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美濃委員 いままでのやり方を見ると、開拓
政策その他負債整理を見ても、例を申し上げると、こういう
政策というのはやはり根治する切開手術でありますから、起きておる現象をきちっと切開して、化膿部分を摘出してしまうような、手術にたとえますとそういうことをやらなければだめだと思うのです。いままでの開拓の
振興対策でも、あるいは開拓に限らず災害等による負債の補完
措置等についても、先ほどの手術にたとえれば、ちょっとメスを入れてうみをしぼって、そのまま薬をつけて包帯をしておく。だから全部をやらないわけですから、きちっと摘出手術をしてしまわぬから、根源を残してしまっておりますから、それがすぐまた雪だるまのようになってふくれ上がってくる。いわゆる化膿してくる。何年かたって化膿したら、またちょっとメスを入れて根源を残したままおざなりの始末をつけていく。そのおざなりの始末で
かなりのところまでいくわけです。少なくとも六割くらいは始末するが、やはり四割の根源を残す。それが雪だるまになってもう回復できないという問題がある。どうしてこれに思い切って切開手術をやるだけの勇気を持った
措置をやらないのか。いままでやってこられた経過は、私の言うとおりで、私の見ておるところは間違いないと思うのです。ああいう思い切ったことをどうして根治するまでやらないのか。
政策の手を伸べないのか。それが
財政や何かの限界から見て不可能なものだとすれば、これは別でありますけれども、やる気があれば、農林漁業金融公庫全体の中でそこへ重点を置いて、単年度できちっと切開手術をしてしまうべきだ。手に負えぬほどの負債ではないのですからやれることです。
先ほど
経済局長の答弁も、そうならないようにやりますと言うけれども、事務処理要領なんかをきめていよいよ最終の
段階になると、初め言っておった
政策よりも最終の煮詰めが
後退してしまう。この
後退は、おおよそ事務局
段階の煮詰めで
後退してくるわけですね、三割も四割も。全然役に立たぬとは私は申し上げませんが、
かなり後退したところで、切開手術という意図でなしに、おざなりに理屈をつけて押しつけてしまう。ですから、根源は残っておるからまた再発してくる、化膿してくる。こういうことを繰り返しておるのです。今後の
政策としては完全な切開手術、するだけのことをやらなければならぬ。前段にも申し上げたように、
国際経済もこれほど
流動化してきた。この
政策を出したときも、ケネディラウンドや何かで保護
政策の
緩和が問題とされておるという農林大臣の談話要旨をつけてこれを出してきたわけですね。
これは
政務次官にお尋ねしたいのですが、切開手術をやるかやらぬか。勇気を持ってこれをやらなければならぬ。それがやれぬようなことだったら、特に開拓者あるいは連年災害をこうむっておる
農民、また、私は今回の新潟災害を、この
委員会の国政調査に参画をして見てまいりました。御存じのように一年の農作災害でなしに、あのような激甚な打撃を受けた被害
地域では、あと三年ぐらい必ず減収することがはっきりしておるわけですね。これを見る資金ということになれば、私は自作農維持資金にもう
一つつくらなければならないと思うのです。一年の災害で次には回復できるというものは、現行の自創資金の
制度で大体救済されると思います。他の関連金融との均衡もあるでしょうし、まあまあと言えると思いますけれども、今回の新潟被害、あるいは三年、四年の連年災害で大幅な減収を来たす場合の補完資金というものは、三分、三十年くらいの
条件で補完
措置をする。これは現行
制度の自創資金では救済できない。さっき言ったいわゆる切開手術の効果を果たさない。切開手術の効果を果たす資金の
条件は、やはり三分、三十年ぐらいでなければならぬと思います。そういうふうに自創資金にもう一本、単年度被害の補完の
措置と、連年災害もしくは今回の新潟被害のような
状況が起きた場合の補完の
措置とが要る。いまの自創資金
制度そのものが私は不十分だと思う。あれを二本にすべきだと思うのです。現行は現行
制度で残す。一年被害で回復できると認定されるものは、現行
制度でもいいのではないかと思うのです。十万戸以上あります全国開拓者のいわゆる切開手術を一直やらないと、こういう
構造政策を立ててもそれに乗ることができない。乗れなくてもたもたしておる
農家が、それをしてやれば
自立経営でいけるものを、しないことによってやっていけない。これは食糧の需給
確保の上から見ても、
農業生産の上から見ても大切なことだと思うのです。これは
政務次官から、
構造政策に合わせる負債の断ち切り対策、あるいは先ほど申し上げたように、現実に新潟被害等においてはいまの自創資金では不十分でありますから、これを補完する
制度の
確立についてどう考えておられるかを承りたい。