○池田(禎)
委員 本
懲罰の
動議につきまして
賛成の意思を表明いたします。
その理由といたしますところは、先ほど来、外務の
委員長においでを願ったりいろいろな角度から質疑が重ねられました。その要点を言うならば、
穗積委員の
発言というものは穏当を欠いておったことは私は事実だと思います。一国の総理大臣に対して売国者という表現はこれは穏当でない。しかし、その時点においては
各党が間に入って、ことにわが党の
曾祢益君が
最後まで
努力いたしまして、大体の了解を得るところまで到達しておったけれ
ども、
最後の時点に至ってこれを拒否された。これは自由民主党の拒否ではなく、
穂積君の拒否にあった。こういうことは、私
どもとしては、
外務委員会でこれは陳謝をしなくても、遺憾の意を表明すれば
解決すべき問題ではなかったかと想像されます。これは先ほど来
外務委員長が率直に申されましたことと私は符合し得ると思います。
そこでその
ことばが妥当かということになりますと、これは
懲罰委員会の
委員の方々が御
審議なさることであって、私は言語学者でもない、国際的な慣例も知らない。
もう
一つ、その点に賛意を表するものの中に、
穂積君がその
あとで新聞記者会見をいたしまして、
自分は悪くない、正しい、陳謝の必要を認めない、
自分は堂々と
懲罰を受けて立つ、こういうことを表明なされたのであります。
かくなる上は、私は当然これは
懲罰委員会で受けて立つという決意を内外に表明されたのでありますから、これはやむを得ないことであって、当然本人も覚悟なさっておることだ。
社会党の方々がこれについていろんなことを聴取し、弁護の
立場をとられることも、これまた当然のことであろうと思います。
私は
国会の権威について今日ほど暴言暴語が横行闊歩して、なおかつ、はばからざる状態というものははなはだ遺憾である。
第二の点におきましては、
社会党が主張しております少数党に対する多数党の圧迫、これをおそれることは全く同感であります。われわれは現に、ある一人の特定の人が暴言を吐いたとしても、それを
懲罰に付するだけの人数を持たない。衆議院におきまして四十名、参議院におきまして二十名を持たなければ、
懲罰の
動議を
発議することとができないのであります。したがって、だれよりも一番先に私は言論の圧迫、あるいは議会政治におけるところの弾圧というものを数において受ける
立場にあるだけに、この
懲罰だとか、言論の封圧とか、そういう問題については何党よりも関心を有して、そういうことのなからんようにすることが民主政治の要諦であると思っております。しかし、多数党といえ
ども、先ほど
議長が申された、あまりにむちゃくちゃなことをするときには、
国民はこれをどう見るであろうか、言論界はどう見るであろうか。現に先般
議員關谷勝利君の逮捕許諾の請求のときにあたって、自由民主党はいかなる態度に出るだろうかと思ったけれ
ども、やはり
自民党の中にも誠意ある人というか、良識ある人があると見えて、これは許諾に踏み切った。もし党利党略だけでやったならばこれは否決できたでしょう。私はなんぼ
賛成しても、そのくらいのことはあると思った。それだから、すべてがいいとは申しませんが、少なくとも言論の圧迫をこうむるがごときところの
懲罰委員会に付するということに
賛成することについては、原則としてこういう条件がある、こういうことを申し上げたい。
第三点として重大な注意を促しておきたいことは、
安宅君から先ほどしばしば言明されたけれ
ども、本件は、今月の八日に鯨岡君らが五十四名の賛同を得て
懲罰の
動議を提出されております。
国会法の示すところによるならば、なぜその日のうちに自由民主党はその
審議をなさるということをなさらなかったか。私はこの前の
理事会におきまして、十分注意しておいた。
自民党はなぜやりませんか、
動議を出しておきながら。
懲罰委員会というものは
議員の身分に関することである。場合によれば本人は身分を失うかもしれぬ。いかなるものにも先がけてなぜこれをやらないか。やらないということは、あなた方はただ出しておくだけのていさいで出しておるのか。しからずんば、予算が通るまでは何とかこれは黙っておこう、予算が通ったら
あとは数でやればいいのだ、こういう
考えであるならばひきょうではないか。やるなら堂々とやる。予算が妨害を受けても、これは自由民主党としては忍ぶことができないこととして断じて許せない、この決意があるならばやりなさい。それがなくて、ただごまかしのためにやっておる、あるいは予算が通るまでほおかぶりをしておこう、そういう
考えならば私は正しい議会政治の
運営とは思わない、こういうことを申し上げておきます。
以上の三点を申し上げて注意を促すと同時に、
懲罰委員会において
懲罰事犯の
内容を
審議する。したがって、私は
懲罰委員会に付託するの
動議に賛意を表明するものであります。