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広瀬(秀)
委員 百二十五件のうち四十五件について一千万以上と以下という非常に大ざっぱ過ぎて、いまの私の問いに対する的確な答えとはなっていないと私は思うのです。私がこのことを聞きますのは、今度この新法が成立、施行されるならば、大体十名
程度従業員がおるというくらいの
規模でないとなかなか存立ができないのではないか。末端の、
先ほど申し上げたような二人か三人ぐらいで専業的にやっている例が圧倒的に多いわけでありますが、こういう
人たちが、いままでもう十年以上もやっているけれども、
自分のところでは
ただの一件も
事故を起こしたことがないのだというようなことを強く言っておるわけであります。そういうことで、
保安についても一生懸命やってきた、
自分のところではたとえ
規模は小さくても、一生懸命やって
事故も起こさぬできた、私の
供給している二百戸なり三百戸なりで
ただの一回も
事故はなかったのだ、それにもかかわらず、こういうたいへんな
義務と責任を、しかも経費のかかるようなことを押しつけられたのでは、これはもう立ち行かぬという、今日第一線の小
零細業者の中にはそういう
気持ちを持ってこの
法案を迎えている
人たち、
販売業者というものが非常に多いわけであります。そうしますと、これはマクロ的な
立場でいえば、小
規模で
十分資力もない、人も完全な形で配置されていないというところに
事故は起こりやすいという傾向的なことは言えるかもしれぬけれども、そういう点で、一つ一つミクロ的な
立場で考えていくと、必ずしもそうではないというようなことになって、この
法案を受けとめる
業者の
立場は非常な不安を持つということにもなりかねないわけであります。そういう
状況に今日あるわけでありますが、そういう中で、きのうの
質問に対しても、
消費者の無知というものに対する
啓蒙というようなことも、もう現にこの
法案が成立する前に着々とられて、きのうも、
テレビスポットでその
保安啓蒙をやったとか、あるいは
高圧ガスの
保安週間で
ビラをまいたとか、こういうようなことなども
吉光さんから表明があったわけですけれども、これは
保安を
向上させるためにたいへんけっこうなことなんです。そして
数字的にも、
消費者の
不注意というようなものから、無知であるというようなことから起こっている
事故の
ケースが非常に圧倒的に多いというようなことからも、当然なすべきことなんです。しかしこの
ビラに、こういうところはこう
注意しなさい、こういう危険がありますからこう
注意してくださいということをいろいろこまかく書いて、その
ビラを持ってその
業者が回って歩く、栃木県あたりでもやっております。これはわれわれの目からも当然のことなんです。ところが反響としては、それでは
保安を一生懸命やりましょうと
消費者が思う前に、実はこういう結果が出ているのです。ある
業者が私のところに来て、実はこういうことをやったのだ、そうしましたらその
消費者のほうが、こんなにめんどうくさくて、こんなにこわいものじゃ、
自分のところではものプロパン
ガスを使いませんと言って、三軒ばかり断わられたというのです。そういう予想に反するような結果なども生まれる、そういうことでありますから、やはりこれらの問題については、単にこの
法律を出せばもういいんだ、何とかなるのだというようなことで――なるほどそれで
保安は
向上するでしょう。しかし小さい
業者のところに対してそういうお得意さんがなくなっていくというような一面も同時にある。もろ刃のやいばとまではいかないにしても、そういう意外なはね返りまであるというようなことも、これは
政策立案当局としても十分知っておいてい
ただかなければならぬことだろうと思います。こういうものに対する配慮を一体どうするかというようなことについて考えがあれば伺いたい。
保安を
向上させる、それになかなかついていけないということで、これは男性の場合はそうでもないのですが、
奥さんは見
ただけで何かこわくなってしまう。これはやはり
業者の経営の問題あるいは
生活の問題に至大の
関係がある。こういう面についても、これからそういう
保安を
向上させるということと、いま私が指摘したような問題とをうまく両立をさしていく何か
施策というか、
考え方というか、そういうものがあればひとつこの際明らかにしてい
ただきたいと思います。