○門司委員 私は、ごく簡単に一、二の問題について御質問を申し上げておきたいと思います。
最初に、これは
財政関係について御意見を聞いておきたいのでありますが、
次官がおいでになりますから、これはきわめて政治の問題だから、政治的の問題としてひとつ
考えていただきたいと思います。
このことは、ほかのことではありませんが、いま領土の問題が非常に問題になっておりまして、北方の領土に関する問題であります。これは御
承知のように歯舞、色丹、それから択捉、国後というのがあるわけでありますが、ここに対しまして、これが墓参の関係だとか、あるいは漁業の関係であるとか、あるいはコンブの採取であるとかいうようなものの処置について、これがわが国の領土からいま分離されておるという関係で、そこから生じてくるいろいろな行政的の問題の処置について、北海道庁あるいは当該根室市がかなりたくさんのお金を使っておるわけであります。これは全く
地方財政の交付税の中に何ら考慮されておらないので、北海道に対するそれらの
財政処置の問題をぜひひとつやっていただきたい。具体的に私
どもが
調べました範囲で——これは北海道庁の発表でありますので、私は
数字に間違いはないと思いますが、
昭和三十八年度から
昭和四十年度までの貝殻島水域コンブ採取漁業実施に伴う
経費として四千七百五十九万円を使っております。そしてなお本年度見込額として一千三百二十一万八千円が必要であるということで、道庁ではこの
数字をあげております。同時に、根室市の場合になりますと、これらの問題に要します費用というのが、さっき申し上げました三十八年度から四十一年度までの間で大体一千九百二十万円の金が使われておりまするし、さらに本年度の見込額が五百五十万円、こう言っております。それから、その他の運動費として、
昭和四十一年度において二千五百六十五万円であり、毎年度の
経費として大体こういうくらいのものを使わなければならない。これは御
承知のように、国と国との間のいろいろな取りきめはございますが、それと同じようにやはりソ連の択捉、国後におります官憲との間に、根室市あるいは北海道庁というような行政機関からいろいろな交渉、あるいはそのことのために、ことに根室の市長は、そういう
事件において、おそらくソ連を二、三回訪門しておると私は思いますが、結局直接の地域の担当者としてはこれをほうっておくわけにはいかない。そうすると、その費用というものが当然使われてくるわけでありますが、これらの費用は、実はいま申したような
数字になっておるわけでありまして、それに対して
自治省が何らかの
財政の処置をしていただきたいということは、私は北海道庁並びに根室市の当然の要求だと
考えておる。その中で
自治省が処置しておりますものは、わずかに歯舞、色丹だけでございまして、これは町役場が花咲郡、例のあの灯台のあるところでありますか、ここに町役場がございましたので、町役場が北海道本島にあったということで、これを認めて、そうしてこれに該当する一応の
交付金は出されておるようでございます。しかし出しましても、これは面積だけでございまして、ほとんど人間がおりませんので、人間の対象にもなりませんし、学校の対象にもならない。何らの対象にもならない。きわめてわずかなものが、一応面積、道路というようなものが
考えられて出されておるという程度であって、満足なものではございません。こういうことを
考えてまいりますと、どうしてもこれに対して何らかの処置をしていただきたいのが
一つであります。
それからもう
一つの問題は、これらの復帰運動、沖縄の復帰運動も非常に熾烈に行なわれておりますが、北海道における、根室市における運動というものは実に真剣なものである。しかし、それが遺憾ながらこちらに伝わっていないというところに
一つの問題があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、復帰に関しまするこれらの具体的な問題ではなくて、その他の運動でやはりかなりたくさんの
経費を道なり市なりが使っております。これらの点についても、やはり御配慮を願いたいということ。
それからもう
一つの問題は、国が一応援助をいたしまして、ある程度の資金を出して、これは小笠原も同じでありますが、何か見舞金みたいなものを出しておるわけであります。したがって、それらのお金を基礎にして、北方協会という財団法人の協会ができております。これがそういうお金を積み立てて、そうしてそのお金の金利で
運営されて、領土の返還運動等の主体をなしているわけであります。そういう
意味で、これも限られた、
政府から支給されたお金についての利子だけしか実はございませんので、十分に運動をするわけにいかないというのが今日の北方領土に対する
一つの大きな問題点でございます。したがって、これらの問題について、この財団法人に対して何らかの援助ができるものなら、やはり援助をしていただきたい。そうして少なくとも
日本の戦争に対する犠牲に対して支出されなければならない、あるいは支出しておりますものが地方負担になるようなことであってはならないと
考えるのであって、これらの問題について、ひとつ明確な御答弁を
次官から伺えれば幸いだと思っております。