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灘尾国務大臣
中村さんの御
指摘になるような事実は確かにあると思います。
局長は現在の制度のもとに動いておるわけでございますが、また現在の制度も決して
理由なくできたわけでもないと思います。その点でその立場に立ってお答えを申し上げておるのでございます。おっしゃるとおりに、どの県もどれもこれも一様にというわけにもいかぬと思いますけれども、私もかつて九州につとめたことがございます。同じ九州であっても公務員の給与がかなり違っておるという事実を痛感したことも実はあるのでございます。そういうふうに県々で給与の出し方というものが長い間のこれは沿革だろうと思いますけれども、違ってきておるという実態もあるわけでございます。その実態に即して各県でそれぞれ教員の給与というものについてもきめておる。それが御
指摘のとおりにいかにも不合理なアンバランスを生じてきておる、こういうことになっておるのじゃないかと思うのであります。政府の立場から申しますというと、やみくもに給与をかってに上げられても実は困る。財政的にも困るという問題がございますが、現に非常に高いようなところ、富裕なところについては、いま
局長の申しましたように政府のほうの出す金をある程度二分の一以下で押えておるような例もございますけれども、基準に照らして低いというふうなところは、その俸給を支弁しておる各県において給与水準を上げてこられれば、もちろん幾ら上げられてもその二分の一は出さなければならぬから、こちらのほうから言えばその点は実はそう大した問題じゃないと私は思いますが、現実に各県ごとに給与水準を上げていくというようなことに
相当困難を感ぜられる向きもあるのじゃないかと思います。私も九州なら九州、中国なら中国、隣接府県があまりアンバランスのような状態であることは、給与の姿として望ましいことではないと思います。何とかそういう点については各県ともにそれぞれ隣接府県の様子も見ながら、互いにバランスのとれた給与にしてもらうように、むしろ希望をいたしておる、こう申してもよろしと思います。
いずれにいたしましても、いま
局長が申しましたように、教員の給与の問題あるいはまた給与体系の問題、こういうふうな問題はいまの状態では決して望ましい姿とは言えないのではないか。先ほど教職特別手当の問題についての御意見もございましたが、あの制度にしましても実はさしあたり暫定的な意味で法案の御審議をお願いしたいと思っておるのです。どんな結果が出るか存じませんけれども、われわれできるだけ努力をいたしまして教員の給与の実態等についても正確なところを把握いたしまして、教
職員にふさわしい、何かもっといい給与体系というものはないかというふうな点も
検討していきたいと思うのでございます。そうしてできるだけりっぱな人材が
教育界に集まるというふうなことを目標にいたしまして、給与体系というものを考え直してみたらどうかというふうな心持ちで、実は調査をお願いしておるようなわけでございます。せいぜいそういう点についての調査を急ぎまして、各方面の御意見も十分承って、できることならば教
職員らしい給与体系というものを確立してみたいというのが実は私どもの希望でございます。これは
事務当局もそのような考え方をいたしておるわけでございます。その際にはもちろんいまのような問題は当然取り上げられる問題ではないかと存じます。いずれにいたしましても、御
指摘の点は実は長い問の
一つの給与制度といたしましてそういう基礎の上に立っておりますので、いわば基本に触れる問題ということにもなろうかと思うのであります。そういうふうなことでございますから、いま御
指摘になりました状態が決して私は歓迎すべき姿とは思いませんけれども、これが是正のために何らかの措置を講ずるといたしましても、いまのままではそう簡単にはいかない、こうも思いますので、できるだけ各村県が隣をよく見ながら給与をやってもらいたいと思いますけれども、根本的な問題もあろうかと思います。ひとつその意味においては十分御鞭撻いただいて
検討してみたいと思います。