○
委員長(
藤田進君) この際私からも要望しておきますが、間々一たん線形をきめると、これを変更することに非常にやぶさかで、いろいろの意見が出ても、これに対しては否定する。たとえば路線変更とか
——それにきゅうきゅうとしているという感が非常に強いです。私が今度福島
地域を幸いにして見る機会を得たわけですが、私は根本的に言って間違っていると思うんです。その第一は、この
国土開発幹線
道路というものは、一体その立法なり発想なりというものが何であったかということが忘れられてしまっている。なぜならばこれは四号線のバイパス、四号線と全く近いところを並行しているんですね。ほとんどそう。しかるにいまのここ数年見ても、ぼくは一号線なり二号線あるいは四号線でも、宇都宮から
東京ですね、こういうものに比べた場合には、はたして四号線のバイパス的幹線
道路というものをいま着工しなきゃならない事態になっているか。これは四号線のバイパスの
——いまのいわれる高速道なるものは、これは東北自体をどうするのか、つまりいずれ東北は後進
地域というか、要するに人口がどうしてみたところで西に、
東京はじめ西に吸収されていって、漸次東北はさびれいくんだ、したがってこれ以上の交通量というものは、ある
程度あるけれども、しかし
都市の新しい
開発とかそういう問題ではないんだ、既成
都市に対する交通量を消化すればいいんだというまず第一観念があると思う。それと同時に、将来の交通量がそれほど累増しないという考え方から、工費をもう徹底的に、これをキロ当たりの
建設費を下げていかなきゃならぬ。だから四号線のバイパス的にしないと、その取りつけ
道路との関係ということ、それから若干の西に路線を変更すれば、これは工費が若干かかる。そういうことよりも、いまの四号線に並行してつけておかないと、償却自身もむずかしいだろう、将来、先行きそれほど東北は
開発されないといういわば経済情勢等からきている。中国縦貫
道路は一体どうなんです。この考え方を持ってくれば、第二山陽道というか、これを持ってこなけりゃこれは理屈合いませんよ。中国山脈の途中でキロ当たり十一億ではどうだろうかというようなところへ、島根県、鳥取県、岡山県、広島県の大体南寄りのまん中ぐらい持っていこう、これで
整備計画その他も発表したでしょう。
開発ということを将来考えての幹線
道路という立法の精神をそのまま具現するとすれば、これはもう少し考え方を変えなきゃならぬ。いやそうではないんだ、いずれそれほどの
発展はないんだから東北は。バイパス的なもので特別に工費をかけないということであれば、それほどこれ急ぐ必要ないです。四号線の交通量というものは、他の路線に比べてそんなに急ぐ
状態じゃないです、いま。やはり東北のそういう後進性というものを
開発していく、人口の流動、移動というものをできるだけ東北に食いとめていこうという将来性とビジョンを持てばこそ、幹線
開発道路というものが必要であった。平面線形を見ますと全く蛇行しているでしょう。ちょっとした小高い山があればすぐ迂回してしまっているでしょう、見てごらんなさい。しかるに一帯の
地域というものは、おおむね粘土質で岩盤らしきものはないんですから、もっとすかっとしたものを縦貫
道路だからつくればいいのに、バイパス
道路の観念が相当入っているです。こういうことを私は基本的に考え直していかなければ、幹線
開発道路としては全く後世に問題を残すような気がする。私はそういう意味で、
地域の
人たちは、地権者もさることながら心ある者は、それでいいかどうかについて検討をし、意見を持つ者は当然だろうと思うのです。そういう意味で出身国
会議員の皆さんにも賛否があるということは承っておりますが、とにかくほかがやれば乗りおくれてはならぬ、この際やはり幹線
道路をつけなければならぬというような、そういうさもしい根性じゃなくて、東北の
開発を考えるべきだと思うので、たまたまいま問題も起きている路線変更等も、真剣に基本的に考え直す必要があると思うのです。それは償却についてしからば日本
道路公団が、国鉄も同様ですが、独立採算制的な料金なりなんなりでなくても、その辺はまた根本的に考え直せばいいです、料金について。路線別でなくて、総括的な原価についてこれを償却するとか、これが政治だと思うので、真剣にひとつ検討して、説得力のある現在の既定
計画の路線がいいのだというものがありませんと、地権者といえど了解がむずかしいと私は思うのです。そういう印象を受けてきた。北のほうはろくろく検討もしないでいまのバイパス的な四号線に並行したものを
開発する。これはおそらくこの国会でも全国各地からの代表意見を求めておるわけです。与野党を問わず、ああいう
道路ならバイパスでおやりなさい、それしかない、それらを緊措急置として一号線なり二号線なりこれの改修を急ぐ以外にない。日本の虚業、輸送、経済の今日、ただ東北に予算を持っていけばいいのだ、そういうことは日本の政治にならない。やるならば東北
開発に役立つ、そんなに単価とか金のことばかり言わないで、すかっとしたものをやらなければならないと思いますので、口先だけでなしに真剣に検討してもらう必要があります。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕