○小林説明員 ただいま
先生お尋ねの件でございますが、前回のお話にもございましたように、総裁の御説明では、四十年は新幹線の開業の翌年でございまして、その開業開始に伴いまして、翌年度から財産増に伴いますところの償却がふえたという説明を主にいたしたと思います。私、それに補足した形で御説明をさせていただきます。
ただいま
先生御
指摘のとおり、四十年度の
予算におきますところの減価償却費は、先般御
指摘がございましたとおり八百三十億になっておりまして、
決算は千三百六十一億ということで、五百三十一億円ふえております。そのとおりでございますが、その中を分けて、なぜそうふえたかということの分析をいたしてみますと、いわゆる新幹線の稼働に基づくものといたしましては、すでに三十九年の十月、下期から新幹線は稼働いたしております。償却は三十九年の下半期から一部半年分償却をいたしております。したがいまして四十年度の当初
予算に比し減価償却の
決算がふえた分は、新幹線の資産につきましては一年分と三十九年実施分半年分の差の増加はございますが、大部分は四十年度償却費が増加いたしました。四十年度
予算を編成いたします三十九年夏ごろに見込めませんでした減価償却
制度の変更があったわけでございます。
改正をいたしております
内容は、これも前に御
質問があったと思いますが、三つほど改正をいたしておりまして、その第一が、従来は国鉄で工事を竣工いたしまして使用開始に至る。そうなりますと、会計上固定資産に
決算をいたします。その翌年、要するに財産取得の翌年から減価償却を始める。こういうことで、年度を単位にして減価償却をやっておりました。それを法人税法等の
関係もあり、また監査
委員会等からの御
指摘もありまして、三十九年度から、財産取得の翌月から償却を開始するということに改めたのでございます。そのために年度がずれておりましたものが繰り上がって出てきたという点がございまして、その点で
予算に対しまして約七十五億
程度増加をいたしております。
その第二番目は、これは法人税法でも認められておりまして、それに準拠したわけでございますが、いわゆる取りかえ資産、御承知の鉄道の線路、軌道でございますとかまくら木あるいは電車用の電線路、信号用電線路といったものは、同質のかなり大量の財産が重なりまして、いわゆる取りかえ資産という形を形成しております。これに対しましては、従来は耐用年数に至りますとそれを経費で取りかえをしていくという形で済ませておったわけでございますが、そのやり方におきましては、取りかえに至るまで、財産取得のときから実際には使用をしているわけでありまして、価値の減粍があるにかかわらずそのままの形で、帳簿に資産価格が載るという不合理がございますので、法人税法に認められておりますような形で半額法償却というものを取りかえ資産について実施いたしました。その額が二百十億ございます。
もう
一つは耐用年数の問題でございますが、償却をいたします場合に、財産区分ごとのいわゆる耐用年数というものを国鉄は定めております。国鉄の場合、必ずしも税法の耐用年数のたてまえに拘束されるわけではございませんけれ
ども、国鉄のそれまで実施してまいりました耐用年数は、資産再評価を行ないました
昭和三十年度当時に設定をいたしましたままになっておりまして、その後一般企業におきましては、法人税法の改正によりまして、三十六年、三十九年、二度にわたって相当大幅な耐用年数の短縮がございました。そういった実情、さらに監査
委員会からの御
指摘もございまして、四十年度から平均の耐用年数におきまして約五年
程度短縮をいたしました。それに基づきます償却費の増加が二百五十六億でございます。
以上足しますと五百四十億
程度が
予算に初め見込んで計上していなかったものが、ただいま申し上げましたような
制度改正の適用によりまして増額をいたした。増加額は五百三十一億で、ただいま申し上げました数字は十億ばかり多いと思いますが、これは当初
予算を組みます際に、前年度の夏ごろ
予算の作業をいたしますので、その際に予想いたしました資産増と実績とが食い違った結果、逆に十億
程度減ってきているという形になっておるものでございます。
以上でございます。