○石野
委員 私は、
日本が中国に対して友好
関係を持つようにということは、積極的な
努力をしておるのだし、政府がそういう間違った
考え方を持っておる場合にはこれを改めるようにさせなければいかぬということで、真剣に考えておるわけですが、たとえば、今度古井さんとか田川さんたちが行って覚え書き
貿易協定をしましたときに、政治三原則というのが出たわけです。この政治三原則というのは、
先ほど大臣も言われたように、敵視政策をとらない、二つの中国をつくる陰謀に加担しないというような内容を持っているものなんですが、こういうような政治三原則というもの、これをやはり政府がはっきりとした態度でささえるということをやらないと、私は、やはり中国に対する将来の佐藤内閣のとっておった政策というのは、やはり敵視政策だと言われてもしかたがない内容を持っておるのじゃないか、こう思うのです。事実上やることなすことがそういうようになってしまっているわけですから、これは意図すると意図しないとにかかわらず、結果的にそうなってきているわけだし、むしろわれわれから言わせれば、意図的なものだとさえ思われる。だから、いまここで中国との
関係を改善していこうとすれば、政治三原則というのは、どこの国だってやはり二つの国をつくってはいけないわけです。朝鮮だってそうだし、ベトナムだってそうだし、中国だってそうなんです。
日本だって、沖繩が別に離れておって、それが二つの国の形になっていることは決して好ましいことではありませんから、そういう陰謀に加担するということばで
先ほどお話がありましたが、そういう事実を解消するために政治が行なわれなければいけない。そういう意味からしますと、私は、政治三原則というのは、だれでもどこでもそれはあたりまえのことじゃないかというふうに思うわけですよ。ところが、この政治三原則というものの要求しているものと、それから従来の政策とは、ちっとも矛盾していないのだというような
考え方をとりますと、これはちょっとやはり問題のとらえ方としては欺瞞になると私は思うのです。そういう点で、外務
大臣はしばしば、従来の佐藤内閣の政策と、今日のいわゆる政治三原則やなんかの問題とは、ちっとも矛盾していないと言っておるけれ
ども、それは中国では、三木外務
大臣はぺてんを言っている、こういうふうにむしろ言っているわけですね。たとえば新華社通信ですか、これはこういうふうに外務
大臣に対して言っているのです。「外相三木
武夫は、
日本人民を欺くためにでたらめな論調を大いにふりまき、佐藤政権の推進している気違いじみた中国敵視政策を、日中
関係の政治三原則と何ら矛盾しないと述べている。」こう
大臣のことを言っているわけです。それは共同通信でさえ、こういう人だましの談話を国内向けの宣伝であるとさえみなしているという報道を出しているわけです。ことばのニュアンスはともあれ、その真意、やはり新華社通信がいうようなものの見分け方というものはすべきだと私は思う。この際、私は、外務
大臣に、中国との
関係を改善しようとするならば、どうしてもそういう基本的な問題でもう少し突っ込んだ討議が加えられなければいけない。従来のやり方をずっとやってきているようなことでは、とても中国との間の改善はできないのではないかというふうに考えるので、これらの問題ともにらみ合わせながら、中国問題については、従来の
考え方、それより出られないのだというようなことではなしに、アジアにおけるところの
日本の
立場、特に中国との
関係を明確にするための外交路線を、この際はっきりとひとつ聞かしていただきたい。