○沖本
委員 もう
あと一点お伺いして終わりたいと思います。時間オーバーの点は少し御猶予をいただきたいと思います。
いまの点に関してですが、これはさっきも御
指摘申し上げたとおり、減価償却の方法あるいは長期貸し付け制度とか、こういう方法をとって、それで電電のほうは陸上の
電話と同じように基本料を払っていく、こういう方法をおとりになるでしょうけれ
ども、これは陸上と同じようなわけにいかないと思います。ですから、減価償却をさせていけば、結局
あとは
使用料を払っていけばいい、係船した場合も、
あと払えなかった分でとめられたら今度払って出ていけばいい、こういうことになるわけですから、そういう点は最も理屈に合っている、こう思うのですけれ
ども、この点については運輸省のほうでは全然ノータッチであって、向こうまかせであるということははっきりしているわけです。この点をもう一度はっきり内容を固めていただいて、筋の通った方法に変えていただく。先ほどおっしゃったとおり義務づけなんですから、義務づける以上は救済の方法もちゃんとしておかなければいけない、こういうふうに私は考えるわけです。ですから、そういう資金も長期に貸し付けてあげる。きのうの御
質問では、補助金等の方法はとれない、こういう御
答弁だったわけですから、貸し付け金として貸し付けて設置さして、それを長期に返済さしていく、こういう方法だったら運輸省のほうでもできるはずなんです。そういう点を一応考慮していただきたい、こういうように思うのです。
ところが、もう一点は——最後にお伺いするわけですが、一生懸命
電話とか満載喫水線を引いて船の安全確保をはかっても——この間の朝日新聞によりますと、大体海岸
航路の船、
近海航路の船等で、小型船ですけれ
ども、乗り組み員が定員を割ってしまっている。そのために神戸の
海上保安庁だけで、四十二年度中に百二十九件の船の事故を起こしている。前年より三十件多い。その大半は三百トンクラスの小型船であり、原因は見張りの不十分であるとか操船のミス、
整備不良等で、八〇%は船員の質の低下である。員数さえあったらいいんだということで、年寄りも船員に仕立てて員数だけそろえている。中には欠員承知でやっているということで、まるきり二人で五百トンから六百トンの船を操船している。その中にはまだ未熟な、成年にも達しないような船員が夜中に操船をやっている。こういう事実が一ぱいあるわけです。五百トンクラス中心の小型綱船だけで国鉄の輸送力に匹敵する。これだけの輸送力を持っているんですけれ
ども、この
海難事故というものはこういうものがほとんど原因になってきている。
それで、どういう点でこういう問題が多いかというと、せっかく就職しても、陸上のほうにいい面があるから就職してしまう、あるいは外
航船と内
航船の賃金格差が多過ぎる、また求職者を求めても半分くらいしか来ない。あるいは船員を養成するために、免状を取らすために海員学校を運輸省が開いているけれ
ども、大体二四%くらいしか入ってきていない。こういうところで免状を取りたいという乗り組み員があっても、現在の内
航船等の企業力ではとうていまかない切れない。こういうことになってくると、
無線とか喫水線とかではなくて、船の安全確保をするのは船員である。それ以前の問題であるわけですけれ
ども、これが業界の事情であるとか、あるいは運賃レートであるとか、あるいは
船主船長の小さな家族ぐるみの船であるとか、こういうふうな問題が一緒にからんでくると思うのです。こういう点に対しまして運輸省のほうは今後どういうような
対策をおとりになるか、これは重大問題だと思うのです。
海難を防ぐのは船員を十分充足さして、そして働くようにしてあげて質をよくしていけば、この八〇%からの事故が防げるということになるわけですから、
あとの二〇%はこういうふうな喫水であるとかあるいは
無線によって防げる、こういうことになるのではないか、こういうふうに考えるわけですが、この点に対する
対策はいかがですか。