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岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、
昭和四十年度
一般会計歳入歳出決算外二件について反対するものであります。
第一に、わが党は、
昭和四十年度
予算そのものに反対しております。
すなわち、
昭和四十年度
予算は、三千億円をこす軍事費をはじめ、公共投資の名による独占資本への巨額の国家資金の投入、
財政法の原則を踏みにじった赤字公債の導入など、人民に対する大収奪と独占資本の擁護を軸として軍国主義の復活、対外進出を企図し、一段と対米従属を深めるもとで、日本経済を一そう重大な困難におとしいれたのであります。したがって、このような
予算執行の結果を承認し得ないのは当然であります。
第二に、このような
予算執行の中では当然のことながら、前年度に引き続き不正、腐敗が数多く指摘されていることであります。また、
国民の血税を食いものにした
政治家や高級官僚の結託による
収賄事件も一千四十件に及び、
昭和三十七年五百九十五件、三十八年六百七十二件、三十九年九百二十件と、年を追うごとに増大しているのであります。これら不正事件の
発生は、これまでもわれわれのしばしば指摘したごとく、
佐藤自民党
内閣が人民の生活向上を全く無視し、資本家からばく大なる
政治献金をもらいながら、独占資本本位の
政治を進めている結果であることは明らかであります。
第三に、いま大きな
政治問題となり、自民党
政治の底なしの腐敗ぶりを天下にさらし、
国民の憤りをかきたてている、 いわゆる、タクシー汚職は、この四十年に端を発したものであり、決して本
決算と無
関係ではありません。自民党は、この事件をあくまで個人の問題に還元し、ことさらに党とは無縁のものであると、その波及を必死に食いとめようとしています。しかし、自民党が四十年六月、参議院選挙資金を名目に、タクシー業界から一億数千万円にのぼる献金を受けたことはまぎれもない事実であり、現実に運動資金の多くは、自民党
議員にばらまかれたのであります。本気で捜査を行なうならば、閣僚級を含む十数名の自民党
議員が捜査線上に浮かび上がるだろうといわれていることから見ても、この事件が自民党と
業者そのものの醜い癒着に端を発していることは明らかであります。問題のLPガス税法案は、四十年二月、第四十八
国会に提出されながら、四十年十二月、ようやく税率を軽減して修正案が可決されました。しかし、業界幹部は、この
法律が成立した後も、献金と引きかえに再び税率の軽減と、実施期日の延長を自民党に働きかけ、この結果、自民党
政府は、LPガスに対する課税軽減措置を二年間延長し、四十四年末まで、キロ当り十円に据え置くことを
内容とした修正案を去る七月成立させたのであります。しかし、われわれがとりわけ重視せざるを得ないのは、このたびのタクシー汚職が、昨年全
国民の怒りの中で
国会解散まで引き起こした一連の黒い霧追及と並行して進んでいた事実であります。
佐藤総理がえりを正すなどと議場を通じて公言していたその足元では、はばかりもなくこうした醜悪が公然と行なわれていたのであります。これは、
政府自民党によって汚職腐敗を一掃することなどは絶対にできない相談であり、またその資格も能力もありません。しかも、
国民の批判を逆用して、見せかけの
政治資金規正を口実に小選挙区制をたくらみ、また、当
委員会では総理みずから政党法の制定を公言してはばからないありさまであります。
わが党は、かかる
佐藤内閣の陰謀を決して許すものではありません。続発する不正、汚職事件を根絶するためには、かねてわが党が主張しているように、利権を生む一切の
審議会、補助金制度、指名
入札制度等を民主化し、利権の返礼としての高級官僚の天下り就職や、独占資本や財閥、資本家団体からの一切の
政治献金を禁止し、
政治資金の真の規正を直ちに実現する以外に道はありません。
このことを強く要求して私の反対
討論を終わります。