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鈴木力君 それで、いまの問題として、警察法二条でやったこということなんですけれ
ども、それは適用のほうはぼくはどうこうとは言いません。皆さんが非合法なことをやったのかどうかここで
議論してもしようがない。しかし、いま
局長の言われたように、
社会通念上行き過ぎたことはやらないようにこれは配慮する必要があるということは、これはやはり警察当局とすると重要なことだと思う。警察法の二条だって、何もそれを取り締まることだけが能じゃないと書いてある。
大体、警察法の第二条は何かというと、われわれはよくわからぬけれ
ども、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。」、こう書いてある。一番前段に書いてあることは、「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ」と書いてある。それが
一つですね。その次には、たぶん警察法の第二条の二項だと思いますが、「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」、これが基本的な
態度なんでしょう。そうすると、何か闘争をやるかもしれないというのは、最初から犯罪の予備的な人間に仕立ててしまって、
学校に入り込んで、だれだれが犯罪をする予備的な人間であるから、机はどこだ、氏名は何だというようなことを聞くということは、
教師としてどんな迷惑をこうむるかということを一体警察庁は
考えたことがあるのかどうか。
それだけのことを
考えるとすると、
社会通念上ということになるならば、これは治安対策といったって公務員が闘争をやったことがだれかに生命の危害を与えるとか、あるいは財産をどうするとか、そういうような
行動をすることにはならないわけです。その辺のかね合いから、一体神奈川県――これは神奈川県だけじゃない、私は他にいろいろなことを聞いているから言うのですけれ
ども、そういうようなことを繰り返されてはかなわないという
気持ちがある。そういう
気持ちの上で聞いているのです。だから、ことしやったようなあの様式で、警察の解釈でどんどん入り込むというようなことになると、これは容易なことじゃないと思うから聞いているのですけれ
ども、さっき言いましたように、全部の
学校を、全部の
職員をやるという意図はなかったということですから、やろうとしたというものがあったとすれば、その部分はそれは行き過ぎであったということでこれは確認をしてよかろうと思います。今度の
調査の方法なんですけれ
ども、いま言ったように、
学校に入り込んで、そうして校長に――幸いにその校長は言わなかったらしいからいいようなものの、これがそういう形で言われて、今度は
学校内であの
学校の
先生たちは犯罪人だというような形になってきたら、これは正規に認められた組合活動もできないわけです。それは闘争やるかやらないかわからない、そのときに。
しかも、これはまあ特に言わないけれ
ども、あるところのある警察官が
学校に行って、これは神奈川県じゃないけれ
ども、
学校に行って、やっぱり同じ
調査をした。ところが、それがどうもやり過ぎじゃないかということを言われたら、いやあの
学校の給食のおばさんが手くせが悪いので、
学校の
先生たちやそういう人たちの机やなんかを見ておかなければならないのだということを、そば屋で言ったという話がある。そば屋のおかみさんが、それはあんまりですとしゃべったという話がある。それはうわさということにしておきましょう。警察庁が何か捜査をしたものが手柄みたいに追い込んでくると、そこまでの現象が出てくるのです。
私は、だから、去年の――去年といいますか、ことしの神奈川県のようなやり方を、あまりにも不用意にこういう
調査をやられると、波及する問題というのはきわめて大きい。警察法の二条、それが合法か非合法かという
議論はしませんけれ
ども、ただいま少なくとも警察庁が
考えているような民主警察としての
任務を果たそうとしていることが、下に行ってはそういう形であらわれていないのじゃないかということなんです。そういう点は、私はよくその下のほうを
調査をされて、
検討をされて、慎重に扱ってもらいたい、これが私の申し上げる
結論なんです。ところが、いま
局長に聞いても、非常に遺憾なことは、たとえば全部の
調査をしたじゃないか、そういう
調査はいたしませんと
答える。しかし、私のほうには質問された要項があるから、こういう要項を示すと、そこは断わられたので
調査しませんでした、それでは少し、やはり本気になってその面の民主的な警察としてそれは
協力を得られるような態勢の警察になかなかなりそうもないのじゃないか、こういう点を私はいま指摘をしたいのです。その点についての、今後こういう特に公務員の組合活動なんかについての警察月の捜査――捜査というよりも対処のしかたについてはよほど注意をしてもらいたい、こう思うのです。見解をひとつ聞いておきたい。