○鈴木(珊)
政府委員 それにつきましては実は先生も御指摘のとおり、四十年に東陸の管内で日通がそういう白トラを使った事例がございまして、それに対しまして
警視庁が警告を発したのでございます。そこで、私
どもといたしましても強い警告を発したのでございますけれ
ども、さらに翌年の四十一年にまた同じようなことが起きがけたというので、当時の
運輸省といたしましては、あまりにもひど過ぎるのではないかということで、直ちに
日本通運の
社長に対しましてきわめて厳重な警告を発しましたのでございます。これは文書もちゃんと手元にございますし、それの中でこういうことを言っております。これは四十一年七月の十六日付の当時の自動車
局長の
名前で、日通の福島
社長あてに出した公文でございますけれ
ども、それによりますと、「最近、政府の物価抑制策とも関連して、流通部門に対する
社会的関心が非常に強くなっており、貴社のごとき流通部門の代表的大
企業の一挙手一投足もまた
社会の監視の的となっている。従って、いやしくも違法又は不当な営業行為或は
社会の疑惑を招くような行為を行なうことのないよう、通運事業の使命及び流通部門における大
企業としての
社会的
責任を自覚して、特に下記諸点に留意の上、業務の改善を図られたい。」ということを申しまして、その記の中に2といたしまして、ただいまの先生の御指摘のような「手小
荷物配達の一部についてみられるような違法な配達
体制を改め、全面的に適法な集配
体制を確立すること。」ということを言っております。そこでこういう警告を発しまして、なお
東京陸運局を通じまして実際の
行政指導をさしたのでございます。その指導は何かと申しますと、実はこういったような白トラを使うというケースは、たとえば年末の繁忙期でございますね。たとえば新宿駅などに
荷物が一ぺんにどかっとくる。こういう場合に、新宿の日通支店が持っておりますトラックだけでは足りない。といってそういうもののために年中トラックを持つわけにもいかないという事態が発生いたします。これは新宿のみならず、そういう点はただいまよく各所に起こりますのでございますけれ
ども、そういう場合に一体どうすればよいか。そういう経済実態に合わせるにはどうしたらよいかというので、違法でないようにそういう経済実態に合わせる手を
行政指導したのでございます。それは実は道路
運送法の百一条というのがございまして、ここで自家用自動車が営業自動車を営業しておる
会社に対しまして車を貸し渡すということが許可制になっております。そういう制度がございます。したがいまして、そういったような、特別に年末のように一ぺんに
荷物が出てくる。一ぺんにさばけないというときには、そういう経済実態に合わせるように、そういったいわゆる白ナンバーの自家用自動車に貸し渡しの許可をとらせて、
日本通運なりあるいは別の通運でもそうでございますけれ
ども、それを別の通運
会社が借りるという制度を適用したのでございます。それでまたその貸し渡しを受けましたほうの通運業者は、そのための臨時の増車の
認可というものを受けるのでございます。そういう制度がございますので、こういった制度でもってそういったような格別なピーク時の輸送をカバーしようという手を打ったわけでございます。そこでその場合には、特に一般とは、この車はそういう
意味で特別の貸し渡しの許可を受けたものだということをはっきり識別できますように、事業者のマークを入れたわけでございます。それで、したがいましてこれらを日通だけに特にやらしたわけではございませんでして、たとえば新免業者でもほかの旧免業者でも、そういうようなピーク時で車が足りないというときには、そういう手続を合法的にやっておればこれは認めるという
趣旨でございまして、日通だけにそういうものを認めたという
趣旨ではございません。そういう申請があればやるという
趣旨でございまして、そういうような
方法で実はやったわけでございます。したがいまして、特に日通であるから東陸と日通がつうつうでやったという
趣旨では毛頭ございませんので、私
どもはそういうふうに合法的な措置をとったというふうに考えておる次第でございます。