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1968-04-23 第58回国会 衆議院 運輸委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月二十三日(火曜日)    午前十時四十分開議  出席委員    委員長 大野 市郎君    理事 木部 佳昭君 理事 砂田 重民君    理事 徳安 實藏君 理事 福井  勇君    理事 山村新治郎君 理事 小川 三男君       阿部 喜元君    大竹 太郎君       小渕 恵三君    加藤 六月君       川野 芳滿君    菅  太郎君       西村 英一君    中川 一郎君       福家 俊一君    水野  清君       井上  泉君    板川 正吾君       米田 東吾君    渡辺 芳男君       沖本 泰幸君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中曽根康弘君  出席政府委員         運輸省港湾局長 宮崎 茂一君  委員外出席者         建設省道路局道         路経済調査室長 井上  孝君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 四月二十二日  委員松本忠助辞任につき、その補欠として中  野明君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員井上泉君及び中野明辞任につき、その補  欠として工藤良平君及び松本忠助君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員工藤良平辞任につき、その補欠として井  上泉君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月十九日  観光施設財団抵当法案内閣提出第七八号)(  参議院送付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第九九号)      ————◇—————
  2. 大野市郎

    大野委員長 これより会議を開きます。  港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。渡辺芳男君。
  3. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 昭和四十年度を初年度として、現行港湾整備五カ年計画策定をされましたが、実際の投資関係では、この三カ年間に約五〇%進捗をしているわけですね。この事業量関係は、物価の値上がりその他もあると思いますが、たとえば主要定期船港湾外貿岸壁七十八バースとか、あるいは一般港湾関係での外貿岸壁の七十九バースとか、それから内国貿易港湾関係の内貿岸壁が百十バースとか、ざっと計画に出ておりますが、この点の関係はどの程度実際には進展をしておりますか。
  4. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 旧五カ年計画の中の代表的なその数字のあらわれております外貿関係港湾バースだけでございますが、この点につきましては、全体で百五十七バース計画が四十二年までに八十三バースできております。したがいまして、これは比率で申しますと五二・九%でございます。それから内国貿易関係一般港湾でございますが、これは百十バース計画に載っておりますが、この中で五十七バース四十二年までにでき上がっております。したがいまして、これは五一・八%、こういうことになります。
  5. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 そうすると、岸壁関係バース建設状況というのは、当初予定計画どおり進んでいるわけですね。進んでおりますね。
  6. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 はい。
  7. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 予定どおり進んでいないという場面は、どういうところにありますか。規模を大きくしているのでしょう。そういう関係で私はお尋ねしている。
  8. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 特に予定どおり種別ごとにどうという問題はないかもしれません。個々港ごとには、そういう問題が出てくる。補償の問題その他によりまして、予定どおりここには出てきていない問題もあると思います。
  9. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 昨年新しく外貿埠頭公団がつくられましたが、海上コンテナ輸送現行の第一次五カ年計画というのですか、それには含まれていなかったわけですね。これが新しく新五カ年計画の中に組み込まれて行なわれていくことになりましたが、外貿埠頭公団関係以外に特に外国貿易関係岸壁増強などは、相当大規模にやるという計画がこの新しい内容に含まれていますか。
  10. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 外国貿易関係は主として外貿公団でございますが、御承知のように港が限られております。東京横浜、神戸、大阪、この四港でございますので、そのほかの港につきましても、港の需要量と申しますか、今後外貿が伸びるであろうという需要量に対処して、やはりそれ相応の整備した岸壁はつくっていくという予定でございます。もちろんこれから港湾管理者の御意見を聞いて検討いたすわけでございます。
  11. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 そうすると定期船バース専用船バース専用岸壁、こういう関係は新しい五カ年計画の中にはどういうところに重点を置いておりますか。いずれこの計画をつくった以上は、一応目安があるわけですね。いま考えられておる増強計画といいますか、この点を明らかにしていただきたい。
  12. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 ちょっと御質問意味がわかりませんが、定期船バースというのが、いわゆる外貿ライナーバースというものでございまして、外貿埠頭公団でやりますのもコンテナバースが二十二バース、そのほかにライナーバースというものも五十何バース相当数含まれておるわけでございます。専用バースのほうは、ちょっとどういう御質問意味かわかりませんが、私ども専用バースと申しますのは、公共事業ではやらない、つまり会社が専用的に使うバースでございますので、これは港ごとにそういう状況を聞いていかなければならないということになります。またその他のバースにつきましても、先ほど来申し上げましたように、名古屋とか四日市とか清水等岸壁整備してまいりたい、こういうことでございます。
  13. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 私の聞いておるのは、第一次港湾整備五カ年計画の中に多少内訳が出ておるわけですね。このバース増強建設計画というものは、予定どおり進んでおるとあなたは言っておるわけです。しかし、いま現実提案をされておる新しい五カ年計画というものは——特に国費関係で四千八百五十億円、こういうふうに当初策定をしましたね。ところが新しい五カ年計画でいきますと八千億、こう言っておるわけです。一体それだけの金額を投じてやる岸壁増強というものは、どういうところに重点を置いてやられているのか。そういうことを頭に置いて計画策定されておるのか。この内容が新しい五カ年計画にはわかっていないわけですね。この点を聞いておるのです。
  14. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 四千八百五十億という国費の入った港湾建設費が、八千億になるわけでございます。したがいまして、相当大規模岸壁整備計画が含まれるわけでございまして、公団関係だけでも、これは全部入れるかどうかわかりませんが、コンテナバースライナーバースは千億近いものがあるわけでございます。そのほかにも相当数外貿埠頭というものが入ってくる予定にいたしております。正確にいま各港ごと数字はまだ持っておりませんが、大体外貿港湾でございますれば、どこの港でももうこれで十分だという港はございませんので、相当数整備しなければならぬというふうに考えております。
  15. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 あまり机上の計画で議論してもしょうがないと思うけれども、それではちょっとずさんだと思うのです。たとえば、四十三年三月二十二日の閣議了解によりますと、一兆三百億の第二次五カ年計画を今年度から始める、こういつているのでしょう。この提案理由の最後のほうには、経済社会発展計画による港湾投資額昭和四十二年度から四十六年度まで八千四百億円であるから、新港湾整備五カ年計画はこれこれこういうふうに一兆三百億円になるが、あまり差がない、こういっているわけですよ。そうですね。これは作文だと思うのです。いずれにしても、第一次五カ年計画が三年度にして大幅修正をするということについては、それなりの根拠があるから、そこで私は聞いておるわけです。いま、個々の港がどうのこうのというのではなくて、確かに五大港をはじめとして重要港湾を、どれどれをどうやるのだということについては、あなたのほうはまだきめていないでしょう。だがしかし、総体的に、第一次五カ年計画よりも、約七〇%の金額を上積みをするわけですな。これは当初計画よりも、相当大幅な修正なんですよ。それを聞いているのだけけれども、どうも明らかになっていないから、逐次聞いていくうちに明らかにしてください。  次に聞きますが、産業港湾開発関係がやはり第一次五カ年計画には出ておりますが、そのうち国費が八百四十二億という事業費になっているわけですね。そこで新産都市あるいは工特地域整備促進法による港湾整備関係が、これに関連していると思うのです。この事業進捗状況は、一つ一つ尋ねていくとたいへん時間をとりますから、とりあえず、この五カ年計画に載っております開発港湾、これがどの程度進んでいるかおわかりですか。すぐわかりますか。
  16. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 ここに資料はございますが、ちょっとお待ち願います。——開発港湾というものを特に拾い上げてのいままでの集計は、現在のところ私のいま手持ちの資料にちょっと見当たらないような次第で、申しわけございません。
  17. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 それではそれに関連してお尋ねしますが、たとえば石油コンビナートを背景にした工特地域整備指定を受けておりますが、鹿島港の関係は、超大型タンカーの出入が予想されるので、当初の計画よりも、岸壁を含めて大体現在の倍近いような港湾設備にしなければやっていけないだろう、こういわれているのですね。新五カ年計画が非常に多額な投資にして計画をやっておりますが、現実にはこういうところに食われていくのかどうか、この点はどうでしょう。
  18. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 ちょうど数字が出てまいりましたので、前の質問にちょっとお答えいたします。新産都市関係の約八百四十億に対するものでありますが、四十二年度までに進捗率は五五%くらいでございます。  それからただいまの鹿島港の問題でございますが、これは十万トンを入れることになっておりましたのを、二十万トンを入れるように改めますので、相当な経費が新しく追加計上される必要があると思います。
  19. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 たいへん事務的でなんですが、そうしますと当初の第一次五カ年計画より、相当大幅に港湾整備計画修正をしなければいけないと思われる港湾が、いま頭の中で考えられていることでけっこうですが、一体どのくらいあるのですか。
  20. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 つまりいまの計画になくて、直ちに四十三年度からどうしても着工しなければならないというような港湾が、木材関係あるいは石油鉄鋼関係、大体私の考えでございますけれども、重要港百港ございまして、そのうちの半分か六割近い、こういうように考えております。
  21. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 そうすると定期船バース関係は、新五カ年計画でそれぞれ新しく大幅に修正をして投資をするというような関係はありませんか。五大港を中心にして私は聞いているのです。
  22. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 これは実は前の計画にはほとんど入っておりませんので、つまり公団埠頭は相当入ることになると思いますし、また五大港関係でも、前の計画に入っていない分、つまりこれは年が三年間ずれますので、その間のやはり総需要の増がございますから、これはやはりその港とも申しませんけれども、その周辺の港でさばくような施設はつくらなければなりませんし、やはり五大港も相当大幅な変更があると考えられます。
  23. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 わかりました。  次にいまわが国の港湾の中で、特に石油コンビナート関係で伺いますが、最大タンカーが出入りしているのは何トンの船が一番大きいか。それからタンカー以外で鉄鉱専用船などが大きいと思いますが、これらで一番大きい船は何トンですか。
  24. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 タンカーのほうでは出光丸だと思います。これは間違っているかもしれませんが、二十万トンをこえているだろうと思います。二十七、八万トンかと思います。これはもっぱらシーバースと申しまして、徳山の沖のほうで沖がかりでやっております。鉄鋼船のほうは、現在就航ははっきりいたしませんが、近く十二万五千トンというのが就航するというふうに聞いております。
  25. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 これらの船の満載喫水線は、私はしろうとで恐縮ですが、何メートルなんですか、そして、たとえば瀬戸内海等しゅんせつなり、東京湾しゅんせつなり、関門海峡しゅんせつなり、そういうことが大型化に伴って必要になってくるわけですね。そういう関係でひとつお尋ねするわけですが、将来、最大タンカーあるいは鉄鋼専用船の頭を押えるというふうな考えはないか。たとえば、最近よくいわれているように、五十万トンのタンカーをつくるぞということが宣伝をされておりますね。やはり港湾に出入りするには限度があると思うのです。こういう関係は、天井は別に考えないで、自由にそういう超大型船をつくらしていくのか、その出入りについてサービスをするのか、こういうふうな関係が出てくると思うのです。この点はどうでしょう。
  26. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 非常にむずかしい御質問でございまして、現在は、先ほどの出光丸の喫水が十七メートル半くらいございます。そのほかに、私どもあほうでは、港湾のほうは余裕水深というものをとらなければならないわけでございまして、現在備讃瀬戸は十九メートルにしゅんせつをいたしております。  なお、今後の大型タンカーあるいは大型鉱石船の大きさをこちらのほうから制限するつもりはないかというお尋ねでございますが、これは経済ベースのことでございますので、私どものほうの立場からいたしますれば、港湾投資が少なくて済むような地点でありますならば許容できるかとも思いますが、一般的に申しますと、たとえば東京湾とか大阪湾とか、そういう場所におきましては、公害と申しますか、安全というサイドからの問題もございます。それと、港自体の深さにも問題があります。したがいまして、トン数でいきますと、おおむね二十万トン程度まで、港湾のほうの掘るものにいたしまして水深十八メートルというところまでにとどめたいというふうに思っております。しかし、一部投資が少なくて港湾条件の非常にいいところがあれば、やはりある程度大型化に対応しながら港湾施設整備していかなければならない、かように考えております。
  27. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 大臣にお尋ねしますが、いまの関係ですね、たとえば、瀬戸内海は十七メートル程度であるとか、関門海峡水深は十一メートル程度であるとかいう話を、先日の委員会港湾局長から話された、そんな記憶がありますけれどもタンカーの超大型化に伴って、いま港湾局長言われましたけれども、政治の面の指導として、これから海上交通法ども提案をされる状況にあるようですし、片方では漁民の反対などが特に瀬戸内海なんかでは強いようですね、これらの調整ができていないから提案をされないと思うのですが、超大型化限度というものについてやはり考えていかなければいけないのじゃないか。これは、去年もドーバー海峡トリー・キャニヨン号の沈没などがあって大騒ぎになりましたけれども、私は、タンカー大型化については特に考えていかなければいけないのじゃないか、頭を押えるというようなことは考えていく必要があるのじゃないだろうか、こんなふうに考えるのですが、いかがでしょう。
  28. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 狭水道における交通のふくそうにかんがみまして、海上交通規制するということはぜひともやらなければならぬことであると思って、いまその用意をしておるところでありますが、一面お説のように、タンカーの大きさを規制するということも検討してみるに値することであると思います。最近石油会社等におきましても、何万トン程度が一番効率がいいかという計算や何かも進んでおりまして、必ずしも超大型の方向へ進むものとばかりは規定されないような動きもあるというように私ども聞いております。そういう経済効率の点なんかも考慮いたしまして、海上交通規制と同時に、タンカーの規格という問題も検討してまいりたいと思います。
  29. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 このタンカーの建造は、外航船舶計画造船の中では、大臣がいま言われたように、最高のトン数制限といいますか、規制というものは考えたほうがいいのじゃないか。私も、しろうとですから、これはよく検討しなければわかりませんが、しかし、自己資金でやって鹿島港などに入る場合に、あまりそう関係がないじゃないかといわれればそれまでの話だと思うのですが、ひとつ十分な検討をお願いしたいと思うのです。  そこで瀬戸内海やあるいは狭水道、それから湾のしゅんせつですね。港湾局長、いま一番緊急に迫られている港湾はどういうところの港湾ですか、しゅんせつ関係ですね。
  30. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 航路の問題だと思いますが、私ども、まず東京湾の入り口と申しますか、あすこが一番船舶がふくそういたしております。その次がやはり瀬戸内海備讃瀬戸関係被害が多うございますから、大体備讃瀬戸関係、それからあと各大港湾と申しますか、これは航路ということではございませんで、あまりにも船舶がふくそうするからということでございますので、大体以上の二つではなかろうかというふうに考えられます。
  31. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 先日横浜港の視察に行って感じたのですが、港湾整備陸上道路整備よりも比較的進んでいるような気がするのです。これは特に外貿港湾でありますから、いやでもおうでもやらなければならぬという切実さが対外貿易関係であると思うのです。コンテナ関係外貿埠頭公団の設立をするときにもお尋ねしたのですが、要するに、港の背後の陸上交通状況、これが整備されないと、特に五大港などの外貿関係港湾については、貨物の流通がうまくいかないのじゃないか、こういう隘路がまだあるのじゃないか。横浜港の場合でも、そういうことを盛んに言われておったのです。この関係建設省関係になると思うのですが、ちょっとお尋ねします。
  32. 井上孝

    井上説明員 いま東京湾周辺につきましては、私のほうで、東京湾岸をめぐります湾岸道路というのを計画を立てまして、昨年から調査をしておりまして、外貿埠頭公団等の稼働に間に合うように整備を進めたいと考えております。
  33. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 これは、東京湾関係はわかりましたが、阪神名古屋それから関門ですか、こういう関係も同時に計画をされていますか。主要港湾について私は聞いているのです。
  34. 井上孝

    井上説明員 阪神関門もすでに一部着工の段階にございますし、なお将来の需要に備えまして調査を進めております。
  35. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 自治省関係の人は来ておりますか。——それでは港湾局長にお尋ねしていきますが、港湾法の四十九条に、重要港湾管理者運輸大臣収支報告を毎年提出しなければいけない、こういうことがきめられておりますが、港湾局でこの実情を把握されていると思うのです。港湾の急速な近代化、それから整備増強などによって地方自治体の財政が圧迫されていると思うのです。その中で特に中都市などが比較的たいへんだと思いますが、そういう実態を運輸省として把握されておりますか。
  36. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 港湾財政につきましては、おもに私のほうでは六大港五大港と申しますか、そういうところの財政が非常に逼迫しておるということで、六大港のものは把握しております。地方中程度重要港湾でございますが、こういった点につきましては、まだそういうところまではっきりいっておりません。私どもとしましては、地方公共団体のほうへ、予算要求の際に、つまり建設事業をやるかどうかという際に、財政はだいじょうぶかということを聞いてやっておりますが、収支関係につきましては、やはり困っているということは聞いておりますが、はっきりとこの数字がどのくらいどうしなければならないといったところまではまだきていないように思います。
  37. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 そうしますと、主として五大港がなかなかたいへんだということですが、新しく開発をされている港湾、された港湾、こういう港湾関係でも相当な投資を初めからしなければいけない、こういうわけで、鹿島にしても新潟にしても、あるいは田子浦港などについても、たいへんな投資をされているわけですね。これらについては、運輸省として一体どういうふうな財政的な援助——これは特に県なども相当な援助をしていると思いますが、この法できめられているようなやり方以外にやっておりませんか。この点はどうでしょう。
  38. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 鹿島とか田子浦とか、そういう港はつまり開発的な港湾でございまして、これにつきましては、当初から大規模投資をするということで重要港湾に大体指定をしていく方針をとっております。つまり地方港湾重要港湾は、重要港湾につきましては五割、地方港湾四割でありますが、補助率はそういうことになります。  また開発的な港湾でございますと、いわゆる企業が立地するわけでございますので、埋め立て地に対しますところの起債ですか、これのあっせん——これは自治省関係でございますが、あっせんをいたしておりまして、地方団体としてはこの埋め立て地が非常に有効に売れれば財政収支はだいぶ好転するわけでございますが、その点は企業が進出するかどうかという点にかかっているのじゃなかろうか、かように思っております。それ以外にそう特に——まああと縁故債のいろいろ安い金利の、長いものにお願いをするとか、そういう側面的なあっせんはいたしておりますが、その他特にございません。
  39. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 特に開発港湾で、いろいろ派生した問題が起きてくる場合がありますね。たとえば、漁業の補償ども事前にやらなければならない。こういう関係はそれぞれやっておられますが、その港湾が完成をした後における思わざる支障といいますか、他に災害を及ぼすというふうなことが一つあるわけです。これはたとえば田子浦港の場合などは港を相当奥地までつくりましたから、地下水を揚げて製紙工場操業をしておるわけですね、あの地域で。ところが塩水が相当奥地までずっと港一ぱいに来ていますから、地下水にまじって塩水を揚げていく、こういう状況になりまして、製紙工場操業というものが一時ストップせざるを得ないような状況になった。あとでこれは関係者がそれぞれびっくりしているような状態であります。港が完成してからすでに五年にもなりますが、ようやくにして工業用水を富士川から引かなければならぬと片方大騒ぎをいましているわけですがね。いままではとにかく地下水を吸い上げてやっておったのですから、簡単に言えばただで使っておった。ところがちょっとした百人ぐらいの製紙工場でも、全く捨てるような水なんだけれども、月間五十万円なり八十万円の買い水をして操業をしているという状況にあるわけです。こういうふうなことが田子浦の場合は想定をされていなかったわけです。将来、あまりこういうことはないほうがいいのですけれども、そっちのほうは知らないという形になっておるから、操業している業者自体が、会社自体が損害をこうむっておる、こういうことになっておるわけです。私は、こういうのは非常に遺憾だと思っていますが、少なくともこういう大規模計画をつくる場合においては、幾つかの他に被害を及ぼすような状況というものがあった場合に、この予算で何か、私もよくわかりませんが、調整項目などあるのですが、これは建設に対してこちらのほうが少し金が要ったぞというふうな調子でやると思うのですが、私はある意味では、いずれにしても国のどこかの機関でこれは補助するというか援助するというか、そういうことを見なければいけない。港湾をつくる場合には、やはり運輸省の所管であるから、被害を他に及ぼしたのですから、親身になってやらなければいけないと思うのですよ。この点はひとつ頭に置いていただきたいと思うのですが、港湾局長、いまこういうこと以外に、そういうふうな陳情といいますか要請は来ておりますか。
  40. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 私も不勉強にして田子浦のいま先生のお話初めて聞きましてまことに恐縮でございますが、工業用水のことは、実は通産省のほうで工業用水の補助をやっております。港をつくります場合でも、私どもだけでということではございませんで、港をつくればどういうふうになる——企業立地の関係から通産省も工業用水の補助ということで関係してまいりますし、また建設省のほうも、交通量のほうから道路のほうにも関係してくる、こういうことになるわけでございまして、そのほかの工業用地のところで、いまのお話しのような、つくったあとで水の関係会社被害を受けたという話は、別にはまだ聞いておりません。
  41. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 まあ、その関係製紙工場が非常におこっているのは、五十億の工業用水道を建設するにあたって、受益者負担だといわれてまた金を出さされているところに問題があるわけですよ。これはことしから計画に入っているわけです。いま買い水をしておるのです。水を買っているのです。いずれにしてもこれは将来考えていかなければならぬことでありますから、また別の機会、場所でしたいと思います。いずれにしても頭に置いていただいて、こういうことは考えて将来やっていただきたいのです。  次に、避難港の改修も事業計画にのぼっていますが、この施行令の第一条の別表にあるこの避難港は、どこを重点的に改修をやっていくか。私はこの避難港については、端的に言えば漁船の遭難が非常に多い、そういう関係もありまして、重点的にそういうことを考えられてやっていると思いますが、そういう関係でどういう港が重点的にやられているかということをひとつお尋ねします。
  42. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 避難港につきましては昭和二十五、六年くらいから仕事を始めてまいりまして、大体現時点におきましてはほとんど完成をいたした港が多うございまして、あとそんなによけいはないと思います。おっしゃるように、やはりその整備の目標と申しますか、そういったものは、避難船がある、漁船にかかわらず機帆船にいたしましても、そういうところを重点的にやるようになっているわけであります。
  43. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 前に戻って恐縮ですが、ことしは千五十九億の事業費を総体的に予定しておりますね。このうち国の関係では、この予算書によりますと、五百七十三億余なんですね。去年よりは、国費だけでも一三十五億程度の増額だけですが、あと地方自治体の負担あるいは起債、こういう関係では支障なくやっていけるか。それからこの五カ年計画が大規模になって、まあまあこれでもやっていけるという見通しですが、国のほうの財政事情も硬直化だと騒いでいますが、それはそれなりに大型予算を組んでおりますから、やろうと思えばやっていけると思いますが、地方自治体の負担能力というものについて限界というものも当然考えられなければなりませんね。これは関係者とあるいは機関と当然相談をして新しい計画を具体的に立てられると思うのですね。この点は、まあまあいまの調子でいけばだいじょうぶやっていける、こういうふうな自信はありますか。
  44. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 もちろん地方財政につきましては、この計画策定するにあたりまして大蔵省なり自治省なりと御相談を申し上げたいと思うわけでございます。この計画は、ことしは昨年に比べまして事業量で一五%アップでございますが、明年以降は、このとおりいくといたしまして二〇%アップになるわけでございます。港湾事業費公共事業費に占める割合というものは、私の間違いかもしれませんが、たしか六%か七%くらいの程度だと思います。したがいまして、やはりほんとうにその必要性があるとなれば、そういう程度のものでございますので、大体いまのままでやっていけるのじゃなかろうか、かように考えております。なおまた、特に公団の事業が相当大幅にふえますので、この分は地方公共団体財政は軽くなるというようなことになるわけでございます。したがいまして、まあやっていけるのじゃないか、かように考えております。
  45. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 最後に一つ、これは推定ですからなんですが、第二次のこの修正五カ年計画策定する根拠は、全国の各港湾の貨物取り扱い量が非常に当初計画よりも膨大に伸びつつある。これではとてもいまの施設ではやっていけないというところが中心になるんですね。四十一年度はこの資料によると、二〇%くらい取り扱い量がふえている。当初計画でいきますと、もうすでに計画をした年から、これはあなた方の計画がずさんだなんということをここで追及してもしようがないのですが、その年からもうすでに違うんですね。それで、まあ一般的に貿易関係はそう順調にいくという場合ばかりはないと思うのですが、この計画は、一体第一次五カ年計画昭和四十四年度に終了するときには貨物の取り扱い量が十億五千万トンという想定から、四十七年度には一体どのくらいでやっていけるか、どのくらいの取り扱い数量になるか、この点は見込みとして立てられた計画だと思うのです。ことしはまあ二〇%当初計画より伸びておりますが、来年はこの点はいかがでしょう。
  46. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 一応現在四十七年度目標といたしまして約十五億トン程度、これも新しく出てくる資料を見てからしたいと思いますが、十五億トン程度というふうに考えております。
  47. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 終わります。
  48. 大野市郎

    大野委員長 沖本泰幸君。
  49. 沖本泰幸

    ○沖本委員 まずこの港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案についてでございますが、この計画をさらに延ばして充実をはかっていくということになるわけでございますが、この際、大臣のほうに伺っておきたいのです。地方自治体の管理者のほうでは、港湾法を新しいものに改正してもらいたい。しかしその場合に、補助金を打ち切られたりするような心配が多分にある。だから港湾法自体はもう変えてもらいたいと思うけれども、そういうおそれがあるので、少し引っ込み思案に考えておる、こういうふうな意見もあったわけなんですが、港湾法を変えるという点について御構想がおありなのかどうか、その点伺いたいのです。
  50. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 港湾法を変えるというような考え方は、目下のところございません。次第に新しい港湾計画を推進していきまして、もし不都合なところがございますれば、若干の手直しということは考えられますけれども港湾法自体を変えるという考えはございません。
  51. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 いま大臣のお話しのとおりでございまして、一応港湾法も港務局というものが主となっておりますけれども、全国で一つございますので、その点の問題だろうと思いますが、先生のおっしゃったように、地方自治体に港湾法改正の声があるということは、あまり強くは私ども聞いておりません。
  52. 沖本泰幸

    ○沖本委員 それで問題点はいろいろ出てきておるわけで、そういう問題点があるから、この緊急措置法ということになって、いろいろ改善していくということになるわけですけれども、それに関しまして、いわゆる地方自治体に権限を十分持っていくというのと、中央集権化をはかっていったほうがいいか、こういう点についてどういうふうなお考えがあるのか、お伺いしてみたいのです。
  53. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 いまの港湾法は、御承知のように、港湾管理者計画いたしまして、この港湾開発、発展の責任を全部港湾管理者にまかしているわけでございます。ただその港湾の区域が、最近は港湾が経済的に広域的に非常に発達してまいりましたので、一つの港湾管理者だけがおのおの違った構想を持っておっては、施設のダブるような点もあるというようなことで、いわゆる広域港湾というような構想が出てまいっておりまして、現実的に大阪湾でいいますと、堺、大阪港、あるいは尼崎、西宮、神戸、大阪湾を一体とした計画をやはりしなければならないんじゃないか、こういうことで、現状におきましては、いわゆる計画の一体化と申しますか、そういうものを中央のほうであっせんをいたしております。もちろん港湾管理者の了解を得て、港湾審議会にはかりましてやっておるわけでございます。そういう点につきましては、やはり港湾管理者の自由意思というものがある程度束縛されるわけでございます。  なおまた年々の予算要求では、全国的な外貿とか、あるいは全国的な船の大型化の問題、こういった問題もございますので、やはり計画的にこの港湾整備を推進していかなければならない、かように思っておりまして、中央集権化とかそういうことを意識しているわけではございません。
  54. 沖本泰幸

    ○沖本委員 いま広域港湾計画の一本化というお話があったんですが、これは当を得ているかどうか、それに合った質問であるかどうかはあれなんですが、たとえて言うなら、名古屋で事務組合をつくって、臨海工業地帯の造成とか港湾整備とか、そういうものに対して非常に成果をあげておるように思われるわけなんです。そういう点からいきますと、いわゆる港なら港が地方自治体の、市の港湾管理者に管理が変わってきている。それと都道府県との関係とか、そういうものによっていろいろな問題があって、よけい管理者のほうが圧迫を受けて、財源的に困っていくという問題もあるわけです。高潮とかあるいは水害とか、そういうものとからみ合わせて考えていくときに、事務組合をもって都道府県と市とが一つのものになって、独立採算制的なものを持ちながら問題を進めていっているという一つの例もあるわけです。私が行ってみた面では非常にうまくいっているような——それは問題点もないことはないわけですが、そういうふうに思えるわけです。そういう問題について政府のほうはどういうふうにお考えになっておるか、お伺いしたいわけです。
  55. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 港湾管理者の問題でございますが、御承知のように名古屋は一部事務組合で、これは特別地方公共団体でございます。県、市両方から交代に管理者をきめるという制度で、大阪とか神戸とか横浜は、これは市がずっとやっております。ただ最近の傾向から申し上げますと、私もよく存じませんが、府県財政のほうが非常に裕福な感じがいたします。これはつい最近の傾向でございます。そういう観点で、県が加わっておりますと、財政的に非常に豊かであるというふうな感じを受けております。これは一般の市と県の財政の問題ではないかと思いますが、そういうことで私どもいずれにしろということは全然申しておりません。つまりその県や市の相談できまることでございます。  なおまた、市が管理していく、県が管理していくという場合でも、その関係いたしますところの府県あるいはまた市町村に対して、工事費の分担金を出していただくということは、これは話し合いできまる問題だというふうに考えております。
  56. 沖本泰幸

    ○沖本委員 いまそういう一つのお話があったわけですが、たとえて言うならば東京港、横浜港あるいは大阪港、神戸港、一つの大阪湾とか東京湾とかいう湾の中にある隣接した施設をお互いに持っておるわけです。名古屋に比較して、たとえば大阪の場合を申し上げてみますと、これは臨海工業地帯の問題で問題点が出たわけですが、たとえば大阪港南港に埋め立て地をつくって、それをアラビア石油に売り渡す、こういう計画で臨海工業地帯の造成をやったわけです。ところがアラビア石油がだめになってしまって、今度は外貿埠頭のほうに様子を変えていっている。ところが大阪府のほうは、その隣のほうに堺の臨海工業地帯を造成していって、両方がせり合うような一つの形ができ上がっているわけですね。ですから、堺の臨海工業地帯にも十分な港湾があるわけですし、大阪の問題もあるわけですし、それから、最近は港が専用化していって、木材港であるとか、あるいは水産コンビナートに沿ったところの港をつくっていくとか、そういう問題もいろいろ出てきているわけです。そういう点から考え効率をあげていくという上からは、この事務組合的な問題であるとか、広域的な問題を一つにした考え方でものを運んでいくということによって、いわゆる二重的なものを解消さしていく。それぞれの港に一つの形を整えた目的を持った分担を持たしていくとか、こういうふうな行き方も、新しい行き方でもある。こういう問題は外貿埠頭とかそういうものに一つにつながっていくような考え方になるのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけです。これも私のしろうと考えで、思いつきのような御質問になるわけですけれども、そういう点について政府のほうはどういう御構想をお持ちになるのですか。
  57. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 御承知のように港湾の貨物というのは、だんだん専門化と申しますか、専門化いたしますれば効率が上がるわけでございます。したがいまして、そういうような専門埠頭というものができることが望ましいわけでございます。私ども計画の面におきまして、そういうふうなやり方を指導をいたしております。しかし管理問題、つまり港湾管理者の区域をどうするかといったような問題につきましては、将来の問題であろう、何年か先になりますと、方向としてはやはりたとえば大阪湾も一本化した管理者、あるいは東京湾にいたしましても一本化した管理者というのは望ましいとは思いますが、いまのいろいろな財政あるいは行政の状態からいたしますと、なかなかそういうことも早急には望めないのじゃないか、かように考えております。しかし極力、効率がダブるような施設はつくらないように、そういう指導をいたしております。
  58. 沖本泰幸

    ○沖本委員 先般大臣の関西の御視察のお話で、ヘリコプターで一ぺんずっと見て回った、こういうお話があったわけですが、ヘリコプターでごらんになった上から、同じような考えを持って私は御質問したわけですが、大臣ごらんになった上から、いま申し上げたような点について新しいお考えはありませんでしょうか。
  59. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私の感想は、やはり港湾というものはいまや広域港湾化しつつある、そしてこれの調整といいますか、機能の発揮という面を新しい観点からとらえる必要がある、そういうことをまず感じました。  それからもう一つは、埋め立てというものが実にたくましく進んでいるものだ、日本の埋め立て力というものをもっと大いに活用して、港湾の造成というものについては昔ほどそんなおっくうなめんどうくさいものでない、勇敢にやっていけばいい、そういうことを第二に感じました。  それから、場所によってずいぶん港湾というものの機能が違うものだ、やはり神戸のほうは西風を受けても非常に平穏でありましたけれども大阪湾のほうはかなりの波がある。やはり自然的位置というものが港湾というものにとってずいぶん大事なものである、そういうような感想を持った次第です。
  60. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そういう点から港湾の造成につきましても外貿埠頭とあわせて、私は関西の人間でございますから、あちらのほうをおもた見ておるわけですけれども、神戸のほうもずいぶん船を待たすという点から、埠頭の造成に全力をあげていっている。大阪のほうもその造成に全力をあけていっている。こういう時点が同じような、目的が同じようなことを両方が多額の金をかけてやっていっているわけです。それにつながって堺あたりは、今度は重工業につないだところの港の設備にかわりつつある。こういうことをやはり考えていきますと、一つ一つの目的を持ったいわゆる広域港湾という点を、お話がありましたけれども、ちょっと推し進めていただいて、それぞれの性格を持たした十分な効率があげられる港湾を政府のほうでキャッチして、そして十分の配置をしながら、お金を効率的に使っていただいて、十分の効果をあげるような方法をとったほうがいいのじゃないか、こういうふうに私は考えるわけなんですが、大臣いかがでしょうか。
  61. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 港湾局長からひとつ答弁いたさせます。
  62. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 私も同感でございます。大体神戸は、阪神地区について申しますと、いわゆるライナーと申しますか、定期船で輸出雑化がおもでございまして、対米とか対欧州関係でございますね、神戸港のほうは。大阪のほうは従来ともやはり東南アジアとか朝鮮、満州、こういったいわゆる近海の外国貿易と瀬戸内を中心とした国内輸送、性格的には大体そのようになっております。お話しのように、今後つくります場合でもおのおの機能を明らかにいたしまして、二重投資のないように計画もいたしますし、また実施にあたりましてもそのような意を払ってまいりたいと思っております。
  63. 沖本泰幸

    ○沖本委員 それで、いまお話が出たのですが、神戸の目的、横浜の目的というものが、戦前から戦後にかけて一貫したものがあるわけなんですけれども横浜にしても神戸にしても、神戸はいわゆる輸出ものの扱いをしておるけれども、それの出ていく地点はほとんど大阪である。それから横浜についても、東京方面である。こういうふうなのが通例なんですね。そこで大阪はどうしても神戸へ持っていかなくて、大阪の港からそういうものをはかすべきである、そのほうが距離的な問題とか、陸上輸送の問題だとか、そういうものについてももっと簡素化されていく、こういうふうにどちらの意見もあるわけなんです。そういう点についていわゆる主要陸上道路とそれから臨港道路とのつなぎというものが非常な役割りを持ってくるわけなんです。そこで、先ほど一応御説明があったのですけれども、ある地元へ行って調べてみますと、新しい高速道路あるいは新しい輸送計画に沿ったところの道路はどんどん進んでいっているけれども、それと同時に港の整備もはかっていっておるけれども、そのつなぎが非常におくれておるという点を指摘しておるわけなんですが、その点につきまして食い違いが起こると非常な問題が出てくるわけなんですが、その点は建設省のほうはいかがなんですか。
  64. 井上孝

    井上説明員 御指摘のように、従来ややもすると港湾計画道路計画とマッチしないという点があるいはあったかと思います。先般第五次の道路整備五カ年計画を決定いたしましたその中にも明記してございますが、港湾——港湾ばかりじゃありません。その他の流通施設道路とを密接な関連において計画する、事業をするというふうになっております。特に運輸省港湾局とは最近いろいろ計画面について話し合いをいたしまして、御指摘のようなことがないように進めてまいりたいと思っております。
  65. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そこで、いわゆる臨港道路建設についての補助率というものが、建設省のほうからいくと七割ある、運輸省のほうからいくと五割だ、そこに率のバランスの違いがあるというのです。これは何とかならないものなんでしょうか。両方がそろってないでしょうが、運輸省のほうと建設省のほうと。
  66. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 お答えいたします。  私どものほうの臨港道路と申しますのは、臨港区域内に臨港地区というものを指定しまして、その中の臨港交通施設に対する補助でございます。したがいまして、いま御指摘のように五割だと思いますが、建設省のほうは私もはっきり存じませんが、三分の二でございますか、七割というのは三分の二ということじゃないかと思いますが、あるいは国道は四分の三でございますが、やはり道路の性格に応じましてそういう補助率が変わるのだと思うわけでございます。したがいまして、私どものほうで施行しにくい、あるいは港湾管理者のほうから非常に要望が強いとなれば、建設省のほうでなるべく取り上げていただくようにしておりまして、大阪の既存の第三埠頭でございますか、そこから橋かトンネルで新しいところへ渡る道路がございます。これは相当金がかかりますので、ぜひ建設省のほうでお取り上げ願いたい。道路の性格からいたしましても、大阪と神戸を結ぶような道路の一環になりますので、そのようにお願いをして、これはたぶん建設省の新しい五カ年計画に入っていると考えます。
  67. 沖本泰幸

    ○沖本委員 それは受け取り方でしょう。地方自治体のほうにとってみると、どちらも同じ政府なんですね。同じような目的の道路をつくっていくのに、建設省がやってくれる補助については七割であるのに、運輸省関係すると五割になってしまうというような矛盾を感じておるわけなんです。これは、神戸も大阪も同じようなことを言っておりました。  それから、今度は建設省のほうにお伺いをするわけなんですが、たとえば大阪の場合、港の地域はほとんど地盤沈下をしてしまって、盛り土をしなければならない、新しく土地を造成していっている、そういう関係から、旧道では全然間に合わないので、新しい国道をつくってもらうということから、今度は港に近い地域に橋をかけるわけですね。橋をかける点についても、結局港から市域に向かって橋をかけるのに、かけた橋が、たとえば和歌山のほうに向かってかけた場合は、和歌山から神戸へ行く車が、一番近い距離を通っていくためにそれを利用している。こういうふうに、目的がほかに向かってどんどん広がっていく。ですから、カーフェリーをつけておっても、そのカーフェリー自体は、そこの港の目的に使えなくて、よそから来たトラックに使われていく。初めの目的と全然違ったものになっていってしまっている。こういう問題がたくさん出ているわけなんですが、その点について、建設省のほうは全国的にそういう問題をお調べになったことがありますでしょうか。
  68. 井上孝

    井上説明員 御質問のところは、おそらく泉南のほうの話じゃないかと思いますが、あそこにつきましては、実は港湾のほうの埋め立て地内の道路が先にできてしまったわけです。御指摘のような、和歌山から大阪へいくというごく港湾関係のない、あるいは埋め立て地関係のない道路を通す幹線道路といたしまして、現在国道二十六号線が非常に狭うございますので、あの山側に一本計画を立てて、すでに実施をいたしておりますが、実は事業がなかなか進捗いたしませんで、御指摘のように、臨港地帯に車が回ってしまうというようなことであろうかと思います。全国的にこういうものを調査したかと言われますと、そういう調査は特別にはいたしておりません。
  69. 沖本泰幸

    ○沖本委員 港湾局長さん、いまお話があったとおりで、結局新しい埠頭計画と臨港道路計画とあるわけですね。それと、都市の交通麻痺とか陸上交通需要を満たすために道路を拡張しなければならない、あるいは新しい道路をつくらなければならない、こういうものが出てきているわけです。ですから、そういう地域からのいろいろな計画は出てきておりますが、新しい埠頭計画であるとか港湾整備計画計画面が合うような仕組みになっておるのでしょうか。
  70. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 私どものほうでは、一応まず海上から来る貨物というものから行き先別に大体の推定をいたしまして、港湾管理者のほうで背後の道路計画をつくるわけでございます。それを本省に持ってまいりまして、港湾審議会に幹事会というものがございまして、その幹事会は大体関係各省の課長さん方で構成をしております。もちろん建設省のほうもあるいは通産省その他の関係各省もおいでになっておりますが、そこで議論していただいてきめるわけでございますので、組織上はそういうことに道路のほうも支障のないようになっておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
  71. 沖本泰幸

    ○沖本委員 ここに「港湾の特殊性を考え道路、鉄道、船舶港湾の四つの輸送機関のバランスと連係を保持することによって輸送費の節減をはかるため、交通体系全体の計画が必要ではないだろうか」、こういう点をおもな問題点として指摘しております。これに対しては、経済社会発展計画においても、目標年次までの投資額として、道路が六兆一千五百億、鉄道が三兆三千八百億となっておるから、一応これに基づいて計画を立てなければならない。ですから、最後におっしゃっておる、交通体系全体の計画が必要だということになるわけですが、運輸省のほうと建設省のほうとにおいてこれに見合ったような全体計画はもうおできになっていらっしゃるわけですか。
  72. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 大きな港については、すでに港湾審議会でやった分についてはできております。今後これから新しい五カ年計画の、この法案が通りますれば改定をいたしますので、その点につきましては、さきに建設省のほうの六兆六億の計画ができておりますので、建設省とも十分打ち合わせてまいりたいと存じます。
  73. 沖本泰幸

    ○沖本委員 この点を十分考えていただきませんと、途中で変更が起きたりしますと、地方自治体にかかる負担というものは膨大なことになってくるわけでございますから、こういう点は連携を十分とっていただいて問題を進めていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。それで、現在の多目的港あるいは専用港、こういうような港のいろいろな広域港湾計画に基づいていくわけですけれども、木材港であるとかあるいはそのほかの、産業に即した港湾計画というものはあるわけでしょうか。
  74. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 旧五カ年計画におきましても、鉄鋼とか石油とかあるいは木材関係のものはあったわけでございますが、それらは飛躍的に貨物量がふえる、あるいはまたいろいろな情勢の変化がございますので、一応のものは出ております。これをどのように取捨選択するかというのは、これからの作業になるわけでございます。
  75. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そこで、大阪の岸和田に木材コンビナートをつくって、木材の専用港にしておるわけですが、和歌山にも類似したものがあるわけですね。これをうまく使っていけば効率が上がっていくのですけれども、片一方は小さなものが残っておって、片一方は大きいものがある。その背後地における産業との関連性はあるわけなんですけれども、こういう点について、たとえば大阪が水産コンビナートをつくったのですが、それが初めの目的と全然違ったものが現在では出てきて、ほとんど用をなさないのじゃないか、こういうような問題点ができ上がってきておるわけなんですが、こういう問題は関門についても考えられますし、また東海方面あるいは愛知方面あるいは東京湾に沿っても同じことが考えられるのじゃないか、こういうふうになりますけれども東京湾においてはそういうふうな類似したような計画港というものはあるわけでしょうか。
  76. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 木材の話が出ましたが、木材は御承知のように、非常に外材輸入というものが想定を上回っておりまして、たしか前の計画では二千万立米くらい輸入する予定が、もうすでに三千万立米というような輸入の実績が出ております。したがいまして、全国どこでもいま木材が一ぱいでございます。これがどうなるかという傾向を、最近農林省のほうと打ち合わせをいたしております。東京港につきましても、木材につきましては東京湾整備を急いでおります。横浜のほうもどうしても既存の木材港は移転しなければならぬという問題がございまして、新しく根岸のほうに考えております。これは最小限のものでございます。また千葉その他のほうにつきましても、今後の輸送量の増大に対応いたしまして、船橋その他にもつくるということになっておりますが、これは管理者の要望でございます。これにつきましても、どの程度この五カ年計画に入れるものか検討してみたいと思っております。
  77. 沖本泰幸

    ○沖本委員 いま局長のおっしゃった問題は、過去に大阪あるいは名古屋で苦い経験があるわけですね。台風によって、高潮のときに一番損害を与えるのが木材でして、これが許容能力以上になってくると河川にみなつないでしまいますし、それからラワンであるとか、こういう目方の重たい木材、水を吸う率の高い木材は、今度は沈んでしまって川の底に埋まっておるわけです。業者のほうとしてはそういうことのほうが、あと木材を使う上においては望ましいわけなんです。ところがこれが台風時の高潮になってくると、底からあふって上へ飛び出てくる、それがたいへんな事故を起こす、こういうことになっていくわけなんですが、いま局長さんのお話では相当当初の計画より上回っておるということなんですが、現況として、それぞれが持っておる貯木場あるいはそれぞれの目的を果たす係留施設、こういうものを現在上回っておるんでしょうか、どうでしょうか。
  78. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 感じでございますけれども、能力を上回っておるというふうに私考えます。御承知のように、非常に高潮その他については危険でございますので、なるべく貯木場は都市より遠いところ、被害のないようなところにというふうに考えております。
  79. 沖本泰幸

    ○沖本委員 これは早急にお調べいただいて、厳重な管理をやらしていただかないと、事件の起きたあとでどうこう言ったって、これは大きな人的事件にまで移っていくわけでございますから、岸壁であるとかあるいはそういう木材が切れて走り出したときに事故のないような処置を十分に講じていただかなければならないわけです。また、その係留についても相当厳重な係留する準備を持っておっていただかなければならない。あるいはその港で沈船の解体をやっている、そういうものもやはり同じ危険性を持っておるわけです。船体だけをいかりを打ってそれにつないでおるけれども、切ってばらしていく場合には、これはあっちこっち飛んでいく危険性も十分あるわけです。ですから、ふだんはそれでいいわけですけれども、台風になったときにそういうものがすぐ措置できるかできないか、こういうことになっていくわけですから、この点はひとつ大臣のほうもまたヘリコプターででも見ていただいて、十分処置を講じていただきたい、こういうふうに私は過去の経験からお願いしたいわけでございます。  それから、いま沈船のお話をしたわけでございますが、いわゆる木造船の古くなった沈船、こういうものがそれぞれの港に——大きい港ですと、相当放置されてあるわけなんです。これもわが党の議員が先般取り上げて、相当改善していただいたのですが、この沈船の問題については、処理するために非常な費用がかかる。その処理費が一船で平均二十万円はかかるであろう、こういうようなのが港の管理者の大きな悩みの種になって、この間行って調べますと、神戸でもまだ百隻ほど残っておる。大阪でもやはり二百隻近いものがそのまま放置されておるわけなんですが、これにはやはりきちっとした処理費を考えてあげなければ、持ち主がだれかもわからなくなっておるということでありますから、その処理費の出てくるところがないわけですね。これは早急にやりませんと港の大きな問題になっていくと思うのですが、この点についてどういうふうにおやりになるか、お伺いしたいわけです。
  80. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 この沈船につきましては、非常に管理者も困っております。したがいまして、どうしても所有者が見つからない、どうしても管理者がやらなければならないというものにつきましては、必要なものからやっていただく。また、これのために処理場をつくる必要があるということにつきましては、公共事業費で、金融のつく限り、ほかの物揚げ場あるいは後ほどそういう公共施設に使うとかいう理屈がつく限り、助成をしてまいりたい。また、その間におきましていろいろと自治省にお願いをいたしまして、一般の財政と申しますか、起債のワクも認めていただくように、私ども自治省のほうに話しております。自治省のほうも、考えたいというふうに言っておられます。なおまた、これは港湾管理者の財源の一般的な問題にもつながる問題かと思いますので、極力そういった沈廃船をなくするように努力してまいりたいと思います。
  81. 沖本泰幸

    ○沖本委員 大臣がまたほかへ行かれますので先にお伺いしたいと思うのですが、まずその沈船の処理費を何とか認めるような方法はないものでしょうか。
  82. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 処理費を認めると申しますと、たぶん国費を支出する方法はないかというお話だと思いますが、現在の法律のもとではそういう方法はございません。
  83. 沖本泰幸

    ○沖本委員 何とかその方法をお考えになっていただいて、こういうどこにも持っていきようのない問題を片づけられるような処置を考えてやっていただきたい、かように考えるわけです。その点よろしくお願いします。  それから大臣のほうにお伺いいたしますが、港湾管理者にとって資金繰りが非常にむずかしくなってきておるわけです。公債なんかの点についても、元金の償還が、五年、十年で償還が始まってくる。ところが公債によってつくったところのものは、相当耐用年数が長いわけですね。そこにギャップが出ておって、そのために非常に財源的に苦しんでおるわけなんですが、この点について、起債ワクが少ないという点と、港湾整備についての償還年数が非常に早いために、ますます首を締めるようなことになってきておるわけです。それから、一般財源のほうも窮迫しておって、一般財源から港湾管理費に財源をさくということも、地方公共団体では非常にむずかしい問題にいまなってきておるわけです。そういう点について、どういうふうに今後これをカバーしてあげられる措置が講ぜられるかということについてお伺いしたいわけです。
  84. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 地方財政がそういう長期投資の面で苦労しているということは、お説のとおりであると思います。しかし、これはやっぱり各地方財政地方財政が自分の財政需要等を考えて健全財政を維持していくという感覚からお考え願うべき問題であると思います。あまり大きな過剰投資をやるということは、なるほどいろいろな要請もございますけれども、また一面において地方財政の圧迫ともなるので、その辺は地方公共団体においてよく勘案し七やっていただくべき問題であるように思うのです。なるほどみんな仕事をしたくて、設備投資を大きくやりたいというのは、どこでも当然のことであると思いますけれども、日本全体のいまの風潮を見ますと、いわゆる何とか開発とか、あるいは新何とか計画とか、そういうような考え方で、ややもすれば自分の力をオーバーするような投資を行なうという気配が見えなくもないと思うのです。国民経済の成長に応じてそういう要請は強いのでありますから、もちろんやる必要もあるとは思いますけれども、第一義的に考えることは、やはり実力に応じた投資計画というものを考えていただくということが大事だと思うのです。しかし国民経済全般から見て、この港はやはり地方財政だけでは無理だ、そういうものについては国としても第二次的に考えてやるべきであって、それは地方団体とよく相談をして、起債なりあるいは金融なり、あるいは補助率の問題についてよく話し合ってやったらいいんではないかと思っております。
  85. 沖本泰幸

    ○沖本委員 大臣のおっしゃることにも一理ある、話はわかるわけなんですが、いっときは新産業都市であるとか臨海工業地帯の造成とかいうものにほとんどの人が飛びついて、地方財政のほうで少し手を広げ過ぎて行き詰まっているという点も出ておるわけです。これは大臣がおっしゃるとおりでもあるわけですけれども、それと同時に、とにかく港湾管理というものの負担がどんどん増加してきておることはこれまた間違いないわけですし、また新しく港湾整備計画を出して、港湾整備していこうと思えばやはり、国の負担も大きいかわりに、地方自治体の負担、港湾管理者の負担も増加することはこれは間違いないわけです。そういう点について、財源がないために起債を起こしていっているということも間違いないわけですから、そういう点に対して、今後、それぞれの内容と見合ってよく御検討をいただいて、それでほんとうにこれは困っているのだ、間違いないという点については、利子の補給をしてやるなり何なりの措置を講じていかなければ、この政府の計画に合ったような港湾整備は、アンバランスが起きてできてこない、こういうふうになって、かえってますます地方自治体のほうを苦しめていく、こういうことにもなると思うのですが、そういう点は大臣のほうで十分検討してくださって措置を講じてやっていただきたい、こういうふうに考えるわけですが、よろしくお願いいたします。  大臣に対する質問はそれだけ……。  それから局長さんにお伺いしますが、いまの沈船と同じように、この前も問題が出たわけですが、タンカーなんかが残滓物を流すことによって、いろいろなことで港湾の海水が汚濁されて、そのために付近の都市が非常な迷惑をこうむっておるということになるわけです。ですから、今後港湾内における海水汚濁に対する何らかの処置を講じられるお考えがあるのかないのか、お伺いしたいわけです。
  86. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 港湾内の油によります汚濁につきましては、昨年度から法律ができまして、その基本施設について五割の補助をいたしております。これは目下のところ油の扱い量の非常に多い港からやっておりますが、逐次港湾内のそういった海水汚濁の対策は進めてまいりたいと考えております。
  87. 沖本泰幸

    ○沖本委員 これに対する何かの救済方法はないのですか。
  88. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 油の汚濁に関する処理施設でございますが、これにつきまして、製油所が自分でやる分と、そのほかに公共的にやる必要があります場合には、公共事業として国が半額補助して港湾管理者がやるということになっております。
  89. 沖本泰幸

    ○沖本委員 油会社がやるにしたって、それぞれのところでやっても、船の会社が持っていかなくて出してしまう。金がかかるという点が多分にかかっているわけなんです。そこが一つの問題の山になっているわけなんです。それに対して政府のほうは、そのままでやらすような御方針でございますか。
  90. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 もちろん船舶から出る油については、海上保安庁のほうで十分取り締まりもいたしますが、いまのところ昨年からそういう制度を導入いたしまして始めたばかりでございまして、たぶんそういういまの方針でいいんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。  なお、船舶のほうにつきましては、船舶整備公団のほうで補助をいたすような道がございます。
  91. 沖本泰幸

    ○沖本委員 いま申し上げたところに問題点がありまして、特にオーシャンタンカーとか大きい会社に所属する船の船内を洗った油であるとかあるいはそこから漏らす油であるとかいうものについては、しっかりしたあれもやっていくと思うのですが、そのほかの船主持ちの小さい船なんかが一番問題になるわけなんで、この船なんかの出す油が相当汚濁の原因になっておるということになるわけですから、これはその点を十分お考えになってめんどう見ていただかないと、法律ができても実際は実施されていかない、こういうことになってしまうわけでございますから、十分監視して取り締まりもやっているということになりますけれども、そうなってくると、また監視の目を盗んで夜捨ててしまうというふうになってきますから、そういう点は十分お考えになった上で、もう少し踏み込んだ対策を立てていただきたい、こういうふうに考えるわけです。
  92. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 いまの御趣旨、私も賛成でございまして、今後実情に沿った対策を進めてまいるように努力したいと考えております。
  93. 沖本泰幸

    ○沖本委員 以上で終わります。      ————◇—————
  94. 大野市郎

    大野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  港湾に関する件について参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、参考人の人選、出頭の日時、手続などにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次回は明二十四日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会