○
石川委員 こまかにやっていますと時間がかかるので、非常に残念なんですけれども、実はこの
原子力潜水艦の構造問題については公表されておりませんけれども、先ほど来近江
委員のほうから話がありましたように、それは軍事目的のために簡易化されておる、取り扱いが非常に簡便化されておる。私の見た本では大体制御棒は十三本だったが、最近聞いてみますと、もっと少なくなっているのじゃないかという話もあるくらいで、非常に簡便化されているという点で、普通の陸上の設備あるいは
原子力関係の商船などと比べて、相当構造上に
安全性に欠けるところがあるのではないかということは、世界の常識であります。それから、サブロックというきわめて精巧な爆雷が載っかっている。これに普通のTNT火薬を積むということは、まず常識としては考えられない。これを信頼しているのは
日本政府だけです。世界じゅうの国民で、
原子力潜水艦は核弾頭の魚雷を載っけておりませんなんて言っているのはどこにもない。
日本の
政府だけがこれを信用しているというようなことでありまして、明らかに核兵器を持ち込まないという佐藤内閣の言明とは相反している。これは明らかだと私は思うのです。これは
答弁を求めても、そういうことは
答弁できないと思いますから、あえて
答弁は求めませんけれども、これは世界じゅうの常識です。そういうことで、
原子力基本法は、その点において明らかに侵されておる、こうわれわれとしては考えておるわけでございます。この点を別にいたしましても、今度の
原子力潜水艦は、少なくとも
原子力商船と違って貯蔵タンクがないのです。だから、どうしても一カ月に数回は
冷却水を出さなければならぬという構造になっている
ことば、これは明らかになっておるわけです。ノーテラス号やスケート号などは、そういう形でもって約二トンぐらいが艦外にあふれ出るんだということが現実に証明をされておるわけであります。先ほど
齋藤議員のほうからのお話にありましたように、異常
放射能という
ことばが悪いというお
ことばでありました。しかしながら、これは
日本の
科学者がよく調べておるように、大体
放射能は微生物あるいは魚介類、海藻類において十万倍から百万倍くらいまで蓄積されるという可能性がある、こういうことが証明されておるわけです。したがって、この蓄積をされるということを前提とすると、少しぐらい異常だっていいじゃないか、こういうことにはならないと私は思うのです。そういうようなものが積み重なっていくと、私はどこの港かわかりませんけれども、たしかこれは
アメリカのニューロンドン港じゃなかったかと思いますけれども、おそらくこれはICRPの基準より十倍に上がっている、こういうようなことも私はどこかの文章で見たことがあります。これはニューロンドン港だったかどうかわかりません。しかしこれから未来永劫に
原子力潜水艦というものが寄港される、常時駐留するということになれば、これはこれから先もうずっと積み重なっていく問題でありますから、少しばかり何でもないんだ、核アレルギーじゃないかということは私は通らないと思うのです。この魚介類に対する蓄積の問題もあわせまして、これはやはり相当厳密に考えていかなければならぬ性格のものだ。決してそれは核アレルギーとは言えない、私はこう思うのです。今度の場合は、確かに人体に対する影響のあるようなものではないと思いますけれども、そういう問題と
口上書違反ではないかという二つの問題がからんできていると思います。だから、国民がこれに対して非常に心配もし、あるいは憤慨もするということにならざるを得ないのじゃないかと思います。
いま、空気中と水中と両方で同じような影響が出たのはおかしいじゃないかという議論もあります。それでほかの理由をあえて探し出そうとしたという
経過もわかっておりますけれども、しかし原子炉の中であたためられて水蒸気を含んでおるのが海水の中にぽかっとかたまっていることは、真水の場合にはあり得るわけですね。水蒸気があるいはかたまって下に行かないで上に浮いている。ガンマ線というのは、一メートル違うと千分の一になってしまうのです。ぽかっと浮いていてそれが水蒸気になって出ている。それをカウンターでもってキャッチする。あるいは下のほうは非常に少なくなっているけれども、上のほうは普通の場合よりは非常に高くなっているということも考えられるわけです。この場合は非常に高いものが上に浮いていたかもしれないということも考えられるので、私はそう簡単にこの問題は原因不明だといって決着をつけるべき問題ではなくて、とことんまで原因を究明しなければなりませんけれども、そういう可能性が十分にあるということを前提として、やはり正確な資料を
アメリカに要求しなければならぬ性質のものではないか。
私は繰り返して申し上げますけれども、この
冷却水が、いつ、どの時点に、どこの場所で、どのくらいの量出ているかということのはっきりした
向こうからの資料というものを提供させるべきである。それから
あと一つは、原子炉の構造、これはなかなかうんとは言わぬでしょうけれども。それと
あと一つは、イオン交換脂樹でもって除染をしてから流すということで
チェックをしている、その資料があるはずだと思うのです。これは軍事機密ではないと思うのです。これはつくられた資料では困るのですけれども、この正確な資料を
日本側が手に入れなければ、
アメリカ側が出さないとかそういうものはないとか言っても、ほんとうの証明にはなり得ない、こう思うのです。そういう資料を私はびしっと要求してもらいたい。それをはっきりお願いしておきたい。
あと一つは、今度の
原子力潜水艦は故障だということで二日間ばかり出港が延びております。姿をくらましてしまってよくわからぬようなかっこうになっておりますけれども、この故障の原因は一体何だ。これは
向こうでは、ソーナーが悪かったとか何とか言っておりますけれども、これも
向こうがそう言っているからそう信用するというだけであって、具体的にはっきりとこの証明というものは成り立たない。この故障の原因が一体何であったかということもはっきり確認する必要があると私は思います。
それから、
冷却水の出るときの温度というのは一体どうなんだということを私はあわせて確認をしなければならぬと思う。
こういう点が明らかになれば、それが原因であったか、原因でなかったかということもほぼ解明できと思いますけれども、こういう資料なしに、そのほかの原因が幾らも考えられるのだ、まあ人体に影響のある程度のものでないということだけで済ますべき問題でないということははっきり申し上げておきたいと思うのです。その点の資料を
アメリカ側に強く要請して確保してもらいたい。それなしに、
原子力潜水艦ではないのだというようなことは、私は絶対に言えないと思うのです。ほかに原因ば考えられないというのが、私の聞いた範囲における各
学者の全員一致した意見です。全部が全部そう言っています。大体、
放射能を測定するカウンターなのに、ほかに原因を求めるということ自身が本末転倒なんです。
そういうことになれば、先ほど申し上げた
汚染源というものは四つの場合が考えられるけれども、
イオン交換樹脂と使用済み燃料というものはまず湾内に投げるということはあり得ない。ということになれば、
冷却水以外にない。あるいは、部分的にそういうことになったということになれば、これは原子炉の周辺にあったぼろきれその他というものが表に投げられたということの可能性がないとも言えない、ということも考えられると思うのであります。
そういう点でいまの資料をぜひ
アメリカに強く要求するということと、それから
あと一つは、観測体制が非常に不備だったということは前々からいわれておる。ガンマ線とベータ線だけ調べて、
あと核の種類が何だということを全然突きとめない。これでは初めから原因不明な原因というのはそこにつくられておるわけです。そういうことで結局は原因がわからぬということによって、
原子力潜水艦の寄港を認めるような体制をあらかじめつくったのではないかという勘ぐり方も、やろうと思えばできないことはない。というような、それほど不備な監視体制であったということになるわけです。
そういう点で、これからの監視体制をどうするかということも今後に残された重要な課題でありますけれども、大体海上保安庁あたりのそういう観測の体制のものを見ると、その場で水をとってすぐ調べるなんということは全然指令してないです。ただ、カウンターでもって調べるということだけで、異常値が出たのであわてて命令を受けて、またそこへ行って水をとったといっても、これはもう時期おくれですよ。どうにもならない。原因の究明はできっこない。そういうような体制で監視体制をつくってあったということは、これは
原子力委員会としても非常に手落ちであった。しかも、そういうふうな手落ちの監視体制をつくっておきながら、安全が確保されたという前提で
原子力潜水艦の寄港を認めるということ、これは
政府の大失態であった、こう言っても私は過言ではないと思うのです。そういう点で監視体制については十分に究明をして、これから体制を立て直してもらいたいと思います。
それから、いま言ったような資料と、それからスヌークの場合、これは三木さんからいろいろお話がありましたけれども、私は
名前は言いません。言いませんけれども、そこに立ち会った二人の
学者から私は伝え聞いた話であります。これは新聞記者などのいろいろな会合があって、まあほかの、レーダーということも考えられるということは言ったそうでありますけれども、決してレーダーであるという断定は
一言も言っておりません。したがって、それがいつの間にかまことしやかに、非常にもったいをつけた表現で——これは新聞記者がそういうふうに思い込んじゃったわけでありますから、新聞社の責任でありませんけれども、レーダーであるということを言っておる、ということは、どう考えても私は不可解でしかたがない。何かもう
原子力潜水艦を寄港させるための観測体制であって、ほんとうに国民の安全の立場で観測体制がつくられておらなかった。特に私がけしからぬと思うのは、今度の問題が出ると、外務省は——外務省にも、そのうちに来ていただいて私は言わなければならぬと思ったのでありますけれども、
原子力潜水艦ということは考えられない、こういうふうな
見解を出しておるわけですね。まことに言語道断だと思うのですよ。だれの立場で一体安全の監視をやっておるか。観測をやっておるか。
大体、外務省というところはエリート意識が非常に強く、外交のことはおれにまかせろ。われわれ国民とか議員なんというものはばかに見えるのじゃないかと思うのでありまして、しかも、
アメリカべったりです。
アメリカの言いなりほうだいです。こんなことで、ほんとうに
日本人の立場で、エリート意識とともに民族的な誇りを持っておればいいですが、誇りがなくしてエリート意識だけを持っておる外務省なんて、とんでもないと思うのです。そういう立場で、
原子力潜水艦ということは考えられないという。何ですか、この
見解は。私はもう言語道断だと思う。そのことは、きょうは外務省が来ておりませんから、いずれ私はあらためてとことんまで究明したいと思っておりますので、その点は省略します。
意見だけ申し上げてたいへん恐縮でありますけれども、この時定数と
冷却水の拡散の状況と、観測船のスピードに
関連しての
研究は、私のほうでまた別個にいろいろやってみたいと思っておりますけれども、この
冷却水の拡散の状況、これは資料がありますか。