○長濱説明員 初めの御質問の、
大阪を出まして六甲
トンネルにとっつきます間の仕事の進みぐあい、
先生のおっしゃいますように、非常に残念ながらまだ進んでおりません。われわれとしましては、
地元の皆さんに
山陽新幹線の公共性あるいは
有利性というか、お役に立つという点をなるべく御理解をいただいて、できるだけ早く現地に立ち入りし測量をさせていただき、用地の買収に応じていただきたい、こういうふうにいろいろ現地の県、市の
理事者あるいは
地元の皆さんにお願いしておるところでございますが、残念ながらいま申し上げますように、まだそういう事態に立ち至っておりませんで、鋭意お願いを続けておるわけでございます。それにつきまして、
地元の御反対しておられる理由は、いま
先生おっしゃいましたように、騒音とか振動とかそういうことでございますので、私
どものほうといたしましては、なるべくそういうものが少なくなるようなくふうをいま鋭意、最初に申し上げましたような騒音に対する対策その他を進めるようにしておるわけでございます。それ以外に、いま
先生のおっしゃいました幅五十メートルという緑地帯を設けたらどうだというような
地元からの御要望も承っております。われわれといたしましては、実は
山陽新幹線の——これは
山陽線に限らないわけでございますけれ
ども、
新幹線を敷きますについて両側にそれだけの緑地帯をとる、あるいは
道路幅をとるということは、
国鉄独自といたしましては
鉄道本来の事業の体系上、あるいは
財政上の理由からとうていそういうことができませんので、われわれといたしましてはできるだけ
建設省あるいは県、市の御協力を得まして、少しでもそういうことに近づけるようなくふうをしたい、努力をしたい、こういうふうに
考えております。
現在われわれといたしましては、高架線あるいは盛り土、町の中を通りますことによりまして、その地域を
両方に遮断するというようなことがございますので、それによってこの地域の将来の
発展を阻害してはいけませんので、そういうことに対する対策、あるいは、われわれ実際工事をやります場合の側道も要ることでございますので、そういう点につきまして両側に新たに、所要用地の外に、市街地では両側に、
地方では、必要のないところは片側だけでも、四メートルの側道を、これは
国鉄の経費でつくりまして、そういう地域の隔絶に対して、せめてそういうことがないようにというようなことをいま
計画しております。
あと、それ以上のことにつきましては、私申し上げましたように、
建設省あるいは県、市の御協力をいただくようにいま鋭意努力をして、皆さんにお願いしておるわけでございます。非常にこの点につきましてはそういう方面の方々も御理解をいただいておるわけでございますが、まだ具体的にまでなっておらないのが非常に残念でございます。何とかこの六甲までの
用地買収に一刻も早く着手できますように
地元の御協力を得たい、こういうふうに念願しておる次第でございます。
それから土砂の搬出の件でございますが、これは何ぶん、さいぜんもお話が出ましたが、十六
キロ余りの六甲
トンネルでございますので非常にたくさんの土砂、いわゆるズリと称するものが出て参ります。これをどこかに運ばなければなりませんので、できるだけ
交通に支障のないように、あるいはまた住民の皆さんにおじゃまにならないようなくふうをするということで、山の中に
土地を求めて捨てるとか、あるいは一部ベルトコンベヤーによりまして混雑する
道路を避けるとか、あるいは
道路をこちらで指定いたしまして、
道路の混雑を生じないように、あるいはまた
交通事故を起こさないようにというようなくふうをしております。それにつきましては特に
山陽新幹線の工事の場合——まあ一般の場合においても十分努力しておりますが、今回は特に搬出土砂が多く、しかも非常な繁華街を通ります
関係上、
山陽新幹線工事安全対策協議会というようなものをつくりまして、市
当局あるいは警察
当局、あるいは学校の
関係の方々、あるいは
地元の代表の方々、そういう方々に
中心になっていただきまして、
委員会をつくりまして、その
委員会にいろいろおはかりいたしまして、各建設業者に安全に対する専従者を定めてパトロールするとか、あるいは
国鉄自体においてパトロールして指導をするとか、あるいはダンプカーにはすべてタコメーターをつけさせるとか、いろいろなことをいたしまして、そういう困るような事態の起こらないように、いろいろ住民の方々に迷惑のなるべくかからないようなくふうをするように、いまやらせておるわけでございます。それをいたしましても、やはり通過
交通はその分だけはふえることでございますので、この点につきましては、
地元の御協力をぜひ得たい、こういうふうにあらためてお願いする次第であります。