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山崎昇君 いま
総裁から理由として三つぐらいあげられているわけです。しかし私はね、
責任の度合いだとか
職務だとかといっても、
現実にこれによって
生活をするのですね。
下級職員もいま支給されている
給与によって
生活をしているわけであります。ですから
公務員、
上級職といえ
ども生活を抜きにして、
職務給だからといって論ずるわけにはいかない。どうしても私
どもは
生活を
土台にして
給与というものをある程度まで論じなければいけないと思っているわけです。そういう
意味でいうと、やはり
現実は
上級職にかなり有利であって、
一般職にはかなり不利にできているということを
指摘をしているわけです。
職務給のたてまえをあなた方がとっているということは、条文を見ればわかります。しかしこれは私はやっぱりね、とるべき態度ではないのではないかと思う。とるならば、もっと
下級職員についても配慮されてもしかるべきではないか。今度の
給与の引き上げを見ても、あなたは
上級職はかなりがまんしてもらったと言うけれ
ども、本年の場合には二万円も一ぺんに上がるわけです。何も損していない。たとえば一、二年は上がらなかったかもしれないけれ
ども、上がる場合にはやっぱりかなりなものを上げている、そしてバランスをとっている。そうであれば、何にも
上級職についてはがまんしたということにはならない。そういう
意味で、私はどうしてもいまの
指定職俸給表を
上級職だけにとるということについて納得できない。特に
乙表に至っては、あなたのほうで、気ままかってとは言いません、
一定の
基準はあるでしょうけれ
ども、
人事院が
指定することになっている同じ
局長であっても、
片方は
指定職、
片方は
一等級じゃないですか。その
基準は何です。私が調べてみるというと、大体
昭和二十二年以前の
採用者は、ほとんど
指定職になっておる。それ以後の
採用の
局長は大体
一等級になっておる。だから、あなた方がやっておる
基準についても私は疑問を持っておるし、あるいは
現実面からいっても、同じ
局長、同じ
職務をとりながら、
片方の
局長は
指定職であり、
片方は
一等級である。それについても私は理解ができない。だから、
職階給だけであなたがいま説明されても、どうも納得できない。それから、
乙表に至っては、
中間職だ、
中間地帯だ、その理論もまた私は納得できない。どうして
給与上、明確に
法律に
一等級から八
等級までの
職務をあなた方きめておるのに、なぜ一割程度の者だけは
中間地帯としてやらなければならぬのか、それもわからない。
だから、私から言わせれば、これは少し極端になりますけれ
ども、
上級職は頭打ちにならぬように、古くなったら救えるように、定数の
ワクからはずれるように、そういうこともある程度あってこういう
指定職乙なんというものができておるのではないかと、これは疑わざるを得ないわけです。ですから、この点については、論争する
意味もありませんけれ
ども、私は
公務員給与全体について、もう再検討しなければならぬのではないか。
特定の人間だけは何かうまいことなるような
体系は心すべきじゃないか、こういう
見解を持っておるので、重ねてこの点は
指摘をしておきたい。
それから、
上厚下厚といういま
総裁は答弁されました。しかし、やはりそうはなっていない。
現実の
給与を見るとそうはなっていない。きのうも申し上げましたけれ
ども、
一等給の何号かの人を調べれば、
扶養手当を除いて一万五千円上がるけれ
ども、八等給はわずか二千円しか上がらない。率に直せばなるほど七%になるかもしれぬけれ
ども、あまりにも差があり過ぎるのではないか。私は戦前の
賃金の資料持っておるから、昔の
身分制度の激しいときの上下の差を、あなたに
官吏俸給令によって示してもいいですよ。昔といえ
どもそんなになっていない。そしてきのう
扶養手当で申し上げたように、
生活が苦しいので、
下級職員に初め支給されたものが、いつの間にか
上級職員にも支給になる。その上さらに
上級職員については有利なほうに展開をされておる。こういうことがあるから、私はいまの
給与体系というのは、あまりにも
上厚下薄になっておるのではないか、こういうことをあなたに
指摘しているわけです。
さらに、私が
給与実態を調べてみるというと、二つ問題があると思うのです。
一つは、結婚される時期の人がきわめて苦しい
生活に私はあるんじゃないかと思う、これは
階層としては。もう
一つは、四十四、五歳から五十歳前後で
管理職にもついてない
方々で、
教育関係で、子供を持っておる
方々はかなり私は
生活的に苦しいのではないか、こう思うのですね。そうすると、
総裁の答弁からいっても、
管理職以上はある程度
職務給でものを見る、
課長補佐以下は相当程度
生活給的にものを見る、そういうことになるとすれば、ここら辺の
手当については、もう少しいまの
給与体系の中でも
考えなければおかしいのじゃないか、これは端的に
指摘しておきたいと思うのですが、そういう
意味で、いまの
給与体系は、どう
総裁が答弁されようとも、やはり
上厚下薄になっておる、それが極端である、こういう点についても再度御答弁願いたいと思う。
それから重ねて、これは
国家公務員でありません。自治省の調べました地方
公務員の
給与実態調査の表でありますけれ
ども、大体都道府県は
国家公務員とやや似ていると、こういうのですね。私は
国家公務員の表を持っておりませんので、これで大体の傾向を調べてみます。これは
一般行政職の第一表で調べたものでありますけれ
ども、平均
給与ですから、必ずしも正確だとは言えないと思う。しかし、大学卒と高校卒と比べてみると、
公務員の約半数を占める高校卒というのが、大体五年ないし七年くらいから極度に
給与に差がついてくる。いま私が数字を申し上げてみますが、大学卒と高校卒は、入ったときには大体五千円ぐらいの差ですね、初任給で。それが五年から七年となると八千円の差になる。十年から十五年になると一万一千五百七十二円、二十年から二十五年になると一万五千円、三十年以上になると一万八千円の差がある。これは当然大学出ですから、高校卒よりも職制につく率が多いであろうし、あるいはまた年齢も三つ四つ多いであろうと思うから、一がいに私はこの数字で申し上げませんが、いずれにしても、大半を占める
公務員というのはやはり低く押えられ、そして大学出なり職制につくというものはきわめて上昇率についてもいい
給与をもらっておる、こういう傾向だけは、この表をどう分析してみても出てくる。
国家公務員も私は同様でないかと思うんです。そういう
意味で、私はいまの
給与というのは、どう
総裁が、最近は上薄、下に厚いと言っても、そうじゃないのです、
現実は。そういう
意味で、全般的に
給与体系というのを
考え直す意思があるのかどうかということと、あわせてこういう不合理というものをどう直されるのか。来年の
勧告である程度直すんなら直すとか、そういうお答えができればひとつ願いたいと思うんです。