○斎藤説明員 このたばこの配達専門の
会社をつくります
——これは私のほうは配達委託と言っておりますが、これをやりましたのは、先生御
指摘のとおり、三十八年から東京、
大阪を中心といたしました都会地において始めたわけでございます。たばこの配達は、御承知のとおり、専売公社が全国に二十万くらいあるたばこ屋さんに毎日毎日たばこを配達する
仕事でございます。普通の運送と違いましてきわめて特異な配達でございますが、元来は専売公社自身でやっておりました。専売公社が自分の車をもちまして、専売公社の職員が運転をいたしましてやっておった。これがずっと昔からのやり方でございます。その後、そういうことをやっておりましてはなかなか能率の問題もありますし、配達の部分だけは日本
通運はじめ民間の運送
会社にお願いする、そこから車を雇い上げまして、雇い上げました車に公社の職員が乗っていくというのがその次の形態。ただいま配達委託を行なっております。この専門の配達
会社のありますほかの地域では、いまでもそういう形態をとっております。民間の運送
会社の車を雇い上げまして、それに公社の職員が乗っておりまして、たばこの臨店配達と申しますのをやっております。
そこで、いま御
指摘のございました東京、
大阪の配送
会社の場合は、公社の職員が配達のために乗っていくということはございませんで、すべてをこの配送
会社のほうにまかせてございます。すなわち配送
会社が公社の代理人のようなかっこうになりまして、公社のたばこを配達し、代金を取っていく、そういう
仕事をやっているわけでございます。なぜこういうことをやりましたかということにつきましては、いろいろな
考えがあったのでございますが、
一つは、私のほうでやります
仕事でいろいろな
仕事がございます。たばこを運ぶ
仕事のほかに、これは販売促進活動と申しておりますが、市場の調査をいたしますとか、販売の
計画を立てますとか、小売り店と商談をいたしますとか、あるいは小売り店の
指導をいたしますとか、いろいろな
仕事があるわけでございます。
仕事としてはそちらのほうに重点を置かなければいけないという観点に立ちまして、そういう努力をしてきたわけでございます。同じ私どものほうの出先で、配達という
仕事と販売活動という
仕事と、二つの非常に質の変わったものを管理するということは非常にやりにくいということから、いろんな外部からの
——外部と申しますか、たとえば専売制度調査会、行政管理庁あたりからも御
指摘がありまして、そういった外に出せるものは出したらいいじゃないかというふうな御
指摘がございました。そこで、できるだけそういったものは外に出して、本来の、いま申しました販売促進活動というほうにもっぱら努力を集中するというふうな体制にいたしますために、こういった
会社をつくったわけでございまして、したがってこの車には公社の職員は乗ってまいりません。たまたま、御承知のとおり昭和三十八年ごろ、
運輸省の方おいでになりますが、ちょうど道路交通法が改正になりまして、都市の交通事情が非常にむずかしくなりました。私どもたばこを運びます場合に、そういった交通規則というものを守りながら通常の時間で配給するということはなかなかむずかしくなりました。ある場合には朝早く配給する、ある場合には夜になって配給する、ある場合には休日になって配給するといったような必要性も起こってまいりました。公社の職員でやるといたしますと、勤務形態というものも非常に変わってまいりますでしょうし、あるいはそのために余分の人もかかえなければいけません、あるいは経費も高くつきますといったような事情も考慮いたしまして、こういった専門
会社に委託いたしまして、公社の就業規則にとらわれないで、弾力的に配達ができるようにという目的のためにこういった
会社をつくったわけでございます。専売品のたばこの臨店配達と申しますか、それはある
意味ではもちろん商行為でございます。小売り屋さんとの契約に基づきまして、小売り屋さんのほしいたばこを販売する、それを配達するという
仕事でございますが、片や専売品でございますので、ある
意味では専売法に基づく行為と申しますか、法律的ないろんな問題もございます。そういうわけで、この
会社というのは公社のいわば手先と申しますか、本来は専売公社自身がやるべき
仕事も、ある程度とにかくこの
会社にやっていただくというふうな点もあると思います。そういうわけで公社と表裏一体になってやっていただく。公社がやっていたと同じように、あるいはそれ以上に能率をあげてやっていただくというような必要性もございまして、公社の
関係の職員というものは、むろん
経営陣もそうでございますが、実際に車に乗って
仕事をする人の中にも、公社に勤務した人が入っている例がございます。そういったことでいままでやってまいりまして、公社がやっておりましたらできなかったであろう臨店配達というものが、どうにか維持できております。経費の点につきましても、私たちが直接やりますよりも安くできるように
考えております。