○両角
政府委員 お尋ねの第一点の、
価格の
規制を行なう必要があるかどうかという点でございますが、御承知のように、
LPGの
価格が安定的であるということは、たいへん望ましいことと存じます。特に需要家数が千三百万という膨大な数にのぼっておりますので、なるべく
LPG価格が安定的であるということは、これを推進をいたす必要があろうかと
考えております。さような
意味におきまして、今日まで、過去における
価格変動の大きな原因であった
供給の弾力性の不足ということを解消いたすために、備蓄能力、タンク能力というものを充実いたしまして、季節的な変動による
価格の幅というものをできるだけ狭める能力が、現在できてきております。また末端におきまして、ややもしますと過当競争というものが行なわれまして、非常な
価格の乱れを来たしておる実情にかんがみまして、それらを協業組合等の結成を通じまして秩序ある
販売たらしめていくというような行政指導を今後とも続けていきたいと
考えております。かような方策を通じて、
一般的に
LPGの
価格の安定をはかってまいるということは、十分努力をいたす所存でございまするが、これを法的に
規制するかどうかという点につきましては、やはり現在五万軒ございまする末端業者の、
販売の自由競争によって得られる
価格というものに期待をいたすのが、一番
消費者利益に対応するものであろうかと
考えております。しかしながら、冒頭お尋ねのございましたように、将来大
規模な
導管による
供給というようなものがふえてまいると仮定いたしまして、かつそれが
公益事業的な色彩を強めてまいるといたしますならば、その見地からする
価格の
規制ということは、さような
方向でまた検討いたす必要があろうかと
考えております。
次に第二の、
価格の差、ばらつきが非常にはなはだしい事例がある、これはどういうわけであるかという御
指摘でございます。事実私
どもの調査によりましても、地域的にはきわめて異例な
価格が末端において存在いたしておるということは承知をいたしておりまするが、
一般的には、大体六百円から八百円くらいが七割くらいの
ウエートを持っておろうかと思います。さらにそれ以上の
価格につきましても、八百円から一割くらい高い程度までのものが大
部分でございまして、極端な事例は別にいたしまして、おおむね全国的に見まして、
価格は現在の段階におきまして、小売り業者で六百円ないし八百円というふうに理解をいたしております。しかしながら場所によりまして、地域によりまして、特に北海道、九州あるいは東北地方といった需要家が山間僻地に散在いたしておりまして配給基地から遠く離れておるというような場合には、輸送費、配達費等々がかさみまするために、ある程度全国平均を上回る小売り
価格になる例が多かろうかと存じます。したがいまして、さような理由によりまする
価格のばらつきでございますので、
LPGの品質の差による
価格の差というものとはとっておらない次第でございます。かかる極端なばらつきに対しましては、その実情を調べまして、組合等を通じまして適宜措置をいたしてまいりたいと存じております。
次に第三点の、
価格の
実態がどうなっておるかという御
指摘でございますが、現在、生産、輸入業者におきまする
販売価格は、平均いたしまして十七円五十銭、卸業段階におきましては平均いたしまして二十七円ないし三十円、小売り業段階におきましては大体六十円ないし八十円というのが
実態でございます。
第四にお尋ねをいただきました
LPGの流通経路でございますが、これは大きく分けまして、今日四つくらいの流通経路があろうかと存じます。その一つは、生産者または輸入者から元売り、卸、小売りを通じて
消費者に渡る一番段階の多いものでございます。その第二は、元売り業者がなくて、生産者から直接卸売りに行くものでございます。その第三は、卸売りにかえまして、元売り業者の支店、出張所を経由して
販売をいたしておるものでございます。その第四は、卸売り業者がございませんで、生産者から直接小売り、卸の兼業者に流しておる、あるいは協同組合等に流しておる、こういう
形態でございます。おおむねこれらの四つの
形態がございますが、このほかさらに、場所によりましては二次卸、三次卸、あるいは一店卸といった特殊な流通機構が介在をいたしておる場合もございまして、全般的に見ますと、かなり複雑な経路になっておるかと
考えております。しかしながら、かような流通経路は今後漸次これを合理化をいたしていく
方向で努力いたしたいと
考えております。