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1968-04-24 第58回国会 衆議院 運輸委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月二十四日(水曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 大野 市郎君    理事 砂田 重民君 理事 徳安 實藏君    理事 小川 三男君 理事 野間千代三君    理事 山下 榮二君       阿部 喜元君    大竹 太郎君       小渕 恵三君    加藤 六月君       川野 芳滿君    西村 英一君       広川シズエ君    福家 俊一君       水野  清君    井上  泉君       板川 正吾君    内藤 良平君       米田 東吾君    渡辺 芳男君       沖本 泰幸君    松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中曽根康弘君  出席政府委員         運輸政務次官  金子 岩三君         運輸省港湾局長 宮崎 茂一君         運輸省鉄道監督         局長      増川 遼三君         運輸省自動車局         長       鈴木 珊吉君         運輸省観光局長 深草 克巳君 委員外出席者         労働省職業安定         局業務指導課長 保科 真一君         建設省道路局国         道第二課長   難波 隼象君         自治省行政局行         政課長     林  忠雄君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 四月二十四日  委員菅太郎辞任につき、その補欠として広川  シズエ君が議長指名委員に選任された。 同日  委員広川シズエ辞任につき、その補欠として  菅太郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月二十三日  中小私鉄、バスの振興助成に関する請願(芳賀  貢君紹介)(第四三五二号)  同(岡田利春紹介)(第四四一二号)  同(岡田春夫紹介)(第四四一三号)  同(勝澤芳雄紹介)(第四四一四号)  同(原茂紹介)(第四四一五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第九九号)  観光施設財団抵当法案内閣提出第七八号)(  参議院送付)      ————◇—————
  2. 大野市郎

    大野委員長 これより会議を開きます。  港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、逐次これを許します。山下榮二君。
  3. 山下榮二

    山下(榮)委員 港湾施設整備とともに道路鉄道、その他の輸送施設が均衡のとれた整備をしなければこれは役にたたぬ、こう私は思っておるのですが、これらの問題が完全に三位一体となって運営されて初めて、日本産業経済発展に十分な貢献をなすことができるものと、かように考えるのであります。したがいまして、そういう方針に基づいてこの法案に対する質疑を行ないたいと思うのであります。  第一に伺いたいと思いますのは、今回の五カ年計画を作成されるにあたりまして、道路関係する建設省あるいは国鉄当局海運当局等といかなる相談計画を進めてこられたか、それに対してひとつ伺いたいと思うのであります。
  4. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 港湾貨物が内陸の輸送機関、つまり道路あるいは鉄道と密接な関連を持っていなければならぬことはお説のとおりでございまして、今回の計画をつくります際にはそういうことを十分勘案したいと思います。いままでに重要港湾につきましては、港湾審議会を通じまして、そういう建設省当局または国鉄も一緒になりまして港の計画を論議しておりましたので、そういう港をつくって陸上輸送との間にそごを来たすということはないと思います。また、計画の固まっていない港につきましても、地方港湾管理者が立案をいたします場合に、港にあがった荷物がどういうふうに行くのか、行き先別物資別にいろいろとしさいに調べておりますので、管理者もとにおきましても、つまり中小港湾におきましては背後地との関連は十分についている。また、今後私ども計画をつくります場合におきましても、そのようなことに配慮いたしたいと考えます。
  5. 山下榮二

    山下(榮)委員 港湾審議会のあることは私も承知をいたしておるのですが、港湾審議会の中に、それでは建設鉄道その他の方々がおいでをいただいて、御相談をなさって、今期の五カ年計画というのを立てられたのであるかどうか。もしそうでないとすると、これは非常なそごを来たすのじゃないか、こう思うのであります。試みに、あとで申し上げますけれども、この前の一次計画の問題を一つ取り上げてみましても、相当輸送量等についても相違があるように思われるのですが、審議会で一体どういう相談で、どういう計画とどういう方針で海と陸と鉄道とのかね合いというものをやるという、具体的なことをひとつおっしゃっていただきたい。
  6. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 この五カ年計画は、法律にもございますように、港湾審議会の議を経て閣議決定することになっております。したがいまして、これは将来のことでございますが、その委員といたしまして建設次官並びに国鉄の副総裁が入っておりますし、その下にまた幹事として建設省並び国鉄から幹事が出ております。
  7. 山下榮二

    山下(榮)委員 名前が御承知のとおり港湾審議会という名前であって、現実的に総合的な上に立った審議会ではない、私はこう心得ておるのであります。現在の日本道路あるいは鉄道港湾というものが少しもマッチしていない。これは、従来総合的な計画のなかった結果のあらわれである、こう私は考えております。したがいまして、建設省、だれかお見えになっておりますか。——鉄道のほうはだれかお見えになっていますか。——一体この港湾五カ年計画とマッチした鉄道計画はいかようになっておるのでしょうか。鉄道当局説明を聞きたい。
  8. 大野市郎

    大野委員長 山下委員に申し上げますが、まだ見えていませんので……。建設省、参りましたから……。
  9. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは建設省がお見えになったそうでありますからさっそく伺いたいと思うのですが、御承知のとおり、いまここに提案されておりますのは港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案として、元来五カ年計画でいままでやってこられたのに、さらに次の五カ年計画を立てよう、こういうのでありますが、港湾だけを整備いたしましても、港湾道路鉄道と、輸送機関三位一体になってこれが運営されなければ、ほんとうの効果をあらわすことは困難である、かように考えておるのであります。したがって、この計画を立てるにあたって、建設省鉄道港湾、それぞれの方々がこの計画に参加されておるのか、協議をなさったのかどうかということを伺ったのであります。ところが港湾局長は、審議会においてそれぞれ次官も入っておられるし云々、こうおっしゃるのでありますが、それは通り一ぺんのやり方であって、真にこの計画を実施し、日本の交通、輸送関係の完ぺきを期していこう、こういうことになるのでありますならば、当然建設省当事者が、あるいは道路局長が、鉄道管理者が、お互いに緊密な相談の上に立って計画というものがなされなければならぬはずだ、こう思うのですが、これに対して建設省は一体どういう相談を受け、どういう意見を述べ、どういう処置をとられたのか、ちょっと伺いたい。
  10. 難波隼象

    難波説明員 ただいまの山下委員お話は、港湾整備に伴って道路による貨物量が非常にふえるであろう、その措置建設省道路局運輸省港湾局とどういう折衝をしているのかという御質問だと思いますが、私ども個々港湾プロジェクトにつきまして、港湾担当者と折衝して道路計画を定めるようにいたしております。それで、私どものほうの今度閣議決定を見ました第五次道路整備五カ年計画につきましても、港湾関連する道路と申しますのは一つの柱になっております。その一番大きな例が、これは一つ港湾ではございませんが、東京湾岸道路、それからまた調査費をつけて調査しておりますのは大阪湾岸道路というふうに、個々プロジェクトについては緊密な連絡をとって前向きな姿勢で処置していっております。
  11. 山下榮二

    山下(榮)委員 それじゃ伺いますけれども、この法案の提案の趣旨から想像いたしますと、港湾整備については、御承知のごとくだんだん船が大型化してまいる、長さも相当長くなってまいるから桟橋も長くしなければならぬ。あるいは、荷物コンテナ輸送に変わってくる。こういうことになりますと、ひとり港湾のみを改良、改善、整備をいたしましても、肝心な陸上の受け入れがうまくいかなければ、結局、先ほど申し上げるように十分な効果はあげ得られないのであります。したがいまして、これは三位一体になって、今後緊密な話し合いの上に立って総合計画を立てられるように、押し問答しておってもしようがありませんから、私はこれを強く希望を申し上げておきます。このことは大臣にもよくお伝えを願いたいと思います。  そこで、時間もそうありませんから、話を先に進めてまいりたいと思います。  第二に伺いたいと思いますのは、工業都市規模も非常に大規模になってまいりますと同時に、工場が非常に分散をしてまいるのであります。集中するのじゃなくして、方々工場分散してまいるようであります。こういう場合に最近は、国道高速道路のようなマンモス化した道路だけを考えるのではなくして、工場分散してまいりますと一般地方道整備計画がきわめて重要になってまいらなければならぬ、こう思っておるのですが、先ほど申し上げました審議会——局長審議会相談をしたとおっしゃったのでありますから、審議会でさような点まで相談をされて計画をお立てになったのであるかどうかということをちょっと伺いたいのであります。
  12. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 重要港湾につきましては、港から見まして国道に通するまでの道路、これは臨港道路として計画をいたしております。その道路地方道であるとか、あるいはそれにつなぐ道路地方道とか、そういうことでございますれば建設省のほうに御連絡いたします。また先ほども申し上げましたように、港湾審議会だけではなくて、地方の港の計画をいたす場合にでも、港湾管理者は大部分県でございますので、県は土木部がやっておりますから、そういった関係上、県の中でそういう地方道に容量があるかどうかという問題を検討しておりますし、改良計画も立てております。したがいまして、中央道のみならず、そういうことについては最近非常にこういう道路輸送による機会が多いものですから、その点は十分に留意してやっていると思うわけでございます。
  13. 山下榮二

    山下(榮)委員 それじゃ続いて建設省に伺いたいと思うのですが、こういう新しい計画に基づいて、しかも日本産業形態というものが地理的に分散をしてまいりまして、相当規模が変わってまいってきておるのであります。したがって、こういう港湾整備計画と並行して地方道開発等に対してどういう考え方地方指示をされ、どういう計画を立てられておるのか、それを建設省に伺いたい。  それからもう一つ鉄道のほうについては一体、これらとどうマッチするように計画を立てておられるか、その両面をお伺いいたしたいのであります。
  14. 難波隼象

    難波説明員 工場地方分散をし、開発が全国的になるというようなことに対して、地方道としてはどうなっておるかということでございまするが、改良には一次改築と二次改築とございます。地方道の場合には一般の場合、分散に伴うことによって必要となる改良は一次改築国道は一次改築が進んでまいりましたので、その資金をもちまして地方道改良に充てて、今度の五カ年計画では四次に比べまして相当地方道並びに都市計画街路に対する割合は多くなっております。  以上でございます。
  15. 山下榮二

    山下(榮)委員 鉄道のほう……。
  16. 大野市郎

    大野委員長 自動車局長まだ到着しませんが、参りましたら答えさせますから、御進行願います。
  17. 山下榮二

    山下(榮)委員 いま建設省課長さんから答弁を伺ったけれども、これはなかなかたいした計画が確立されておるとは考えられないのであります。もう少しこれらの計画とマッチしていかなければ、過去の日本産業都市形態から考えまして、将来再び今日と同じような憂慮すべき事態をつくるのではないかということをおそれるのであります。そういう事態の起こらないように、今日から計画を立ててやっていく、こうあらねばならぬと私は考えているのであります。ひとつそのことを今後建設当局としてよく地方に対して指示を与え、地方道に対しましてはちゃんとそれに沿うた計画を樹立さすようにしていただきたいということを希望申し上げておきます。  次に伺いたいと思いますのは、船舶といいましても、一般貨物船タンカーと区別してものを考えなければならぬ、 こう私は思うのであります。そこで、タンカー大型化に伴いまして、政府がやがてタンカーだけの専用水路あるいは港湾、つまり専用埠頭というものを将来考えなければならぬことになるのじゃなかろうか、こういうことも想像するのですが、その整備役割りをになわされておる港湾当局というものは、将来をおもんぱかって、そういうようなぐあいにものを整理し考えていかなければならぬ、こういうことはお考えになっていないでしょうか。ただ、一般貨物タンカーも何もかも一緒くたにものを考えておられるのでしょうか。将来はおそらく区別してものを処理していくような体制を立てなければならぬ、こういうようにお考えになっておるのでしょうか。その辺をお伺いいたしたいと思います。
  18. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 ただいまの御質問趣旨は、タンカーあるいは鉱石専用船とか、あるいは一般貨物船、こういうふうに分けておのおの専門化したほうがいいのじゃなかろうかという御意見のように伺いました。またそれに対する航路とか、あるいはまた岸壁とか、そういったものをどういうふうに整備するのか、こういうような質問かと思いますが、御承知のように、港湾の荷役というものはだんだん専門化と申しますか、私ども専門化ということばを使っておりますが、石油石油岸壁鉄鋼鉄鋼岸壁雑貨雑貨岸壁とこういうように専門化したほうが能率があがるわけでございます。したがいまして、現在でも石油鉄鋼その他の工場、つまり臨海工場岸壁というものは、専用岸壁会社自身が持っております。非常に能率的な接岸をして荷扱いをする岸壁でございます。また公共埠頭というもの、いわゆる雑貨埠頭でございますが、これにつきましての効率化方法というものは、いわゆるいま出てまいっておりますコンテナ化という問題でございます。岸壁のほうはそのようになりますが、航路または港の岸壁に至るまでの港内の航路、これにつきましては、大型船はほとんどタンカーでございますので、タンカーはおのおのいわゆる石油港湾施設、これは特定港湾整備事業でやっておりますが、受益者負担を取りまして、石油のために深く掘るということをいたしております。鉄鋼鉄鋼でそのようにしております。一般雑貨につきましては、いまのところおおむね水深で申しますと十メートルか十一メートル程度の見当でございます。なおまた航路につきましては、いま関門海峡の工事をやっておりますが、現在は十一メートルで掘っておりますが、これは十三メートルに掘る予定でございます。これでは非常に大型の船の通行はできないわけでございます。あと備讃瀬戸これは十九メートルに掘っております。そのほか東京湾口の問題も現在調査をいたしております。そういった考え方船舶大型化に対しましては、先を見通しましてこれから整備を進めてまいりたい、かように存じます。
  19. 山下榮二

    山下(榮)委員 ちょっと聞き漏らしたのかもわかりませんが、水路については受益者負担を取ってしゅんせつをする、こうおっしゃるのですか。さらにもう一つ岸壁については鉄鋼その他の会社私設の、私立岸壁をつくってやっておるところはすでに方々にございます。しかし将来私立岸壁だけではなく、公共荷揚げ場というものの岸壁公共施設というものが先ほど申し上げますように専門化していく必要があるのではないか、こういうことを伺っておるのであります。それに対して一体どうお考えになっているか。私設のことは別であります。
  20. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 先ほど申しました受益者負担というのは、もう現在やっております。これはいわゆる私設岸壁に通ずる航路でございます。しかし航路はやはりその会社だけの船が通るわけでございません。そのほかの船も通るわけでございます。しかし相当大幅な受益者負担をやらしております。  それから第二点の、つまり公共埠頭の中でも専門化すべきではなかろうかという御意見でございます。私もそのようにしたほうが効率はあがると思います。したがいまして、たとえば砂利専門公共埠頭、あるいはまた木材専門公共埠頭、あるいはバナナ埠頭一般の輸出雑貨積み出し埠頭、そういうふうにすでにある程度専門化の傾向にございますけれども、将来はそういう専門化がだんだんと著しくなるというのが、成熟した港湾における形態だと思います。
  21. 山下榮二

    山下(榮)委員 今期計画になぜそういう構想を織り込んでおられないのか、こう私は聞いておるのです。これはやはり国費ですから、税金さえ取れば財源は出てくるからということで、役所仕事というものは同じようなことをこわしたり、つくったり何回もやる。これは国費の浪費になるのじゃないか、こういうことを私は心配するのであります。そこで、せっかくここに五カ年計画というりっぱなものを立てられる。この五カ年計画というものに対しましては、いま申し上げるようなそういうりっぱな専門化させるという理想をお持ちであるから、そういう理想をこの中になぜお織り込みにならぬのか、これを伺っておるのであります。
  22. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 この法律が通りましたならば、各港ごとにどの程度専門化できるかという問題がございます。五年先を見通しましてどの程度そういうふうに効率的な埠頭をつくり得るか、そういうことで、これから、実は法律が通りましてから五カ年の計画をつくりまして、もし通りましたならば、多分八月か九月ごろの閣議決定になる、そのときにきまる、こういうことでございますので御了解をお願いしたいと思います。
  23. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは、この法律が通ったら、いま申されるような理想的な姿に日本輸送体制というものを確立していきたい、こういう考えである、こう理解してよろしいですか。
  24. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 おおむねそれでけっこうだと思います。そういう方向でいきたいと思います。
  25. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは、次にもう一つ伺いたいと思いますが、私は先ほどから何回も同じようなことを申し上げて恐縮ですけれども計画がどうも少しずさんではないか、こう思われる節があるのであります。なぜかと申し上げますと、第一次の計画で、昭和四十年度の全国港湾取り扱い貨物量というものの見込みが六億二千万トン、こう推定されておったのであります。ところが実際は六億三千六百万トンという、千六百万トンも荷物が上回っておるのであります。そういうことから考えまして、どうもせっかくつくられる理想というものが、はるかにその施設よりも事業のほうが上回っていく、こういうかっこうであるから、一次、二次、三次と計画を立てていかなければならぬ、こういう経過になってまいることをおそれるのであります。そこで、今度の計画を見てみますと、これはすでに御承知のとおり昭和四十一年度の貨物量予想の八億一千四百万トンに対して、実際は九億三千八百万トンに達した。一億二千四百万トンという大幅な相違昭和四十一年度にもあらわれた。こう考えますと、次々と輸送量というのがふえてまいる。何回も同じようなことを申し上げますが、コンテナにかわってまいりまするならば、なおさら私は、輸送関係というものは増強してまいる、こういうふうに考えるのであります。こういうことに至って、計画をされる当局としては、これは大きな誤算といえば誤算でしょうが、これはしかし一面には当時わが国経済高度成長という非常な時期でありまして、その結果がもたらしたものであろうと想像するのですが、しかし、今後わが国にまた再び高度成長経済が来ないと断言するわけにもまいらないのであります。こういうところから考えまして、今後の日本産業経済発展というものの上に立って、一体どういう考え方をもってこれに対処しようとされているか。将来の見通し等についての計画についてお考えを伺いたいと思うのであります。
  26. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 お答えいたします。  従来の計画が、第一次、第二次ともに予想貨物量を上回る。第一次計画は、四カ年で五カ年計画を改定いたしました。第二次計画はすでに三年終了いたしまして、いままた改定しようということを考えておるわけでございます。過去におきまして貨物量が伸びましたのは、やはり日本経済発展見通しというものが、振り返ってみますと実勢よりも低かった。逆に言いますと、見通しよりも日本経済が伸びてきたということが原因だと思います。今回の貨物量推計にあたりましては、昨年の三月に決定されました社会経済発展計画もとにしております。その中から外国、つまり貿易関係につきましてはそういう指標をとり、また国内輸送につきましては鉱工業生産指数でありますとか、国民総生産との相関関係をもちまして推計をいたしているわけでございます。これは現在のところ、こういう推計以外に私どもの側といたしまして経済自体を自分で推計するわけにもまいりませんので、やはり権威ある一つ経済計画経済見通し、こういったものによらざるを得ないということでございます。したがいまして昭和四十七年の貨物量を全般的に約十五億トン程度に見積もっておりますが、この目標につきましても最近までの、あるいはこの計画の確定までの時点におきますいろんな要素も考えまして、目標は慎重に設定いたしたい、かように考えております。
  27. 山下榮二

    山下(榮)委員 鉄道関係もお見えになったようでありますが、もう一問だけ局長に伺いたいと思います。  今度の計画、御承知のとおり、昭和四十七年度の港湾貨物取り扱い量というものを十五億三千万トンと推定をされておるようであります。この数字というのは昭和四十七年度には大体狂いがないものと想像されてつくられたのであると思いますが、日本経済発展、最近の状況から考えて、一次、二次のような狂いはないと思いますが、確信が持てますかどうか、この点だけを伺いたいのが一つ。  もう一つ伺っておきたいのは、とれとは直接関係はございませんが、離島振興法というのがありまして、離島にそれぞれ港がたくさんあって、これにもこの整備法で、おそらく桟橋をつけたりいろいろされるのだろうと思うのですが、離島振興法等々との関連性、これらと何か相談、いろんな緊密な連絡等がとられておるものであるかどうか。との二つを伺っておきたいと思います。
  28. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 十五億三千万トンと申しますのは、実はことしの予算要求の前に推定した数字でございます。したがいまして、これが五年先にそのとおりいくかどうかというお話でございますが、私も、これはいまの経済見通しから推算すれば貨物量はこうなるということでございまして、日本経済はあるいはいろんな対外の条件経済計画に想定しました条件が違うとか、そういうことになりますればもっと変わるかもしれないと思いますが、まあいままでのいろんな推計方法からいたしますと、現在の社会経済発展計画経済指標もとにいたしますればこれ以外の数字はなかろう、かように思っております。  それから、第二点の離島でございます。離島港湾整備方針をどのようにするのか、こういうことでございますが、これは御承知のように、この港湾整備五カ年計画経済企画庁長官に協議することになっております。御承知のように、離島経済企画庁の所管でございます。経済企画庁におきまして離島振興計画というのをお立てになっております。その中から私ども個々離島につきまして、どこの港はどの程度物資がふえるとか、あるいはどこの港はどういうふうになるだろう、こういう予測、そういったものをお聞きいたしまして計画に織り込む予定でございます。大体離島におきましては、貨物輸送もさることながら、旅客輸送と申しますか——私も離島をときとき歩きましたが、沖で人間の沖荷役と申しますか、こういうことの絶対にないように、旅客はひとつ接岸をして安全に渡すようにということを離島港湾整備では第一に考えまして、そのような方針で各港の計画をつくってまいりたい、かように考えております。
  29. 山下榮二

    山下(榮)委員 離島振興法に基づく問題等については、これはいまおっしゃるとおり、貨物よりも人間の輸送のほうが中心であると思うのであります。したがいまして、これは今度の整備計画と十分連絡をとられて、人命尊重の立場からも、はしけで渡すようなことのないように、全部桟橋をつけるとか、何らかの方策を確立することに双方が協力し合うという体制をとらなければならぬのじゃないか、こう考えているから申し上げたのでありまして、何か相談されたとおっしゃるが、やはりこういう計画のときには、もうちょっとそれらと深い相談があって、将来を見通し計画を立てらることが必要ではないかということを申し上げておきたいと思うのであります。  鉄道関係の方がお見えになったから、ちょっとこの機会に伺っておきたいと思うのです。話があとへ戻りますけれども、いまここに計画を立てられました港湾整備緊急措置法の改正に伴う問題に対して、先ほどから港湾局長に伺っておるのですが、この立案に対して、海とおかとの輸送の連帯性というものの上から考えて、一体鉄道当局というものは、これとどうマッチするように計画を立てられておるのか、これに対してどういう相談を受けられたのか、どういう双方の協議をなさったのか、その辺のことを伺いたいのであります。
  30. 増川遼三

    ○増川政府委員 港湾整備計画策定にあたりましては、省内におきまして、港湾局を中心にいたしまして、私どものほうにも御協議をいただいております。また、国鉄自体のほうへも直接、また私どもを通じまして連絡をとりまして、さらに自動車輸送の面も関連がございますので、港湾における接続道路という問題につきましても、港湾局のほうから建設省道路局のほうへも御相談をしていただいておると存じます。そういう面で、関係当局間で十分連携をとりまして、それに見合います私どもの所管といたしましては、国鉄の輸送力の調和ある設定並びに、国鉄自体で設定いたしがたいものにつきましては、民間資金によります臨港鉄道建設ということも考えまして、海陸の連絡輸送の万全を期するという態度で臨んでおるわけでございまして、すでに民営の臨港鉄道も相当数発足をしているものもございますし、これからさらに延長する、それによりまして海運と陸上輸送との接続の万全を期するわけでございます。運輸省の諮問機関であります運輸経済懇談会の席におきましても、その中の一つの大きな問題といたしまして、流通機構の整備ということを取り上げておるわけでございますが、この海陸流通のかなめであります港湾整備ということも、一つの重大なポイントでございまして、ここの間における港湾設備、鉄道並びに道路のアプローチという問題、それから流通センターを港湾地域隣接に設置するという問題につきましても、協議の上必要なものにつきましては都市計画の中にも織り込みまして、実現をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。
  31. 山下榮二

    山下(榮)委員 ことばの上ではさももっともらしいことを言っておられるようですけれども、おそらく現実の問題はさようになっていないじゃないかと思うのであります。私は去年岡山県の水島を見に参ったのでありますが、あれだけの工場地帯ができておるのに、一体鉄道はどういう計画を立てておられますか。陸と海との輸送関係というものが、どうマッチするようにできておるのですか。私は見るべきものを見ることができなかったのであります。道路にいたしましても、まだ建設の途上でございますから完ぺきを期することはできないでございましょうけれども、これも陸上の輸送としての理想どおりできておるのか。もう少し臨海工業地帯というものに対しての、海とおかとの輸送関係というものがもっと緊密に行なわれるような計画が樹立されていかなければならぬのではないか、こう思うのであります。ひとり水島だけではございません。日本全国各地にできておる。千葉県においてもしかりだと私は思っておるのであります。この辺が私が冒頭に申し上げました、この計画を立てるにあたって、道路を管理する建設省、あるいは陸上の輸送の中心である鉄道、こういう関係がどう緊密に計画に参加され、どういう協議をされ、どういうもと計画をされたのかということを伺ったのであります。いままで伺っておりますけれども、その辺一致した意見を私は見出すことができ得ないのであります。将来悔いを百年の後に残さないようにするためには、ほんとうにこういう計画のときには三位一体になって、海とおかとが将来どうなっていくという理想の上に立った、りっぱな計画を立てられることがきわめて重要である、こう考えておるのであります。したがいましていまここで、どうこう言って押し問答いたしておってもしかたがございませんが、先ほど港湾局長の話によりますると、法案が成立をしたら、その後にりっぱな計画を樹立する、こうおっしゃるのでありますが、これはできることなら、との法案に基づいて輸送関係に関する三位一体一つ委員会でもつくって、協議をされ、計画を立てられる、これくらいのことをされる必要があるのじゃなかろうか、こう思うのですが、港湾局長、ひとつお考えを伺いたい。
  32. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 法案が通りましたならばもちろん、いままでも実は幹事会と称しまして、港湾審議会幹事会でも十分やっております。また地方におきましてもやっておりますが、御指摘の点も、あるいは不十分な点もあるかもしれませんので、お話によりまして、陸上輸送につきまして国鉄当局建設省道路局の御当局にも十分各港ごとに審議をしていただき、万全を期したい、このように考えます。
  33. 山下榮二

    山下(榮)委員 これもお互いが押し問答いたしておってもしかたがありませんから、時間もないようでありますし、先に話を進めたいと思います。  それでは大臣が見えますまでに、もう一つだけお伺いをいたしたいと思います。  港湾整備の目的は結局産業経済発展を促進して国民経済に大きな貢献をするというところに大きなねらいがあると言わなければならぬと思うのであります。港湾整備五カ年計画が完成するまでの事態に対して、一体どういう処置をとっていかれようといたしておるのですか。その辺のことをちょっとお伺いいたしたいと思います。
  34. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 御質問趣旨がはっきりとわかりかねますが、港湾整備五カ年計画の実施中の段階においてどのような措置をとるのか、このように思われます。つまりこの五カ年計画と申しますのは、四十七年の一つ一つの港におきます姿を想定いたしまして、そのときに効率的に、あるいはまた十分に荷役ができるような港湾公共施設をつくろう、こういう計画でございます。したがいまして、その途中の段階におきましては、それよりも低いと申しますか、少ない貨物量目標、年々とういうふうに各港が発展していくんじゃなかろうかという一つ推計があるわけでございますので——もちろん各港の中で最も緊要なものからやっていく、つまり年々の予算というものがございますので、財政の変動あるいはまた経済状態の変動に対応できるように毎年毎年の予算で措置していきたい、かように考えております。
  35. 山下榮二

    山下(榮)委員 いま伺ったのは、五カ年後にはいま計画を立てているりっぱな体制が整う、こうならなければならぬ。それまでの間に、こそくながらでも、一体どういう改善をしていかれようとしておるのかということを尋ねたのであります。  その次に伺いたいと思うのは、五カ年後にこの計画が完全に実行された後、一体日本貨物一切の輸送料というもののコストは、今日よりもどのくらい低下できるものですか。あるいはまた輸出入の原則、運賃というものからしてどのくらい値が下がる、いわゆるコストダウンができるものであるか、その辺のことをどういう計算を立て、どういう計画を立てておられるのか、それを伺いたいと思います。
  36. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 日本全体巨視的にどのくらい下がるのかということになりますと、いまここに数字がございませんが、一つ一つのものについて見ますと、たとえばタンカーでございますというと、二十万トンで運ぶ場合にはトン当たりどのくらいかかる、こういったような計画がございます。全般的に申し上げまして、だんだんと労力が不足になってまいりますので、コストダウンということもございましょう、それも一つの大きな問題でございますが、労働集約的ないまの荷役といったものをもう少しやはり、労働者が少なくなるという面から必然的にその近代化をしていかなければならないというような面も出てくると私は思うわけでございます。一つ一つ貨物、それにつきましてどのくらいのコストダウンができるかということは、いま手元に資料がございませんが、各港につきましては、個々の商品とかそういったものになりますと、どの程度になるという計算は私どももいたしております。
  37. 山下榮二

    山下(榮)委員 大臣がおくれるそうですから大臣の質問だけあとに残したいと思いますが、もう一問だけお伺いをいたしたいと思います。  これだけの計画を立てられるのでありますからして、船舶の安全確保のための通信施設あるいは消防施設あるいは応急修理施設等の問題が、やはりこれと並行して完ぺきを期さなければならぬ問題であろう、こう思うのであります。たとえば消防施設にいたしましても近代的な消防、新しい技術を導入した消火施設、そういうこと等に対しまして一体どうお考えになっておるか。  もう一つ、船に乗っている船員のサービス施設、こういうことに対して、それぞれの港に対しましてはどういうお考えを持っておられるのですか。先進諸国に劣らぬような施設日本もすべきじゃないか。日本は四面海に囲まれて、海国日本と言われるくらいでありますから、日本港湾に外国の船が停泊をいたしましても、日本の船が入りましても、世界に類例のないほど設備が行き届いている、船員に対する休息その他のサービスもなかなか行き届いた施設が行なわれている、こうあらねばならぬと考えておるのですが、五カ年計画の中にこれらの問題が入っておるのですか入っておらないのですか、いかようにお考えか伺いたいと思うのであります。
  38. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 ただいま消防施設、船員のサービス施設がこの五カ年計画に入っておるかどうかという御質問でございますが、この五カ年計画国費をもちまして補助する施設、つまり港湾の基本施設とでも申しましょうか、そういったものに対する五カ年計画でございまして、御質問の点の消防施設、船員のサービス施設の金と申しますか、それは計画に入っておりません。しかし私どもは、港湾の基本施設がよくなればそれに伴った機能的な施設も当然よくなることを期待いたしますし、また、それぞれの役所、消防施設にいたしますれば海上保安庁でございますが、自治体消防とか、あるいは港湾管理者も一部持っておりますが、そういうところに施設にマッチしたような消防施設をやっていただくように、側面から要請をいたすつもりでございます。  また、船員のサービス施設につきましては、これは港湾管理者だと思いますが、港湾管理者のほうにそのような要請をいたしていきたい、かように考えております。
  39. 山下榮二

    山下(榮)委員 私ははなはだ驚いた話を聞いたので——何らそれらに対するおもんばかりがない、計画がないということは、とんでもない話だと思うのであります。過般、船に対しまして通信施設をする法律が出たことも御承知だろうと思うのであります。私は港にこそ、そういう通信機関あるいは消火施設あるいは船員の休養、サービス施設、こういうものが何よりも必要でなければならぬ、港湾整備五カ年計画を立てられると同曲に、その計画がこの中に入るべきものだ、こう想像するのに、それが入っていないということは、先ほどから申し上げるように、それぞれの機関の協議がととのっているかどうかということを伺っておったときに、審議会で云々と、こうおっしゃったのでありますが、これはまるで皆さんがまちまちで計画を立てておられる証拠である、こう思うのであります。火災が一番重要であると私は思っております。こういうものに対する施設を何ら考慮の中に入れていない、こういうことは私は、管理者が違うからということだけでは事が済まないと思うのであります。管理者が違うなら港湾管理者のほうに、こういう計画を立てるから一体これに対しておまえのところの意見はどうか、こういうことをなぜ諮問されないのですか。私はこのことを強く追及いたしたいと思うのですが、お考えを伺いたい。
  40. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 お答えいたします。  この港湾整備緊急措置法によりますと、「港湾施設建設又は改良事業であって、運輸大臣が施行するもの及び港湾管理者が施行し、かつ、これに要する費用の全部又は一部を国が負担し又は補助するもの」それから外貿埠頭公団の事業、こういうふうになっておりますので、お話しのような、そういう消防施設とか通信施設とか船員サービス施設を無視しているというわけではございません。この基本施設改良するということがまず先決でございまして、そのほかに通信施設とか消防施設とか船員の施設とか、そういったものはまた別途の法体系なり、あるいはまた別途の方法整備されていくものだと私は思うわけでございます。  なお、海上保安庁の長官でございますとか管理者もその会議には出ておりますし、またこれは国がつくって強制するものでもなくて、港湾法の精神に基づきまして港湾管理者計画も十分に尊重して、その中から国の計画として管理するわけでございますから、お話のように通信施設、消防施設、船員サービス施設を無視といいますか、基本施設と全然関係なしにその面がおくれるということはなかろうと思うわけでございます。その点につきましては十分連絡をとりたいと考えております。
  41. 山下榮二

    山下(榮)委員 大臣が来てから二、三お伺いすることがありますが、しかしいま局長はそういうことを無視するわけじゃなかろうと言われるが、港湾局長という最高の責任者がそういう考えを持っておられたのでは、将来が思いやられるのです。やはり自分は港湾局長として、全国の港湾にはこれこれのことを要求して確立させるのだ、これくらいの気魄とそれくらいの理想を持っておられなければ、全国の港湾を支配し、指導し、育成していく、こういうことにはならぬと私は思うのです。もっと積極的に、それぞれ立場は違うのでしょうけれども、何というても港湾局長がそんなたよりないことを言っておったのでは心細うて、船乗りもかなわぬのじゃないかと考えます。もし火事でも起きたら一体どうなるのか、こういう心配をいたすのであります。もう少しそういう方面に対しても——権限外であるかもしれません、あるいは港湾管理者がせなければならぬ仕事であるかもしれません。しかしながら、かりそめにも港湾局長という資格を持っている限りは、それらの点に万般の配慮をするということが港湾局長の当然の責務でなければならぬ、私はかように考えておるのであります。今後はぜひそういう方面にもひとつ深く思いをいたされて指導されることを希望いたしまして、しばらく大臣が来るまで松本さんと交代させていただきます。
  42. 大野市郎

    大野委員長 松本忠助君。
  43. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 大臣の御出席が後ほどあるようでございますので、大臣が御出席になったらまた大臣に関する質問をさせていただきます。とりあえず御列席の方々にお願いいたします。  港湾局長にお願いするわけでございますが、五カ年計画が四十三年度から設定されまして、四十七年度の完了時までにまた再度手直しをするようなことはあるかないか。今後の各種の事態の発生を十分織り込んで新五ヵ年計画は組まれてあることと思いますが、一兆三百億をどれから推算したか、その根拠について説明を願いたい。
  44. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 五カ年計画規模といたしまして、一兆三百億ということにいたしたわけでございます。昨年改定されました経済社会発展計画に基づきまして現在、大体の貨物量を予測いたしますと、十五億トン程度になるわけでございます。したがいまして、こういうような計画から巨視的に見まして一体どのくらい必要になるのかという問題がございます。これはさきの経済計画におきまして一応そういう全般的なことを考えまして、八千四百億ということにきまっておるわけでございます。八千四百億というのは物価の問題が多少ございますので、私どもいまの物価に換算いたしますと九千二百億ぐらいであろうと考えております。その九千二百億というのは、実は四十二年から六年まででございます。今回の一兆三百億は一年ずれておるわけでございます。したがいましてそこに千百億くらい多くなっておりますが、この点につきましては、あとにいくほどだんだん投資が多くなるということから考えますと、おおむね一兆三百億くらいでよかろうと考えたわけでございます。また、これは非常に推計的な問題でございますけれども貨物を扱うのにどのくらいの換算岸壁延長と申しますか、そういうような考え方もございまして、大型岸壁に換算いたしまして、現状は大体一メートルの岸壁で千百七十トンぐらい扱っているという平均になるわけでございます。実はそれがだんだん少なくなるほどいいわけでございまして、欧米の港でございますと七百トンとか五百トン、つまり扱う貨物量に比較いたしまして施設が非常に完備してくることになります。この計画でいきますと大体千百二十五トンというふうに私ども推定しておりますが、貨物量を比較すればいまよりは施設のほうはよくなるというようなこと、それからまた財政その他から考えますと、御承知のように今年度から毎年毎年二〇%ずつの上昇になる。この二〇%というのは財政的に考えますと、過去の公共事業の伸びから見ますと一五、六%じゃなかろうかということもいわれておりますが、そういうところから見ましてこのくらいが一応妥当じゃなかろうか。いろんな方面から勘案いたしまして、大体そういうことにしております。
  45. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 そうしますと、いろいろの要素を織り込んだ、あくまで推定であるということですね。そうすると、途中においてまた手直しが考えられるわけですか。その点についてお伺いします。
  46. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 過去の計画は同じような手法でやりましたのが四年間、この第一次計画は四年間続けております。第二次計画は、今回のようなコンテナとか海運界の革命というような問題がございましたので、三年間で終わりのようなことになろうかとも思いますけれども、私どもは過去の経験を生かしまして、途中で情勢変化があった場合のための調整項目と申しますか、この中に流動的にやるために調整項目の幅を少しよけいにとりまして、いろいろ輸送状況が変われば途中でそれに応じ得るような計画の体系にしておきたいと考えておりまして、なるべく長続きさせたいと考えております。
  47. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 いまもお話のありました調整項目についてでございますが、現在の五ヵ年計画事業費の中で調整項目として計上されているものが五百五十億、これについてどのような状況でこれが取りくずされたか、すなわち年度別にいかなる事業にどのような不足が生じて、それに対してどのように支出されたか、このことについてお答えを願いたい。
  48. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 詳細な資料について、どのようなものかはいますぐ申せませんが、実は調整項目にいたしましても、毎年毎年の事業要請もございます。つまり計画はきまっていましても、それ以外に、たとえば産業関連事業とか、こういったものは、毎年毎年出てくる事業でございますが、その他の事業につきましては、各港の計画が変わるわけでございます。おおむね概略的に申しますと、五百五十億というものは外貿関係の港、それから船の大型化に対応いたしますところの水深の増と申しますか、各港でいままで五メートルでよかったのが七メートル半にしてくれ、こういう途中のいろいろな要請の変化がございまして、各港ごとに毎年毎年の予算要求の段階でそういう変更をいたしております。
  49. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私がお伺いしたいのは過去の実績なんですよ。要するに五百五十億計上されているものが、単なる推算でなくて、四十年からの状態においてどのように出たかということを聞いているのです。現実の問題として、四十年度、四十一年度にはもうすでに支出されて事業ができたわけです。そう私は思うのです。であるならば、その四十年度に出たのは幾らか、どのような事業に使われたのか、あるいは四十一年度にはどういう事業に幾らだけ足らなくて、そこから流用したのか、これを聞きたいわけです。
  50. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 いま詳しい資料は手元にございませんですが、五百五十億の調整項目は、そういう毎年毎年の要請に従いまして支出していると思います。
  51. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 非常にどうも港湾局長の答弁に誠意がないと思うのですよ。いま手元にないのならないで、あとから資料を提出しますとか、そういうお話があってしかるべきじゃないかと思うのです。
  52. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 それでは後日資料を提出いたします。
  53. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 少なくともいままでに起こった問題、過去の問題でありますが、そういうものは集計ができてなければならないと私は思う。そういうものがかってにほうり出されているところに問題があると思う。少なくとも国費を使ってやっていく大きな港湾事業でありますから、その元締めであるところの港湾局長が、新五カ年計画を設定するについても調整項目を相当今度は見込んでいる。しかし、それはあくまで見込みですから……。しかし過去の、要するに五百五十億に対してどのように使ったということがわからないようでは困ると思うのです。この点については、すぐ資料を提出をしていただきたいと思います。後ほどでけっこうでございます。  それから次に伺いたいことは、新五カ年計画地方単独事業費が計上されましたのは幾らでございましょうか。
  54. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 今回の四十三年から始まる計画におきましては、千二百億円でございます。
  55. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 一千二百億、承知しております。国の負担すべき新五カ年計画の総額は八千億でございますが、それとそれぞれ対比してみましたときに、地方単独事業費のほうは六百五十億が千二百億、こうなるわけですね。ですから一・八四倍になる。国の事業費の総額は、四千八百五十億が八千億になるわけですから一・六五倍です。そうすると、地方単独事業のほうが伸び率が高いのはどういうわけでそのようにしたのか、この点を説明してもらいたい。
  56. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 地方単独事業と申しますのは、地方単独の事業を、維持補修とか小規模事業を八百七十億円見込んでおります。それからもう一つ、結果的にこの単独事業になる、つまり埋め立て事業と申しますか、これは別途の財源で埋め立て事業をやりますと、その計画した航路から土を取る場合がございますが、これが三百二十億というふうに考えております。内訳はそういうことでございます。またもう一つ、言い忘れましたが、災害復旧事業との合併のための事業が十億でございます。  この内訳はそういうことでございますが、いま御質問趣旨は、単独事業の伸び率が一般事業に比較して大きいのじゃないか、こういうお話でございます。私どもこれにつきましては、一応単独事業と申しましても、機能施設の千百億というものと実は合併して考えたほうがいいのじゃないか。つまり、逆に申し上げますと、一兆三百億の中で、国費の入っているこの整備事業でございますが、これが八千億でございます。前の計画で申しますと六千五百億という計画の中に、四千八百五十億というのがこの国費の入った事業でございます。この比率をとりますとそう違っていないというふうに私ども考えておるわけでございます。単独事業がどのように使われるかということを私ども存じておりませんので、この単独と整備事業をあわせたもので言ったほうが妥当ではなかろうか、かように考えております。
  57. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 時間もございませんから次に移りますが、新東京国際空港が成田にできました場合に、航空燃料が当然千葉港から揚陸されてこれが陸送されるというふうに考えるわけでございますが、この点はどうでしょうか。具体的に言うならば、パイプで輸送するとか車両によって運搬するとか、また他の方法によるとか、こういうことが考えられるわけでございますが、一体四十六年度に新空港が開設されたときには航空燃料がどれくらい補給されるのか、そうなった場合のタンカーの入港状況等はどういうふうになるのか、この点についてお答えを願います。
  58. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 お話しのように、パイプライン輸送ということが考えられるわけでございまして、現在のところ千葉、あるいは鹿島かもしれませんが、そういったところからパイプライン輸送で送ったほうが効率的ではないかと考えられるわけでございます。
  59. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 タンカーの入港状況については。
  60. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 タンカーにつきましては、航空燃料の量その他は私は詳細に存じておりませんけれども、東京湾の中にも相当製油所がございますし、こういうところから……。東京湾が飽和状態になれば、やはり鹿島ということが考えられるのじゃなかろうか。数字的にタンカーがどういうふうになるかということは、いますぐ手持ちの資料はございませんが、東京湾のタンカーがふえますればまたそのような対策ということも考えられるわけでございます。
  61. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 少なくとも新国際空港については、国をあげての、また現政府としても重要な施策の一環でありますから、航空局長港湾局長とは同じ運輸省の中で机を並べている仲でございますから、これらについて当然横の連絡があってしかるべきではないかと私は思うわけでありますが、そういうことに対して放置されている点を非常に残念に思うわけでございます。この点はぜひとも早急に立案をされておくべきではなかろうかと思うわけです。  それからもう一点お伺いしたいことは、東京湾内の陸沿いに、もっと具体的に言うならば、八重州口のほうからたとえば京橋、勝関橋、あの辺からずっと東京湾の湾沿いに、防波堤をかねたところの高速道路をつくって、もちろん現在埋め立てをしておりますので、その埋め立ての外側に新空港への、東関東高速道路に接続するというような構想はないかどうか、この点、東京湾の様相を大きく変えていくことになると思いますので、どのように考えているか。
  62. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 いまのお話は、東京湾の湾岸道路だろうと思います。これにつきましては、埋め立て地を通りまして、東京付近で百メートル、あるいは千葉に行きまして五十メートル、こういった幅の湾岸道路建設省のほうで計画されております。
  63. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それでは次に伺いたいことは、清水市の入船町三の十二というところに、鈴木与平という人を社長としたところの鈴与株式会社というのがあります。この会社はどのような営業をしている会社でございますか、この点を伺います。
  64. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 港湾運送業者でございまして、資本金三億程度で、港湾運送事業法によりますところの無限定一種の免許を持っております。また船内荷役、はしけ荷役、沿岸荷役、いかだ荷役、こういったものの免許も持っております。
  65. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 倉庫事業は持っていませんか。
  66. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 倉庫事業は持っておりません。
  67. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 聞くところによりますと、この会社は、火葬場だけは経営していない、その他一切の事業をことごとく経営しているというわけでありますけれども、直系、傍系、あるいは資本を出して役員を送り込んでいるというような会社がどれくらいあるか御承知でしょうか。
  68. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 私、不勉強で存じません。
  69. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私が調べたところによりますと、かなりのものをこの会社は直系、傍系で持っております。傍系の会社では鈴与自動車株式会社というのがあります。これは観光バスからトラック輸送、これの社長は鈴木与平氏の実弟の鈴木要二氏がやっているそうであります。建設関係では鈴与建設株式会社、これは土木、建築等であります。それから練炭工場までやっておりますが、鈴与練炭。石油のほうでは日石の県下の総代理店をやっておって、鈴与石油。ベニヤ板の製造の富士合板。それから石炭荷役、砂利あるいは外国輸入のチップ、これらも鈴木要二氏が社長をやっている清水港石炭埠頭株式会社。それから富士いすゞ、静甲いすゞ、これらは全部自動車の販売会社、こういうのが傍系だ。それぞれ自分の実弟要二氏とかあるいは辰衡氏、そういう方が社長になっている。それから資本金を出資して役員を送り込んでいる会社、三保造船、港トラック、清奄トラック、静岡マツダ、青木運送、こういうのがあります。  そのほかにもいろいろあるようでございますが、このような会社を一手に切り回している。そして、さすがの日通さえも、この静岡においては店舗を張ることができない、隠然たる勢力を持っているわけでありますが、市民は表面切ってこれに対して反感をあらわすことができないので、やむなく涙をのんでいる事実がたくさんあるわけであります。鈴与に反感を持ったために仕事のじゃまをされて、そして破産をしたというような例は、枚挙にいとまないほどあるわけでございますが、このような暴力、圧迫を許しておいていいかどうか。またこの鈴与に対して、運輸省としては監査をしたことがあるかないか、これらの点について二点伺いたい。
  70. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 私もいま初めて聞きますが、私の知っている限りにおきましては、つまり港湾運送業が私の監督でございますが、まだそういう監査をしたことはないように考えられます。
  71. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 これは希望でありますが、一ぺん監査をなすったほうがいいと思います。大日通も監査をしないで放置しておいたがゆえに、あのような状態になった。いまさら、大臣が特別監査等を言っておりますけれども、そうなってからではおそい。いろいろなうわさが飛んでおるわけでございます。どうか港湾事業について、まず、当面の責任者である港湾局長が監査に乗り出されることを私は希望しておきます。  そこで、自動車局長がお見えでございますのでお伺いしておきたいわけでありますが、名古屋に陸運局があります。もちろん、名古屋の陸運局は、富山県、石川県方面から、岐阜、三重あるいは静岡までも管轄に含んでいるわけでございますが、特に静岡県におけるところの運送関係の免許、たとえていうと、貨し切り貨物にしてみても限定の免許にしてみても、一切の免許がこの清水の鈴与の事前承認がないものは免許されないということが、東海方面の定説になっている。言うならば陰の陸運局長であるということがいわれているわけでありますが、この事実を局長は御存じかどうか。
  72. 鈴木珊吉

    ○鈴木(珊)政府委員 そういう事実は現在、私耳にしておりません。
  73. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 耳にしてないとおっしゃればやむを得ませんけれども、私は具体的な事実を数件握っております。その被害者の名前を出すことは差し控えたいと思っておりますが、これは言うならばお礼参りがある、そうなったのではその被害者がかわいそうでございますから、この席では私は名前を申し上げるわけにはまいりませんが、たとえば鈴与にさからった者に対しては徹底的ないやがらせをやるわけです。そして、仕事の面でも精神面でも、あらゆる面から徹底的にいやがらせをするために、ある者はノイローゼになり、仕事ができなくなって、ついに破産した。もちろんいけないことではございますけれども、白のトラックで運搬をやっておる、こういう業者があるとします。当然いけないことでございますけれども、これを写真をとって鈴与が陸運局に送る。そのために車両の使用停止処分を受けた者が、数件あるわけです。もちろん同業の場合は、見て見ないふりをしているという場合もあるわけです。あるいは自分の下請に使っているという場合もあるわけです。そういう場合には白トラをがまんして内緒で使っているわけでありますけれども、鈴与の場合は自分の配下で白トラを使って下請をさせている者がだんだん勢力が増してくると、いま申し上げたような、白トラで仕事をしている写真をとって、それを陸運局に送って、仕事をやめさせてしまう、こういうふうなことが再々あるわけであります。  自動車局長、一ぺんこの実態を見ておくべきではないかと私は思うわけです。一つの例をあげてみますと、田子ノ浦港というのができました。これは港湾局長も御存じと思います。この田子ノ浦港ができまして、ここでチップを水揚げしまして吉原の製紙工場へ輸送するという方法があります。これは田子ノ浦と吉原の距離とそれから清水と吉原の距離を考えればへどちらが短く、どちらが長いかははっきりおわかりと思う。そこで、この田子ノ浦港では非常に便利にチップの水揚げ、そして輸送ができるような設備ができたにもかかわらず、田子ノ浦のほうではごく一部分しか扱われていない。そして大部分はいままでどおり清水港において鈴与の手にかかって、あの混雑する東海道を吉原まで運搬しているわけであります。距離が長いのですから、当然運賃も清水−吉原のほうが高いということはうなずけると思う。運賃も高いのを払い、しかも混雑に輪をかけて輸送をしている。この状況は、量が量だけに、相当な量があるわけですから、これをそのまま放置しておくべきではないと私は思うわけですが、自動車局長はこれを改善する指導をする意思があるかないか、この点を伺っておきたい。
  74. 鈴木珊吉

    ○鈴木(珊)政府委員 突然の御指摘でございまして、いまここで具体的に私実態をつかんでおりません。たいへん申しわけないと思います。そこでさっそく出先を使いまして、実態を調べさせたいと思います。その結果非常に不合理なことがあるとか、非常に不当なことがあるとかいうことが出ますれば、さっそく改善させるように指導していきたい、こう思っております。ただし、その海上荷動きの関係はどうなっているかという問題も多少あるかと思います。したがいまして、そういう点もうちの陸運局の出先だけじゃなしに、関係地方の海運局の出先等とも相談させまして、実態を調べさせたいと思います。いずれにしましても、そういう点で不当な点があれば直させるように指導していきたい、こう思っております。
  75. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 労働省の方に伺いたいわけでございますが、鈴与が清水市におきまして大工場の運搬、荷役等一手に引き受けておるわけです。たとえて言うならば、豊年製油であるとか東亜燃料、日本軽金属、日本鋼管、日立製作所、武田製薬、巴製紙、小糸製作所、合板、日本冷蔵、このように輸送の面あるいは倉庫の出し入れ等については、一切鈴与がその仕事を引き受けている。こういう会社にすべて鈴与の手を通じて労務者が送り込まれているわけでございますが、この事実を御存じかどうか、調査したことがあるかないか、お伺いしておきたい。
  76. 保科真一

    ○保科説明員 清水に鈴与という会社があるのは存じておりますけれども、そういう調査につきましては県安定所を通じてやらせておりますので、ただいま調査したことがあるかどうかはっきりした事実はつかんでおりません。
  77. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 特に、労務提供については問題があるかないか調べてみていただきたいと思うわけです。昨晩の夕刊にも、暴力団の私設職安が一斉摘発を受けた記事が載っております。要するに、ピンはねが一億円にもなっている、こういう記事が載っておりました。清水の鈴与に限ってそういうことはないと私は信じておりますけれども、いろいろ労働者から私のところに手紙がきておりますので、その点について一応お調べおき願いたいと思います。またそういう事実があったならば、労務供給について労働大臣が許可を出しているならともかく、その点についてよくお調べをしていただいて善処されるようにお願いしたいと思うわけです。  次に、港湾局長にお伺いしたい点があります。清水木材倉庫株式会社というのがあります。この社長は先ほどから申し上げております鈴与こと鈴木与平氏でありますが、専務は安藤真佐志という方です。重役には市議会の議長で鈴与株式会社の常務取締役である斉藤氏というのが名を連ねております。この会社は県から清水港内の一部の水面の使用許可を受けまして、貯木場を経営しているわけでございます。この会社に対して使用許可を与えている面積がどれくらいあるか、港湾局長御存じですか。
  78. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 はなはだ申しわけございませんが、払いま存じておりません。
  79. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私のほうの調査によりますと、五十一万平米ございます。もちろん、面積を御存じないわけですから、使用料金が幾らになっているかということについては御存じないと思いますから、一応申し上げておきますが、一平米五円の割りになっております。この貯木場は県が施設をいたしまして、木材を係留するブイも設置されている。ブイまで設備して一平米五円で県が貸しているわけです。現在清水の港内では、もうやってはおりませんけれども、数年前までは養殖真珠をやっておりました。ところがこの養殖真珠の業者には、その当時何の設備もないのに、一平米十円で県は貸していたわけです。一方は設備をして五円、一方は設備なしで十円。しかも物価は年々上がっているわけでございますから、当然高くなっていいわけだと思う。清水木材倉庫株式会社に対する料金は、私は不当に安過ぎるのではなかろうかと思う。この点について改善すべきだと思いますが、県に対して手を打つ考えがあるかないかお伺いしたいわけであります。
  80. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 御指摘の点、いま初めて聞きましたので、さっそく調査いたしまして、どういう理由で差があるのか、その辺の金額は妥当なのかどうか、それを調査した上で改善すべき点があれば改善するように努力いたしたい、かように思っております。
  81. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 県から借り受けておりますのは、いま申し上げたように一平米五円でございますが、これを貸しているわけです。ということは、木材の工場等に対して料金を取って貸している。その料金が木材一立米当たり三十八円となっております。これも近く四十一円に値上げしたいということで、お得意さんであるところの各木材会社を訪問しては値上げに関する同意書を集めているのが現状であります。一平米五円で借りたものを一立米三十八円で貸しているわけです。むずかしい専門的な計算はやらなくても、相当高いこと、差額があることがうなづけるわけでございます。公共の施設を借りて、しかもそれを利用してこのような暴利をむさぼっておるということについてどう思われますか。
  82. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 暴利をむさぼっておるかどうか、私もにわかには判定しがたいのですが、いろいろな経費が要るのかどうかわかりません。これも先ほどの県から貸与しておる料金とともに、さっそく調べて、不都合があれば改善するようにしたいと思います。
  83. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それでは自治省の行政課長に伺いますが、地方自治体の特別職にある者は、民間会社の役員になれるのかどうか。
  84. 林忠雄

    ○林説明員 これは、原則としてなれます。ただその民間会社がその地方団体に対して請負をやっておる場合、その請負の業務量が相当にある場合は、これはなることを禁止されております。
  85. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 半官半民のような会社の場合は、どうでしょうか。
  86. 林忠雄

    ○林説明員 半官半民と申しますと、団体がたとえば出資をしておるというような意味をおさしになるのでございましょうか。
  87. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 具体的に申し上げますと、静岡県なり清水市なりが出資をしておる、また鈴与も出資をしておる、こういう会社があるとします、この会社に対して、地方自治体の特別職にある者が役員になれるかどうか。
  88. 林忠雄

    ○林説明員 資本構成は法律上は一応問題にしております。したがって法律上は半官半民でも、あるいは純粋の民間の会社でも、その会社の業務量の相当部分が、その地方団体に対して請負をするという関係にある場合は、就職は禁止されております。なお、地方団体の出資しておるような半官半民の公共的な目的を持った法人である場合、特別職が役員になることは禁止しておりませんが、それから報酬をもらうということについては、すべて遠慮するように指導しております。
  89. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 もちろん地方自治体の特別職としてりっぱな給与をもらっておるわけですから、二重取りということはいけない、これは当然のことだと思います。いろいろお話によってわかりました。法的には一応許されておるとしても、地方自治体の特別職という重要なポストにいる者が兼職しておるということ、この点について私は道義的にどうも許せないと思うのですが、この点はどうでしょうか。
  90. 林忠雄

    ○林説明員 特別職でも特に常勤の市長とか、そういう者についてはむずかしい問題になると思います。ただ議会の議員である場合は、これは常勤職ではございませんし、その議員さんがそれぞれ別に自分のお仕事をお持ちになるということは、これはあえて禁止しておりませんし、そういうことも十分あり得ると思います。
  91. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 ただいまの回答の中で、地方自治体の長、これはいけないわけですね。
  92. 林忠雄

    ○林説明員 長がその会社の役職員を兼ねまして、そこから報酬をもらうということになりますと、長は三百六十五日、日祭日以外は常勤になって出ておるというたてまえでございますし、それに対する報酬は地方団体から十分もらっておりますので、別の役職員を兼ねて、さらにそちらから報酬をもらうということについては批判的でございます。議会の議員の場合は、本職というものがそれぞれおありの場合がございます。
  93. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 いまのは議員さんでなくて、市長が現職の重役になっておる。これは清水埠頭株式会社というのです。この会社は社長が鈴木与平氏の実弟の要二氏でありまして、この人も元清水市の市議会の議長をしていた人です。重役には現職の静岡県の土木部長の片山忠夫氏、あるいは清水の市長の佐藤虎次郎氏も名前を連ねておるわけです。監査役には静岡県の出納長の鈴木健一氏がなっております。この会社の資本構成は、静岡県が七万五千株、清水市が七万五千株、鈴与が九万株、一般の小口が六万株となっていまして、総額一億五千万円という資本金でございます。この構成を見ましても、鈴与がなぜ九万株も持っているのか。県なり市が七万五千株ずつでございますが、鈴与が特にひとりで九万株も持っている点について、私はちょっと疑問をさしはさむわけでございます。この辺の事情について御存じがございましょうか。あったればお答えをいただきたいと思います。
  94. 林忠雄

    ○林説明員 私としては初耳でございます。ただ、いまのおあげになった重役の場合、それが無報酬であれば、そのことについては問題にならぬと思います。
  95. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 現在またこの清水埠頭株式会社は増資をもくろんでいるわけでございますが、県は増資をしぶっています。その辺の事情について、この間、県会で土木部長から答弁がありましたが、それは近く民間会社に払い下げをする意向があるから、増資はしたくないというような意味のことだったそうでございます。民間会社に払い下げするということは、おそらく鈴与の経営する会社にていのいい肩がわりをすることをさしているのではなかろうかと推測するわけでありますが、こういう点に対して自治省では指導をする必要があるものかどうか。そのまま放置しておいてもいいものかどうか、こういう点について見解を承っておきたい。
  96. 林忠雄

    ○林説明員 ただいま問題になりました具体的な件に関しましては、現在何の予備知識もございませんので、御批判申し上げるわけにはまいりません。一般的に申しまして、県なり地方自治体なりが出資をして一つの法人をつくるという場合は、必ずその法人の仕事は半ば公共的な目的がそこにあるものである場合が通常でございます。そうなりますと、それを今度は民間に払い下げるといいますか、県なり市が出資を引き揚げるという場合は、あるいはその公共的な目的がなくなったから、あるいはもう民間にまかしても、一つの軌道が敷かれておって、あとは公共的な目的を十分達成できる、そういう判断によってそういう行動をとるようになると思うのです。したがって、現在のケースがどういう経緯に基づいて県、市が出資し、また近く、どういう経緯に基づいて県、市が出資を引き揚げることになったか、その辺の事情を十分調査した上でなければ、具体的な問題については御批判できません。
  97. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 運輸大臣、御出席でございますのでお伺いしておきたいわけです。日本通運は本来の事業を忘れて、いわゆるラーメン屋までやっているというようなととをいわれて、各種の事業に進出して大問題を起こしておることは御承知のとおりと思いますが、いま話題になっております清水の鈴与もこの轍を踏むことを私はおそれるわけです。そればかりでなく、清水の市議会の四十四名の定員の中に、革新系の十念名を除いて、ことごとく鈴与の息がかかっているということであります。市議会の過半数以上を制し、議長は鈴与株式会社の現職の常務取締役、副議長もと鈴与株式会社に勤務した人である。こういう点を聞きますと、日通は現在、参議院にもあるいは衆議院にも関係者がそれぞれいるそうでございますが、鈴与はまあ少しスケールが小さいと申しますか、清水の市議会を押えているわけでございます。このような事業の独占、政治の反民主化、独裁化は避けるべきではなかろうかと思うわけでございますが、大臣の御見解をお聞きしたいわけです。さらに鈴与の関係の通運会社、あるいは関係の倉庫会社、あるいは港湾会社等について、運輸大臣の監督下にある業種について、いままで監督はしたことがないそうでございます。先ほど港湾局長からお伺いしました。これに対して監査をする意思があるかないか。やるとするならばいつごろやるかをお聞きしておきたい。
  98. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 おそらく倉庫業法とかその他の業法で定期監査みたいなことを私はしているだろうと思いますが、実情をよく調査いたしまして、行き過ぎがあれば適当な措置をとることにいたします。
  99. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それから先ほど成田の国際空港の油の輸送の問題につきまして、港湾局長に伺いました。パイプで輸送する計画があるという話を聞いておりますが、これらの輸送、補給をめぐりまして早くも黒い霧の発生を見ているという話を聞いておりますが、この点について大臣はどう思われますか。
  100. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大里 黒い霧が発生しておるというようなことはないだろうと思います。パイプラインの申請がだいぶ前にあったということは、公団総裁から聞いておりますけれども、いま土地の取得で一生懸命やっておる情勢で、そっちのほうの仕事は目下のところ休止状態でありまして、その認可とか許可とか、そういう問題はまだ全然知っておりません。
  101. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それから港湾局長に、もう二点ばかり聞いておきたいと思います。  それは、港湾施設であるところのクレーンとか上屋、こういうものはすべからく、公共の施設であるからだれにも開放されるべき性質のものではなかろうかと思うわけですが、清水港の現状を見ると、この中心部は全部鈴与が独占して使用している。この鈴与のやり方については、だれもが非常に不快に思っていながら何ともできない。こういう状態でございます。この港湾施設は公用すべきものであるかどうか。専用を許しておくものかどうか。清水港に限って鈴与以外の業者を認めないのはどういうわけなのか。この点について伺っておきたい。
  102. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 もともとは荷役機械というものは、港湾管理者がつくって公共の用に供しているわけでございます。しかしながら、埠頭の荷役の効率化という点から考えまして、多少専門的にならざるを得ないという点はございます。しかし、あくまでも公共は公共でございます。この点につきましては、いろいろ使用料金その他もございます。  それから清水のことでございますが、清水の港にはほかに二、三港湾の運送会社と申しますか、天野回漕店、青木運送というのがございます。私も上屋の使用の実態をよく存じませんですが、先ほど申し上げましたとおり、公共使用ということがたてまえでございます。
  103. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 時間の関係もありますので、次に移りますが、港湾局長に伺いたい点は、港湾建設にあたりまして自然の力を無視することはできないと思う。大阪港はあのような内港でありますけれども、外洋に接しておりませんけれども、非常に西風を受ける傾向が強い。神戸に比べまして、このために非常に発展がおくれていることも事実だと思う。大阪はあのような大工業都市でございますから、当然大阪港のほうが神戸港よりも積み荷の積みおろしともに多くなければならないと思うのがそうはいかないで、神戸港に負けているわけであります。また、北のほうに目を転じますと、北海道の小樽港は自然の暴威に対しまして徹底的にこれを検討されてつくられた港だそうでありまして、築港の模範とすべき港だということを私どもは伺っております。  そこで問題は、最近話題になっております鹿島であります。これは外洋に直接面してつくられた港であります。防波堤の設備はあるにしても、暴風雨のときにどこまでこれに耐えられるものか。また、砂の流れが運河を埋めるようなことはないのか。これらの点については十分検討されて着手したと思うのでございますが、この事前の準備等について港湾局長から伺っておきたい。
  104. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 鹿島に港を建てますときには二カ年、およそ三カ年かと思いますが、技術的に十分調査をいたしております。漂砂に対して埋まるかどうかという問題は、これは完全に解決したと考えております。また、台風と申しますか、波浪に対しては十分かどうかという問題は、これは掘り込みでございますので、掘り込みの中はほかの神戸、大阪、そういったいわゆるシーポート、こういう港よりも台風には強い、かように考えております。
  105. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 大臣に最後に伺いたいことがございます。鹿島港の背後にはいわゆる鹿島臨海工業地帯として着々開発されております約一千五百万坪といわれる広大な土地がございますが、これは私有地か、県有地か、国有地なのか、どれに該当しておるのかお伺いしておきたい。
  106. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 局長から答弁させます。
  107. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 背後の用地は、県と関係三カ町村が一部事務組合をつくりまして、そこで工業団地造成事業として買収いたして、その中で工場に売るべきものは工場に売り、あるいはまた公共用地として残すものは公共用地として残す、こういうことになっているようでございます。
  108. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 御承知のように、この鹿島灘の沿岸の土地は、非常に砂の多いところでありまして、しかも地味の非常に悪いところで、作物といえば落花生か、せいぜいサツマイモ程度しかできない。それも、三年に一ぺんくらいは一メートル近くも掘り返さなければならないというようなところでございまして、五、六年前は、ただでやるといってももらい手がなかった、こういうふうに言われておったところでありますが、この土地に鹿島の築港と時を同じゅうしてこの土地の開発に当たった会社があります。当時危険投資といわれておりましたが、この時期に、またたく間に周辺の土地を手に入れまして、現在分譲地として売り出しておる会社があります。その会社は茨城県選出の自民党の代議士さんで、党の最高幹部の一人と目される人も、たいへん熱を入れているということも聞いておりますし、また茨城県知事も非常に応援しているということを聞いております。また、その会社の資金が郵政互助会から出ているという話でございますが、この点、大臣は御承知でございましょうか。
  109. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私、よく知りません。
  110. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 この点について、地元ではたいへんな評判を生んでおります。まあ、中央の大臣は御承知ないかもしれませんけれども、この会社は相当な規模をもって宅地の造成をはかり、それを売り出して非常な巨利を博しておるし、またこれに対して、いろいろの黒いうわさが飛んでおりますので、鹿島の築港、そしてまた背後の工業地帯の建設について、いまわしいことが起きなければよいがと、私どもは危惧しておるわけでございますが、この点は特に御記憶にとどめておいていただいて、そういうことがないように、黒い霧などが発生しないように、清廉潔白な大臣であるところの中曽根大臣に、ひとつ十分目を光らせておいていただきたい。私は希望するわけでございます。  以上で私の質問を終わるわけでございますが、今回のこの港湾整備五カ年計画に対しましては、どうか政府においても十分新五ヵ年計画の育成に意を注いで、万遺憾のない運営に当たっていただきたいことを一言つけ加えておきます。
  111. 大野市郎

  112. 山下榮二

    山下(榮)委員 大臣に一言だけ伺っておきたいと思うのですが、先ほど港湾五ヵ年計画についてはそれぞれ関係局長に伺いました。そこで、伺いました点について疑問が一つ残っておる。それは何であるかと申しますと、御承知のとおり港湾審議会というものがございます。港湾審議会にはかってこの計画を立てた、こうおっしゃるのでございますが、港湾整備五カ年計画というのは、今日の近代国家の上から考えて、ひとり港湾だけでは事が済まないのであります。いわゆる海陸輸送と深い関連を持たなければならぬと思うのであります。したがいまして審議会で、陸上国鉄、あるいは道路の自動車運送に関する建設省、これらとどんな緊密な連絡と協議をなさいましたか、こう実は伺ったのであります。次官やいろいろおいでを願って相談をした、こういう答弁は伺ったのであります。しかし審議会の規定を読んでみますると、どう書いてあるかと申し上げますならば、第三条に「委員は、港湾に関し広い知識又は経験を有する者、関係行政機関の職員及び日本国有鉄道の役員又は職員のうちから、運輸大臣が任命する。」こう書いてあるのであります。これはことばのあやで、関係行政機関ということになりますと、建設省も入らぬわけではなかろうと思うのですけれども、この辺が明確を欠いておると私は思うのであります。今後の港湾五カ年計画というものは、われわれは一つの輸送革命を想像しなければならぬのであります。コンテナ輸送になり、海からおかに、おかから家庭に直送するという体制ができ上がっていかなければならぬと思うのであります。こういう重要なときに、この審議会で十分審議を尽くされて、これができ上がったのかどうか、このことを大臣に伺いたい、こう思っておるのでございます。  そこでこの報告書によりますと、三月二十二日閣議了解事項といたしまして、すでに御承知のとおり、港湾整備事業に八千億円、災害関連事業地方単独事業等に一千二百億円、合計九千二百億円、それに港湾機能施設整備に一千百万円、合計一兆三百億円を閣議で了解をされておるのであります。これに基づいて立案をされて事業を遂行されるのであろう、こう思うのですが、そこで審議会委員であります。ここにこう書いてございますが、審議会委員に船を動かす海運関係の者が一人も入るような機構になっていないというのは一体どういうわけでしょう。私はきわめて必要ではなかろうか、こう思うのですが、大臣はいかようにお考えになっておるか伺いたい。
  113. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 まず新五カ年計画でございますが、新五カ年計画は、これから港湾審議会にはかりまして、御審議をいただくことになるのでございます。なおその原案をつくる過程におきましては、建設省も含めまして各省及び地元の意向も取り入れまして、いろいろ協議をいたしまして、この原案はいま作成されておるわけなのであります。  それから港湾審議会におきましては建設次官委員になっておりますし、道路局長幹事をいたしておるのでありまして、審議会におきましても、そういう関係各省との連絡協調は、構成上からもとれるようになっております。  また、海運のほうの委員でございますが、船長の協会から高田さんという方が一人入っております。それからパイロットの協会からも一人入っております。山下という人だそうであります。それから船主協会からも入っております。そういうわけで海運関係の方の御意見も十分聞けるようになっていると思います。
  114. 山下榮二

    山下(榮)委員 そうすると、パイロットの人が入っているということになりますると、日本の海上労働者の組合である海員組合というものも、それを通じて反映をするということになっておるのですか。それは組合外でありますか。私は少なくとも、十五万の海上労働者の組合の代表というのがこういう機関に入るということはいかに必要であるか、こういうことを考えるのですが、それはどういうことなんでしょうか。
  115. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 将来人員の交代等があり、あるいは欠員の補充等がある場合には考慮してもけっこうであると思います。
  116. 山下榮二

    山下(榮)委員 それではもう時間もないようでございますから、先ほど申し上げましたように、この五カ年計画に基づいて、陸海の輸送関係というのは、わが国経済、産業の発展もとより、国民の生活向上の上にきわめて大きな影響を与えるものと思うのであります。したがいまして、いま大臣のおっしゃったように、やはり海上で働く労働者の意思もこの中に反映するように、ぜひひとつ実現いたしますように希望申し上げまして、質問を終わります。
  117. 大野市郎

    大野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  118. 大野市郎

    大野委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出がありませんので直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  119. 大野市郎

    大野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
  121. 大野市郎

    大野委員長 次に、観光施設財団抵当法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。中曽根運輸大臣。
  122. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ただいま議題となりました観光施設財団抵当法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  観光は、国際親善の増進、国際収支の改善、国民生活の緊張の緩和等国民経済発展と国民生活の安定向上に寄与するものでありますが、このような使命をになう観光の振興をはかるため、観光基本法におきましては、外国人観光旅客の来訪の促進、観光旅行の安全の確保、観光資源の保護、育成及び開発、観光施設整備等のために国が必要な施策を講ずるものとしております。  これらの施策のうち、観光施設整備につきましては、民間企業に待つべき面が多いのでありますが、民間企業が観光施設整備するためには多額の資金を要し、しかもその大部分は金融機関からの借り入れに依存しなければならない状況にありますので、観光施設整備のための施策の一環として、その資金調達を容易にする必要があります。  一方、従来、工場鉄道、軌道、道路交通事業港湾運送事業等につきましては、これらの事業が土地、建物のほか、各種の機械、工作物等を一体として事業の用に供していることにかんがみ、民法の抵当制度を拡充するものとして、これらの事業施設等を包括して一体的に担保に供することができる財団抵当制度が設けられ、資金調達を容易にしております。  したがいまして、観光施設のうち、土地、建物以外の各種の機械、工作物等が設けられている遊園地、動物園、スキー場等につきましては、工作等と同様、財団抵当制度を設けることが適当と考えられるのであります。  この法律案の内容は、観光施設について財団抵当制度を創設することとし、対象となる観光施設の範囲、財団の組成物件等について規定するとともに、実際の手続は登記所において行なわれるため、工場抵当法の規定を広く準用することとしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようにお願い申し上げます。
  123. 大野市郎

    大野委員長 これにて本案に対する提案理由の説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。  次回は明後二十六日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することといたします。  なお、当日は港湾に関する件、特に港湾荷役の集約問題について、参考人として東京港運協会理事長大石信二君、日本海運貨物取扱業会理事大橋俊吾君、京浜港運株式会社社長菅井雅一君、大阪港湾事業協同組合理事長芳田大作君の出席を求め、意見を聴取することになっておりますので、念のためお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散