○森田
委員 ただいまの
島口委員からの質問に関連して、二、三質問してみたいと思います。
これはわれわれの地方としてはきわめて重大な問題でございます。大体四十二年度にどの程度作付すべきかということが、
農民としてはすでに非常に大きい惑いであった。しかし、もうやるものはやってしまったあとで起こった現象でありますから、何ともしょうがない。
そこで、われわれは
農林大臣に対して、とにかくすでに
ビートの作付が終わったんだ、このあと始末を一体どうなさるつもりであるということで、しばしば
答弁を追ったのです。
農林大臣はこれに対して、
農民には絶対御迷惑をおかけいたしませんと断言したはずなんです。だからわれわれも
農民に対して、
大臣があそこまで言っているんだから心配せぬで、とにかく
収穫量を上げるようにやったらよかろう、こういうことで
農民の質問に答えてきた、こういうことなんです。ところが、いよいよ
収穫時になってしまって、一体これをどう
処理するかということで、先ほど園芸局長からも御
答弁がありましたとおり、北海道へ持っていこうかということも大きい問題だったが、やはりうまくないんだという結論に達した。
そこで、結局到達したことは、とにかく一トンについて六千九百七十円お金を払うんだ、こういう約束が知事と農林当局との間に妥結した。これは新聞にでかでかと書かれたことなんです。問題はここにあるのですよ。それは
農林省のほうに責任があるか、知事のほうに責任があるかはしばらくおくとして、とにかく新聞に、一トンについて六千九百七十円で買い上げるんだ、こういうことになった。だから
農民のほうでは、当然それだけの金がもらえるんだというふうに考える。これまた常識的に考えて当然そうなるわけなんです。
そうすると、残ることは何であるかといえば、一体
数量がどれだけ
生産されたかというきわめて簡単な事柄だと私らは考える。あとはこの
数量をどうするのだということです。まあ私、農林当局と
県知事の間の交渉等の内容を若干知っておるのですが、要するに、
平均して毎年この程度のものが
収穫されているから、大体ことしはこの程度でめどを立てようじゃないかという相談なんですが、こんなものは確定的にきめられるわけでも何でもないのであって、ただ双方客観的根拠で、
平均された反当収量を基準にして、面積がこれくらいだからこれくらいとれるだろうという、非常に概念的な
数量の
算定のしかたをしたはずなんです。それで、大体このくらいの予備費を出して支給すれば問題は片づくだろう、こういう考え方であったと私は思うのです。いまになって、こまかい契約の内容はどうであったとかこうであったとか言って、契約の端々を文理の上から究明するということになると、ああでもない、こうでもないという水かけ論になるので、いまの
島口委員の質問に対する御
答弁も、どうもそういう迷路に入ってしまったような感じです。しかし、これはそんなことばの端くれでやる訴訟問題でも何でもないのでありまして、おおよそのところを、政治問題としてこれくらいの見当でいけばいいじゃないかという、これは行政裁量できまる問題だとわれわれは考えていたものですから、
大臣と知事の折衝に、われわれも間へ入ってしばしば
陳情等を申し上げ、それで妥結するものとは実は考えておった。
しかし、ここまできて、前に大体こうだろうといって暫定的にきめた
数量、それを基準にした六千九百七十円、その金を上げたのだからそれでもういいじゃないか、こういうのが結局議論の焦点になっている。しかし、そんなことはおかしなことなんで、これだけしか払いませんよときまったわけでも何でもないのでありまするし、そう考えてくると、これは予備費の中から五千万前後の金を出すか出さぬかという、行政裁量の問題に帰着するものだと私は思う。ところが、メンツがどうとかこうとかという議論になってしまったという感じなんです。したがって、まるで裁判所で原告と被告が争うて
答弁するみたような妙な雰囲気に、この
委員会がいまなってしまっている。おかしなことだと私は考えている。
しかし、問題は
農民が納得するかどうかということなんです。
農民に、ぶつ払いでこれだけ金を払われたから、あとは
青森県で
生産量に案分比例すればいいのだという原則が立っておったということなら問題ないのだけれども、そうではないのだ。そんなふうな約束でもなかったように聞いている。非常にあいまいな表現になっているようにわれわれも見ているわけなんです。
そうなると、これはここで文理的な突き詰めで相手を窮地におとしいれて、そこから何か引き出そうといったって、なかなか
食糧庁長官もいまのようにがんばっていて、めんどうなところになると、こういうところじゃこれ以上
答弁ができないというようなことになる。そうならざるを得ないのでございましょう。しかし、繰り返して申し上げると、どうしても
農民は納得しないですよ。だから、しかたなしに県のほうでは、立てかえてもこれはやらなければならないというので、いまのところ便法として、一時立てかえて
農民には払ってやったと聞いているわけなんです。そうすると、県のほうにそれだけの穴があいているわけだ。それを何とかしてもらわなければ、貧乏な
青森県の財政としては非常にこたえる。こういうことがいま問題になっていると私は思うので、契約の内容については、私も若干法律をかじったものでありますが、こんなものは一体無効か有効かということになると、
生産量の見通しなぞ、これは双方間違っている。錯誤です。錯誤なら法律的に無効だということは、これは明らかなことなんですから、そんな形式論を私は展開するつもりは毛頭ございません。
そこで、長官の御
答弁はいまここで一通りお伺いしましたから、これ以上長官に
答弁を促そうとも考えません。また、非常に御苦心なさっているということもわれわれ察知しておりますから、これ以上
答弁を求めません。園芸局長に対してもまたこれ以上求めなくてもいいと思うのですが、問題は政務次官なんですよ。いまあなたがここで、初めて政務次官になりましたからと言われた。全くそのとおりなんで、いままで肩を並べていた方が政務次官になられて、このいきさつをよく御存じない方へ
答弁を求めるということは、非常に無理だということは森田も知っております。知っておりますが、しかし、これは解決しなければならない問題なんです。しかも、きょうはあなたは
大臣の代理人で出ているのでありますから、
大臣の責任においてこれは解決してもらわなければならない問題なんです。だから、文句を言えば、文理の形式論理に惑わされて、こういう問題を責任なしに放てきしてしまって、
農民の信用を失墜してしまうというところに、私は
農林省の方々に根本的な反省を求めたいと思います。だから、こういう点を十分御考慮いただきたい。きょうのここでの
島口さんの質問は要点をついていると考えて、私も同感なんです。本来なら、私ももう少し追及したいと思いますけれども、追及してもこれ以上の
答弁が出そうにありませんから、この辺にしておきますが、これは政治問題です。
だから、そういう意味で、この空気をひとつ
大臣によくお伝えくださって、これは政務次官の一つの試金石になるかもしれませんから、その点をよくお考えくださって、そこで
大臣とよく御相談くださった上で、
農林省の一つの大きい政策としてお考えくださって、これをぜひ早く解決してもらいたい。これに対して、政務次官の決意のほどをお伺いしておきたいと思うのであります。