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1968-03-15 第58回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月十五日(金曜日)    午後一時四十分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 金丸  信君 理事 丹羽喬四郎君    理事 森下 國雄君 理事 渡辺 栄一君    理事 岡本 隆一君 理事 佐野 憲治君    理事 内海  清君       伊藤宗一郎君    池田 清志君      稻村左近四郎君    浦野 幸男君       大野  明君    佐藤 孝行君       澁谷 直藏君    正示啓次郎君       田村 良平君    葉梨 信行君       廣瀬 正雄君    阿部 昭吾君       井上 普方君    石川 次夫君       唐橋  東君    島上善五郎君       下平 正一君    福岡 義登君       渡辺 惣蔵君    北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 保利  茂君  出席政府委員         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         建設省道路局路         政課長     小林 幸雄君         自治省行政局行         政課長     林  忠雄君         参  考  人         (阪神高速道路         公団理事長) 樺山 俊夫君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 三月十五日  委員井上普方辞任につき、その補欠として唐  橋東君が議長指名委員に選任された。 同日  委員唐橋東辞任につき、その補欠として井上  普方君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第二八号)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日、本案審査のため、阪神高速道路公団から副理事長樺山俊夫君に参考人として出席を願っております。参考人の御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。石川次夫君。
  3. 石川次夫

    石川委員 きょうは、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案に関連して、道路関係について質問をするわけでありますけれども、実は午前中の委員会を予定していて、午後私はちょっと予定がありますので、非常に時間が足りませんで残念でありますけれども、非常に大ざっぱな点だけを申し上げておきたいと思います。  その前に、大臣から所信表明を承ったわけでありますけれども、そこで一つ申し上げたいことは、われわれ新しい保利大臣に非常な期待をしておったわけであります。ところが、今度の全体的な道路を含めての公共投資予算を見ますと、われわれが考えていたような予算伸びというものは、いわゆる財政硬直化という名前のもとに非常な抑圧をされたという結果になっておるわけであります。これは大臣に力がないから建設省予算伸びなかったのだということではなくて、大臣佐藤総理の側近であるがゆえに、やはり内閣方針に沿わなければならなかったという弱点がむしろこの予算にはっきり出てきたのではないか、こういう感じがするわけであります。  そこで、道路関係質問を申し上げたいのでありますが、その公共投資の問題であります。社会経済発展計画はこの前も前大臣質問をしたわけでありますけれども、いままでは、社会資本民間資本格差がどんどん離れていく、したがって、何としても公共投資という社会基盤整備というものをやらなければならぬということで、過去においては公共投資は著しく伸びてきておるわけです。大体一五%から二三%というような伸びであったわけでありますけれども、社会経済発展計画では一〇・五%しか見ておらない。こういうことでは格差が縮まらないのではないかということを私は前に意見として申し上げたことがあります。ところが、今度の予算を見ますと、その一〇・五%にも追いつき得ないような形の、非常に縮小された予算というものが出ており、その中で道路関係予算というようなものも非常に伸び方が少ない。しかも設備投資という問題は、御承知のように、資本自由化というものに備える、あるいは人手不足というものに備えて、これはなかなか鈍化いたしません。そうすると社会資本民間資本蓄積というものはますます格差を広げていくということにならざるを得ないのではないか、こういう懸念を私は持たざるを得ないわけであります。道路だけではございません。符に私は住宅なんかもその点がきわめて大きいと見ておりますけれども、そこで、話がたいへん飛躍して恐縮でありますが、こういう民間設備投資社会投資との差がどんどん開いていくということについて、大臣は一体どういう考え方をお持ちになっておるかということが、まず質問の第一点であります。  さらに、今度の建設行政では、公共投資といいますけれども、やらなければならぬことがたくさんあります。治水も急いでやらなければならぬし、治山もそうですし、道路もそうでしょう。それから住宅もそうだということで、やらなければならぬことがあまりにも多過ぎるように思うわけでありますが、特に今度大臣就任をされまして、自分就任中にこれだけはぜひやりたいという重点事項がなければ、なかなか具体的な成果をあげることはむずかしかろうと思っております。重点一つあげたらほかのほうはやらなくてもいいということじゃありませんけれども、私は西村大臣にも伺ったことがあるのですが、保利大臣は、今度の就任にあたって、これだけはぜひ自分就任中にやってみたいという一つ焦点があるのではないかと期待をいたしておるわけであります。  その二点について、ひとつ御意見があれば伺いたいと思います。
  4. 保利茂

    保利国務大臣 建設行政の主たる対象であり、また任務といたすところは、公共投資の遂行にあるわけでありまして、社会資本の立ちおくれということは皆さん御承知のとおりでありますから、いまさら申し上げるところはありません。何とかして現代の要請する社会資本の立ちおくれを取り返したいということが官民を通じての共同の念願だと思うわけであります。どの問題を重点に置くというような——どの事業にいたしましても、むしろ乏しきを心配するというような状態でございますから、どれこれということではございませんけれども、とにかく社会資本充実は、日本の国を立てていきます上において最も大事な仕事だと考えておるわけでございます。  予算編成にあたって決して遠慮をいたすようなことはいたしておりませんけれども、私の微力のいたすところ、御批判のような予算案をお願いしなければならなくなったということは、はなはだ遺憾に思っております。今後ともとにかく公共投資の立ちおくれをどうにかして取り戻さなければならない。各種の重要な公共事業について、それぞれ五カ年計画をもって当たっておるわけで、各事業ともにこの年次計画の中に示されておりますことだけは何とかぜひ達成をいたしてまいりたい、かように考えておるような次第でございます。
  5. 石川次夫

    石川委員 私は御答弁に対して申し上げたいことがたくさんあるのですが、劈頭申し上げましたように、残念ながら時間がないわけです。しかし、前の西村大臣は、住宅だとはっきり言っておりました。住宅が一番おくれておる、したがって、住宅を中心にして自分はやりたい、こういう明確な方針を持っておったのであります。もちろん、かといって道路がどうでもいいということにはならぬわけで、どれもこれもでありますけれども、何とか一番立ちおくれている住宅だけはというような方針を伺ったことがあるわけです。いまの御答弁でありますと、社会投資の全体についてどうこうということで、はなはだ焦点がぼけておるという感じがするわけであります。  私は、建設行政の一番のガンは、何といっても地価問題だと思うのです。地価問題についてはきょう申し上げる場ではありませんから、あらためてこの地価問題についてとことんまで、都市計画法の改正などとからんだ形でもって質問する機会を得たいと思っておりますけれども、私はそのことについてはこれ以上申し上げません。しかしながら、確かに公共投資というものは立ちおくれておりますから、どれもこれもやらなければならぬということはよくわかりますが、いつまでも大臣をやっておられるわけじゃありませんので、特に今度は土地問題懇談会などを御自分でおつくりになっているという気持ちも理解できるおりから、何とかして地価問題なら地価問題だけは一歩も二歩も前進させたいという一つ焦点をきめて当たっていかなければ、成果はあがらないのではないかという感じを強く受けるわけであります。そのことについてはあらためて申し上げますが、たとえば公共投資の立ちおくれという問題につきましても、自動車伸びは一年間二三%という統計が出ております。たいへんな伸び方であります。道路予算は六%しかふえておりません。これだけを見ても、道路がとても自動車に追いついていけない、社会投資が明らかに立ちおくれておるということが端的に出ておるわけであります。  そこで道路の問題に入りたいと思うわけでありますけれども、道路予算は、御承知のように、昭和二十九年−三十三年の五カ年計画が三十三年に改定になりまして、第二次五カ年計画になっております。これが終わらないうちに、三十六年から第三次五カ年計画、これが終わらないうちに、また三十九年から四十三年までの第四次五カ年計画、これが終わらないうちに、また去年から第五次五カ年計画というものができまして、これは社会経済発展計画の六兆一千五百億円を上回り六兆六千億円という総額がきまりましたことは、いまさら申し上げるまでもないことであると思います。そこで、四十二年度の総事業費が九千六百億円であります。四十三年度は、全部地方単独負担分も含めますと、一兆二百八十五億円、合わせまして、一兆九千八百八十五億円ということになるわけであります。ところで、この六兆六千億円からこれを差し引きますと、大体四兆六千億円という数字が出てまいります。これからの三年間でこの四兆六千億円というものを完全に消化をする、こういう見通し、あるいは決意というものがおありになるかどうか。いままでのような伸び方では一いままではたいへんよく伸びておりました。しかしながら、これから先この調子でもって伸ばしていったところで、四兆六千百十五億円を消化をするということは非常な困難があるのではないかということを懸念いたしておるわけであります。その点についての見通しを伺いたいと思います。
  6. 保利茂

    保利国務大臣 伸び率の問題でございますが、とにかく、この六兆六千億の事業計画は、これはもうどうしても年度内に達成をしていかなければならない。ただ、どうも道路だけどうこうというわけにいきませんものですから、全体の財政の上に立ってあんばいされていかなければならないことは、申すまでもないことであります。したがって、年度間の伸縮はある程度やむを得ないと思うのです。来年度予想されるような、来年度予算編成にあらわれておりますような窮屈な中におきましては、期待どおり伸び方を示し得ないということは、やむを得ないと思うわけでありますけれども、元来この種の中長期の計画達成するにあたりましては、財政当局のほうも申しておりますように、後年度ほど幅が広くなっていく性質のものでございますし、たいへん困難なことは覚悟しておりますけれども、どうでもこうでもとにかく六兆六千億の事業達成ははかってまいりたい、適切な財源確保をはかってまいりたいという決心をいたしておる次第であります。
  7. 石川次夫

    石川委員 いまの御返事だけでは、具体的に必ずできるとかなんとかというような決意表明とは受け取れないわけでありますけれども、四兆六千百十五億円というものが残りまして、これを三年間で平均に割りますと一兆五千億円であります。なかなかこの予算を獲得することはむずかしい。さらに来年の景気の動向というものを見ますと、いまのようなドル防衛あるいはポンドの危機というものと関連をして、どうしても日本経済に相当な影響があると思わざるを得ない。そうすると、財政それ自体もそう多くの増収は見込めないんじゃないかというのが大方の常識だろうと思っております。そうなってきますと、ことしですら六%しか道路予算伸びていない。来年度は幾ら伸ばすか知りませんけれども、伸ばしたところで、ことし以上に限界が出てくるのではないか、こう考えますと、年率平均にして一兆五千億、初めから来年度一兆五千億の必要はないかもしれませんけれども、なかなかこれは容易ならざる目標ではないか、こう考えておるわけであります。  さらに申し上げたいのは、建設白書に出ておりました、昭和六十年を目途として、道路原単位というものを三十年度前半に戻すという考え方から出発して計算をされた予算というものは、大体五十三兆円になっておるわけであります。五十三兆円というのは膨大な金額でありますけれども、この計算基礎を見ますと、交通量から計算をされて、それに依存して出てきた数字、あるいはまた、車の伸びしろから見た数字、あるいは、その他、原単位からはじき出した数字というようなものから見て、この五十三兆円というのは決して誇大な数字ではないわけです。これはどうしてもこのくらいなければ三十年程度の車の流れにはなり得ない、こういう結果になっておるというふうにわれわれは考えておるわけであります。そうしますと、五十三兆円から五カ年計画の六兆六千億を引いたといたしますと、四十六兆四千億円というのが、これから残された数字であります。これは一年間大体三兆円という数字になるわけです。たいへんな数字であります。しかしながら、ここまでいかなければ、道路というものが社会発展あるいは車の伸びというものに追いついていかないという数字になっておるわけであります。これは膨大な数字でありますけれども、この道路だけを見ますと、これだけの予算はどうしても組まなければならない、こういうことにならざるを得ないと思います。それに対応するだけの財政確保といいますか、そういう面でのお見通しが一体あるかどうか、もう何か成算がおありならばお示しを願いたいと思います。
  8. 保利茂

    保利国務大臣 まあとにかく道路整備を、国道をはじめ町村道に至るまで急がなければならない、そしてさらに国力の充実をはかってまいらなければならぬという上からいたしまして、そもそもこれはもう重点を置くとか置かないとかということでなしに、官民を通じての同様の認識であろうと思うのであります。しかし、お話しのように、これだけの今日の事情に即応して、まあこれならよかろうというようなところまで達するということは、容易ならぬことだと思うわけでございますが、とにかく着実に当面の六兆六千億の事業達成をひたすらに実現をはかってまいるというところに力点を置いていかなければならぬ。お話しのように、長い将来を見渡しましたときに、まことにどうも大きな山に立ち向かっているような感じがいたすわけでございますが、しかし、これとて、どこからわいてくるわけでもなし、結局国民負担なり国民蓄積なりによってまかなっていかなければならぬわけでございますから、したがって、着実に財政事情の許す限り努力を払っていくという以外には、これはいきようもないわけであります。その点においてはひとつあらゆる努力を払ってまいりたいと考えておるような次第でございます。
  9. 石川次夫

    石川委員 たいへんどうも自信のない御答弁をいただいて少し落胆をしておるわけですが、ことしの予算と去年の予算を比べてみて、これはだれもお気づきの点だろうと思うのですが、一般財源昭和四十二年度は八百二十二億円、四十三年度はそれが半分の四百七十億です。非常に財政硬直化影響ということなんですか何ですかわかりませんけれども、一般財源というものは半減をしている。こういうような苦しい財政の中でやりくりをして道路財源というものを捻出している。苦しまぎれに自動車取得税なる新税を見出して、これも税制の体系からいうと非常におかしな形だと思うのでありますけれども、まあ受益者負担という形からいえばやむを得ない面もあったろうとは推測いたします。しかし、そういうことでかろうじて、全体の予算といたしまして四十三年度は四千七百四十億円、こういう数字がはじき出されてきておるわけであります。したがって、この財源としては大半が揮発油税ということになります。地方税関係では軽油引取税というものがありますけれども、こういうものを見ていきますと、もう揮発油税収入それ自体外国に比べてみて率がもうほとんど限度にきているのではないか、こういう感じがいたします。もちろん、揮発油使用料それ自体は毎年一三%ぐらいずつ伸びておりましょう。しかしながら、揮発油税の税率それ自体としては、ヨーロッパあたりと比較いたしましても、もうそろそろ限界にきているのではないか。軽油引取税のほうは諸外国に比べて若干率が低いようでありますけれども、揮発油税に関してはあまりこれから増税ということが考えられる余地は少ないだろう、こう思っておりますが、そうなりますと、この揮発油税収入に多くを依存しております現在の道路財源というものは、何か新しい観点——受益者負担という観点でも何でもけっこうでありますけれども、見出さない限りは、当面の六兆六千億の第五次五カ年計画達成できないだけではなくて、将来の五十三兆円というものを何とか達成しなければならぬという目標は、一応責任を持って道路局あるいは建設省が出しておるわけでありますから、それに向かって考えた場合にも、この道路財源というものは一体どこに見出そうとするのかということが、私たちは非常に心配でならないわけであります。この点について何かお考えがあるならば——というより、これは当然お考えがあると思うのですが、この点についてひとつ御意見を聞かしていただきたい。
  10. 保利茂

    保利国務大臣 昨日もどなたか全く同じ御質問がございまして、お答えいたしておったわけでございますが、揮発油税にしましても、石川委員の御見解では大体限度へ来ておるということでございますけれども、私は必ずしもそうは思っておりません。また事実、数字的に見ましても、ヨーロッパの諸国よりも高くない——高いところか、かなり低いところにあるわけであります。考えてみますと、日本は戦前は全く舗装道路一本も持たないというような、社会資本のこれは皆無に近い立ちおくれであった。ところが、ヨーロッパの各国にしますれば、日本へ来て、道路はどこにあるかという疑問を投げかけたというようなことがございますように、大体みな主要道路というものが舗装され、整備されておった、それでもなおかつこれだけの高率のガソリン税というものを取って、主としてはさらに道路整備に力を入れていく。日本のほうは、いわば無から、社会資本充実のためにガソリン税というものをとにかくいただくようになっておるわけであります。しかし、いまとなっては、どうも低いからといってすぐこれに安易に財源をこれ以上求めるということは非常にむずかしい。それは要するに、物価問題——すべてガソリンを使っておる業態が現在の価格をもって事業運営をはかっておられるわけですから、それに手をつけるということになると直ちに物価に響いていくというような心配があるものでございますから、本来ならばもっと上げてもよかっただろうと思うのですけれども、今日になってみれば——しかし、もはや定着しておる。でございますから、ここに安易に道を求めるということは非常にむずかしいのじゃないかという感じを持ちます。そうすると、それじゃどこに持っていくのだ。私は、やはりガソリン税の消費の伸び、需要の伸びというものは相当の期待をかけられる。で、六兆六千億の事業達成をはかっていくためには、どうしても足りなければ、これは一般財源をここに持ってやらしていただくほかないわけなんです。これは財政当局が、いや、こういう方法があるじゃないかというようなことで、財源を調達すべき財政当局において名案を示されれば、何も一般財源にこだわることもなかろうと思うのですが、これはどうも財政当局者任務であろうというように私は思って、私としましては、とにかく六兆六千億の事業達成は最小限はかってまいらなければならぬという考えでおるわけであります。
  11. 石川次夫

    石川委員 この問題、まだまだ申し上げたいことはたくさんあると思うのですけれども、時間がないので非常に残念でありますが、一般財源は、先ほど申し上げたように四十二年度は八百二十二億、ことしは四百七十億、実に〇・五七ということで、非常に削減されておるというような考え方から見て、何としても一般財源からうんと出してもらうのだと、保利さんが実力のほどを示しておっしゃっても、この伸びしろというものはたかが知れているのじゃないかという感じがするわけです。これはもちろん一般財源を出してもらうことはけっこうでありましょうけれども、ことしこのように半分に減らされたというふうな実績から見て、これに多くを望むということは、現在の体質からして非常に困難であるということからして、揮発油税はまだまだ取る余地があるんだとおっしゃいますが、大体日本ヨーロッパ%に比べて低いとは申しますけれども、アメリカは例外で三二%、日本は六一%、西ドイツが六一、イギリスが六六、フランスが七六というふうに、フランスイギリスは若干高いようではありますけれども、しかし似たり寄ったりです。日本舗装のないようなところから出発しているし、受益者負担の原則を伸ばすとするならば、何としても揮発油税の増徴にたよらなければいかぬと言っても、これはまたいろいろな観点から見て物価にはね返るということがあって、非常に困難性が多いのじゃなかろうか、こう私は考えておりますので、これは財政当局にまかせるといいましても、やはり国務大臣の一人としての保利大臣も、この道路負担というものについて財源をどうするかということと真剣に取り組んでいただかないと、いたずらに予算の獲得の場でがんばっただけでは、六兆六千億の五カ年計画達成は非常に困難ではないかという懸念をわれわれは強く持つわけであります。われわれもまた、非常な素案でありますが、一応の考え方を持っておりますけれども、道路を利用する業者、そういう人たちに対する何とか負担金を持つという方法を新たに考えない限りは、将来の五十三兆円の達成ということはとうてい不可能だろう、こうわれわれは考えておるわけであります。どうか自民党あるいは政府におかれても、この五十三兆円という数字はまだまだ検討の余地はあると思いますけれども、しかし、将来の伸び方から見て、人口の比率あるいは生産高、あるいは車の伸び、そういうことから算定をした基準というものを見るにつけましても、そんなに食い違いはない。これだけはやはり必要だという数字になっておると思う。私も五十三兆円の算定基礎は若干拝見はいたしました。そういうことで、道路財源をどうするかということを考えながら、この道路計画達成——これはほかの公共事業についても若干同じようなことが言えるわけでありますが、道路については特に受益者負担というような考え方に基づいてよほど真剣に取り組んでもらわなければならぬ問題だということを痛感をするわけであります。  ただ、ついでにここで御意見を伺っておきたいのでございますが、軽油引取税というのはほかの国に比べて日本は非常に低いわけです。四八%、ほかの国ではやはり六五とか七〇というのが常識になっております。これは非常に少ない。したがって、これをひとつ上げる余地は大いにあるじゃないか。これは地方道関係でありますが、そういうことが言えるような数字がここに出ておるわけであります。この点についてはどういうお考えを持っておるか。大臣でも道路局長でもけっこうでありますけれども、御答弁願いたい。
  12. 保利茂

    保利国務大臣 とにかくこの軽油引取税にしましても、ガソリン税にしましても、現行税率でもって物価と非常に密接に関連して定着をしておるような形になっておる。先ほど申しますように、ガソリン税でもほかのヨーロッパ並みにいこうとすれば、まだ一〇%くらい上げてもそう高いというものではないように、均衡から見ますと思うわけですけれども、それはもうとにかく非常に物価に刺激を与えるということになりましょうから、なかなかこれに手をつけるということはむずかしいと思います。軽油引取税でも、税率はまことに御指摘のとおりでございますが、それでもっていま一つ経済が動いておる、物価の状態も動いておるということになりますから、これに手をつけるときは、やはりよほどそういう点についての配慮を必要とするのではないか。しかし、まあ数字に見られますその率等からしますと、これはお話しのとおりだ、私どももよく検討しなければならぬと思っております。
  13. 石川次夫

    石川委員 軽油引取税関係は、確かに、軽油を使っている自動車というのは特に道路を破壊しているという面も一面ありますけれども、同時に、これが零細企業、中小企業が多いという半面を持っておりまして、なかなかむずかしい問題だと思います。われわれもそれもまだ結論が出ておるわけじゃございませんけれども、こういう揮発油税軽油引取税ということだけに財源を求めるということでは、とうていこれから伸ばさなければならぬ道路財源には追いつかないということだけは、これははっきりしておると思うのです。したがって、新たな道路財源をどこに求めるかということは、われわれのほうでもいろいろ検討はしてみますけれども、真剣にひとつ御検討を願いたいということだけをきょうは申し上げるにとどめておきたいと思います。  それから、話がちょっと飛躍するようでたいへん恐縮でありますけれども、われわれは、産業基盤の整備という関係で、高度成長政策に伴って道路というものは五カ年計画年度半ばで次々と切りかえて相当大幅な上昇をはかってきたという事態は、ある程度理解はいたしますけれども、しかしいま地方の住民が一番困っているのは、生活環境のための道路というものが一番おくれているということだけは、これは言うまでもないと思うのであります。これは多く地方道にまたなければならぬところでございますが、その財源として今度は自動車取得税というふうなものを新設されるというふうに考えられるわけでございます。これについてもいろいろ意見がありますが、きょうは時間がないので省略いたしますけれども、それにいたしましても、生活環境の整備のための道路というものに対する重点の置き方というものは、私は現在の日本の政治においては非常に立ちおくれているという感じを持っております。ところでその財源を一体どうするかということになって、これはまたいろいろむずかしい問題になってまいりますからあとに譲ります。申し上げませんが、産業基盤の整備のための道路整備ということも必要なこともわかります。しかし、最近、財界の非常に有力な——これは名前を言ってもいいのでありますけれども、佐藤総理に一番密着をした人が、産業基盤整備のための道路というよりは、これからは防衛を中心とした道路に切りかえなければならぬということを発言している。小林さんであります。はっきり申し上げます。これは私は聞き捨てならぬと思います。いま一体防衛のための道路整備するなんといっても、生活環境の通路の整備もできない、産業の基盤整備のための五カ年計画もろくすっぽできない、到達することは非常に困難であるということがいわれておるこのごろ、防衛道路ということが新たに出てきているということは、私はどうしても納得がまいりません。この点について保利大臣はどうお考えになっておりますか。
  14. 保利茂

    保利国務大臣 防衛道路でございますか。
  15. 石川次夫

    石川委員 国防のための……。
  16. 保利茂

    保利国務大臣 私はそんな話聞いたことございません。またそんなことを考えてもおりません。
  17. 石川次夫

    石川委員 これは保利大臣がそうおっしゃるから一応そういうふうに受け取っておきますけれども、これは明らかに印刷したものに出ておるわけなんです。しかも佐藤総理に一番側近だという財界の代表がそういう発言をしておるわけです。これはわれわれとしてはどう考えても聞き捨てならぬ。これが佐藤内閣の意思を代表しているという形であれば、とことんまで糾弾をしなければならぬと思いますけれども、これはそういうしかけで話しておるのじゃないようでありますから、ここで申し上げることはこの程度にしておきますけれども、断じて防衛道路に切りかえるような余裕は現在の道路予算の中にはない。しかも道路財源をどうするかということを真剣に考えなければならぬ。しかも生活環境のための道路がおくれている、産業基盤の整備のための道路という以前に。その問題のためにたいへん地方の住民が困っておって、その財源をどうするかということが懸念されているときに防衛道路というのが出てくるということは、どう考えてもわれわれは納得がいかぬということだけを、私はこの機会にはっきり申し上げておきたいと思います。  時間がないのでたいへん残念でありますが、それでは最後に、今度の法案の問題で二、三お伺いをいたしまして、私の質問を打ち切りたいと思っておりますけれども、地方公共団体で現在自分で有料道路を経営しておるというふうな実績はどの程度あるか、道路局長から一応伺いたいと思うのです。
  18. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在地方公共団体が特別措置法に基づきます有料道路として実施しておりますのは、三十三路線、量百三十九キロございます。なお、工事中のものが十八路線で、二百二十二キロございます。このほかに道路運送法に基づくものが別にございます。
  19. 石川次夫

    石川委員 これは前にも、地方公共団体でやっている道路日本道路公団ができたときに引き取って経営しているというものも、道路公団ができましたときにあったわけですね。今度の改正で再び地方公共団体に積極的にそれをやらせようということになるわけですから、何かこれが首尾一貫しないような感じがするのです。前にやっていたものを道路公団で引き取った。今度は地方公共団体でやるのにお金を補助してやろう、こういう考え方で、どうも高速道路に対する考え方が、地方日本道路公団でやる分野といいますか、それをはっきりと区分けした考え方で今後処していこうとするのかという点が明確でないわけです。その点の考え方はどうなんですか。
  20. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 二十七年に旧道路整備特別措置法ができまして、三十一年に道路公団ができますまでに融資、補助その他で地方で有料道路をやっておりましたのが、三十一年に道路公団ができますと同時にそれを道路公団に引き継いで整備してまいったわけでございます。その当時のいきさつとしましては、いろいろ県でやります長大橋その他を有料道路でないと整備できないということから、地方の有料道路として発足しました。さらにこれを技術的な問題がございまして道路公団に引き継いだものも多いかと思います。いまの時点になってまいりますと、やはり地方公共団体そのものも非常に施工能力も出てまいりました。また、道路公団自身も、七千六百キロに及びます今後の幹線自動車道に打ち込むということになりますと、なかなか県の有料道路に手が出せないということになります。また、県道以下の有料道路についても、公共の一般道路としてはなかなかできないものもあると思いますので、地方の有料道路をこの際大いに推進するために、こういう制度、県営の有料道路が推進できるような融資という制度を設けた次第でございます。今後公団でやるものと県営の有料道路とどういうように区別するかという問題になろうかと思いますが、これにつきましては、やはり県ではなかなか施工の困難なような、大都市周辺のバイパスみたいに非常に大規模のものとか、長大の橋梁とか、長大の隧道で非常に技術的な問題の多いもの、こういうものを道路公団で今後取り上げていって、比較的一般の道路並みの改良舗装でできるようなもの、こういうものについては地方でやってもらうというように考えております。
  21. 石川次夫

    石川委員 今度この法案が出て、一五%を限度に貸し付けるということで、具体的に予算化した以上は、地方で現在やっている事業で具体的にどこどこということは大体見当がついていると思いますが、それがわかりましたら、ひとつお知らせ願いたい。
  22. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実は道路のことしの予算といたしましては一億ほど予定しておりまして、大体一億でどの程度できるかといいますと、事業費に直しますと六億六千七百万ということで、大体六本くらいは最低できるのじゃないかと考えております。この六本につきましては、いろいろいままで県で要望のあるものもございまして、その中で採算性のいいもの、その他いろいろ考えて最終的にきめたいと思いますが、いま出てきておるものの一つの候補の路線をあげてみますと、熊本の菊池から阿蘇に至る道路、山形、福島の県境にあります西吾妻の道路、千葉の市川の道路というものが、いまのところ検討しておるものの一部でございます。
  23. 石川次夫

    石川委員 私先ほど申し上げましたように、産業基盤の整備道路よりは、生活環境の道路というものに重点を置く考え方であってほしいということを申し上げたのですが、いま聞いた三つの名前ははっきりいたしませんが、どうも観光道路じゃないのですか。採算のとれるものだけを何とか優先的にやるという考え方で、産業基盤の整備までいかないで、その以前のレジャー道路にだけは金を貸してやる、そのほうが採算がとれるだろうというような考え方で金を出してやるという印象を受けるのですが、いまのは観光道路のようなものがほとんどじゃないかと思うのですが、どうですか。
  24. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実は、有料道路にはどういうものが適格かというのは、単に採算の問題だけできめられないということだと思います。といいますのは、やはり地方開発的な要素の強いものについてはこれは一がいに言えないと思います。そこで、利用する車から料金をとるということが、将来地方開発にはたしてプラスになるかどうかという問題がございます。まず観光道路ということもいまのこの中に入っておりますが、たとえば西吾妻の道路というのは非常に観光の面が強いかと思います。ただ、観光道路といいましても、では一般の道路でこういう道路がすぐできるかといいますと、一般の道路では観光道路みたいなものはなかなかできないと思います。また、先ほど言いましたように、市川の道路あたりは明らかな産業道路でありまして、これは、この道路がなくても別に迂回路がございますので、こういうものであれば有料にしてもおかしくはないのじゃないか、地元の負担がふえるということはないのじゃないかというふうに考えております。菊池−阿蘇の道路についても、一部は観光でございますが、いまの県道としての整備がおくれているということもございまして、これはやはり地方発展のためのものも入っております。
  25. 石川次夫

    石川委員 それで私は前に、道路公団のやっておるものと、地方公共団体がやるものと、考え方の基本というものは変わっておるべきじゃないかということを申し上げたのですが、これは地方公共団体が自主的にやるべきものでございますから、一がいには言えないのでありますけれども、われわれは、何としても、生活環境あるいは産業道路というものを含めて、地方開発を目途としたものについては積極的に援助してやらなければならぬ、こう思うのです。しかし、観光道路は、いま国家百年の計に立って必ずしも必要かどうかということは問題だと思うのです。そういう考え方はひとつ整理をしてもらわなければならぬ。これは日本道路公団そのものについても言えます。日本道路公団の問題については、あとで、各路線別の採算がどうなっておるか、あるいは全体としてこれはプールにして計算すべきかどうかということについて、あらためて質問する機会を持ちたい、こう思って、個人的には道路公団理事長にも話をしたわけでありますけれども、しかし、いま伺いますと、どうも採算性というものを主に考えて、観光道路というものを積極的に援助してやろうという考え方になる危険性がきわめて多いような気がいたします。その考え方は再検討してもらわなければならぬ、われわれとしてはこう考えておるわけです。  そのほかいろいろ申し上げたいことはありますけれども、この機会でありますから、一応道路局長の意見を聞いておきたいと思うのですが、日本道路公団のやっておる路線が相当たくさんございます。全体的には大体採算がとれておる、こういうような話でありますが、個々には、採算のとれないもの、あるいは相当の利益の出ておるものがあるわけでありますが、これを何とかプール制にしてやっていこうという考え方もぼちぼち出始めておる、こういうように聞いております。これはいずれ道路公団理事長にも来てもらって正式に意見を聞きたいと思っておりますが、道路局長としては、このプール制の問題についてどうお考えになっておるか、一応お考えを承っておきたいと思います。
  26. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 一般有料道路のプール制については、数年前から検討したことがございます。例を言いますと、青森の有料道路と鹿児島の有料道路を一緒にプールすることが、利用者の料金で償還しておる有料道路としてはたして妥当かどうかというような意見が非常に強かったと存じております。ただ、この問題につきましては、私どものほうで、道路審議会に料金部会を設けまして、料金のあり方の問題、あわせましてこういうもののプールの問題を検討していただいておる次第でございます。実は、いま言いました鹿児島と青森の一般有料をプールにするということになりますと、非常に奇異な感じも出るわけでございます。同じ地域の中で関連しておるものをプールにするということは、常識的に考えてもあまり無理はないのじゃないか。たとえば、同じ地域で相互につながっておる道路が、一方が早く有料道路とされたから無料になり、あとから建設されるものが償還がとれないから有料で残るということも非常に矛盾がございますので、その辺をあわせましてプール制の問題は検討したい、かように思っております。
  27. 石川次夫

    石川委員 きょうは一応御意見だけを伺って、あとでまたいろいろ検討する機会を得たいと思っております。  時間がありませんから、私の質問はきょうはとりあえずこれで終わります。
  28. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 唐橋東君。
  29. 唐橋東

    唐橋委員 私は、自動車道路の開発に伴って都道府県と道路公団が用地取得事務を契約している事項について質問するわけでございます。内容等は省略いたしますが、ともかく四十二年度において、六月以降都道府県と道路公団が、用地取得までは府県が責任を持つという契約をしておるわけでございますが、この根拠法令を見てみますと、自治法には全然根拠がございません。したがって、これに対して自治省の行政局長が、私法のものと考えます、こういうことでございまして、その根拠になっておりますのは、道路公団の業務方法書という道路公団規程第十二号の十六条があるだけではないか、こういうように考えられて、この点については非常に自治法の精神に違反する、こういうような点が考えられるのでありますが、これについては地方行政委員会の中で議論もしておりますので省略して、ここでお聞きしたいのは、この場合の道路公団地方自治体の金のやりとりの方法なんです。といいますのは、具体的な例をあげてみますと、福島県の例をあげてみて、昭和四十二年度には公団からいっておりますのは六百三十三万五千円だ。これはあとで公団のほうからひとつお答え願いたいのですが、それに対して福島県の四十二年度の人件費は四千六百八十四万二千円、こういうことなんです。その内容を聞いてみますと、これは五年間なら五年間のうちに、ことしは三%として事務費を上げるのです、それでは不足でしょう、不足なのはそのままにしておいてください、三年目くらいに今度は工事費がよけいになるから三%だ、非常によけいにいくのです、そのときには返さなくてもけっこうなんです、こういうような方式でやっておるということなんです。そうしますと自治法違反になってくるのです。御承知のように、地方自治法には必ずその問題が明確に規定されております。これは私から申し上げるまでもないと思うのですが、自治法の二百八条には、会計年度及びその独立の原則が載っております。年度年度で収支決算しなさい。それから地方財政法の第十九条では、国庫から出す金は必ず時期におくれないように出しなさい、こういうことになっておるわけですね。もしそれがいま申し上げましたような継続費であるとするならば、これは継続事業として認定を受けて、必ず地方議会に、こういう継続事業なんですという年次計画書を出さなければならぬ。そういうこともやっていない。こういうような地方自治法違反を、しかも地方財政法で明確な——常識考えてもわかるようなことを、ことしは不足分二千万あっても、それはがまんしなさい、来年度多少ふえるかもしれない、こういうようなことをやらせておく権限があるのかどうか、あるとすれば、どこにその法令の根拠があるのか、これをお伺いしたいのです。
  30. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまのお話は、公団から県に高速道路の用地買収の委託をしております。これに伴いまして生じます人件費について、実際にかかった金以下の金しか払っていない、それが次の年に払われるのは非常にけしからぬじゃないかということかと思います。これにつきましては、われわれ、やはり、当該年度にどのくらいの用地の買収ができるか、これは用地の交渉も含めてのことでございます。そういうことで、事前に四十二年なら四十二年、四十三年なら四十三年で県にこのくらいの買収の委託をしたい、それについて用地の費用はこのくらい、それに伴います事務費はこのくらいということで、お互いの合議の上、そういうような委託の契約を結ぶのが至当だと思います。いま先生のおっしゃっておりますような、ことしはこれだけしかないから、あとは県で来年の分を立てかえておけというようなことは、今後いたさないつもりでございます。
  31. 唐橋東

    唐橋委員 局長、あなたのほうでしておらないと言う、それは明確ですね。たとえば清算までは多少のあれですが、おおよそその年次の事務費に見合うものがその年にいくということになっているのですか。そこをひとつ……。
  32. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実際に福島県の公団の契約がどうなって、いま先生のおっしゃいました、これだけ金がかかっている、それだけのものがその契約で払われているか払われていないか、実は契約書がございませんのではっきりしたことは言えませんが、道路公団が県に委託をする場合には、そういうような県で立てかえてもらうという趣旨でやらせることはしたくないと思います。また、今後その方針で、必ず必要な経費というものは委託の契約をする前に両者の合議の上で費用をきめていきたいというように考えている次第でございます。
  33. 唐橋東

    唐橋委員 あなたのほうで一応見て、それからこのように各府県ごとに契約させて、第十条——県によっては条文が一、二条違うのがありますが、十条には「乙は用地事務を完了したときは、遅滞なく完了通知書を甲に提出して清算する。」ということだけがうたってあって、年度ごとの会計というのは全然うたってないのですよ。事実、公団関係から聞いてください。六百三十三万しかいってないのですよ。そして県議会の中でも明白にこの数字は出てきているのですから。だとするならば、これは完全に地方自治法のいま申し上げました条文の違反になるということを私は言いたいのです。もう一度御答弁願います。
  34. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これにつきましてはいま四十二年で協定契約を見ますと、大体用地の補償費として一億、これに要する経費として六百五十万ということでございまして、その後この用地の問題は御承知のように非常に困難な事情もございますが、さらに六百五十万よけいにかかっておるということではないと思います。その点につきましては、今後よく調べて善処したいと思います。
  35. 唐橋東

    唐橋委員 まだそれが年度の決算期になっていませんから、多少の出入りはいいと思うのです。しかし、調べた上において、それを払うことはやるのですか、やらないのですか。
  36. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは要するに、県にいろいろ協力してもらいました中には、当然用地の買収がまず主体で、用地の買収のために御協力願っておるわけでございます。その用地の買収のためにほんとうに必要な経費をどう見るかの問題もあろうかと思います。そのほかに、県がいろいろ一般の広報的な意味で高速道路に関連するその他の事業を含めましてやる場合もございます。その辺はどのくらいこれに必要か、県とよく打ち合わせて、県に持ち出しのないように私たちはしていきたいと思います。
  37. 唐橋東

    唐橋委員 その趣旨で大体了解できましたがこういう状態になっているのです。福島県の場合、高速道路対策室というものを設置して、室長以下三十名、地方対策室に二十五名、計五十五名が専門にかかっている。旅費もあるし、もちろん俸給をもらっています。そういうものがいわば公団から来る費用によるものなんですというふうにたてまえをとって、入っている五十五名の職員は、局長もずいぶん頭を痛めたでしょうが、ああいう混乱の中に昼夜健闘していますよ。その旅費、人件費、すべて県で出している。六百五十万の予算のうち六百三十三万しかいってない、どうですかということが県議会で問題になりましたら、これは来年来るのですよと言う。来年どのくらい来るのですかと言ったら、きのうの県議会の答弁なんですが、大体五百五十万、もっと多くしたいと思いますと答えている。それではたいへんじゃないか、自己負担が多いじゃないかといったら、これは五年なら五年、七年なら七年の間に清算する、こういう答弁をしているのです。だからこれは地方自治法の違反になる。継続費ならば継続費としての方法をとらなければならない。  しかも、さらにはっきりお聞きしているのです。県の総務部長は、地方自治法違反ではないかと聞かれましたら——大臣よく聞いてください。地方自治法違反でないかと聞かれましたら、はっきりこういうことを答えている。大蔵省と建設省と自治省が覚え書きで協定しました。その覚え書きの内容は、いまのように少し年度の出入りはあっても、総体的には地方自治体に迷惑はかけないのだ、こういう覚え書きというか、申し合わせをしました、ですから地方自治法違反でないのです、こういう答弁です。これははっきりしています。そういう申し合わせ事項なり覚え書き条項があると、県の責任ある総務部長は議会で答弁していますから、私もあると思います。あったら出してみてください。もしあったとしたならば、いまの地方自治法違法ですよ。
  38. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 私は、そういう覚え書きについては書いたものがあるのを見ておりません。ただ大蔵、自治、建設で、高速道路につきましてもそうでございますが、一般の国道のバイパスについてもやはり県に用地の買収を委託する場合がございまして、そういう場合には、用地費がどのくらいに対して事務費がどのくらい要るかという点を一応積算いたしまして、それを基準として用地買収の委託契約をしておるのでございます。普通の場合は、用地の買収の金額に応じましてそれだけ事務費がかかってくるわけでございますので、用地がどのくらいできたからどのくらいの事務費がかかったのだなということで出しておるわけでございます。福島の場合は、用地の買収の始まる前に、実際の用地買収費を支払う前のいろいろのトラブルで相当の金がかかっていることは確かだと思います。その点はほかの地区の用地の買収の委託契約と多少事情が異なっております。そういう点につきましては、用地の買収費が伴わなくても、買収の準備の金でございまして、これについては道路公団と県と折衝させまして一定の金を払っていきたいと考えております。
  39. 唐橋東

    唐橋委員 局長はわかっていて、国会だからそういう答弁をしているのだろうと思うのですがね。契約を結んで用地取得事務に入りますと、入る順序はこうでございますといって、あの契約書のうしろには手順が全部書かれていますよ。そうすると、その手順のとおりにいっても、どんなうまくいったって用地買収までは一年以上はかかりますよ。あの契約を結んで、あの契約書のうしろにある事務手続に入ったときから用地買収事務でしょう。   〔委員長退席、丹羽(喬)委員長代理着席〕 それは用地買収事務なんです。そうしたら、用地買収がきまらなければその事務費は出ないというのは、それはおかしいですよ。だから、年を越せば必ず地方自治法違反になる、こういう契約を結ばせておく根拠を聞いておるのです。根拠があるのですか。地方自治法違反の契約を結ばせて、清算は完了しないうちに——清算しないのですよ。地方自治体は年度年度清算ですよ。他方、契約条項の第十条には、用地事務が完了したときにはじめて清算しますという契約をあなたのほうの指導で結ばせているのですよ。そうして、いま申しましたように、知りませんというが、必ず調べて資料を出してください。申し合わせ書なり覚え書きなり、ありますというふうに福島県の総務部長は答えておるのです。なかったら、福島県の総務部長がうそを言っていることです。うそはおっしゃらないと思うのです。その資料だけは要求します。
  40. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いまの大蔵と自治と私のほうとの申し合わせ、これは申し合わせでございまして、私も、はっきりした覚え書きというような、そういう趣旨のものは見ておりませんが、その内容につきましては……
  41. 唐橋東

    唐橋委員 それはいい。さっきの答弁と同じ答弁だと思うのです。打ち合わせをしたのですか。そういうことを聞いておりませんならば、わかる人に答弁させてくださいよ。聞いておりませんという答弁は要りません。
  42. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 大蔵と自治と建設で用地先行についてこういう扱いにしようというような申し合わせばいたしております。
  43. 唐橋東

    唐橋委員 それじゃその申し合わせの内容を文書で出してみてください。
  44. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 提出いたします。
  45. 唐橋東

    唐橋委員 その申し合わせの内容が、地方自治法のさっき申し上げました条項に違反する。それは福島県の総務部長の答弁を私は受けて、年度ごとには清算しないで——清算ということばにはあるいはなっていないかもしれませんけれども、少なくとも用地買収完了のときにやる、そして用地買収完了は、これは大体あなた方が言っているように、インターチェンジとインターチェンジの間が一区切りだとすれば、これは一年くらいです。そうすればあのような契約を結ばせておくこと、このことがあなたたち一つの権限として根拠はどうなんですかということをはっきりお聞きしたい。どこに根拠があるのですか。
  46. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 最後に用地買収が終わってから清算するというのは、やはり一つの委託の事務が終わったときの清算のことをいっていると思います。いま先生のおっしゃっているのは、そういう清算のことじゃないと思います。用地買収を進めるために福島県の場合非常にトラブルがありまして、まず用地を払う前に非常に金が要ったんだ、そういうものはその年払え、その次の年は用地の補償が十億あっても、そのときはほとんど話がついているんだから、そんな事務費は要らぬことだし、その分を要ったときに払えということだと思います。そういう意味で、私たち、いま全部事業が終わらなければ金を払わないということはしたくないと思います。やはり必要な金につきましては、県とよく協議をしたあと、金額をきめて払うように指導したいと思います。
  47. 唐橋東

    唐橋委員 それじゃ、わかりました。この条文の解釈、局長の解釈のとおりに私も理解します。ですから、今度は年次ごとのこのような超過負担が出た場合は、やはりそれについては最後の清算は別として、年次ごとの清算をしますね。
  48. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これにつきましては、やはり三年なら三年かかるという中で事務費は各年度でどういうように配分するか、こういうことによって当初県と協議して払っていけば、そういうような矛盾が出てこないと思います。そういうことに今後指導いたしたいと思います。
  49. 唐橋東

    唐橋委員 そうしますと、地方自治法の継続費になるわけです。そういう計画になれば、地方自治法の中の——読み上げるまでもございません、二百十二条に該当する経費になりますね。
  50. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 地方自治法の問題、ちょっとはっきりいたしませんが、うちの道路公団予算もやはり単年度でございますので、やはり長期的な考えをもってその年その年の契約ということになろうかと思います。
  51. 唐橋東

    唐橋委員 その年その年の契約だと、いまのように、事情によって——福島県は福島県で苦労しているのでしょう。その苦労は私は認めます。しかし、片方が六百万程度のうち、片方は三千万だ、こういうことをそのまま放置はできませんな。それをもしいまのような説明で越せということになれば、くどいようだけれども、問題になってくるのです。そうだとすれば、継続費というこの二百十二条の取り扱いにしなければならない。自治省いかがでしょう。これは二百十二条の費用になりませんか。いまのような三省の打ち合わせの結果、年度ごとはやらないんだ、五年間なら五年間の事業計画の中で清算するんだ、そうして現実にこのような問題が起きてきた、その場合に、これも年度ごとに清算しないでいま決算しようとしておる。そうしていま局長の答弁でいえば、当然これはこの契約にもあるとおりに、最後に清算事務なんだから、年度ごとにやるという理解をした上において、そうしたならば継続費ででしょう。継続費になれば、必ず地方議会に継続費の取り扱いとして継続費報告書を出さなければならないのですよ。
  52. 林忠雄

    ○林説明員 少し遅参いたしまして、ちょっとわからないのでございますが、違っておりましたらまた重ねて御説明申し上げますが、まず、いま話題になっております覚え書きというものでございますね、この覚え書きというものは、要するに、自治省と大蔵省と建設省の間で、この土地の買収を県に委託する場合に、最終的に県の持ち出しがないようにするんだぞということを確認したものだと考えております。ですから、それは単年度にやらないと違法になるか、あるいはまとめてやることができるかということは、その覚え書きの場合はおそらく考慮されておらないで、要するに、持ち出しがないようにしてくれということを自治省は言ったと思いますし、大蔵も建設省も、持ち出して県に迷惑をかけるようなことはいたしませんという趣旨のことをお約束になったのではないか。実はこれは財政当局でやりましたので、私は行政局でございますのでその覚え書きはまだ見ておりませんが、伺ったところでは、おそらくそういう趣旨であったろうと思います。そこで、ではこの買収契約がどういう形になって行なわれておるかというのをいま伺いましたところが、基本協定をやりまして、全体として大体こういう方針でやるのだということを合意した上で、契約は、国の予算が単年度主義で、国の予算で継続費というものを見ておるわけじゃございませんので、単年度の契約は単年度ごとにする、そういう形をとっておるそうでございます。そういたしますと、この二百十二条のいまのお話の継続費というのは、ここに書いてございますとおり、その履行に数年度を要するものは、たとえば十億かかるものであれば、初めから五年かかって毎年二億ずつ出すというのを一ぺん議決しておく、こういう根拠を与えた条文でございます。一たんこれを議決いたしますと、翌年度以降の支出は、予算はもちろんあらためて計上いたしますけれども、それは義務費と同じような形になりまして、その継続費の議決にあるとおりをそのままの形で一もちろん、事業の進行状態によって変えることはございますけれども、一応そのまま予算に計上していく。つまり、地方団体の予算は効力が一年限りでございますけれども、これをあらかじめ議決をとっておいて、五カ年間の予算をとったと同じような状態にすることができる、こういうことを与えた根拠条文だと思います。そうすると、現在問題になっております。土地の買収を委託する契約というものは、大体何年かかってこれだけの土地を買収してくれということについての、基本協定と申しますか、合意が、道路公団と県との間にはあるわけでございますから、そこで県がそれを財務的にいかに処理するかについて、その基本協定は基本協定として、国の毎年度の契約は単年度ずつでやる、それに合わせて県のほうも単年度ずつで予算を計上していくという方法も、もちろんございます。基本協定というものがございますから、一応継続費の扱いで県議会の議決をとって五年間の総体を明らかにしておくという方法もあります。いずれの方法をとらなければいけないかということは、この際いずれをもとり得ると思うのでございますが、ただ継続費をとらない場合に、ある単年度だけをとってみますと、国からきた委託費と比べて県の持ち出し分が非常に多い場合が考えられる。継続費にすれば、全体総計を通じてプラス、マイナスがないということならばいいのですが、単年度だけの扱いをしますと、ある単年度をとると、国の委託費に対して県の支出がはるかにそれを上回るという現象も考えられないことはない。おそらく先生はその点を質問していらっしゃるように拝聴いたしたわけでございます。そしてそれは一体違法かどうかという問題でございますが、これは覚え書きとは実は無関係——覚え書きではございません。継続費の議決をとっておくとすればそれが違法でなくて、単年度ごとに処理した場合にはそれが違法であるということには、私、聞いておりまして、別にならないのではないかと思うのでございます。  そこで、私多少遅参いたしまして、先生の自治法違反という、何条のことをおっしゃっておるか、ちょっと聞き漏らしたのですが、単年度が足りない場合には何条違反ということをお話しになっておるか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  53. 唐橋東

    唐橋委員 条文の説明はいいです。時間がありませんので……。継続費に該当しないと思うとか、こういう御答弁でけっこうです。私も自治体にはずいぶんいましたから、御説明は必要ない。それで、いま申しましたことは、なおきょうの地方行政委員会質問することといたします。  ともかく、たとえば福島県の道路買収事務が一年以上にわたれば継続です。継続とは一年以上をいうのですから一いまのような覚え書きの精神はわかる。地方自治体に負担させないという精神は生きておると思う。しかし、途中における取り扱いとしては、いまのような単年度会計の継続費なら——局長、全部買収するには早くてやはり三年くらいかかります。測量して、今度予算折衝でしょう。あなた方予算を持っているかもしれないけれども、今度買収折衝でしょう。そして当面継続するからこそ、十条が生きてくる。だから、そういうときに法違反は繰り返さないで、ともかくそういうことのないように、単年度で少なくとも三千万足りなかったら、三千万をやはり出してやらなければならない責任があなたたちにあるのじゃないか、その責任を遂行するかしないか、もししないとするならば、私はひるがえって自治法違反になるのじゃないか、こういう議論をしておるのです。ともかく福島県は四千万かかりました。これは議会ではっきりしておる。ならば、今度その不足分を出しますか、出しませんかということを聞いておるのです。   〔丹羽(喬)委員長代理退席、委員長着席〕
  54. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまの本年度だけにつきまして、契約の事務費と、実際にかかった事務費が非常に差があるということだと思います。公団も、一度契約いたしますと予算の制限があろうかと思いますが、幾ら本年度に出すか、また、本年度といいましてももう三月の終わりでございますので、できるだけ早い機会に、ことし取得した金額、どのくらい出すかを公団と県のほうで詰めさせまして善処したいと思います。
  55. 唐橋東

    唐橋委員 その場合もう一つ確認しておかなければならないのですが、こういう条項がある。いまの清算事務に入ってからですよ。というのは、第九条だと思いましたが、第九条に「用地事務の施行に関して生じた損失は、乙の責に帰するものは乙が、その他のものは甲が負担する」こうなっておる。そうすると、福島県は五十五名の職員、とんでもない、そんなに一ぱい職員を置いたのはおまえたちのかってだ、今度はその判断は公団側になるのですよ。これを私は自治法違反の根拠にもしておるのですけれども、その議論はやめるとして、それならば、甲、乙の責任の境というものが一方的に公団側にとられやすい。買収費の三%の事務費内であげなさい、あげなかった、それはおまえのやり方が悪いのです、こういうように解釈されるようなものですから、よく実態に応じて、あの覚え書きの精神をほんとうに生かしながらこの問題を処理してもらいたい。しかも年度を越すということになれば、いろいろ地方自治法の関連事項もできてきますので、年度を越さないという中において、しかも第九条の精神も、私申し上げたような点で十分協議して、地方自治体の負担にかからないような方策をとっていただけるかどうか。これは一つだめを押しておくのです。
  56. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 九条の問題につきましては、この協約規定そのもので疑義が生じたときは、甲、乙協議して定めるようになっておりますので、その辺は公団と県との間の協議になろうかと思います。ただ、いま言いましたように、ことし取得した金をすぐ四十二年度の会計で出せということになりますと、実は三月の終わりになりまして、今後こういうのはどういう形になるか、はたして今年度の会計でそれを出せるかどうか、問題が出ると思います。しかし、県に迷惑をかけた分については、甲、乙協議いたしまして、きまった額をできるだけ至急出すようにしたいと思います。
  57. 唐橋東

    唐橋委員 いまの局長の答弁で了解いたしました。  それでは次の問題に入ります。  只見線の問題に入りたいのですが、只見線の状態を申し上げますと、二月二日から二十日間交通不能です。そしてようやく今度開通したかと思えば、また現在運休なんです。それはいわゆる豪雪のためです。その豪雪の状況やその他は申し上げませんが、したがって、国道関係は、これはもちろん、三メートルの積雪ですから、通れません。唯一の道路は国鉄なんです。その国鉄が、雪が多いと、これはとても除雪がたいへんで、ひまがかかりましたといってその間が運休。ようやく通ったと思うと、なだれでまた運休。そのために、地元の新聞にも出ているのですが、全く陸の孤島に化しているわけです。そして生鮮食料品はもちろん、医者の場合も、あるいは高校の受験をする生徒もいまから三日がかりで歩いていって下宿していなければならない、こういうような状態が出ているのですが、これに対してひとつできるだけ早くなだれ防止という問題を含めながら交通を確保していただかなければ、あの陸の孤島は全く悲鳴を上げてしまうという問題がある。詳しい状況やその他は申し上げませんが、御想像いただけるだろうと思います。この只見線の早期開通に対して御答弁をお願いしたい。
  58. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 国鉄の只見線の降雪による不通につきましては、これは鉄道は鉄道として除雪の対策を講じておると思います。ただ、やはり奥地になりますと、鉄道と、もう一つの交通機関であります道路についての問題になるかと思います。ちょっといま記憶がございませんので、これが除雪の対象路線に入っておるかどうかだと思いますが、道路の除雪につきましては、やはりそういう陸の孤島のないような形をぜひとるべきだと思います。ただ、除雪の問題になりますと、道路の改良されていないところの除雪というのは、非常に山の中へ入ると危険を伴ってまいります。そのために、一例をあげますと、米沢から新潟へ行きます百十三号につきましても、鉄道はとまっている、道路も通したいのでございますけれども、非常に改良されていない、ブルなんか持っていっても、非常になだれの危険が多くて除雪ができないなんということもございまして、やはり道路の危険なところの改良をし、除雪の路線の延長をはかって、冬の降雪でも孤立しないような方策をとっていきたいと思います。それに伴って、この五カ年計画の改定につきましても、除雪の路線の延長を極力拡大していく所存でございます。
  59. 唐橋東

    唐橋委員 大体お答えは気持ちとしてはわかります。そして現在どれだけの施策があの豪雪地帯になされているかということも、私は実情はわかるわけであります。いま申されましたような国道の除雪というのは、鉄道よりももっともっと困難です。しかもあそこは認定路線になっていないと思うのですが、あそこは国道ですから、川口−只見間が特にひどいと思うので、それに対する除雪施設というものは、これは年次計画的に十分御考慮願いたい、こういう希望なんです。要は、冬季間になってくれば、この只見線は鉄道のほうがやはり除雪がやりやすいのです。そのために、唯一の路線が鉄道路線になっている。その鉄道路線がもう一カ月以上も今度は運休になる。きょうは国鉄関係の人はおいでになっていないと思うのですが、これは十分御検討願って、あの豪雪地帯の交通確保に最善のものを立てていただきたい、こういうことを要望します。  それからもう一つ、あとで道路局長のほうで国鉄のほうの事情等を十分お聞き願った中で対策を立てていただきたいし、特に大臣のほうからそういう点の実情調査をひとつやっていただくとけっこうなんですが、川口−只見間に六つの駅があります。その六つの駅が全部無人駅なんです。これは運輸省関係であるかもしれないが、この問題もいまのいわゆる道路交通保全と同時に十分御検討をお願いしたい、こういう中でちょうど中間にもう一つ駅ができてくれば非常に幸いだということをここでつけ加えさせていただきたいわけです。  次の質問に入りますが、もう一つは、こういうことが極端に出ております。といいますのは、降雪期とそれから融雪のとき道路の破損がものすごいということ、これは数字的に道路局長のほうではいろいろな資料をお持ちだろうと思うのですが、特に交通量の増大に伴う国道——もちろん、地方道はなおそうなんですが、国道でさえ、車両の運行が数が多くなったために破損がはなはだしい。しかしそれに対する対策はどうかというと、そういう奥地ですから、舗装率がまた低い、改良率もまた低い、そのために、融雪と同時に急速に砂利の補充ですか、それが必要なんですが、その一時的に必要になってくる砂利の準備というものができていない。この点はどういう計画の中になされているか。
  60. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまのお話しの、降雪、特に融雪の時期については、路盤が非常に水を含んでやわらかくなっておる関係で、車が多くなると非常に道路がいたみやすいということは事実だと思います。ことに砂利道の場合、道路がこわされる率が非常に多いと思います。これについては、いまの制度では、砂利道の維持についてはおのおの道路の管理者で実施してもらうということになっております。実は、福島もそうですか、雪の多い県につきましては、やはり融雪時の道路補修というのは一番大きな——年間を通じての補修費の大部分といいますか、かなり大きなものをそのときに出すという形になっておると思います。福島県の場合にいまのお話の砂利の集積ができているかできてないか、ちょっとつまびらかでございませんがこの点はよく道路管理者にも伝えまして、融雪のときに早く道路の修繕をするということが、年間の維持費を一番安くする方法でもございますので、そういう点よく県のほうに指導したいと思います。
  61. 唐橋東

    唐橋委員 これで私の質問を終わりますが、特にその具体的な例をあげます。  これも国道ですけれども、実情調査とともにいまの対策を望みたい部面は、国道宇都宮−米沢線その中で一番会津の中心になっておりますのは——会津には会津若松市と喜多方市がございますが、その中間がまだ改良済みでないのです。それは日橋川改修という大きな工事でそちらのほうが非常な金を食っているために、あのたった二十キロ程度の二つの市の間の道が全部舗装になっていない。そこの冬期間の交通というものは全くもうみじめなものです。朝、若松を出て、午後の三時ごろ着かなければならない。それは何かというと、道路が悪い。両側に雪がありますから、ちょっと車の運行がとまると全部がとまってしまう。あそこは会津の経済の中心地であり、しかも短距離間の問題でありますので、それにもう融雪期に入りましたから、この補修というものは早急な対策を要望したいのでございますが、それに対する局長の答弁をお願いして、私の質問は終わりたいと思います。
  62. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 国道宇都宮−米沢線の会津若松−喜多方間、この間の一部改良が残っており、舗装されてないということは承知しております。いろいろ日橋川のお話も出ましたが、私のほうとすれば、別に日橋川の改修とは関係なく道路の改修費をつけられると考えておるわけでございます。一部聞いておりますのは、ルートについて多少の問題を聞いておりますけれども、できるだけ早い機会に、この間も相当交通量の多いところでございますので、喜多方−会津若松は早く改修を促進してまいりたいと考えております。   〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕
  63. 金丸信

    ○金丸(信)委員長代理 北側義一君。
  64. 北側義一

    ○北側委員 道路整備特別措置法の改正法律案に関連いたしまして、道路問題について四、五点お伺いしたいと思います。  幹線自動車道の計画によりますと、昭和五十年度までに約四千キロ、昭和六十年度までに三十二路線、約七千六百キロ、このようになっております。この建設費でありますが、考えてみますと、諸外国と比べますと、東名高速にいたしましてもそのコストが非常に高くなっております。そういう面で心配いたしますのは、用地買収にいたしましても、これからますます高くなってくるような傾向が示されておるわけです。また、工事費にしましても、人件費にしましても非常に高くなっている。そうして、現在の工法でいきますと、どうしても一キロに対して約十億円、これ以上どうしても見積もらなければできないのじゃないか、このように考えておるわけでありますが、これから建設する高速道路に対して、そのコストが高いためにその計画がスローダウンしたり、また割り高な使用料がとられたり、また償還期限、これらが延長になる、このようなことはないかどうか、また、これに対する何らかの対策があるようでしたら、お答えいただきたいと思います。
  65. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまの高速道路の単価の点でございますが、これは御承知のように、名神があの当時キロ当たり約六億七千万くらいかかっております。東名高速はキロ当たり約十億かかっておるというわけでございます。実は一昨年、四十一年の七月にいわゆる幹線自動車道の中の東北、中央、北陸、中国、九州、そういうものの整備計画を、この三月にも審議会がございまして、逐次出してまいりました。大体千八百キロ以上の整備計画を出しております。これにつきましては一応の事業費をはじいております。これを見ましても、やはり都市周辺では十億以上かかる。普通の、山の中といいますか、丘陵地帯の一番安いところでもキロ五億くらいかかるような状況であります。  これらについて料金をどうするか、償還年限をどうするかの問題につきましては、まだ建設の途上でございまして、実際の最終の事業費がどのくらいかかるかはっきりいたしませんので、はっきりしたことは申し上げられないのでございますが、やはりいまの道路審議会の料金部会その他において、いわゆる高速道路というものが将来グループ制で採算をとっていくか、それとも、おのおの、名神が早くできたから名神がただになって、東北はおくれたから東北は金を取ってもいいのかというようなことをよく検討していきたいと思います。事務当局の考えといたしますと、やはり七千六百キロといわないでも、その半分の四千キロにつきましても、やはり高速道路というのは国土を縦貫、横断する一番の日本の幹線の道路になる。また、それが連綴しておるものでございますので、ある地区では非常に建設費が安いから料金が安い、ある地区では建設費が高いから料金が高いというようなことでもおかしいのではないかというようなことを考えておりますので、その辺は今後の料金部会の結論に待って最終的な料金をきめていきたいというふうに考えております。
  66. 北側義一

    ○北側委員 政府では、来年度から着工する幹線自動車道の建設費を安く押えるために、近く高速道路の建設指導基準をまとめ、日本道路公団や、また地方建設局及び各都道府県、これらに通達をする、このように新聞に書いてあるわけですが、その内容はどういうようになっておりますか。
  67. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 今度出します通達というのは、やはり事務的に、いろいろ高速道をつくります場合に、ほかの事業、同じ道路同士の事業の関連もございまして、こういうものに対する一つの費用の負担の基準があります。先ほど単価の問題のところでちょっと言い忘れましたが、やはり高速道路というものは日本の幹線の道路となるということで、規格もかなりいいわけでございますが、やはりその単価を根本的に安くするためには、やはり高速道路だけの一つの設計じゃなくて、他事業との調整を十分とることがまず必要ではないかと思います。たとえば、農地の中を高速道路が通る場合は、やはりその周辺までよくなるような土地改良事業とか、農林省所管のいろいろな事業、こういうものを一緒にやっていくことが、全体としての効率をあげ、また高速道路そのものの単価を下げるゆえんではないかと思います。
  68. 北側義一

    ○北側委員 お話はもっともなのでございますが、新聞によりますと、この内容が三点ここに書かれておるわけです。  まずその第一点といたしまして、高盛り土工法をなるべく低盛り土に改める、第二点といたしまして、高速道路と一般道路との交差施設の建設について国の過大な費用負担をなくす、第三番目に、用地の先行取得を地方自治体に委託する、このようになっておるわけであります。内容はこれで間違いないのでしょうか。
  69. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いま先生のおっしゃいましたことは、特に今後出すものでございませんで、いままでもそういう形で指導してきたものでございます。
  70. 北側義一

    ○北側委員 ここで考えなければいけないことは、このたびの法案を見ますと、日本道路公団がやっておるところのいままでの有料道路というものは、幹線道路を主体としたものになってまいったわけですね。そうして、都道府県では一般の有料道路をやってもらおう、そのために利子は補給しよう、こういうようなことになっておるわけです。  そこで、いまこれを見まして考えましたことは、そのように一面ではやりながら、ある一面ではこのようなことをやると、結局、都道府県がそのような利子補給を受けてもこれは何にもならない、そのように、いわゆる新聞紙上からはとれるわけです。たとえば、これから自動車がますますふえてくる、もうどうしても立体交差しなければならないわけです。交通がふくそうするのは当然にあらわれてまいるわけです。そうしますと、その費用の負担分は、結局、国の過大な費用負担をなくすと、こう書いてあるのですよ。どれだけが過大で、どれだけが過大でないかということについて、その限度額がここに書いてないので、その点私にはわからないわけですが、通達を出す以上は、そこに何らかの数字というものが私はあるんじゃないかと思うのですが、その点、どうでしょうか。
  71. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いままでの高速道路につきましては、名神の場合は名神、東名の場合は東名と中央道の東京−富士吉田だけでございます。今後青森から鹿児島まで全国に広がってまいりますので、やはりわれわれの考えております一つの基準という形で、県、市を同じ基準でやられるように指導したものでございます。  いまお話しの一から三までございますが、高盛り土を低盛り土にするということは、これは高速道路としては必要な道路との立体交差がどうしても必要でございます。そういう意味で、そのために立体交差を減らそうというつもりじゃなくて、やはり低い盛り土でいいようなところはなるべく低い盛り土にしなさい、しかし、道路道路との交差になりますと、やはり四メートル五十は通さなければならぬと思う。   〔金丸(信)委員長代理退席、委員長着席〕 それを四メートル五十は要らないから三メートルにしろというようなことではございません。やはり必要なものは交差をするということでございます。ただ、非常に問題になりますのは、農道とか、そういうものにつきましては、ある程度大きなものも必要だろうし、また、小さなものがたくさんあるよりは、いわゆる側道をつけて一部統合しても、それを全部合わせて大きなものにしたほうが、将来の農業の機械化も考えて非常に有利じゃないかということもございまして、そういう意味で、できるだけむだな高い盛り土はやめろという趣旨でございます。  また、一般道路の交差につきましても、これは現在の道路の網というものは、都市の周辺では、さらに今後都市計画によりましてかなり大きな道路が必要になるかと思います。そういうところについては、そういうことを考え一つの交差の方式をあらかじめ考えておけということで、これは必ずしもうちの高速道路の費用負担を安くするということでもないと思います。また、すべて高速道路をつくるときには、道路との交差は立体になるのですが、都市計画道路とか国道については、国道の一つの既定計画があって、それによってふやす分は、さらに現状よりふえる分は全部国道自身が持つべきじゃないか、そういうものを救うために、われわれいろいろ道路の補助事業の採択をします際には、高速道路の関連事業というものをやはり優先的に取り上げていこうという趣旨でございます。  県の委託の問題につきましても、やはりこういうような幹線自動車道を通しますと、インターを中心とした県道とか、そういうものの再編成をやるべきじゃないか、インターを中心としておのおのの道路が使いやすい形に切りかえていくべきだ、そういうような計画というものはやはり県に自主的に立ててもらう必要があるので、こういうのは、用地の買収にからみまして、公団だけがひとりでやるよりは、やはり県に委託してやってもらうということのほうが、事務の問題以外にそういう利点があるということから県の委託ということを考えている次第でございます。
  72. 北側義一

    ○北側委員 私が心配いたしますことは、結局、先ほども申し上げましたとおり、このようなことでどうしたって交差するところが出てくるわけです。その費用として地方の各公共団体に大きな費用が負担される、このようになりますと、今回の法律案に出ておる利子補給を受けても、これは何にもならないということなんです。そういう点を私は心配をいたしているのです。  次に移りますが、御存じのとおり、わが国の産業の発展によりまして、自動車の保有台数というのが昨年でもう一千万台をこえております。それで、年間約二百万台の増加、このように見られておるわけです。そうして、この車の増加に比例するところの道路整備、これができておらないのが実情でございまして、特にそれも大都市、こういうところになりますと、非常なふくそうを招いておるわけです。そこで、常に私も考えますことは、特に二車線なんかで都市と都市を結ぶ、そういう間の幹線道路、これについてはバスが必ず通っているわけなんです。主要都市と都市の間を結ぶバスですね。特に二車線の場合、そういうハスストップがあると、ストップして乗客が乗ったりおりたりしている間追い越しがきかない、そういう面で、道路の機能もバスが非常に低下さしておる、これが実情であります。そういう点で、少なくとも主要都市間を結ぶ主要道路においては、ハスの停車帯というものをつくらなければ、ますます混雑する、ふくそうが激しくなってくる、これが実情ではなかろうか、このように思うわけですが、その点、何らかの対策はないのでしょうか。
  73. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまのお話は、バスストップを設置しろという御趣旨かと思います。私も、二車線の道路について、特にバスがとまると車がみんなとまってしまう、車が込んでいるときは対向車線に入れないということになると思います。こういうところについてバスストップをつくってくれという要望が強く出ております。これについては、実はいまの交通安全施設の三カ年計画でも一部見ておるのでございます。何ぶん交通安全施設の三カ年計画の中では、人の事故を防ぐということがまず主体になってまいります。こういうような車の流れをよくするというような施設については、非常におくれております。実は今後こういうものをどう扱うかでございますが、やはり交通安全施設の事業を四十四年以降どうするかという問題ともからみまして、こういうものは今後検討したいと思います。できるだけこういうものはふやすような形で私たちは検討したいと思います。その際に、道路公団がやるものと、新しくつくった道路に四車線の道路とバイパスを新設する場合とございますが、そういう場合には、やはり利用するバス会社にあらかじめつくっておいてもらうというようなことを考えております。
  74. 北側義一

    ○北側委員 私も全く同感なんです。結局、これから新設する道路につきましては、少なくともバスストップをつくる、バスがストップするようなそういう地帯をつくる、でなければ、これから車両はますますふえていく一方ですから、それが一番望ましいじゃないか、このように私も考えているわけです。  いまお話のありましたとおり、交通安全対策事業、これは本年度で最後になるわけですが、おそらくこれから交通事故死——事故死は、統計を見ますとなるほど減っておるわけです。しかし、事故件数はふえておる。これはやはり車両の増加、これが件数をふやし、また、安全対策事業、これが実を結んで死者を減らした、このように私は見ておるわけです。やはりこれも来年度から続けていかねばならないことであろうと思うのですが、その点どのようにお考えなんでしょうか。
  75. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現行の交通安全施設等の整備事業というものが四十三年度で終わります。四十四年以降どうするか、いま検討しておりますが、私ども事務的に考えますと、ことし四十三年度中には横断歩道橋の整備はかなりできると思います。今後やはり交通事故を減らすということになりますと、欧米と日本との交通事故の実態が非常に違いまして、いままでは日本は歩行者の事故が非常に多いということで、歩行者対策を非常に優先的に取り上げてきたのでございますが、やはり交通事故の類型もだんだん西欧型に近づきまして、車自身の事故も非常に多くなっております。こういうものにつきまして、やはり道路を根本的に改良することが根本的な対策かと思いますが、やはりまだまだいま安全施設として不足しておりますのが、ただいま言いましたバスストップのほかにも、歩道、自転車の通行帯、こういうものと交差点の改良、こういうものにかなり力を入れていきたいというように現在のところ考えております。
  76. 北側義一

    ○北側委員 ただいま言われた、なるほどそのほかにもいろいろ交通安全対策でやらなければいけない事業があるわけです。その中でも、最近話題になっておりますのは、いまお話の出されました自転車の交通事故、これが非常に多いわけです。聞くところによりますと、年間約二千人の死者を出したのが自転車の交通事故である、このように聞いておるわけですが、そういう点、第三の道といわれるこの自転車道ですね、このことについては建設省のほうでも考えておられる、このように私はお聞きしておるわけです。昨年も、この問題につきましては、ちょうど道路整備の法案がかかりましたときに私はお話し申し上げたわけでありますが、具体的にどのようにこれは進めておられるのでしょうか。
  77. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 自転車道のお話につきましては、これはやはり二つ種類があろうかと思います。といいますのは、現在の一般道路の中で、これは一番ひどいのが車と自転車、歩行者、みんなこん然一体と通っておるというようなものがありますが、やはりそういう道路を、人と自転車と車と分けて別の通行帯をつくるということがまず第一だと思います。いま申しましたものについては、今後の国道のバイバスその他につきましては、路肩を広くとるとか、そういうような方法によりまして通行帯を設けていくように指導しております。  もう一つ方法は、やはり自転車の専用の道路ということがあろうかと思います。これはやはり青年のレクリエーションも兼ねました体位の向上のためにも、自転車の専用道路というふうな要望も非常に強いのでございます。これにつきましては、現在の道路法では自動車の専用道路の制度はございますが、自転車の専用道路の制度はございません。将来こういうものが必要になってくるならば、やはり道路法の中にはっきりとそういうように自転車の専用道路というものを設けるように検討したいと思っております。
  78. 北側義一

    ○北側委員 委員長のほうから、時間を早くやっていただきたいということでありますので、簡単にやってまいりたいと思います。  次に、大臣にお尋ねいたしたいのですが、きょう十五日は第二回の万博デーで、現地では立柱祭が行なわれておるわけであります。このアジアにおきましては最初の平和の祭典ともいわれる万博は、どうしても日本の名誉にかけてもやはり成功しなければならない、このように私は考えておるわけです。この関連事業といたしまして、建設省関係道路整備等、約四千億の事業費があるわけでありますが、まず最初に、大臣がどのようなお気持ちでこの事業に取り組んでおられるか、それをひとつお聞きしたいと思います。
  79. 保利茂

    保利国務大臣 お話しのように、万国博覧会が二年後に持たれるわけであります。これは全く平和の祭典といいますか、国際的行事をこの日本で開くことができるわけでございますから、今日の日本の国力をよく世界に理解していただくためにも、また、日本国民がいかに平和を追求しておるかということを理解していただくためにも絶好の機会でもあるので、どうしても成功さしてもらわなければならぬということで、各方面の御協力をいただいておるわけでございますが、政府といたしましては、この万国博覧会は当面もう最優先の扱いをしまして、支障なく開催をいたしたいと思います。私も、今年初頭、いかがであろうかという懸念も持ちまして現地へ参りました。御指摘のように、建設行政の分野でかなりの任務を帯びておる面もございますから、これらに手違いが生ずるようなことのないようにというおもんぱかりから出かけてまいりました。大阪府、市、兵庫県、神戸、いずれも地元におきましても非常なお力と御協力をいただいておりますから、これはもう必ず支障なく盛大に行なわれることを確信いたしておるような次第で、努力をいたしてまいります。
  80. 北側義一

    ○北側委員 大臣のかたい御決意をお聞きしまして、非常に安堵いたしたわけでありますが、私の非常に心配いたしますことは、いよいよ七月から、外国の展示館、これらの建設も始まるわけです。あの周辺を見ますと、この資材の搬入道路、これらが実際の問題としてはまだ解決されておらない、これが実態ではなかろうかと思うのです。そういう点、資材の搬入道路及び観客の輸送、これはこれから二年先のことになるわけでありますか、何といいましても、相当数の資材があの中へ送り込まれるわけです。私も大阪で暮らしておりますので、大阪の事情というものは常にわかっておりますので、そういう点が私としてはいま一番心配いたしておるわけです。その点どうでしょうか。資材の搬入道路について現状はどうなっておるのか、また、一体どれくらいの資材がここに持ち込まれるのか、こういう点につきましてお答えいただきたいと思うのです。
  81. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまのお話の資材の搬入道路については、実は私たち、四十三年度中には、おそくても北側のほうの国道百七十一号から入る地方道及び中央環状から、東側からいまの会場の中に入る道路、名神高速も一部あそこへおりられるような形を考えております。そういうように、四十四年の万博内の工事に支障のないように考えております。  いま、どのくらいの資材を運ぶかということにつきましては、ちょっと私資料を持ち合わせておりません。
  82. 北側義一

    ○北側委員 私の調べたところによりますと、日本通運では、会場へ貨物輸送量が約二百二十万トン、これは砂利砕石を除いておるわけですが、また万博協会では、六トン車で換算して約五十万台、このように見ておるわけです。そうしますと、このいわゆる資材搬入道路、また、お客の輸送道路の工事、これを一挙に相当ピッチを上げなければいけないのじゃないかと思うのです。何といいましてもあと二年先です。そういう点で心配いたしますことは、そういうような急ピッチで工事を始めますと、どうしても付近の住民に対して非常に迷惑をかけるような事例も私は起こってくるのではないかと思うのです。現に、現在吹田の方面ではダンプが一日にもう千台近く通って、そしてどろを落として、相当あの千里のニュータウンの人たちに迷惑をかけておる、こういう事情なんです。万博があることはすでに早くからきまっておるわけです。四十二年度から関連公共事業に対しての予算はきめられておる、こういうように私聞いております。そういう点から非常に心配してこれをお聞きするわけでありますが、この四十二年度の関連予算道路関係、これの現在までのいわゆる償却といいましょうか、予算額に対して何%の——四十二年度はまた終わっておりませんで、この三月まであるわけですが、現在までどれくらい消化しているか、それをお聞きしたいのです。
  83. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 四十二年度につきましては、百三十九億ばかり道路事業は万博関連について実施しております。まだはっきりした統計は私のところにございませんが、実は進捗は非常にいいと思います。こういう機会に言うのもどうかと思いますが、用地その他についてはかなり府その他の先行買収等の協力を得てやっておりますので、用地のまとまっているところについては、金はほとんど残るということもございません。
  84. 北側義一

    ○北側委員 そこで、いま当局もあまり詳しくはつかんでおられないようでありますが、そこらが私は姿勢として非常に問題じゃないかと思うのです。やはりいま、大臣も言われましたとおり、非常に大事な事業でございますので……。
  85. 保利茂

    保利国務大臣 あるのです。ここに持っておらないということです。
  86. 北側義一

    ○北側委員 あるんだったらけっこうでございますが、ここで私、先ほど申し上げましたとおり、お願いしたいことは、そのような搬入道路、またこれから道路工事はもうピッチをあげて行なわれます。それについていろんな住民に対する迷惑、こういうものはできるだけ避けてやるような考慮、これがぜひとも必要だと思うのです。私どものところへもいろんな問題について吹田方面では陳情がきておるわけです。そういう点、特にお願いしたいと思うのです。大臣も出られるようですから、けっこうです。  時間もあまりありませんから、次の問題に移ってまいります。  特にここでお願いしたいことは、大阪市の市内、ここは東京に比べますと非常に道路が悪いわけです。と申しますのは、大阪市として、現在交通がふくそういたしますので、四十三年度中に路面電車を全部地下に入れて地下鉄にしよう、こういうようになっているわけです。ところが、その路面電車をとったあとの道路、これはとにかくでこぼこで、全くひどいのです。東京ではこういう実態は見てないわけなんです。大阪へ行くと、とたんに廃止した面の道路が非常に悪い。そういう面で、これはやはり大阪市においてそういう財源その他がないのでそのようになっておるのではないか、このように思うわけです。考えてみますと、これはあくまでも交通の麻痺、交通のふくそう、これらをなくすために路面電車を地下に入れるわけです。地下に入れますと、敷石とかレール、これらをとりますと、そこは新しい、いわゆる舗装と何ら変わりないような工事をなさなければ、その上だけすっとやったのでは、必ず段ができるのです。そういう点で、これは万博を控えて、やはり大阪市内の道路面の整備、特にこの路面電車の軌道あとの整備、これらについては、やはり国のほうからそれ相当の考え方をやってやらなければいけないのじゃないか、このように私は思うわけです。その舗装の新設、それにつきましては、やはり新設に値するような補助をしてあげるのが私は至当ではないかと思うのです。その点どうでしょうか。
  87. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 大阪の地下鉄の撤去あとの軌道敷の路面補修かと思います。これにつきましては、いま四十三年度事業費の配分の中で、できるだけ大阪に力を入れて事業費の配分を考えていきたいと思っております。
  88. 北側義一

    ○北側委員 補助率のほうは現在どうなっておるのですか。
  89. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは舗装の補修という形で、二分の一の補助率でございます。
  90. 北側義一

    ○北側委員 そういう点、私お願いしたいのは、やはり二分の一ですと、新設の舗装に入らないわけですね。新設の舗装になりますと三分の二、こうなっておるわけです。やはりそれだけのものを与えなければ完全な舗装はできないのじゃないかと思いますので、どうしてもあのような醜い道路ができるのじゃないかと思うのです。その点ひとつお願いしたいと思うのです。それから最後に、阪神高速道路公団の方もお見えのようですから、二、三点についてお尋ねしたいと思います。  まず、これはよく御存じのとおり、阪神高速の三号分岐線の問題でありますが、この問題につきましては、わずか五・五キロの間に約十八カ所の学校施設があって、これは三十八年、河野建設大臣の当時におきましても、河野さんから、これはもう近代的な高速道路としては不適格である、このように言われたわけです。そうしてまた、昨年度は、参議院の建設委員会におきましても、西村前建設大臣が、地元の話し合いがまとまらなければ事業に着手いたさない、会議録を読みますと、このように答弁なさっておられるわけです。その後の状況はどうなっているのでしょうか。
  91. 樺山俊夫

    樺山参考人 お答えいたします。  この問題は、ただいまお話しがございましたように、過去長い間いろいろいきさつがございました。それを申し上げますとたいへん時間がかかりますので、その際の様子だけ申し上げたいと思います。  先ほどからお話が出ておりますように、万博がちょうど二年後に迫ってまいりましたので、私どもといたしましては、早急に地元とお話し合いをいたしまして、ぜひ御了解をいただいた上で工事を進めたいということを考えております。それで、いままで私どものほうといたしましても、公害を防ぎますためにいろいろくふうをしてまいりまして、地元の方々ともいろいろお話をしてまいりました。しかしながら、残念なことに平行線でいままでまいっておりまして、期日も切迫してまいりましたので、私どもといたしましても、何とか地元の方々の御納得を得るような線を考えていきたいということで、慎重に検討を重ねましたが、最近に至りましてほぼ私どもの線の輪郭がまとまってまいりました。と申しますのは、御指摘がございましたように、あの路線の周辺は学校が十数校ございます。これらに対する公害はやはり最大限除去しなければいけないという考えをもちまして、道路の構造の面におきましてくふうをいたしました。端的に申しますと、普通私どもの道路は地盤高よりも約十メートルのところに道路をつくっておるわけでございますが、これをうんと高くいたしまして、周辺の学校の屋上よりも高いところを道路が通れるようにくふうをいたしたいということが一つでございます。そうすることによりまして、騒音なりあるいは排気ガスの面におきまして、学校にほとんど御迷惑がかからないようになるのじゃないだろうかという考え一つでございます。  それからいま一つは、三号分岐線が通りますのは、大部分が水路でございまして、この水路は、御承知と思いますけれども、たいへんきたのうございます。環境もそれほどよくないのでございまして、私どもが道路をつくりますと同時に、この水路を埋め立てましてこれを環境整備をいたしまして、と同時に、路架下につきましては、児童遊園地でありますとか、あるいは、要すれば駐車場等もつくりまして、地元の便益に供したいというような線を中心にいたしまして、来週でも地元の方々と話し合いをいたしまして、早急に着工ができるようにつとめてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  92. 北側義一

    ○北側委員 お話承りましたが、問題は、この路線が決定したのは昭和四十一年の八月、このように私は聞いておるわけです。そこで、この路線が決定されるまでに計画決定があったわけですね。そして、その段階でも、いわゆる地元住民また学校関係者、これらから非常に反対があった。また、この路線の選定というものについて、西村前建設大臣は、相当の無理があったということを認めておられるわけです。その後、もちろん、公団側といたしましては、この路線の決定につきましては公団の責任でないかわかりませんが、話し合いもなされたことと思いますが、いま万博を二年後に控えてこのような問題がいまだに解決されずに、そして来週やっとそういう話し合いをやっていこう、そこらに非常に役所としての高姿勢があるのではないか、このように私は思うわけなんですが、やはりもっと早くこの路線を、たとえば新路線を考えるとか——この問題は金の問題じゃないと思うのですね。新路線を考えるとかいうことを、やはり万博も控えてのことですから、考えなければいけない、このように私は思うわけです。そういう点非常におくれておったように思うのですが、その点はどうでしょうか。
  93. 樺山俊夫

    樺山参考人 おっしゃるように、この問題はだいぶ前から問題がございまして、相当長い期間かかっておりますことは事実でございます。その間、私どもといたしましては私どもなりに努力してきたつもりでございますけれども、御指摘のとおりおくれておりますことは、私どもの努力が足りないところだと考えております。  それから、路線の問題につきましては、路線の選定につきまして先ほども御指摘がございましたように、この路線は、大阪市が発案をなさいまして、建設大臣がおきめになります都市計画に基づきまして私どもが仕事をやるようにという指示を受けてやります仕事でございます。したがいまして、この問題につきましては、私から御答弁するのは、あるいは不適当かもしれませんけれども、私どもがこの路線の意義を考えてみますと、これも十分御承知と思いますけれども、万博の路線といたしましてはほかにもいろいろ路線がございます。ございますけれども、万博の会場の近くにおきまして、大阪府の中央環状線と私どもの高速道路を結びます路線でございます。したがいまして、私どもがこれからやってまいります万博関連事業の中では一番重要な路線であると私どもも考えております。さらに、これも御承知のように、枚方のほうから国道一号線のバイバスといたしまして、守口市の大庭七番まで寝屋川バイバスを国の力で建設をしていただくことになっておりまして、これも万博までにでき上がる予定でございます。したがいまして、この寝屋川バイバスの膨大な交通量をどうしても私どものほうで迎えてまいりましてこれを取り入れ、あるいはまた、市内から外に出てまいります道路をそこで直結するという意味におきまして、非常に私は意味の深い道路であるというふうに考えておりまして、今後におきましても地元の方々と十分お話し合いをいたしまして、ひとつ早急に御了解方をいただきますように努力をいたしたいと思います。
  94. 北側義一

    ○北側委員 もう時間が参りましたので、これで終わりますが、私の問題とするところは、なるほど、いま公団側のお話を聞いておりますと、無理からぬところもあると思いますが、この問題はもっと昔にさかのぼって、やはりそういう問題が起きたときにもつと早くなぜ措置をしなかったかということですね。もうまぎわになって、こうでございますからといっても、住民はやはり許さないものです。私といたしましては、そういう学校教育とか、また住民の福祉、これをこわしてまでの建設には反対です。少し金はかかってもやはり他の新しいルートをさがしてやるべきである、このように私の意見を申しまして、以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  95. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 次に、阿部昭吾君。
  96. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 それでは、保利大臣にお伺いしたいのでありますが、現在の道路整備五カ年計画、これは私ども、昭和六十年度を目ざして政府が持っておられる道路の長期構想の中の一環として現在の整備五カ年計画がある、こういうふうに理解をするわけであります。そういう観点から考えてみますと、政府が持っておられる長期計画というものがはたして六十年までに達成可能なのかどうか、私ども、四十三年度予算、これは現在の五カ年計画を受けた今年度における事業、こういうぐあいになるわけでありますけれども、これが予想外にきびしいという現状等を見ますと、五カ年計画というものがそのとおりに実施されるのかどうか、こういう点についてたいへんに疑問を持たざるを得ないのであります。したがって、そういう面で、政府が持っておられる五カ年計画というのは、必ずやるというものではなくて、単なる目安、目標、それに向かって努力をしたいという程度のものなのかどうか、私ども疑問を感ずるのであります。そういう意味で、政府が持っておられる五カ年計画なり長期構想というものは、一体どの程度信用してよろしいものなのかどうかという点についてまず聞きたいと思うのであります。
  97. 保利茂

    保利国務大臣 この道路の立ちおくれといいますか、とにかく、これだけの国民の力からいえば、相当の投資をやってきておるにもかかわらず、国力の伸びに追いつくことができなくて、そうしてウサギとカメの競走みたいなことになっておる。なるほど、長期の、十年、二十年の構想からいきますと微々たるものでございますけれども、今日のわれわれ国民負担し得る力からいきますと、六兆六千億、必ずしも少額でないわけであります。また、この財源調達の上からいきましても、しばしば御指摘でございますように、容易でないものを覚えるわけでございますけれども、しかし、少なくともこの立ちおくれを幾らかでも縮めてまいりますためにはどうでもこうでもやらなければならない。それじゃ、ここにもう金を積んでおるのかというと、そうじゃない。それはどこにも金があるわけじゃございませんから、ただ私ども、日本財政の好転をひたすらこいねがうとともに、多少の財政上の無理をやってもらってでも六兆六千億はどうしても達成をはかりたいということ、ざっくばらんに申しまして、それ以上のことを申し上げることはちょっとできないと思います。
  98. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 この前の西村建設大臣も大体似たようなことをおっしゃっておるのであります。五カ年計画でありますから——六十年度を目さす長期構想というのならば、これは私ども、それに向かってどうしても努力するんだということでも、わからぬわけではないのでありますが、五カ年計画ということになりますと、これは当面さしあたっての問題だと思うのであります。当面さしあたっての問題の場合に、いま大臣の言われますように、容易じゃない、どうしてもこうしてもやらなきゃならぬので、もっと詰めたいのだということなんでありますけれども、現実に四十三年度予算に盛られた道路事業費、こういうものに大臣は満足なさっていらっしゃるのかどうか。容易でないので、何とか一歩でも二歩でも詰めた段階が今年度事業費というふうに見るわけには——ちょっとことしの場合にはきびし過ぎたのではないか、こう思うのであります。
  99. 保利茂

    保利国務大臣 来年度予算の中における道路関係事業費は、私は非常に不満足であります。
  100. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 不満でございますというふうに言われますと、ちょっと困るのでありますが、所管の責任を持っておられる大臣が、不満でございます、それでは不満を一体どうするのかということになりますと、不満ではありますけれども、努力したが、しようがないのだ、そうすると、またもとに戻るのでありますけれども、計画とは一体何か、必ずやるというものなのか、目標なのか、政府が示す長期計画あるいは年次計画、こういうものは必ずやろうとするものだ、必ず実施をするものだ、私どもこういう理解をしているのでありますけれども、それに比較して、いま大臣は、非常に不満です、こういうふうになってくると、計画そのものに、私ども信用していいのかどうか、疑問を持たざるを得ないのであります。
  101. 保利茂

    保利国務大臣 私は、どう思うかと言われますから、不満足だと申し上げた。しかし、五カ年計画はどうしても達成しなければならない。しかし、財政を無視してそれをどうしようといったって、それはできるわけはない。ただ、時の財政に応じて、年度間、非常によけい伸ばす事情になれば伸ばさなければならぬ、五カ年間の年度年度の伸縮はある程度やむを得ない、不満であっても忍ばなければならぬ。しかし、しばしば申し上げますように、この種中長期計画は、後年度になるほど幅が広く盛られるということは、財政当局も十分に理解をいたしておるところでございますから、財源確保については容易ではないと存じますけれども、この五カ年計画だけはどうしても達成しなければならぬ、そうであればこそ閣議決定もしなければならないわけでございますから、閣議の決定をして、この五カ年計画達成をはかるようにいま努力をいたしておるわけでございます。そういうことであります。ただ、不満だということは、おまえどう思っておるか、こうおっしゃるものですから、決して満足しておるわけではございません、そういうことを申し上げておるので、他意はございません。
  102. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そこで、今度の五カ年計画は、当初建設省が準備をいたしましたのは七兆三千億、これが六兆六千億に圧縮をされておるわけでありますが、建設省が当初準備なさった七兆三千億円もずっと積み重ねていって、昭和六十年度の段階には五十三兆の投資を行なうと、建設省当局が持っておる道路の長期構想、ビジョンというものを達成できる、こういうものだと私ども思っておるのであります。しかし、今回のこの五カ年計画それ自体も、建設省が当初準備なさったものよりも圧縮をされる、今年度の部分も、大臣みずからが、たいへん不満ですと言わざるを得ない予算の不足、こういう状態からいって、大臣は、五十三兆を投資するというこの建設省が持っておられる道路の長期計画をはたして達成できるというふうに、ほんとうに確信なさっていられるのかどうか、この点も伺っておきたい。
  103. 保利茂

    保利国務大臣 五十三兆ということは、口で五十三兆でございますけれども、これは容易ならぬ国民負担なり蓄積なりを願っておるものでございますから、これがそう気やすくできるものかできないものか、私はそういうことを簡単に申し上げ得ないと思います。ただ、とにかく今日の日本事情から、また今後いろいろな国力の充実をはかっていかなければならぬ上からいきますと、二十年後には少なくともこういうところまではいきたいという、道路当局者の願望としては当然持たなければならぬものだ、そういうふうに理解をいたしております。
  104. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そういたしますと、五カ年計画は必ずやらなければならぬもの、それから六十年度を目ざす建設省の発表されておる道路ビジョン、これは容易ならざるもので、それに向かって努力する努力目標、こういうふうに理解をしていいかどうか。
  105. 保利茂

    保利国務大臣 私は、これには相当国力が伴っていかなければならない、達成し得るような国力の充実のはかられることをひたすらこいねがっております。
  106. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 それでは、六十年当時の国力はどのように展望なさっておるわけですか。
  107. 保利茂

    保利国務大臣 それは私はいまここでお答えし得るような材料を持っておりませんが、しかし、秋には全国総合開発計画も発表されるわけでございますから、その段階においては、おおよその長期の政府の見解が持たれるであろうと思います。
  108. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 それでは大臣、七兆三千億の建設省が当初準備をなさった五カ年計画、これが六兆六千億に圧縮をされたわけでありますが、私ども伺っておるのでは、この五カ年計画の中に占める地方単独事業が、当初七兆三千億の計画を準備した際に、九千億を見込んでおった。それが、全体のワクは七兆三千億から六兆六千億に圧縮をした中で、地方単独事業のほうは一兆一千億ですか、さらに二千億だけ上のせしたというふうに承っておるのでありますが、全体の五カ年計画は圧縮をして、地方単独事業の分は九千億から一兆一千億に二千億も上のせをしている。どだい本来からいえば、六兆六千億の計画というのは、ほんとうは六兆四千億の計画なんじゃないか。地方の現状というものは、財政硬直とか何とか——どこからどうなったのかの問題は別にいたしまして、たいへん財政は苦しい。そういう状態の中で、七兆三千億の総ワクの中で地方単独事業は九千億であったのが、六兆六千億に圧縮をした中で地方の単独事業分だけは二千億も上のせをしておる。これはたいへんつじつまが合わぬと思っておるわけです。したがって、そのためには、地方に対して相当きびしい、いわば政府財政的てこ入れを行なわなければ、この計画達成できないものというふうに思うのであります。そういう点について、計画の準備された段階と今日の段階との間で相当のズレが出ておりまするので、この辺について承りたい。
  109. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 当初七兆三千億で要求しておりましたときの地方単独は一兆九百億であります。これを昨年の三月に六兆六千億で閣議了解をとりましたときには一兆一千億、百億をふやしておる次第であります。実は地方単独事業につきましては、これは国の補助事業が少なくなれば、地方でどうしてもやりたいものをやるというのが単独事業になるものと思いますが、これにつきましては、大体地方の単独事業のいままでの伸び地方財政伸び考えまして、およそこのくらいになるだろうという推定でございます。その推定が、七兆三千億円のときが一兆九百億ということでございまして、いろいろさらに伸び考えられるということで、百億を上のせして一兆一千億ということにした次第でございます。
  110. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 都道府県道の整備をやります場合に、各府県別に必ずしも一定しておらぬのでありますが、当該市町村の地元負担金を賦課しておる場合が非常に多いのであります。この負担金は都道府県別に非常に不均衡があるようでありますが、これを軽減すべきだというような意思が出てくるのであります。そういたしますと、一々建設省、自治省と協議を持たなければ地元の負担金は軽減できない、改定できない、こういう状態になっているようでありますけれども、これは都道府県の自主的な判断にゆだねていいんじゃないか、こう思うのですが、その辺はいかがでしょう。
  111. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは現在県によりましては市町村に対して補助を出しておるところもございます。また、事業によりましてその事業の何割かを県が地元の町村から取っておるところもございます。これは私のほうは関係ございませんで、県自身の条例でやっておるものでございます。いまの地方財政から見ると、われわれ事務当局の考えは、やはりそういうような財政力の貧弱な市町村から取るのはあまり妥当でないんじゃないかというふうに考えられますが、おのおの県の独自の判断によってやられているようでございます。
  112. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そういたしますと、局長、都道府県道の整備に要する費用について、財政力の貧弱な市町村に負担させることは好ましくない、こういう御見解、同感でございます。したがって、この点に対しては建設省のほうで積極的に都道府県に対して指導し、あるいはもっときびしく申し上げますれば、通達などを出すというくらいまでの運用の腹づもりがございますか、どうですか。
  113. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在の道路法のたてまえで言いますと、市町村に分担金を課することができるようにはなっております。ただ、いま言いましたように、県によって、取っておるところもあるし、取っていないところもございますので、その辺は県の独自の判断にゆだねたいと思います。
  114. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 好ましくない、こうおっしゃるのでありますから、都道府県道の整備を行ないます場合に、市町村に負担をさせることは好ましくない、こういう先ほどのお話があったのでありますが、いまお聞きをいたしますと、それは県の判断だ、こういうことで、違うのですが、積極的な指導をする意思はない、こういうことですね。  それからもう一つは、この負担金を改定する、ないしは軽減をする場合に、建設省のほうは、都道府県の自主的な判断だ、こうおっしゃるのでありますけれども、実際上は、一々建設省にお伺いを立てなければ、都道府県の段階ではかってに従来取っておった負担金の軽減をすることはできない、こう都道府県段階——私の県などでは説明しておるようであります。
  115. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは県から私のほうに相談がございまして私のほうでいいと言えばやれるというものじゃございませんで、都道府県の段階でできるものでございます。
  116. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 ちょっと関連して。ただいまの道路局長の話は——あなたは、地方財政法の中で、特に道路、海岸、砂防、河川、この工事の大規模工事に対してはいわゆる負担金は取ってはならない、こういう特別規定を挿入したのを知っておられますか。
  117. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 道路につきましては、国道については取ってはならないという規定になっております。
  118. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 いやそうじゃないです。地方財政法で、道路、海岸、砂防、河川と、四つを特定しておるわけですね。これの大規模な工事に対しては、県は取ってはならない。ですから、いま阿部委員が指摘するように、地方財政の決算を見ればよくわかるでしょう。海岸、全然取っていないでしょう。河川、全然取っていないでしょう。砂防は全然取っていないわけです。道路の場合にだけそういう悪例が残っておる。しかもこれは条例でやっておるのだと言われる。こんなことは条例ではできないでしょう。大規模なものは取ってはいけないとなっているから、条例でなんかやっていませんよ。自主的な判断だというが、規定をちゃんと置いておるでしょう。
  119. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 大規模の道路工事というものにつきましては、直轄の事業が指定されておるというふうに聞いておりますので、直轄の事業については取れないことになっておるというふうに私考えております。
  120. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 おかしいじゃないですか。私そのときちょうど地方行政におって、これを追加挿入するときに、いま丹羽さんがいないが、丹羽さんも一緒にいて、よく存じておる。二つ、三つの町村にまたがる場合には負担金を取ってはならないという意味における大規模でしょう。だから、海岸、河川、そうでしょう。砂防、これはどこも取ってないでしょう。道路だけが取っておるというところにいろいろな問題点があるということを阿部委員が指摘しておるのです。
  121. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 地方財政法の施行令によって、取ってはいけないものとして掲げておりますのは、「一般国道の新設、改築及び災害復旧に関する工事」ということになっております。
  122. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そういたしますと、認識のしかたを統一させておきたいわけですが、国のほうとは無関係に、県段階で取らぬというふうにきめれば自由にできる、こういうふうにはっきり理解をしていいわけですね。国には伺いを立てる必要なしと……。
  123. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 私たちもそういうふうに考えております。
  124. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 わかりました。  都道府県道に対して市町村道からの昇格、この場合の取り扱いがなかなかそう簡単にはいかない。市町村道に対して、これを県道以上のものに昇格させたいという地方の希望は非常に大きいのでありますが、なかなかそう簡単にまいらぬわけであります。したがって、この場合に、どういう条件を持つもの——県道に昇格をする場合の一定の基準がございますね。この昇格の基準、いろいろとあると思うのでございますけれども、私ども、どうも建設省の扱いが、一定以上の延長を持たなければならぬとか、あるいは市町村の中心をなす、たとえば町村の役場のあるところから隣の町村の役場の所在地までをつなぐような道路、こういうものは昇格ができるなどと、いろいろ基準があるわけであります。この基準の運用というものが、実際の運営の場合になりますと必ずしもそう厳格にやられているとは思われないのであります。争ういう意味で、市町村道をわれわれが見ますと、県道以上に昇格をさせてほしいという希望が非常にあるのでありますけれども、この場合の取り扱いについて、建設省が統一的に運営の基準のように基準を持っておられるならば、これをひとつ承っておきたいと思うのであります。
  125. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 市町村道の県道への昇格といいますか、認定がえといいますか、これにつきましては、道路法の第七条に「都道府県道の意義及びその路線の認定」という項がございます。これによりまして、昭和二十九年に都道府県の路線の認定基準というものを道路局長名で出しております。こまかいことはまた課長から説明させたいと思いますが、実は私たち非常に市町村道の県道への認定がえの要望を受けております。いろいろ事務的にやってみますと、やはり延長が少ないとか、そういう問題があるいはあったかと思いますが、ただ、そういうものをおおらかに県道にする県と、現在の県道だけでもなかなか手が回りかねるのでこれ以上ふやしたくないということで門戸を閉ざすような県もございます。また、この認定基準の考え方につきましては、やはり厳密に考えるのと、かなり弾力をもって考えるのとでは、一つの路線についても、一方では認定できる、一方ではだめだというような考え方があって、二つに分かれるかと思います。実は将来の問題といたしまして、いまの国道ももう少しふやしたい、それに伴って県道もいまの十二万キロでは足りないじゃないかという考えを持っておりまして、やはり市町村道の中で必要なものについては、この基準を変える機会がございましたら、いずれこれもわかりやすい基準にいたしまして、認定がえがしやすくなるようなことも、将来の問題として考えていきたいというふうに思っております。
  126. 小林幸雄

    ○小林説明員 認定基準について御説明申し上げます。  ただいま御指摘のように、二つの町村の役場をつなぐような道路が県道になるかならぬかというような点でございますが、これは法律によりますと、このような場合には「二以上の市町村を経由する幹線で、これらの市町村とその沿線地方に密切な関係がある主要地、主要港又は主要停車場とを連絡する、道路」こういうようになっておりまして、必ずしも延長が短い長いというだけではございません。  その他細則につきましては、先ほど局長が申し上げましたような通達が昭和二十九年に出ておりますが、これは相当こまかいものでございまして、これを全部読みますと二時間くらいかかりますので、よろしゅうございましょうか。
  127. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 いま局長は、都道府県によっては非常に弾力的に取り扱っているところと、県が責任を持たなければならぬ県道の延長をしたくはない、こういうきびしい態度をとっておる府県というぐあいに、いろいろアンバラが生じておる、こういうお話でありますが、実際上県道認定は単に都道府県の責任においてできるものではなくて、これは先ほどの負担金とは違って、明らかに建設省か都道府県の希望に基づいて認定をするというぐあになっているのではないかと思うのであります。そういう意味で、県段階で、地方から希望があってもなかなか認定にならぬという理由に、県は大いに努力をしておるけれども、何せ建設省がそう簡単には認定をしないんだということがいわれているのであります。そこで、最近の道路の場合に、本来市町村道でも県道に移管するのが当然というふうに思われるような路線が市町村道のままにとめ置かれて、市町村道というのは、御案内のように市町村当局の財政が非常に困難でありますから、相当重要な路線であっても整備がなかなか進まない、こういう状態が生まれているわけであります。そういう意味で、市町村道から県道への格上げ移管といったようなものをもっともっと積極的に認定をすべきだ、こういう見解を私ども持っておるわけでありますが、建設省が目ざしている方向と、地方が持っておるそういう願望とが必ずしも、一致をしないというふうに思うのですけれども、建設省が目ざしておる方向は一体どうかということを承りたい。
  128. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 私たちの目ざしている方向といたしましては、いま都道府県道は全部で十二万キロございます。将来の姿とすれば、やはり十二万キロ以上のものがあるべきではないかということで、市町村道のうちで県道に準ずるようなものは逐次認定がえをすべきじゃないかというように考えております。これも各県ごとで事情が非常に違うかと思いますが、県で市町村道の県道への認定がえにつきましてはいろいろ道路局と相談があるわけでござにまして、やはり全県的な一つの規模でそういうものを出してきていただきたい。われわれのいまの基準の解釈につきましては、ひとつできるだけ弾力をもってこれに臨みたいというふうに考えております。
  129. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そういたしますると、市町村道の県道認定について最終的には県がきめるわけですね。建設省なんですか。
  130. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 建設省の認可に基づいて県できめるということになります。
  131. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そうだとすると、県が希望する場合に市町村道を県道に認定するということについては、建設省は積極的に、同時にまた、現状の把握のしかたについては弾力的にこれから大いに進めていく、こういうふうに認識をしていいわけですね。
  132. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 そういうことでございます。
  133. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 次に、最近雪寒地帯——雪寒地帯といいましても、われわれの地方のように非常に雪の深い地帯、たまに降るような雪の浅い地帯、これも全部雪寒地帯ということにいまなっておるわけでありますが、特に雪の非常にきびしく深い地帯ですね、これらの地域におきまして、特に地方都市の街路事業の場合に、消雪道路といったようなものがいま地域で希望が非常に強いわけであります。この消雪道路に対して、国のいわば道路政策としてどういう展望と方針を持っておられるのかということを承りたいのであります。
  134. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 消雪道路といいますと、これは水で雪を消す消雪パイプを備えた道路かと思います。これについては、雪寒事業の中で現在も実施しておりますし、そういう適当な場所があれば、今後もこういうものを推進していくつもりでございます。
  135. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 適当な場所は多過ぎるんじゃないでしょうか。地方の雪のきびしく深い地帯は全部消雪道路整備をしていくのが当然だと思います。適当な地域があればとおっしゃるのですが、(「金がなければできないよ」)と呼ぶ者あり)いまも不規則発言がありますように、やはり金がなくてできないという状態になっていると思うのであります。したがって、今回の五カ年計画の中でも、こういう消雪道路といったような、金を相当よけい食うような事業というものは、必ずしも、大いにやっていきたいというようなぐあいには、予算の面、計画の面では表現されておらないというふうに思うのです。適当な場所が多過ぎると思うのですが……。
  136. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいま適当な場所と言いましたのは、やはり水で雪を消すということになりますと、どうも北海道のような夜間非常に温度の下がるようなところについては、水が凍るということもございまして、適当ではないんじゃないかというふうに考えております。そのほか、北陸、新潟、山形もまたそうでございますが、あの辺は消雪パイプが非常に有効ではないかと思います。これにはやはり水がまず必要かと思います。水の簡単に得られるところ、こういうところからやっていきたいと思いますが、水を得るために、極端に言えば、河川の取水ぜきというようなことになりますと、予算の制約もございましてなかなかそこまでいかないのでございますが、この第五次の五カ年計画では、やはり雪寒事業をかなりほかのもの以上に伸ばして、除雪、防雪と同じようにこういうものを伸ばしていきたいと思っております。
  137. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 方々の道路整備を進める場合に、特に市街地の道路の再改築、その場合に、バイパスという方式がたいへんに至る地域で取りあげられているわけでありますけれども、このバイパスで道路整備を行ないます場合に、最初工事を行ないます場合のいわば道路幅員というのが、二車線幅員になっておる。数年たたずして四車線に再整備をしなければならぬという現状が方々の地域で見られるのであります。したがって、私ども投資効果という面から考えましても、やはり遠からぬ期間のうちに四車線にならざるを得ないような路線、これは最初から二車線バイパスではなしに四車線で将来を展望した道路幅員をとることが、同じ工事をやる場合でも、投資効果という意味では非常に大きいものになるんじゃないか、こう思うのです。これも金の関係があるのだと思うのですが、初めはほとんど二車線バイバス、何年も経過しない間に四車線に拡幅工事を行なう、こういう現象が各地で見られるのであります。これは税金を有効に使うという意味でもたいへんむだが多いんじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。
  138. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 国道のバイバスになりますと、まず四車線くらいはどうしても必要かと思います。そういう場合に、少なくとも用地は四車線で買っておるのでございますが、まず車を通すためということになりますと、いろいろ予算上の制約もございまして、まず二車線で早く車を通し、それから四車線にするというような方法をとっております。その場合でも、当然すぐ四車線になるような場合は、少なくとも用地については、当初買収のときから四車線で買収いたしまして工事を進めておる次第でございます。
  139. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 たいへん時間がおそくなって皆さまもお疲れのようでありますから、これだけでやめたいと思います。  そこで、先ほど、計画とそれから予算の実際的な問題との間にズレがある、こういうことを申し上げたのでありますが、先ほど大臣は、閣議決定をいま早急に行なうような努力をなさっておる、こういうふうに言われておるのであります。これは大体どの時期に閣議決定まで運ぶようになるのかということが一つ。  それからもう一つは、去年五カ年計画についての論議をいたしました際に、私はこういうことをお尋ねしたわけであります。金で六兆何がしの五カ年計画、こう言われましても、実際上は、物価が値上がったり、いろいろな点でこれは変わっていくわけでありますから、そういう意味で、五カ年計画達成の段階において道路整備率は一体どの程度まで高まるのかということを指摘したのでありますが、なかなかその面は明らかにならなかったのであります。その際私は、特に地帯別あるいは都道府県別に、一級国道はどの付近についてはどの程度の整備率を達成するか、それから主要地方道については府県別に五カ年計画達成の段階ではどの程度まで整備されるかという、地帯別、府県別の五カ年計画達成の段階での道路整備状況というものを、今回のこの五カ年計画の閣議決定が行なわれる段階までの間に明らかにすべきだ。五カ年計画で金を大ざっぱにきめておるのでありますけれども、それがたとえばある地域、ある付近に集中したり、いまの傾向から見ますると、大都市集中にどうしてもなっていく傾向が強いわけであります。そうして過疎現象が起こっておるいわば後進県、こういう地域の道路整備は、五カ年計画達成の段階でも置き残されていく危険があるのじゃないか。ですから、閣議決定の段階までには必ず府県別の、種別ごとの道路整備率、整備状況というものを明らかにすべきだ、こう申し上げたのに対して、そういう努力をいたしますという答弁をいただいておったのでありますが、その作業が進んでおるかどうかということを承りたい。
  140. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実は五カ年計画につきましては、いままで事務的な案をいろいろ関係各省と詰めておりまして、昨日ようやく大蔵省との話もつきまして、事務的の案が固まった次第でございます。これによりますと、一般道路といたしまして一般国道、これはもとの一級国道、二級国道があるのでございますが、その改良率についてちょっと申し述べたいと思います。  一般国道につきましては、五カ年の当初七二・九%が八八・五%になり、舗装が六七・一%が九二一九%になる。主要地方道につきましては、五三・九%が六六・二%となり、舗装については、三六・二%が六一・九%、一般地方道につきましては、二七・六%が三一・七%、舗装については一六・四%が二九・六%というような数字になります。都道府県道以上について言いますと、改良について四十二年の当初四一・六%が四九六%、都道府県以上で約八%くらいふえる。舗装につきましては、二九・九%が四八・二%で、約一八%くらいふえるということでございます。  さらに、各都道府県の問題でございますが、現在まだ調整がついていないようでございます。まずそのきめ方といたしましては、将来の交通の需要を考えまして、それを各ブロック別に分けまして、そのブロックの将来の交通需要と道路資産のあり方、そういうものからブロック別のものを出しまして、特殊な高速道路の関連の工事だとか、そういう交通需要に関連のないものだけを差し込む、それは特殊立法の中の、奥地産業の開発道路とか山村振興とかいうような特殊の立法の分については、それに差し込むという形で作業をしております。これは県に示す段階でも、国道について特にそうでございますが、一つの県がその国道を県境までずっとやる、一つの県は、おれのほうはあまりまだそっちは必要じゃない、南のほうをやるのだということになると、県としても一貫性が保たれませんので、その辺はこれから各県との多少の調整が要るかというように考えております。
  141. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 その場合、ブロック別というのは地建別という理解になるのかどうか。私が言うのは、都道府県別に、五カ年計画達成の段階では道路の種別ごとに整備率は異にするのだということを明瞭にしておくべきではないか、そういう整備率の総ワクを都道府県別に明らかにしておきながら、その上で調整をやっていかなければいけないと思いますが、その作業をやって国民の前に明らかにされる、こういうふうに理解していいのかどうか。
  142. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 私、そういう各県別のものをはっきり出すということが一番望ましいと思います。また、そういうものはある程度県のほうに知らせなければ、五カ年のいろいろな財源の問題に影響すると思います。ただ、この際はっきりもう四十六年まではこれだけですよということをやりましても、年度の間にはあるいは多少の調整は必要かと思いますので、そういう場合、調整的な要素を多少とりまして、まず最初このくらいでやってくださいというようなことを県のほうに示すことになろうかと思います。
  143. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 多少の調整はあり得ることだと思うのです。全体として過密現象の生ずる大都市に道路でも何でも集中する、そして地方段階の整備は、五カ年計画総体から見て、当初考えておったよりも大きくずれるなんという事態が起こってまいりますと、これはたいへんまずいわけであります。したがって、あらかじめ総ワクの五カ年計画達成の段階で道路の種別ごとに府県別の整備目標というものはやはり明瞭にしていく必要がある。これについては、前の論議の際に、そういう方向で努力をして明らかにいたします、こういう答弁をなさっておったのでありますから、閣議決定の段階のころまでにはそれをひとつ明瞭にしてほしいということを希望いたします。これは次の適当な機会に譲らせていただくことといたします。
  144. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 次回は、来たる二十一日午後零時三十分理事会、理事会散会後委員会を開会する予定でありますが、確定した開会時間につきましては委員長に御一任願うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会