土地開発を行なって、ここはそういった個人の住宅が建つような土地にするのだというところをまずどこかに隘路を聞いてもらわないと——市街化調整区域における開発許可の基準は幾らですか。
  95. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 市街化調整区域におきましては、原則として、一戸建てのものにつきましても土地開発は認めない、こういうことになっておりますが、例外といたしまして、三十三条に一号から十一号まで書いてございます。
  96. 小川新一郎

    小川(新)委員 具体的に言うと二十ヘクタール以上でしょう。
  97. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 例外的な許可の中には、十号のイで、開発区域の面積が一定規模以上のもので、市街化区域における市街化の状況から見て計画的な市街化をはかる上に支障がないと認められるものということで、ある程度まとまって大きな宅地開発が行なわれるという場合に、それが計画的に行なわれるものであって、しかもその場所につきましても支障がないというものにつきましては、例外的に開発審査——これはまあ都市計画できちっと一応市街化区域、調整区域をきめますけれども、さらに例外的に認めなければならないものもございます。土地の動きが流動的な面もございますので、建築基準法におきましても、構造とか規格とか高さとかいうものをきめておりますけれども、建築審議会の意見によりまして例外許可ということができるようになっておりますのにならいまして、開発審査会の議を経て例外許可ができる、こういうふうにしておるわけでございます。
  98. 小川新一郎

    小川(新)委員 その例外ということは私にはよくわからないのですがね。いま国民が最もこの都市問題で悩んでいるのが住宅問題です。そうですね。住宅問題の解決が済めばその他のもろもろの問題というものも解決してくるのです。スプロール化して、わずかきりしかない土地が蚕食されていくから、ここは市街化区域にするのだ、ここは市街化にしないのだというラインを引いて、そういったスプロールを防ぐことが第一の眼目なんでしょう。それは大臣のおっしゃったとおり、ところが、現実面には、今度そういった規制を行なっても、こっち側のほうにおる国民のほうでは住宅が足りない。そこで私が言いたいのは、市街化区域として設定されなければ、そこの土地というものは直ちに値上がりするとわれわれは見ているわけなんです。大臣は、もうあまり上がらないだろうとおっしゃっていますけれども、現実にこうどんどん手おくれになってしまっておる。土地というものの概念を私は私なりのものを持っておりますが、もう公共団体だってこれから土地をどんどん持たなければならない、そういった中において、市街化区域の土地が上がった場合には、まず公共団体だって土地の取得が困難になる。それから今度そこの中で市街地開発が行なわれて土地があいてきます。そこに今度公園をつくったり、ここは住宅をもっと建てなさいというような計画を参議院でいま審議しておりますが——そこで私がお尋ねしたいのは、そのいま言った開発区域が、ある一定の量だけなら、特別にその市街化区域においても開発ができますね。できるでしょう。だから私が言ったとおり、ある大型ディベロップの大資本を投入して、そこでもってあなた方の定めた基準に合っていればこれは開発してもいいのだ。そうすると、もう大資本の擁護みたいになっちゃって、小さい個人は、いま言ったとおり、もう安い土地であるところの市街化調整区域には家は建てられない。これにはスプロールという弊害があるから当然だ。納得する。それじゃ、それに見合うような市街化区域のあいている土地国民に放出するような政策というものがあるかというと、ないわけです。それだから国民は自衛手段でもっていままでスプロールしているわけです。先ほど私が言ったように、三時間も四時間もかかって遠くへ行くのは、何も好んで行っているわけじゃない。埼玉県の例をあげましても、こんなに桃色が塗ってある。これが全部市街化調整区域です。大体私ははかってみた。この桃色区域は、埼玉県の都市計画でつくった。こういうふうに市街化調整区域を色分けしている。この土地が幾らかと調べてみた。そうすると、こういうところから東京都内へ通う時間はどれくらいか、算定されてきます。そこで私が大臣に聞きたいことは、いま住宅に困っている方々が、もうおまえたちは市街化の調整区域には行けないのだから、今度行きたいという者に対しては、大型の不動産業者のつくった家しか買えないということになりますけれども、その点どうなんでしょう。
  99. 保利茂

    保利国務大臣 私も、先日、金町方面の実際の住宅事情を二、三見て歩きましたときに、たまたま子供さんを二人持っておられる若い夫婦、非常に堅実な考えを持っておられる方と見えて、どこそこに土地の用意をした、この状態は何とか逃げたいと思うものだから、土地の用意をした、用意をしましたけれども、だんだん子供が大きくなってくることを考えますと、その教育のことを考えてみて、せっかく土地は遠いところに買ったけれども、家を建てるのは見合わせております。だんなさんの通勤の範囲ないしは子供の教育等を考えて、もう少ししんぼうしてやりたい、こういうふうなお話を若い御夫婦に伺って、非常に感じたわけなんです。いまだんだんお話の点はそこなんです。そこで、今日の地価暴騰の原因はいろいろございましょうけれども、とにかく根本は宅地の需給のアンバランスから来てしまっておる。そしてまた、通勤状況、輸送施設というものが今日の状態である。そこにこの都民生活国民生活の非常なもだえがあるわけなんです。何としても住宅問題を片づけなければならぬということを、そういう上からも痛切に感じたわけですが、さて住宅問題に取り組んでみますと、やはり土地の問題になってくる。そうすると、土地なくして家は建たないわけです。それで、たまたますでに国会で御審議の過程にあるこの都市計画法、これ自体でどうということは考えませんけれども、とにかく改善への一歩になることは間違いない。そこで熱意を傾けておるわけなんです。そこで、この市街化区域、調整区域という都市計画の区域内の線の引き方、色のつけ方というものは非常に問題があると実は思うのです。と申しますのは、われわれは、都市状態を考えていきますとともに、日本の農村というものを同時にあわせて考えていかなければならぬ。そういう上からいたしまして、調整区域になったところは、多くはこれは農地、山林であるのではないか、それは当然のことでございます。その場合に、その農地が、どうせまたそのうちにここも農業はできないようになるのだろうというようなことになっては、たいへんな問題になってくるのじゃないか。そこで、これはお互いに今日の事態を十年前に予見し得た者がないと同時に、相当見られる限り見ていかなければならぬけれども、しかし、世界の情勢等もありますから、どういうふうに日本が変化していくかということはだれしも予見することができない。しかし、とにかくここ十年くらい、このくらいの市街化区域を用意すれば、おおよそ個々の都市機能というものは住宅問題を中心にして果たされるのではないかということで市街化区域になっておる、私はそう思うのでございます。そこで不動産業者の跳梁ばっこを許さないようなことを考えていかなければいかぬじゃないか。それにはやはり土地所有権が容易に移動する——これは当然のことで、そこまで財産権をどうこうというわけではございません。私は、なるべくならば市街化区域の中の、たとえば住居地域に指定されるようなところの土地所有者は、所有者自体が利用目的を達せられるように、何もあなたの御心配になるような大資本家とか大企業家とかの手をわずらわすことなしに、自分自身で、あなたと私と共同で、いわば自分の土地にその住居、アパートを建てるとか、利用目的を十分達し得るように——それはそんなことを言ったって金も何もありはせぬ、こうなるわけでございますから、それを住宅金融公庫とか、いわゆる公的資金を相当放出して、民間の土地所有者が、所有者自体が利用目的のために利用し得られるように講じていかなければならないのじゃないか、私はそういうふうにしてあわせ考えていかなければ……(「それは話がうま過ぎる」と呼ぶ者あり)うま過ぎるとおっしゃるけれども、このくらい話がうま過ぎないのじゃどうにもならないのじゃないかというように私は思うわけであります。そういうことでなしに、絵にかいただけに終わるようなことにしてはならぬということを私は感じております。
  100. 小川新一郎

    小川(新)委員 開発行為等の規制の中で、開発行為の許可のところで、いま市街化調整区域にこれから開発許可をお願いしたい、こういうので、不動産業者で相当の土地を現在買ってある、その場合、この法律が新しいものができるとどういうことになるのですか。
  101. 保利茂

    保利国務大臣 これはこういうふうに私は理解します。つまり、市街化区域というものは、十年くらいを見通して指定せられるべきである。調整区域はそういう市街化を抑制していこう、したがって、こっちの市街化区域が相当の余地があるにかかわらず、調整区域のほうにいい適地があるからといってそうむやみやたらにその開発を許可すべきものではない。それなら調整区域を何のために置くのだ、調整区域を置かないほうがいい、私はこう思います。
  102. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは重大な発言だと思うのです。市街化調整区域に、いま言ったとおりに、まだ市街化区域にあき地がある、いい土地がある、それにやらないでこっちにやったということは、おまえいかぬではないか、そんなことを、資本主義下において——これは開発基準に当てはまって許可の申請をやったので、スプロールするわけでもないのだ、その基準、規格で二十ヘクタール以上あるんだ、だからいいじゃないかということになったときには、言ってきた者に対して大臣はどう指導されますか。
  103. 保利茂

    保利国務大臣 私は思いますけれども、それがつまり国土利用計画、わざわざ利用計画というものをここに秩序をもって立ててそして実施していこうというのには、そういう考えでなければ私は利用計画を立てる意味はないと思うのです。
  104. 小川新一郎

    小川(新)委員 それは確かにそうなんです。大臣の考えは正しいのです。それは私も認めます。だけれども、現実にみんながそういうふうに国土利用ということを考え、大臣のおっしゃっているような理想に向かって走ってくれれば、違法建築の問題で泣く住民もいないだろうし、また、日照権の問題でいま騒いでいますが、日照権で通産省あたりが国民を犠牲にしてまで川口のあそこへ建てるようなことは起きてこないのです。みんながそういう大乗的な見地に立ってくれれば問題はない。ところが、人間はそこに利害得失がからんでくる。たとえば住宅を供給する場合に、その予算がない。もうけるためにはやはり安いところに行くんだ。そこで、開発の基準に当てはまって申請を出した場合には、なぜこういうことをやったんだとおさめるあれがないでしょう。
  105. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 十号のイに書いてございますように、ただいま大臣が御答弁になりましたように、「市街化区域における市街化の状況等からみて」ということばがございます。したがいまして、市街化区域の中にまだ相当余裕があるのに、これの許可を開発審査会の議を経て与えるということはしない。もう一つの条件といたしましては、計画的な市街化をはかる上に支障がない。これは市街化調整区域につきましては、調整区域の整備開発、保全の方針というものは都市計画できめられることになっておりますので、市街化調整区域につきましては、たとえば優良農地のような保存すべきところ、あるいは将来は市街化の予備軍となるようなところは、当然方針の中に明らかになると思います。そういう方針に照らしまして、計画的な市街化をはかる上に支障がない、こういう判断と二つ二重にかかっているわけでございます。市街化区域における市街化の状況からみて支障がないという場合に初めて市街化調整区域で行なわれるということと、計画的な市街化をはかる上に支障がない、この二点でしぼられておりますので、市街化区域の中があいているのにこちらを認める、こういうことは考えておらないわけでございます。
  106. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、土地所有者と土地を購入する側とが値段その他の条件が合意に達しましてそこで売買契約ができた、そしてそこに住宅を供給することになっても、いま言ったとおり、埼玉県で申すと、東松山市の周辺とか、または東武のほうへ行くと加須市の周辺——大宮市周辺にはありませんが、秩父から両神ぐらいに向けて、越生、毛呂、あの辺の周辺地帯は農業には最もいい土地です。そういう土地を蚕食する場合に、当事者間の売買契約がその基準に当てはまったものがあっても、いま言ったように、市街化区域にまだあいている土地があって、市街化調整区域をディベロップ、開拓することには不適当であるとその委員会——だれが認めるのですか。建設省が認めるのですか、都道府県がやるのですか、市町村がやるのですか。
  107. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 市街化区域の指定は、先ほどちょっと申し落としましたけれども、必ずしも十年——おおむね十年以内に優先的に市街化をはかるべき区域というのは既成市街地に膚接してきめるというふうにも考えていないわけでございます。場所によりまして、ある程度離れたところに計画的な市街化をつくりたいと思うところには市街化区域を設定していきたい。必ず同心円的に広がってその都市を構築しようという考えではございません。そういうような考え方を持っております。したがいまして、市街化区域の中でまだ相当あいているというような場合に、市街化調整区域で、宅地開発のやつは、たとえ契約が結ばれましても許可されない、こういうことになろうかと思います。手続といたしましては、知事が開発審査会の議を経てきめる、こういうことでございます。
  108. 小川新一郎

    小川(新)委員 その場合、国はそれに対して不適当と認めたり適当と認めたりする意見を差しはさむ余地はないのか、また、そういう問題に対しては国は地方自治権を侵す立場から進言しないのか、どうなんですか。
  109. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 それに対します不服は、一応、開発審査会と先ほど申し上げました、都道府県に置かれる機関に不服審査がまいります。それの再審査としまして建設大臣にくることになると思います。建設省としては直接これについて判断を入れることはございません。
  110. 小川新一郎

    小川(新)委員 それでは重ねてお尋ねしますが、都市計画は市町村が立てるのですか、県が立てるのですか。
  111. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 先ほど申し上げましたように、都市計画区域は知事がきめますけれども、その中の都市計画で市街化区域、調整区域とか、あるいは広域的な立場できめる都市計画、そういうものにつきましては都道府県知事がきめるのであります。それから一市町村内において利害がまとまってしまうようなものにつきましては市町村がきめる、こういうふうに、二段階と申しますか、二つに分けて都市計画をきめることになっております。
  112. 小川新一郎

    小川(新)委員 この問題で、いま言った調整区域、市街化区域のラインを引くのは、最終的には知事ですね。そうしますと、こういうふうにしてもらいたいということを出すのは市町村です。市町村長も県知事も公選で出てきている人たち、当然そこにある地元民、言いかえるならば有権者の方々の利害得失に相当影響されてくる。そこで、そのラインのきめ方が、おれのところはもっとこっちに広げろとか、こっちに狭めろという問題がたくさん出てくると思う。それが政治生命に関連してくるわけです。そういう場合には、一体国としてはどういう立場をとるのですか。
  113. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 特に重要な都市計画につきましては建設大臣が認可するということになっております。したがいまして、首都圏とかあるいは近畿圏とか、首都圏の近郊整備地帯あるいは近畿圏の近郊整備地帯というようなところに置かれます市街化区域、調整区域の設定というようなものにつきましては、私どもは、現在の段階では、認可に上がってくるのではないか、したがいまして、その認可の段階において法律上ある程度の調整ができる、こういうふうに考えております。
  114. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は建設大臣意見をお聞きしたいのですが、こういった県知事、市町村長の自主性を尊重することは、地方自治の尊重の立場から非常に賛成なんでありますが、いまのような貧弱な公共団体の財源をもってしては、都市計画なんというものはなかなか進まないんじゃないですか。現行法においてだって都市計画がたなざらしになって、地図でそのままになっている市町村がたくさんあるんじゃないですか。いまの財政機構、人員、人材で、はたして私たちが望んでいるようなスプロールを防止し、なおかつ国土総合開発計画の総プランの中から望ましい計画ができるか。最終の責任は建設大臣が負って、国が主管になって推進していくべきである。総合開発計画などは国の上位機関であると思いますが、こういった最前線こそ、建設大臣が財政的の責任も負ってあげる、また援助もしてあげる、めんどうを見てあげる、だから、あなた方の意見は聞く、最後はその責任はおれがしょうのだ、こういった姿勢が打ち出されなければ、この都市計画法というものは、先ほど申しました、仏つくって魂入れずのたとえになって、いたずらに各市町村の部屋の中に、地図の上では確かにりっぱなプランができておっても、それが実施計画に移されないというきらいがあります。その点の改正が私は望ましいと思うのですが、その辺のところはいろいろ議論もあると思いますが、大臣としてはどういうお考えでございましょう。
  115. 保利茂

    保利国務大臣 都市化現象に対してどう対処するかということは、各党におかれても、内政上の最大の課題として今日の御心配をいただいておることでございます。したがって、政府党のかまえといたしましては、この都市化現象に対処する態度としては最も大事に取り組んでいかなければならない。したがって、この財政上の措置につきましても、ただここで内政上の最大の課題だとかなんとかいっているだけでは、そんなにらちあくわけじゃありません。したがって、今日の都市化現象に取り組んで事態の改善をはかろうとするためには、相当の財政上の支出というものは当然第一に考えなければならぬことだと思う。ただししかしながら、あまりに財政支出を伴うがゆえに国が第一線に関与し過ぎるということは、地方自治権を侵害するおそれもあるわけで、願わくは、ひとつ大きな全国国土利用計画の大所高所に適応した都市計画を自治体において持たれるように、各党におかれてもそういう指導をやっていただいて、これこそほんとに、防衛問題と違うわけでございますから、国民防衛でございますから、そういう上から、できるだけその自治体の御意見を尊重して、それに必要な財政支出をはかっていくということでなければならぬのじゃなかろうか。一刀両断的にいこうとしますと小川さんのほうに傾きますけれども、それではどうも地方自治権の侵害ということになる。やはり地域住民の一番大事な問題でございますから、地域住民の御意向を尊重してまいるということがたてまえでなければならぬと思います。
  116. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣の温情あふるる地方自治に対する態度が、私は今日の都市問題を逆に混乱させているのじゃないかと思う。確かにそういう考え方もいいです。だけれども、先ほど大臣が申されたように、都市問題、地価問題が立ちおくれなときには立ちおくれなような療治を必要とする。それが各党のほうにげたを預けられてしまっても、私のほうも、政審のほうにもはからないで、おまえ委員会で何を発言してきたのだとしかられてしまうので、私はあくまで建設大臣意見を聞く側なんですから、ひとつ誤解しないでいただきたい。私が公明党の意見をここで述べてしまったのでは、身もふたもなくなってしまう、どっちが大臣かわからなくなってしまうので、それはうまくないのであって、あくまでも大臣——そういった考えは必要です。そういうものがなかったら、これはファッショになってしまいますから、それは必要です。だけれども、責任はどこでとるのかということになったら、これは国ががっちり負うのだ。ただ、措置をいたします、援助をいたしますでは困る。その点を私は明確にしていただきたいという考えなのです。
  117. 保利茂

    保利国務大臣 これは先ほど都市局長も申しておりますように、重要な事項につきましては、とにかく最終的な責任は、政府と申しますか、建設大臣と申しますか、負わなければならない、当然のことだろうと思います。したがって、できるだけ自治権を尊重してまいるというたてまえ、責任は、国としては建設大臣が全責任を負わなければならぬと考えております。
  118. 小川新一郎

    小川(新)委員 約束の時間がまいりましたので私やめます。実はまだたくさんあるのですけれども、これはまた時間をいただいてこの次にやらせていただきます。  最後に一問だけ。これは大きな問題なんですが、農業との関係はこの間も内海委員がお話しくださいまして、私そんな詳しいことを要求いたしませんが、農業振興地域整備法案というのが今度農林省から出るというように聞いておりますが、そういった農業地域整備という関係と、今度の都市計画法改正とは、非常に密接不可分のような関係に立っております。ここを市街化調整区域にするという地域が、いま申しましたような農業資本の投入を行なった、農業立地として適当であるから、ここは農業整備地域としてとっておくのだ、これは先ほどお話がありました。そういう点を私どもが今度都市の分野から見ていった分野と、農業の分野から見ていった分野と、おのずと合意点がなければならぬ、どこかにキーポイントがなければならぬ、接点がなければならぬ、それが行き違いになっておったのでは、いたずらに混乱を起こし、地域住民の不安をかもし出すということになりますが、この点、大臣はいかようにお考えになっておるか、この点をひとつお尋ねいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
  119. 保利茂

    保利国務大臣 先ほどちょっと申し上げたように思うのでございますけれども、結局、この接点と申しますのは、都市側から見る接点、農業側から見る接点は、いわゆる市街化調整区域に該当するであろう。描いてみますと、この市街化調整区域における農業というものは、いわゆる都市近郊農業としての特色を発揮するように技術指導、たとえば高級蔬菜であるとか畜産であるとか、そういうふうにおそらく農林省の側からも農業振興地域として指定をされるわけでございましょうし、そういう点において近郊農業としてのあり方というものに強力な指導推進をされるべき地帯ではないだろうか、そこに調整地域のまた意義も持たれてくるのではないかと思うのです。
  120. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうしますと、農林省のほうの法案提出に対するかまえ、建設省の側である計画法のかまえ、こういった連絡会議等を持って、現地に混雑を起こさないような機構というものは上部で持たれているのですか。
  121. 保利茂

    保利国務大臣 これは最終的には農林大臣建設大臣の責任事項になると思いますけれども、とにかく最大の課題は、今後の農業がどうあるか、農村をどうするか、結着するところ、そこになるわけでございますから、そこの円満かつ健全な調整がないと、たいへんなことになるわけでございます。精力的な調整連絡をはかるべきであり、私は自分では重点を置いたものの考え方をいたしておるわけであります。
  122. 小川新一郎

    小川(新)委員 それに対して、現地の都道府県知事、市町村長の意向というものが、両省の調整機関に反映することはできますか。
  123. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 先ほどから大臣申されておりますように、市街化区域の中には今度の農業振興地域が入らないということは、明文として出ております。市街化調整区域が接点になるわけであります。しかも市街化区域をきめますときは、当然農林大臣と協議する。それから市街化区域、調整区域の指定の手続は、先ほどから申し上げましたように、市町村自治という形で上がってくるわけであります。農林省のほうの農業の振興地域も、知事が区域指定の基本方針をきめまして、農業振興地域は市町村または知事がきめる、こういうことになっております。下から上がってきたものが上と結びつく、こういうかっこうになると思います。
  124. 小川新一郎

    小川(新)委員 以上で終わります。
  125. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 次に、石川次夫君。
  126. 石川次夫

    ○石川委員 都市計画法に関して質問をするわけですが、実は私はきょう質問を予定されておらなかったのです。来週質問をするつもりでございましたので、質問をよく整理してありません。しかも、与えられたあと一時間くらいではとても私の質問は終わりそうにないと思いますので、一問一答の形でなくて、大体私の意見を述べながら、皆さん方の御意見を伺いたい、こう思っておるわけであります。  まず最初に伺いたいのでありますけれども、佐野委員のほうからいろいろ質問がありましたように、農業振興地域整備に関する法律案、それから通産省の工業立地適正化法案、運輸省の特定臨海区域の開発及び利用に関する法律案、そしてここに建設省から都市計画法の抜本的な改正、こういう土地政策が非常にばらばらに出ておるわけでありますけれども、何と申しても、国土総合開発計画との関係でそれをどう調整するか、これとの調整をはかりながら土地政策というものは進めていかなければならぬのにかかわらず、実態はそうなっておらぬということで、土地政策は非常に混乱をするのではないかという危惧の念を持たざるを得ないわけであります。そこで、私の意見というわけじゃありませんけれども土地の有効利用というものは今日きわめて重要な課題であるというところで、この土地の有効利用を一元的にはかっていく責任ある官庁というものをつくるべきではないか。そういう点では、やはり国土省あるいは国土開発庁というようなものを設けて、この限られた日本の狭い国土の有効利用というものに取り組む責任ある体制をつくったらどうかということは、ずいぶん前から言い古されておるわけでありますけれども、そういうことについて内閣の中で話が出たか、あるいは保利建設大臣御自身の御意向はどういうものであるか、この機会にまず最初に伺っておきたいと思うのです。
  127. 保利茂

    保利国務大臣 石川さんの御指摘のように、この都市計画法案審議の段階に入りましてから、あるいは農業振興地域整備法案、工業立地適正化法案であるとか、もろもろの類似の地域立法が考えられてきております。私は、農業振興地域法案につきましては、これは非常に大事な、いわば唇歯輔車の形において尊重されなければならぬと思います。余の問題につきましては、都市計画法の大きなねらいとしているところ、したがって都市計画法の大きなねらいが達成せられるならば、そうたいして大きな意義はないのじゃないか、これは勉強が足りないせいかもしれませんけれども、率直にそう感じているわけなんであります。そういうふうな、工業立地適正化法とか、あるいは大気汚染防止法とかいうようなものを必要としないような都市を持ちたいということが、都市計画法のねらいであるわけでございます。したがいまして、工業立地適正化法というものは通産省の一部で考えられておるようですけれども政府部内としてはまだこれが議題になっていないという状態でございます。そこで、この狭隘な国土をどう有効に利用していくかということは、戦後長い間いろいろの地域立法、開発立法等が行なわれてきておりますが、現実はお互いに見るとおりの姿である。そこで、お話のように、抜本的に、機構的にも考えてみるべきところじゃないかといわれる御意見に対しましては、深く傾聴いたすところでございますが、私は、とにかく当面、都市計画法並びに関連法をもって、少なくとも都市部面におきまする牽引車的な役割りをある程度果たせるんじゃないか、こう考えておりますから、これに一路邁進をいたしてみたいと考えておるわけでございます。機構上の問題につきましては、これは先年来幾たびか起きておる問題でもございまするし、慎重に検討をいたしてまいらなければならぬと思います。現在の時点におきましては、政府部内におきまして石川さんの御意見のようなことが議題に供せられるということは、実はいまむしろ、行政整理じゃございませんけれども、幾らか行政機構の簡素化という方向に現政府は方向を持っておるものでございますから、新たな機構を持つということに対しては比較的消極的である。だからといって、必要なものを否定する方向ではございませんけれども……。したがって、積極的に、ただいま御発言がありましたような国土省とか国土開発省とかいったような議題は、現実にはございません。
  128. 石川次夫

    ○石川委員 私も国土省をつくることがいいかどうかということについての最終的な結論は出ておらぬわけでございまして、力のある建設大臣——保利さんをおだてるわけじゃありませんが、そういう大臣がおれば、ある程度他省との関係も調整をはかって、建設省土地政策については大体一元化していくという体制をとられるかもしれない。しかし、これは土地政策あるいは都市計画が完ぺきに行なわれて、大気汚染の心配もないというような状態が予想されるのなら、各省では法案を出してくる余地もないわけでありますけれども、現実の問題としてはそうでない。工業立地適正化法案なり、あるいは特定臨海区域の開発及び利用に関する法律なり、これはそれぞれ各省が非常ななわ張り争いといいますか、そういうことを経て、この工業立地適正化法案などは今回は見送ったというふうないきさつも聞いております。しかし、いずれはこういう問題が再燃をするということが考えられるのであります。基本的に国土省をつくることが是か非かということは別といたしまして、土地政策はどこかで一元化してやるんだ、こういう体制ができないと、今後とも非常な混乱が出てくるということが予想されると思うのであります。国土省をつくると、新しい省を一つつくるんだというふうにお考えになるかもしれませんが、それはかなり大きなものを包含したことになりまして、別に小さなものが一つぽこっとできたという形にはならない、こう私は考えております。しかし、これはきょうの質問の対象にはしないつもりでありますから、このくらいで打ち切ります。  そこで、この前もちょっと私は質問したのですけれども保利建設大臣が就任をされて、施政方針演説も聞きましたが、それは確かに、土地の問題も、あるいは計画の問題も、河川も道路も住宅も、非常に重要な問題だということはわかるわけであります。この前の西村建設大臣に伺いましたところが、あなたの重点は何ですかという質問に対して、住宅であるとはっきり申されました。住宅を何としても解決したい。これは、任期は限りがあるわけでありますから、やはり自分が建設大臣になられたら、自分の任期中にこれだけはやる——ほかのものを捨てていいということにはもちろんならぬでありましょうけれども、重点ははっきり指向してもらいたいと思うのです。私は、住宅であるということを言った西村前建設大臣は、一つの見識を持っておったと思います。しかしながら、何といいましても、私個人の意見を申し上げると、地価の問題だ、こう私は断定せぜるを得ません。したがいまして、保利さんが建設大臣になられた以上は、地価の上昇をいかにして食いとめるか、こういうことを蛮勇をふるってみようという決意を持たれることが、在任中で最もりっぱな功績をあげることになるんじゃないか。非常にむずかしいことでありますけれども、この面についての決意をまず伺いたいと思います。
  129. 保利茂

    保利国務大臣 実ははなはだどうも勉強が足らないものですから、建設行政というものに対しては全くうといものでございます。受け持たしていただいて、数日勉強いたしてみますと、やはり住宅問題。住宅問題をぐるぐるまわりを見ますと、行き着くところは結局土地問題、地価問題にぶつかっておるということで、何とかこの事態改善の方途なきやということにあせりを感じておるようなわけでございます。そういう意味でいろいろの御意見も伺って——気が弱いものでございますから、蛮勇なんということは私にはできませんけれども、しかし、これが国民のためだということであれば、ひとつ猛進をさせていただきたい。しかし、そうするためには、できるだけ広く、ずいぶんいろいろな方面から、政党はもちろんのこと、政党外でもいろいろ論議もされておるわけでございますから、一体どこから手をつけるべきであるかという、足の踏み込み方向をひとつ教えていただいてきめていきたい。それが命取りになろうとなるまいと、とにかく踏み込むことにはちゅうちょしないという気持ちだけは実は持っているわけでございます。そこで、さしむき都市計画法、開運法の審議をいただいております。ここには私は一つの踏み込むべききっかけがあるということを感じておりますので、先ほど申し上げましたように、都市計画法に対しまして、皆さま方の衆知を集めて御審議をいただいて結論をいただきたいものだとこいねがっておる次第でございます。したがって、私が特に地価問題、土地問題に対して、これは国会の各党の皆さま方の御意見はもちろん尊重すべき当然のことでございますけれども、大方民間においてこういう問題について長く経験を持たれておる方々の意見等もあらためて聞きたいというようなことで、ペライベートながら土地問題懇談会等を持って、いろいろ意見を聞いて教えをいただいておるところでございます。あの土地問題懇談会は、これは公式のものじゃございませんから、御議論することはいかがかと思いますけれども、やはり多くの関心をこれらの方々に持っていただいておりますのも、本法案並びに関連法案がどうなるであろうかということに非常に大きな関心を持っていただいておるわけであります。かねてそういう方面の——これからはいわゆる税制調査会方面もそうでございまするし、この審議の成り行きというものが非常な注視を受けておるということについては、ひとつ御認識と御理解をいただいておきたいとこいねがっておきます。
  130. 石川次夫

    ○石川委員 大臣、たいへん親切な御答弁なんですが、実は質問がたくさんございまして、時間がございませんから、簡潔にひとつ御答弁願いたいと思います。  それで、瀬戸山前建設大臣は、土地は商品ではないと言った。これは再生産されないという意味では土地は商品ではない。ということは、土地は商品でないといったって、実際は取引されるし、私有財産であるし、商品ではないということはあり得ないわけでありますが、観念として商品ではないと言い切ったことは、非常に大胆な一歩前進だったと思うのです。前の西村建設大臣にまた聞き直したところが、土地は特殊な商品であるという、わけのわからぬことに後退をしております。ところで保利建設大臣は、土地は、一言でいってどういうものというふうにお考えになっておられますか、まずそれから伺いたいと思います。
  131. 保利茂

    保利国務大臣 私は、憲法上保障せられておる私有財産の中の財産権の対象として貴重な物件である、しかしながら、この物件は、他の一般私有財産と異にして、今日の日本の国情からしまして非常に高い公共性と社会性を持っておる。したがって、この財産は公共のために、社会のために利用せられなければならない性質の財産である、そう理解をいたしております。(「及第」と呼ぶ者あり)
  132. 石川次夫

    ○石川委員 岡本理事のほうから及第という声がかかったが、私は及第とは思っていないのです。そういう内容を事こまかに説明するとなると、私は別に機会を設けて質疑応答をしたいと思っておりますけれども土地は本来国土である、こういう言い方はできませんか。本来国土である、こういう言い方を言えるならば、非常に蛮勇をふるったわけではありませんけれども、私は一歩前進だと思うのであります。本来でありますから、これはまるっきり国土だというつもりはありません。本来国土であるということを言えば、土地問題の解決には非常に大きく前進がはかられるのではないか、こういう気持ちを私個人としては持っております。いかがですか。
  133. 保利茂

    保利国務大臣 私の思想調査をやられるのかと思いますが、本来国土である、それはもうそのとおりであると思います。私はかつて食糧欠乏時代に農林大臣をつとめまして、そして農村の方々に訴えておりましたのは、土地は皆さまのものである、しかし、皆さまのものは、今日の国民食糧の事情からして、国民のために食糧を生産していただかなければならない、そういう社会的な公共的な任務を持つ農地であり、したがって農地が遊んでおるようじゃ困るんだというようなことを直接農家の方々に訴えたことがあるわけなんです。同様のことが今日の土地問題について言えるのじゃないか、私はそういうふうに思っております。石川さんがどういう意味で本来国土であるということをどういうところに導いていかれようというのか、私はそれはわかりませんけれども、とにかく国土であることはもう間違いないことでございますから、そのことはそのまま私も承服をいたします。
  134. 石川次夫

    ○石川委員 本来国土であることだけを言ってしまうと、いろいろな誤解も生まれるかもしれませんが、これは非常な前進だ。あとからいろいろなことをつけ足すものだから、わけがわからなくなってしまう。それで、憲法の問題をそっちで出されましたから、ついでに——このことはあとで質問しようと思ったのでありますが、実はマッカーサーから出された憲法二十九条の原案がございますね。これは、土地及び一切の天然資源の空極的所有権は、人民の集団的代表者としての国家に帰属をする、これがマッカーサーの原案であります。これはまことに私はそのとおりだと思うのです。ところが、これであわてふためいてこれの取り消しを要求したのが、当時の日本政府であります。これが「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」ということに形を変えて生まれてきた。しかし、もとの精神は私は生きていると思うのです。ということは、財産権とは何ぞや、公共の福祉とは何ぞや、これはいろいろな学者によっていろいろな意見があるとは思うのです。しかし、私は社会党側の学者意見をここで取り上げて御説明しようとは思わないのでありますけれども、この公共の福祉というのは、大ざっぱな定説として言われることは、私有財産権の絶対化というものがもたらしておるところの国民の窮乏、国民のいろいろな弊害、これらの是正をはかる、各人の人間的な生存を保障しようとする社会国家的公共の福祉というものを意味しておるのが、この公共の福祉の定義だ、こういうことになっておるわけです。私有財産権の強化というものによってどんどん国民が一方では異常に窮乏化をするというものに対して、これに対応して公共の福祉で守ってやるのだ、これが公共の福祉の一般概念として定説になっておると思う。これは土地の私有化というものがもたらす住宅の窮乏化というものはまさにこれに該当する、あるいはその他土地の有効利用がされないために出てくるところのいろいろなひずみというものは、公共の福祉に合致しないということになると思うのです。  それから財産権とは何ぞや。これはいろいろ学説はあると思いますけれども、個人の労力と資本とで自由な競争を経て獲得をし蓄積をした財産、これは大体定説であります。ただ私は、この中にちょっと異論がありまして、自由な競争が今日日本の資本主義下において行なわれておかるどうかということについては、私は非常に異議を持っておりますけれども、これは定説でありますから、このままうのみにした形で申し上げれば、そういうのが財産権であります。この財産権の定義を、法律でこれを定めることになっておるわけなんです。この財産権の定義からあわせてみて、いまの土地というものが不労所得的なものが相当あるわけですね。先祖代々受け継いだ土地というものの中に休閑地も相当ある。あるいは、山なんか相当大きく持っておられる方も相方あるわけです。こういうものが初めから個人の労力と資本とで自由な競争を経て獲得し、蓄積した財産になるかどうかということになると、非常に多くの異論があると思います。そういうものを含めて、財政権の内容というものは、私有財産権の絶対化によってもたらされた国民の窮乏というものを、国が国民の福祉を守るために憲法二十九条二項の公共の福祉に適合するように法律でこれをきめるということになると、これが一瞬対象になる——もともとの法律が、土地及び一切の天然資源でありますから、土地というものが一番対象になってこれは考えられた、こう考えても私はあえて過言ではないと思います。したがって、土地については憲法二十九条の二項というものを積極的に援用する、法律でこの内容を定めていく、こういうふうな姿勢をとらなければならない、これが憲法の意思を尊重したことになるのじゃないかと私は考えておりますが、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
  135. 保利茂

    保利国務大臣 ただいまだんだんの石川さんの摘披瀝の御見解については、私はただ敬意を表して伺っておきますが、私は、土地を含めての財産権、たとえば相続財産等は不労所得ではないかということにつきましては、非常な不労所得だという意味におきましてはいささか疑義を持っておる一人であります。と申しますことは、日本も初めから資本主義国家じゃない。農村のほうあたりの実態を見ましても、一反歩二反歩の農地面積をふやされるために先祖代々どのくらい苦労されているか、ほんとうに血と汗の結晶でもたらされている。それはしかし、その一反歩二反歩をふやされた人が自分のためだけにそういうことをやられたかというと、そうじゃないのです。やはり子孫のために、まず子供のためにという、自分の勤労の蓄積を子孫に余慶を与えたいという、そこに人間の社会のうるわしさというか、そこにこそ、世界にいわれる優秀な日本民族の勤勉性というものの基盤があるんじゃないかと思うわけです。したがって、勤労の蓄積が尊重せられる社会というものを私はどうしても描いていきたいものだ、そういう意味において、総括的には、私有財産というものは尊重せられなければならぬ。そういうものを親からもらったから、これは不労所得だというような考え方は、私は実はとらない。そういうものを残したいというために親がどのくらい苦労をせられたか、それがないという社会になれば、これはどうも勤勉とか何とかというようなことは伴わない社会になるんじゃないだろうか、そこらになると、だいぶ古い話ですが、財産権の問題は私はそういうふうに思う。したがって、私有財産というものは、そういう意味においては、きわめて尊重されなければならぬ、そういうふうに私は考えております。
  136. 石川次夫

    ○石川委員 どうも話の次元が違うようですが、これはあまり議論しますと、これだけでわき道にそれますから、省略しますが、私が不労所得と言ったのは、親が子供に受け継がせる財産だとか、生活の基盤となるもの、そういう私有財産制度を否定する気持ちは毛頭ありません。私の言っているのは、スプロール化、過密化して人間らしい生活をしていないところで、片方でゆうゆうと土地を持っておるという人がないわけじゃありませんね。だから、そういう見合いにおいてこれは良識的判談があると思うのです。だから、社会党は私有財産制度を一回も否定したことはないのであります。何か、社会党だから、そういうことかどうかわかりませんけれども、共産党とわれわれは違うのですから、そういう意味の私有財産を否定するつもりはわれわれは毛頭ないのであって、これをひとつ誤解のないようにしてもらいたい。あなたに、子孫のために美田を買わずという西郷隆盛のイデオロギーを吹き込もうという気持ちは毛頭ないのであって、常識的な見解として、特にそういうような私有財産にこだわられると何か逆行するような気がするのです。確かに人間らしい生活をしていない幾多の人がおるということを考えますと、その人を守ってやるためにどうするかということの中から、やはり土地に対する公共性というものを強く押し出していかなければ、問題の解決にならぬということだけは理解できると思います。  その問題はそのくらいにいたしまして、実はどうも大臣なかなか話がうまいのですから、土地は商品かどうかというと、話がそれちゃうし、重点はどこかというと、話がそれちゃうし、どうもぴんとした回答がないのでありますが、誠意だけはよくわかります。  この都市計画法趣旨によりますと、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保するための適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことであるという趣旨でこの都市計画法は生まれた、こう書いてあります。それから、都市局から出ております都市計画法案のあらましというものによりますと、法改正の主要点として、都市を混乱から救うためにということが書いてあります。この趣旨それ自体は私はわからぬことはございません。わからぬことはございませんけれども、われわれが都市計画法土地利用区分というものをきめてもらいたいと前から要望しておった第一のねらいは、何といっても地価対策との関連においてわれわれはこれを前から主張しておったわけなんであります。ところが、この趣旨には、地価対策なんということは計画局の範囲で、これは都市局の範囲じゃないということからかどうか知りませんけれども、地価対策ということが主要な問題点としては全然提起をされておらぬという点を私は非常に遺憾だと思っております。地価の問題について申し上げますと、これは歴代の建設大臣に私は毎回申し上げておるわけでありますけれども、住宅が困窮しておるところの基本は、何といっても、めぐりめぐって、先ほどのお話がありましたように、地価の問題に帰着をする、それから、地域開発をしようと思っても、やはり地価の問題が非常に大きな障害になっておるという事実は否定できないと思います。それから、最近財界で地価の問題を大きく取り上げたのは、いままで大きな土地を持ち、工場を持ち、会社を持っておった人が、地価が上がればそれでいいのだというような安閑な気持ちになれないほど急激に地価が上がってきた、これが産業の単価に上がってき、輸出競争をするときの物の値段にもはね返ってくるのだということから、財界も非常に大きな問題にし始めたのはつい五、六年前ごろだと思うのです。そういうところまで地価が非常に上がってきたという、産業コストの問題から一つ問題が提起されておると思うのです。  それから年間大体二兆円くらいの土地の売買があるであろうというふうにいわれておりまして、これか一つの信用インプレ——これは物価問題懇談会でも地価の問題は中心問題としている。物価にほんとうに取り組むならば、まず地価の問題を何とか打開しなければならぬ、物価にどのくらい熱心に取り組んでおるかということは、地価対策を見ればわかる、これが一般の有識者の意見であることは、言うまでもないことであります。  大ざっぱに申し上げますと、インフレの要因としての土地の値上がりの問題は、現金通貨量というのは大体国民総生産の五・五%から六%、これはもう大体きまっております。ところが、預金通貨というのは、昭和三十年の一五%から昭和四十年では二三・五%というふうに、膨大にふえております。これはいろいろなことが考えられると思いますけれども、おそらくこの中に相当の部分を占めておるのは、土地の売買が預金通貨となってあらわれている、これは定説であります。たとえば、一万円で土地を買った、それが五万円になると、銀行では追加して融資をいたします。生産はされない、限定された土地で、土地が上がったというだけで銀行ではまたよけいに金を貸し出すというふうな信用の膨張、こういうことからくるところの物価に対する影響というものは非常なものがある。したがって、政府ほんとうに物価対策に真剣に取り組むというならば、まず土地の問題に真剣に取り組む、こういう姿勢から出発をしてもらわなければ、ほんとうに真剣に物価に取り組んだことにならぬ、こういうのが私、持論であります。  それからあと一つの問題は、あまり言われておりませんけれども、住宅の過密状態の惨たんたる状況というものは、大臣ごらんになってわかるかどうか知りませんが、たいへんなものであります。それから片方では、いま申し上げましたように土地の異常な値上がり、この統計でもすぐわかるのでありますけれども昭和二十七年から昭和四十一年の十四年間で大体二十三倍であります。一つの例として申し上げますと、これはよく例に出される問題でありますが、明治神宮外苑わきの陸軍大学の跡地、これは国が持っておりましたのを、どこの区ですか、その区の中学校をつくるというので払い下げをした値段が坪七千五百円、これは昭和二十九年であります。これは全部でもって四千五百万円で国から区役所が払い下げを受けました。それからわずか七年たった昭和三十六年に、東京都が環状三号線にかかったということで買い上げようとした値段が、驚くなかれ二十一万八千円であります。わずか七年の間に三十倍に上がった。しかも民間の不動産業者が仲介の労をとって売買したという性質のものではありません。国が区役所にやって、区役所から今度は東京都が買い上げる、こういう公的機関の売買ですから、七年間で実に三十倍にふえておる。こういうふうなばかげた例があちらこちらにあるわけです。公共用地の売買が、逆に土地をつり上げている一つの大きな元凶だというようなこともいわれておりますが、こういうことは完全に不労所得であります。個人の場合でありますと完全な不労所得が期待できる。株では昭和三十六年ごろ相当上がりまして、この間の不労所得が年間三兆円という話がありましたが、土地の値段は恒常的に毎年不労所得というものが形成される。そうしますと、額に汗し手に豆つくって働くよりも、このほうがはるかに楽なんです。そして家庭の過密状態が非常に苦しい。過密住宅地帯におけるところの生活状況、一部屋で五人も六人も家族が暮らしていかなければならぬというふうな環境、したがって、そういうところからくるところの少年の潜在的な非行化、勤労をとうとぶ気風をそこからうとんずるような傾向、そういう過密状態からくるところのいろいろな家庭生活への影響、こういうものが潜在非行化の非常に大きな原因になっておる、これもやはり地価が原因だと思うのです。これはぜひ真剣に取り組んでもらわなければならぬ。そういうことで、住宅の問題であろうが、地域開発の問題であろうが、産業コストの問題しかり、あるいは信用インフレ、物価の値上がりの元凶あるいは少年の非行化の潜在的な大きな原因になっておる、こういうふうなものを全部含めて考えて、地価の問題はほんとうに真剣に取り組んでもらわなければならぬ一番大きな課題と言っても差しつかえのない問題ではなかろうか、こう思っておるわけであります。これは議論にするつもりはございませんけれども大臣のそれに対するお考えと私の意見に違いがあるか、ひとつ聞かしてもらいたいと思います。
  137. 保利茂

    保利国務大臣 私は石川さんのようにうまく言えませんけれども、御指摘の点はもう全く私も同様に感じている。したがって、同様な気持ちで事態に対処しなければならぬという決意をいたしておるような次第でございます。
  138. 石川次夫

    ○石川委員 何も対処せぬじゃないですか。
  139. 保利茂

    保利国務大臣 やらしてもらわなければできないですよ。やらしてくださいよ。
  140. 石川次夫

    ○石川委員 なるほど、地価の問題ではいろいろ建設省も手を打ってきていますよ。私はそれを否定するわけではありません。宅地の大量かつ計画的な供給、既成市街地の高度利用土地取得制度の改善、これは土地収用でありますけれども土地に関する税制改正、これもたいしたことはないと思います。一応やってはいます。だから、土地利用計画の確立ということで今度新しい都市計画法の抜本的改正提案をしたというようなことで次々にやってきておることは認めますけれども、この一つ一つがほんとうにきめ手になるようなものは一つもない。土地の大量供給といっても、やる気になればできると私は思うんです。ほんとうにやる気になればできると思うのです。ところが、これはほんのちょびちょびの宅地の供給である。既成市街地の金融制度、融資制度をつくったといっても、これはほんとのちょびっと、一応形だけはずっと並んでおりますが、肝心な、土地鑑定士の制度を設けて土地の標準価格を表示するという問題だって、遅々として進まないのです。これだけでもぴしっとやればだいぶ違ってくる、こう思うのであります。これはなかなか軌道に乗せるまで容易じゃなかろうと思いますけれども、こういう際だからどんどん促進してやるのだという気魄があれば、私はたいへん違ってくると思うのですが、次々と一応の手は打っておりますけれども、どれも中途はんぱになっておるということを、残念ながら、指摘しないわけにいかぬと思うのであります。  実は私きょう質問するつもりは毛頭なかったものですから、住宅問題で地価の問題との関連で伺いたいと思ったのですが、住宅局長も来ておらぬようでありますから、大臣に一言だけ申し上げます。それは、いま上流関係の所得者で土地の値段は一体どのくらいまでは買えるのだというふうな計算をいろいろやっておりますね。これは建設省でもやっておりますし、学者もやっております。最大限三万円以上では買えない、これはもうだれでも大体の定説であります。これはこまかい話を出しますといろいろございますけれども、きょうは特に申し上げませんが、上流、中流というふうに段階を設けた、上流の下あたりの人です。よほど金のある人は別でありますけれども、これは日本国民の大体一割から二割程度の人口に配置をされる人であります。そういう人が、土地が一体どのくらいまでは買えるのだ、五十坪ならどのくらい、百坪ならどのくらいという計算が事こまかに出ております。もう三万円以上は無理だ。大体所得の一割五分を七%の利子で還元をしてはじき出した大まかなデータに基づくところの数字でありますが、三万円以上では無理だ、こういう数字がはっきり出ている。ところが、旧二十三区内で三万円なんという土地は、一坪たりといえどもこれはございません。十万円以下もないのです。そういうふうなことで、これは安閑として放置していいかどうか、これはたいへんな問題だと思うんです。そういうことに関連をして住宅の問題などもなかなかできないということになっておりますが、続いて申し上げておきますと、昭和二十七年には不足住宅が三百十六万戸だったということで、そのうち緊急を要するものは百九十万一尺二十年間でつくろうという計画が一応立ちました。二十年間ですよ。百九十万戸。ところが、これではちょっともの足りないということで、昭和三十年には、そのうち二百七十二万戸を十年間で建てよう、こういうふうにだいぶ飛躍的にふえてまいっております。ところが、昭和三十二年に、これではまだ十分じゃないということで、昭和三十二年にはその不足数のうちで二百三十三万戸を五年間でつくろう、こういうふうに計画が変わってきております。昭和三十五年には、十年間には一千万戸、一世帯一住宅というスローガンが掲げられるようになった。最近は、昭和四十一年の五カ年計画では、五カ年間で六百七十五尺どんどん数がふえていっております。これはいかに住宅に対する見通しが不足しておったか、熱意がなかったかということがこれではっきりわかるのです。初めは百九十万一尺二十年間。最近やっと五年間で六百七十万戸、六百七十万戸という数字は私も非常に疑問に感じております。これはまた画期的にふやさなければなりません。六百七十万戸のうちで、四割が公的な資金によるものである。これは全部じゃありませんけれども、その四割の中で世帯員数は一戸当たり幾らかというと三・八と計算をしている。これを三・七にすれば、六百七十万戸では足りなくて、直ちに七百六十万戸必要だという数字がはじき出される。しかも三年を経た今日において、かろうじて半分しか消化できそうもない。しかも、民間自力というものに過度に依存をした形でこういうようなていたらくということになっておるわけであります。したがって、私は住宅局長が来たときにまたあらためて住宅問題については質問する機会を持ちたいと思っておりますけれども、この五年間六百七十万戸という数は、早晩また改定を余儀なくされる運命にある。三・八二という数ではございません。最近の統計では三・八二でかろうじて数字を合わせて六百七十万戸という数字が出ておりますけれども、これは三・七二にしたところで七百六十万戸。九十万戸足りない。これでも少ないと私は思う。それでもそのうちの民間自力というものに依存する度合いが多過ぎる、こういうふうな考えを持っております。そのほかいろいろ申し上げたいことはありますけれども、とにかく住宅の問題については、地価の問題とちょっとはずれて恐縮でありますけれども、よほどの熱意を持って取り組んでもらわなければならぬ大きな問題だ、こう思っておるわけであります。  それで、たとえば東京は——都市公園法では公園の面積は一人当たり三平方メートル以上ということになっておりますね。これはれっきとした法律として都市公園法というものでもって規定されている。ところが、実際東京では現在どのくらいありますか、大臣御存じですか。
  141. 保利茂

    保利国務大臣 都市面積の中に占める公園の区域の割合は、とにかく世界の各主要都市に比べましても、お話にならないように非常に低い比率であります。具体的には都市局から御説明申し上げますが、私はだんだん石川さんのお話を伺っておりまして多分に同感をいたします。ただ、過密といわれるくらいに人口産業が集中してまいったところに、そこにこれから新たに自分で土地を買って住宅を建てるということは、少なくとも東京都内であるとか大阪であるとかいうところでは、もう私はそういうことは望むべくもない状態じゃないか、また、そういう余裕のある土地状況ではないということをはっきり思わなければならぬのじゃないか、そこで、現在の状態において住宅としてどう利用することができるかということに頭を置いていくべきじゃないだろうか、そういう上から、住宅問題につきましても、都市開発という上からいっても、そういうところでどこまで寄与できるであろうかということを考えております。どっちにしましても、まあ広々としたゆったりした住宅でも自分の土地を持って建てようというのは、これは三大都市圏の中心部においてそういうことをあれしても、ここは何十万円だから五十坪なにすれば何千万かかるというようなことでは、これは言えることは言えると思いますけれども、私は不可能じゃないかと思います。そこで、この密集地帯の土地をそういう公共的な要請、社会的な要請の上に今後どう利用をはかってまいるかということが、一番ねらいに置かなければならぬところじゃないだろうか、私はそういうふうに問題を考えております。なおまた、住宅の問題につきましては、私も全力を——まあ全力投球にしては何と少ない予算ではないかということになるかと思いますが、とにかく住宅問題につきましては、私自身としてもかなり力を入れてまいっておる所在でございます。公営住宅の数が多いとか少ないとかいうこともいわれます。しかし、この公営住宅にしましても、それぞれ地方公共団体が今日の土地状況のもとで推進されるわけでございます。私どもが予定いたしております計画をうまく消化できるかどうかということに非常な懸念を持っておるわけでございますけれども、幸いに、東京都におきましても、大阪におきましても、この過密大都市におきまして、熱意を持って心配をしていただいておりますから、今年度におきましても、どこでも同じといえば同じわけでございますけれども、東京、大阪に関する限りは、東京で消化し得る自信のある戸数、大阪においても大阪でやりたいという戸数、それだけはとにかく全面的にバックアップしていこうというようなかまえでただいま検討いたしておるところでございます。そういうことで、今日の六百七十万戸の五カ年計画がはたして現実に妥当であるかどうかということは問題があろうと思います。とにかく、今日の住宅の欠之感といいますか、強度の不足感から都民ないしは国民が解放せられるように——衣食住とはよくいったもので、とにかく心配がないということになりますと、ぐっと気持ちが安定してまいりますけれども、足りないということになりますと、たいへんな不安を持つものでございますから、何とかこの不足感、欠之感から一日も早く抜け出す、それにはせめて五カ年計画をやってみる、それでかなりの不足感、欠之感が解放されるようになるのじゃなかろうかというように期待をして、力を入れていきたいと考えております。
  142. 石川次夫

    ○石川委員 どうも時間がなくて、私の言いたいことの十分の一も言えないような気がするのですけれども都市公園法によりますと、一人当たり三平方メートル以上ということになっておるのに、東京都では実に〇・七平方メートルです。ニューヨークは一一・四、パリは八・九、モスクワは一〇・九、比較になりません。公園に対する感覚が日本人と外国人とではだいぶ違うということはもちろん言えますけれども、それにしても、人間らしい生活をするのに必要な緑地が少な過ぎるということは否定できないと思う。それから道路は、東京都の二十三区内では一〇・九%でありますけれども、ワシントンは四三%、ニューヨークは三五%、ハリは二六%、 ロンドンが二三%、これまた比較になりません。ここからかもし出されますところの交通災害というものがまた非常に多くならざるを得ないという実態になっておる。こういうことで、都会における住民は、ほんとうに人間性を主張できない、どんどん人間性を圧迫されつつあるというのが現実の姿だと思うのです。何とかこの人間性を回復してやる、こういう熱意を持ってひとつ取り組んでいただかなければならぬと思うのであります。  これは計画局長のほうの関係だと思いますが、宅地の所要量、これから十年間で一体どのくらい要るのだ、こういうふうな計算をされたことがありますか。
  143. 川島博

    ○川島(博)政府委員 一応、住宅建設五カ年計画を策定いたしました際に、六百七十万戸の住宅を建設いたします場合に、それに見合う宅地としてどの程度の宅地を今後新たに開発しなければならないかということの試算をいたしました。その結果、今後住宅は、既成の市街地内でも建てかえ、高層化等が行なわれますし、また農村部分でも全然需要がないわけではございませんので、そういうものを引きまして、今後都市の近効におきまして新たに開発しなければならない面積は、二百九十万戸分、約五万三千ヘクタールというふうに試算をいたしております。なお、ここ当分の間は、大都市あるいは地方中核都市等に対します人口産業の集中は相当あるものと思われますので、四十六年度以降におきましても、ほぼ四十年から四十五年に予想されます需要と同じ程度の宅地需要が現実に続くもの、かように考えております。
  144. 石川次夫

    ○石川委員 これは五カ年計画ですね。十カ年計画でいろいろな人たちが試算をしているのがありますけれども、一戸当たり大体五十坪で、都会に集まる人間が大体七百二十万、これは十年間の計算です。それから都会へ集まっている人も少し住宅の過密化を緩和してやらなければならぬということで、十坪から二十坪くらいをふやすということを計算して、相当ゆっくりした角度で見ると、三十万ヘクタールという数字が出るようであります。ところで、毎年農地転用は三万ヘクタールくらいございます。それから林野も、日本では相当広くて、大体二千五百万ヘクタールもあるというようなことを考えると、事、住宅の問題に関しては、もし勇断を持ってやれば、これは資金の問題があると思うのですけれども、三十万ヘクタールを今後十年間で提供できないということはないのじゃないか。これは非常に雑な考え方かもしれませんけれども、やろうとすればできる。やろうとしないからできないのだというふうに断定的に言うことは行き過ぎかもしれませんけれども、大体私どもそういう考え方で取り組んでもらわなければならぬと思う。  そこでこの問題は、この資金をどうするかという問題でありますけれども、実は社会党では、公債を発行することには原側的に反対でありますけれども、この宅地の問題あるいは住宅の問題に関しては公債大いにけっこうではないかという積極的な意見を政審としても持っておるわけであります。もちろん、流通制限をしないとインフレが助長されるのではないかという議論がありますけれども、流通は制限してもいいのではないか。それと、あとは、先祖伝来の土地を売って公債で入ってきた場合に、それをすぐ売り払うという気持ちにはなかなかなれぬというのが、私は国民の心情だろうと思う。そういうことから考えますと、資金の問題は、流通制限つきの公債でもけっこうだけれども、どこかで何とかくめんして、三十万ヘクタールの土地のことでありますから、これは国有地も相当あることでもあるし、これは相当積極的にやろうとして具体的な案をいまからおつくりになれば、やってできないことではないのではなかろうか、こういう気持ちがしてならないのであります。しかも、現在住宅で一番困っておるのは庶民でありますから、そういう点もひとつ積極的に保利大臣は御検討願いたい。これは公債発行を宅地に限ってはわれわれも積極的に支援をいたします。これはインフレの原因にはならないようにする方法もあるし、また、そうはならないという気持ちがしてならないので、この点をこの機会に申し上げておきたいと思うのであります。  まだいろいろ申し上げたいことがたくさんありますが、時間がなくてたいへん残念でありますけれども土地の価格を形成しておる要素は一体何かということになりますと、大ざっぱに考えて、素地価格というものがあります。それから、道路あるいは水道、ガス、あるいは高速鉄道を設けたということのためにその地価が上がる、そういう環境整備の費用というものがその土地代に加算されるという要素が一つあると思います。それから、そこが非常に繁栄をしてきたというようなところから、外部経済的な事情でもって土地の価格が上がるということがあります。それから第四番目には、投機的な要因というものがある。これは需給の関係から、先ほど大臣が申されたような不動産業者の跳梁ばっこというような状態を引き起こして、そして投機的要因というものが相当ふえてくる。そこで、先ほど申し上げたように、年間大体二兆円程度の土地の売買の金が動いておるというふうに推算されております。  そこで、これは一問一答でお伺いすればいいのでありますけれども、中国の孫文という人が、経済的にもいろいろな卓見があった人でありますが、地権平均説という説を出しております。これは、非常に昔こういう意見を出しておるのですが、非常に卓見だったと思うのであります。これは、御承知のように、社会的な開発によって土地が上がったという場合の値上がり分というものは全部社会に還元させるべきであるというふうな意見を、孫文は学者でも何でもない政治家でありますが、こういう意見を出しておったという記録が現在でも残っております。  そこで、一、二、三、四と、いろいろありますが、環境整備ではいろいろなこまかい計算があるようでありますけれども、東京都で上水道は一日一トンの設備をやるのに七万六千円かかって、四人家族で一日一・四トンということになれば、一軒五十坪として坪当たり二千円くらい上がる。環境整備というものによって地価は上がってくる。これが高速道路になりますとなおさらこれがきびしくて、五十坪として、坪当たり二万円も上がるというようなことでありますけれども、これは企業者が独立採算でもって収益をはかるということになるわけでありますから、これは当然企業者に還元をされるべき問題ではなかろうか。それから、第三の外部経済的要因というものは、これは社会的なものとして政治的に解決をはかっていかなければならぬ問題でもあるし——非常に寸足らずの短かい表現で恐縮でございますけれども、時間がないので御了承願いたいといます。それから投機思的な要因というものは断固押えなければならない。こういうふうに考えますと、地価抑制のいろいろな問題の中で、この素地価格というものだけがほんとうの地価ということにならざるを得ないと思うのです。素地価格は一体どういうふうに計算をするかというと、先ほど申し上げましたように、上流の所得者でも坪三万円以上払えないというような計算が出てまいります。農地の収益還元の方法によりますところの素地価格というものは、こまかい計算は中途を抜きまして結論だけ申し上げますと、坪五百円、収益還元方式によるとこういうような非常に安い値段が出てまいります。これがいろいろな関係で非常に高くなってくるということでありますけれども、ここで地価抑制の一つの対策といたしまして、先ほど申し上げたように、大量に宅地を提供するということをもっと思い切ってやる。十年間なら十年間の先を見越して計画的に提供をはかるということをもっと積極的にやってもらいたいと思うのでありが、そのための資金は公債でやるという方法も一つある。それから基金制度ということが一つある。しかし、いずれにいたしましても、土地開発されたということによって不当に利益をおさめるということだけは何としても押えてもらわなければならない、こう思うわけであります。  そこで、その方法としてはいろいろあるわけでありますけれども、これはイギリス土地委員会の出しておる白書でありますか、これは保利大臣も御存じだと思いますけれども、これは国家的、地域的及び地方的計画を実施するために、必要のときに必要な土地利用できるようにする、こういうふうにはっきりと大上段に振りかぶった表現があります。それから、社会によりつくり出された開発価値の大部分を社会に還元し、重要な目的のために使う土地のコスト高を軽減しようとする。これが有名なイギリスのランド・コミッションがつくった白書であります。  それからあと一つ。これは三年前に来ました、都市計画、地価の問題で日本でもたいへん権威者として知られておりますウッド教授でありますけれども、ヨーロッパには強力な行政措置で土地を確保している国もあり、また反対に個人の土地所有権の強いところもある、しかしながら、日本ほど土地所有の権利が野放しになっているところはない、はっきりとこういう断定を下しております。日本のように非常に土地の狭いところで個人の土地所有の権利が野放しになっている、こういうことをはっきり言い切っております。私は、いまの土地の値段というものは、いろいろな経済外の事情で、ほんとう経済的な要因ではなしに上がっておるということは、政治の責任だと思っておるので、こういう考え方を踏まえた上で対処してもらわなければならぬと思っております。  それで、イタリアなんかに至りましては、御承知のように、都市計画審議決定の二年前にさかのぼって、財務省地方財務局によるところの地価の評価を基準として決定される。二年前ということは憲法に違反するとかどうとかいうことで問題になりまして、敗訴になりました。しかし、これはまだほんとうに決着はついておらぬようでありますけれども日本の場合は——計画決定時二年前ということはイタリアですが、日本は計画決定時ではなくて、事業の認定時、しかもそれから、施工しようとするときには、それにスライドした物価の値上がりを換算するというようなことで、非常に私は後退しておると思うのです。で、イタリアでやっておるような思い切ったやり方というものをどうしても今後考えていかなければ、土地の問題は解決は不可能じゃないか、こういう感じがするので、あえて申し上げるわけでございます。  とにかく、そういうことでイギリスでは開発の賦課金制度というものを出しておるし、イタリアも土地増価税というものを設けておる。こういう事実はよく御承知だろうと思いますけれども、こういうものをやると、とかく、何といいますか、土地の流通、自由に移動するのを妨げることになる、したがって、そういう制度は、理論としてはわかるけれども、やるべきでないという議論が非常に日本では横行しております。しかしながら、私はほんとうに地価に対して政府が取り組むのだという姿勢を示すということの意味でも、これはぜひ積極的に勇断を持ってやってもらわなければならぬ性質のものではなかろうか、こう思っております。  それから、時間がなくて、四十分までということでございますから、あと二、三分しかありませんから、最後に一つだけ申し上げておきますが、実は、私、昭和三十七年に土地の問題で私案をつくったことがあるのです。これが一つも実現されてない。いまから五年も前でございますが、全然実現されない。さっき申し上げたようなことで、細々と実現には移されておるけれども、思い切った実現はしておりません。私が当時考えた案でも、都市計画のような一定の限られた区域内においては個人の自由な土地の売買をやってはならぬというのは、実はなかなかきまらなかったのでありますけれども、党の政審でもそうきめてもらったことがあるわけであります。いまでも私はその気持ちに変わりはございません。都市計画法というものを今度つくって、そうして市街化区域と市街化調整区域というものができると、ある特定の場合にだけ、その買い取りは、向こうから申し出があった場合には買い取るということになっておるようでありますが、そうじゃなくて、地価対策の一環として今度の法案が出たということになれば、ほんとうに市街化区域の中における土地の売買というものは思い切って公的機関でやるというようなところまで積極的にやらないと、私は、土地の値上がりを防ぐという効果をねらっておる面では効果が出てこないのではないか、こういう感じがしてならないのです。  実はこの法案の中身についていろいろ質問したいことがたくさんあったわけでありますけれども、時間もありません。実を言いますと、調整区域の中ではいろんな制服を加えるということで、これは憲法二十九条の逆の立場でございますけれども、この補償をどうするかというような問題がある。それから調整区域と市街化区域をどう分けていくのかという現実の問題でいろいろ問題があると思っております。それから市街化区域の中でも住宅をつくるということにはいろんな許可制度が要るというようなこと、市街化調整区域のほうは今度は住宅をかってに建ててはいかぬということになれば、都市計画の区域外のほうに住宅を見つけるということでさらにその面ではスプロールが促進されるという面をどう考えるかという問題もあるわけであります。それから市街化区域というものも、五年ごとに調査をしてまた再検討をすることになるのでありましょうが、そういうようなことで、どんどん都市計画法の市街化区域というものが広がっていくというようなことにもなるのではなかろうか、非常に権威のないものになってくるのではなかろうかということもありまして、法案それ自体についてもいろいろお伺いをしたいことがたくさんございますけれども、しかし、いま申し上げたように、地価対策の一環として考えないで、これを都市局のほうは計画局のほうの分野を侵害するとお考えかどうか知りませんが、都市を混乱から救うためにということだけが重点となってこの都市計画法というものがつくられておる、市街化区域、調整区域というものの利用区分というものが考えられておるというところは、この点についてはわれわれにとってはほんとうに根本的に不満なんです。そういうことで、われわれとしては、この地価対策の一環としてこれはきわめて大きい意味を持つのだということになりますと、どうしても土地の基金制度というものを持ち、それから生活保障対策というものを兼ねたそういった一元化された機関というものがあって、それでどんどん統制された地価公示制度によってほんとうにきめられた値段であればよろしいのでありますけれども、とにかく公的機関がそれを買い取りをやるんだ、こういうことで積極的なところまでいかなければ、この都市計画法というものを出した意義は半分以上減殺されるというふうに私は思わざるを得ないわけであります。この基金をどうするかという点の問題や何かについては、きょうは時間がありませんから、あらためてこの点については質問をしたいと思っておりますけれども、私は、時間がありませんから、質問しっぱなしにいたします。質問しっぱなしにして、あとで再質問をする時間を与えてもらいたいと思いますけれども、どうしてもこの法案が一歩前進である、今度この法案が流れてしまうと、ざっくばらんに言いまして、この次また、さっき申し上げたようないろいろな各省のなわ張りというふうなものがあって、この法案が再提出されるかどうかわからぬという宿命をになっておるのじゃないかという気も、私個人としてはいたしております。しかし、これを出す以上は、地価対策との密接な関連がある、その効果をどうやって生かしていくか、これを生かしてもらわないと、このままでは私はこの都市計画法は通しにくいように個人として感じたということだけを申し述べて、あとの質問を留保いたしまして、きょうは時間がありませんから、私の質問は終わります。
  145. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 石川君の質問が終わりましたので、本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、これにて本日は散会いたします。    午後一時四十二分散会