○藤井
政府委員 先刻来佐野
委員の中小企業金融を中心とされました中小企業対策についての御熱心な御
質問を拝聴いたしまして、全く私も同感に思います。
先ほどから話が出ておりますように、
日本の中小企業はかつてなき大きな構造改革の時代に突入をしておるというふうに思うわけでございまして、そのような国内情勢とあわせて、御
承知のごとく最近の国際経済情勢も大波が取り囲んでおるわけでございますから、これはたいへんなことでございまして、
先ほどしょっぱなに、倒産件数を前提としていろいろ御心配の御議論でございました。私も倒産をされる中小企業者の立場から考えると、まことにお気の毒にたえない状態でございまして、最小限度にこれを食いとめるという努力は
政府として精一ぱいせなければならぬ、これはあらゆる所管を越えて、
政府として取っ組むべき重大な課題だと思います。
ただ私は佐野
委員とともにひとつ考えさしていただきたいと思うのは、
一つの大きな構造改革が行なわれておりますから、ここに倒産ということがほかの方向へ転換することも考える。ただ倒産件数だけをすべてのきめ手ということには、現時点においてはやはり多少そこは考えなければならぬ。決して私はこれをおろそかにするという
意味で申し上げるわけでもなく、弁解的に申し上げるわけでもございませんけれ
ども、そういう点があるということを、今後ひとつ大いにこの場を通じてともに研さんしていきたい、このように思います。
それから金融問題についてるる
お話がございました。私はずっと長年
大蔵委員のほうをやっておったわけでございまして、
先ほどから各省から
意見が出ておりましたけれ
ども、金融制度のあり方そのものから考えれば、多元化すべきものではないというのが私の持論でございます。ただ、今度の御
承知の環境衛生金融公庫というものが発足を見ました。これは
委員の御
指摘のごとく、やはり従来の中小企業専門の
政府機関の融資の
状況、これが手厚くなかったというところにも直接的な原因の
一つがあろうかと思うのでありますが、ともかくできたのです。また、できた
理由としては、
先ほど話が出ておりましたように、やはり公衆衛生というこの角度から特別に政策的な金融機関をつくったわけでございますけれ
ども、最近、この発足を契機として、今度はまた農林関係ですね、流通近代化という線、これをとらえて、
先ほど農林省から説明のごとく、実体的な金融の必要性を強調されて新しくできようとしております。この問題について、私はやはり
先ほど中小企業庁長官が答えましたように、望ましき方法としては、金融条件、融資条件、こういったものがまちまちに相なる
——現に相なっておるわけであります。同時にまた実績の面からいっても、やはりもちはもち屋でやっていくという点も考えなければならぬ。しかも、機構をふやせば、それだけ人件費といいますか、そういうものも要るわけでありますから、金融の効率化という点からいっても、やはり本筋は、いままでの中小企業金融機関が融資条件を改善する、そして融資の内容を通利八分二厘、これをできるだけ下げていく、融資ワクを拡大する、こういうような線に努力すべきである、
大蔵省もこれを受けて立つべきである、このように私は考えるわけでありまして、ひとつよく
検討させていただきたい。
政府部内においても各省において現在真剣に
検討中でございますから、御
意見を
参考にさせていただきまして善処いたしたい、このように思うわけであります。