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堀部参考人 これはなかなかむずかしい問題もあろうかと思います。たとえば
亜炭山の
労務者、これは御指摘のようにどっちかと申しますと、スキルフルでないと申しますか質がよくない。そういうことがいいのか悪いのか知りませんが、要するにセンスがそれほどない人が多い。そうしてわりあいと共同作業ということをきらう。そういうような
労務者というものがいるところをもう少し近代化をするには
労務者自体がついていかなければいけない。いわゆる労務に対する教育という面があろうかと思います。そういうことをやはり
労務者も
考え、
経営者も
考えなければ
機械化のほうに踏み出すのはそう安易な道ではないと思います。
それからコンプレッサーというようなお話がございましたが、これは先生はどこをごらんになられたか存じませんけれ
ども、コンプレッサーを持っている
亜炭山はかなりたくさんございます。コンプレッサーがあるということは、これは多くはピック
採炭をやる。またピック
採炭をやるばかりではございませんで、抗道掘進というようなものもピックを使って、大体沿層
坑道が多いのでありますが、そういうようなことをやっております。御
承知のとおり地下の鉱物資源というものはわりあいとスピードを持って仕事をしていかなければならない。地圧に対抗するとか、そういうような面もありますので、スピードをもってやっていかなければならない。そういう面でピックが
採炭に使われ、あるいは
坑道掘進に使われている。そういう点はかなりやっております。私
どもはもう十年ぐらい
亜炭の
診断をやっておりますので、できるだけそういうところの
機械化を取り入れるように、私だけではございませんが、
指導もいたしましたし、県なり局なりの御
指導もございまして、まあ目ざめているところと申しますか、そういうところはそういう方向に進んでおります。
先ほど私が冒頭で申しましたロング式ができるかできないかという問題、これは
能率をあげるということからいけば、ロングが一番いいことは先生も御
承知のとおりだと思います。しかし、ロングをやるについては
——ロングというのは
長壁式採炭の方法でございますが、ロングをやるにつきましては、一般論から申せば二方
採炭一方移設というような昼夜兼行ということが前提になってこないとまずいわけです。そういう一方
採炭、要するに一方操業という点を現在の
亜炭鉱業、
労務者のほうも改めなければなりません。ですから理論的には増産あるいは集約、そういうことは可能でありますけれ
ども、現
段階で
幾多の
問題点はある。そういうものを業者も、それから
労務者も、あるいはそれの所管であるところの局なり県なりというところが一致してそういう方向に
指導していく必要もあろうかと思います。