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1967-12-20 第57回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十二月二十日(水曜日)    午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 小澤佐重喜君    理事 大石 武一君 理事 四宮 久吉君    理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君    理事 福田  一君 理事 島上善五郎君    理事 堀  昌雄君 理事 門司  亮君       篠田 弘作君    白浜 仁吉君       永山 忠則君    古川 丈吉君       岡沢 完治君    伏木 和雄君  出席国務大臣         自 治 大 臣 赤澤 正道君  出席政府委員         自治省選挙局長 降矢 敬義君     ――――――――――――― 十二月十四日  在宅投票制度復活に関する請願大橋武夫君紹  介)(第三三三号)  同(堀昌雄紹介)(第三三四号)  小選挙制反対に関する請願小林信一紹介)  (第四五八号) 同月十八日  在宅投票制度復活に関する請願江田三郎君紹  介)(第五一七号)  小選挙制反対等に関する請願松本善明君紹  介)(第七七二号) 同月十九日  小選挙制等反対に関する請願川上貫一君紹  介)(第九四二号)  同(田代文久紹介)(第九四三号)  同(柳田秀一紹介)(第一一一五号)  同(田代文久紹介)(第一一一六号)  同(谷口善太郎紹介)(第一一一七号)  同外一件(松本善明紹介)(第一一一八号)  同(広沢賢一紹介)(第一三一七号)  同(川上貫一紹介)(第一五四五号)  同(田代文久紹介)(第一五四六号)  同(谷口善太郎紹介)(第一五四七号)  同(林百郎君紹介)(第一五四八号)  同(松本善明紹介)(第一五四九号)  同(池田禎治紹介)(第一六四五号)  小選挙制反対に関する請願外一件(広沢賢一  君紹介)(第一五五〇号)  小選挙制反対等に関する請願松本善明君紹  介)(第一五五一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月十九日  公職選挙法の一部改正に関する陳情書  (第一四九号)  小選挙制反対に関する陳情書外五件  (第一五〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  公職選挙法改正に関する件  閉会審査に関する件      ――――◇―――――
  2. 小澤佐重喜

    小澤委員長 これより会議を開きます。  閉会審査申し出の件についておはかりいたします。  篠田弘作君外四名提出公職選挙法の一部を改正する法律案島上善五郎君外二名提出政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案公職選挙法改正に関する件について、閉会中もなお審査を行なうため、議長に対し閉会審査申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小澤佐重喜

    小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 小澤佐重喜

    小澤委員長 この際、申し上げます。  請願の取り扱いにつきましては、先刻理事会において協議いたしましたとおり、この際、留保することといたします。     —————————————
  5. 小澤佐重喜

    小澤委員長 この際、御報告いたします。  本委員会に参考送付されております陳情書は二件であります。  自治大臣が御出席になるまで、暫時休憩いたします。    午前十時三十五分休憩      ————◇—————    午後零時五分開議
  6. 小澤佐重喜

    小澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
  7. 堀昌雄

    堀委員 自治大臣、この間、所信表明といいますか、ごあいさつがありましたが、これに関連して二、三お尋ねをいたします。時間が私二十分しかありませんから、簡明率直にひとつお答えをいただきたいと思います。  その中で、政府は、   御承知のように、今日、選挙制度につきましては、各方面から金のかかる選挙の実態に対して強い批判があるところでありますが、これを打破するためには、今後とも政党近代化組織化及び国民政治意識の高揚につとめるとともに、個人本位選挙から政党本位政策本位選挙に転換することが要請されているところであります。   政府は、これらの諸問題を解決するため、さき選挙制度審議会に対して、選挙区制その他選挙制度根本的改善をはかるための方策について諮問したのでありますが、同審議会は、三年有余にわたってあらゆる角度から慎重に審議された結果、去る十一月二日その答申をいただいた次第であります。   政府といたしましては、この答申趣旨を尊重しつつ、 と、こうなっておるわけですが、そういうふうに、今度の答申は、一つ選挙区制に関する答申がございました。この答申に関して自治大臣はどうお考えになっておるか。選挙区制に関する答申部分についてはどうお考えになっておるのか、それをひとつ最初にお伺いをいたしておきたい。
  8. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 堀委員審議会委員でございましたから御承知のとおりに、やはり同士打ち選挙は避けるべきであるという意見が非常に強くて、同士打ち選挙を避けるのにはどういう方法があるかという議論が、結局単純小選挙区のほうへ向かっていきましたけれども、いまの段階ですぐ単純小選挙区制に踏み切るには、御案内のとおりいろいろまずい面もありますので、何回かこれに手を加えるという議論がずっと進行してまいりました。結果は、一つにはしぼりませんでしたけれども方向は、私は小選挙区のほうへ向かって答申があったものと理解をいたしております。
  9. 堀昌雄

    堀委員 あなたは、選挙制度審議会に対する政府諮問御存じですか。
  10. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 諮問を読みますと、「選挙区制その他選挙制度根本的改善をはかるための方策を具体的に示されたい。」、こういうことでございます。
  11. 堀昌雄

    堀委員 あなたはいま、あの答申は、小選挙区のほうに方向は示された、こう言いましたね。しかし、それは答申ではないのですよ。よろしいですか。政府選挙制度審議会諮問をしたのは、「選挙区制その他選挙制度根本改善をはかるための方策を具体的に示されたい。」、こうなっておるわけです。そこで、具体的に示されたいということは、小選挙区制なら単純小選挙区制、小選挙区に比例代表を加味するならばそれはどういう形で加味するか、その加味したもの、それが具体的なんです。だから、それを具体的に答申をするためには、あなたも御存じのように、「第一委員会においては、具体的な改善策六案をとりまとめたが、採決の結果、出席委員三十三名中各案の支持者は中選挙区二名制限連記投票制案一名、小選挙制案七名、比例代表選挙制案四名、小選挙区制比例代表制併立方式案六名、中選挙区制改正案一名、小選挙区制比例代表制併用案九名で、いずれも過半数の賛成が得られなかった。」、こう答申しているわけですね。ですから、政府諮問をしたのは具体的な案を出しなさい。そこで、選挙制度審議会が、具体的な案六つを討議したけれども過半数を得るものがありませんでしたということは、具体的なあり方についての答申はなかった、こういうことなんですが、自治大臣、さように了解していますか。
  12. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 何か一つにしぼるということが具体的ということでしたら、私は、方向はきまっておらぬと思いますけれども……。堀委員質問意味から申せば、具体的な案はまとまっておりません。
  13. 堀昌雄

    堀委員 だから、政府諮問をしたことに具体的には答えられなかった、選挙制度審議会は。かよに理解をすべきだと思いますが、大臣、それでよろしいですか。
  14. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 諮問した、ただいま読み上げましたものを文字どおり解釈すれば、そのとおりだと思います。
  15. 堀昌雄

    堀委員 そこで、実はこの前、まだ藤枝さんが答申のときは自治大臣でしたが、何か政府は、あの答申でも小選挙制案を立法化して提案できる、こういう話でした。なるほど選挙制度審議会は、問題を全然考えなければ政府提案権があることは当然でありますから、そのことはそれでいいと思いますけれども、少なくとも、これまで審議会を尊重するという審議会設置法による考え方総理は何べんも、政治資金に関してでもですが、これは一般論として本会議でも何べんも述べてきておられますから、その限りにおいては、もし政府が、たとえば単純小選挙区案というようなもの、あるいはたとえば比例代表案というものを国会提案するとするならば、私は、まず今度は政府の案を審議会に出して、要するに政府はこの案を考える、これについて審議会意見を問うということがない限り、このままで政府が小選挙区案あるいはそれに類したものを国会提案することは、審議会設置法なりこれまでの審議会審議経過に関して問題がある、こう考えておりますので、その点をひとつはっきり示しておいていただきたい。
  16. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 いつでも、立法府である国会審議会との関係議論の対象になるわけでございます。政治資金規正法区制改正も同じことですけれども審議会答申をそのまま立法化するということだったら何も国会は要らぬわけでございまして、しかし、言うまでもなく、国会国会として、政府政府として、これを成文化して国会審議して、その結果、これが法律になるのは当然のことでございます。ですから、ただいまの問題につきましても、政府政府として、この答申を基礎として法律提出し得ると考えております。
  17. 堀昌雄

    堀委員 私が言っているのは、審議会が、たとえば小選挙比例代表制案過半数で決定をして答申をしたら、それは審議会としての具体的な答申があったから、それを尊重して政府法制化にかかるというのなら、これは筋道が通っているのです。ところが、この間は、過半数は得られなくて、具体案を示せと言われて具体案六つも出ました、過半数になりませんでした、こうなっている以上は、実は私は、政府が小選挙制案を出すなら、これは審議会にもう一ぺん諮問をするのが筋だと考える。だから、それはしないでもできますよ。しないでもできるけれども、これまでの経過からするならば、私はそういう手続があってしかるべきだ、こう考えておるわけですが、そういうことはするのか、しないのか、それだけ答えてください。
  18. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 経緯から考えて、しなくてもいいけれども、するのが当然だという御質問でございます。私もそのとおりだと思います。もちろん提案いたしますからには、その案の内容なるものは、十分審議会答申を尊重した形ですべきことは当然ですが、かといって、これを諮問しなければ提案できないという筋合いのものではないと考えております。
  19. 堀昌雄

    堀委員 だから、いまの後段はそうでしょう。私も言っているのですよ。それは政府提案権がありますからいいですが、少なくとも長年にわたって皆さんの非常なお骨折りをいただいて審議会設置されてきて、当面、それじゃ審議会設置する意思があるのかないのか、第六次審議会設置についてはどうなのかということをちょっとお答え願いたい。
  20. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 第六次審議会をつくるかつくらぬかは、いまの段階で慎重に検討しつつあります。
  21. 堀昌雄

    堀委員 検討中というと、つくるかつくらないかの検討が終わるのはいつですか。
  22. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 いま、資金規正法も、御案内のとおりに提案を急いでおりますし、また、あと制度改正その他の答申も出てはおりますけれども、いまのところ、まず緊急を要するものが精一ぱいでございまして、そのあとでまた考えていいんじゃないかと思っております。
  23. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、あなた、いま検討中と言われたけれども、いまの答弁じゃ、慎重検討していないじゃないですか。検討していないなら、検討していないと言ってくれればいいのです。いま慎重検討中だと言うから……。いまの、佐藤さんじゃないけれども沖繩について合議をするのは三年後だ、返還するかどうかは別ですが、そこから始まるというのだから……。それと同じように、慎重検討が終わるのはいつか。終わったところで審議会を設けないということになるのか、設けるということになるのか、そこできまるのだから慎重検討の幅を聞いたら、いまのあなたの答弁では、急ぐものが先にあるからと言うなら、検討してないということじゃないですか。どっちですか。やはり答弁責任を持ってもらわぬと……。
  24. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 検討中でございます。
  25. 堀昌雄

    堀委員 検討中なら、検討の終わる時期はいつですか。
  26. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 その時期のことを大体いま申し上げたわけでございます。
  27. 堀昌雄

    堀委員 ものを検討するときに、ともかく検討の時間に大体目安を置かずに検討するなんということは、検討してないということなんですよ。実は私が大蔵委員会でいつでもやっておるのは、あなた方検討に一年かかってもいいですよ、一年かかってもいいから検討するならそれをいま一年と言いなさい、それは一年でもいいし、六カ月でもあなたの好きなように言えばいいんですよ、その時期を言わずに検討していますというのは、検討してないと言うのと同じですから、その時期を……。
  28. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 何月何日ということは申し上げません。
  29. 堀昌雄

    堀委員 一年ぐらいとか半年ぐらいとか……。
  30. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 ですから、ただいま申し上げましたように、緊急を要するもので精一ぱいでございますので、それを終わったころから時期等につきましては考えたい、こういうことでございます。
  31. 堀昌雄

    堀委員 それでは、そっちからいきましょう。いいですか、公職選挙法の一部改正をやられる、ここにちゃんと所信表明に出ておりますね。これは大体いつ提案されるのですか。この次の通常国会に出すと言われておるわけですから、これはいつごろ提案になりますか、めどは。これはいまのと違いますよ。
  32. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 まあ私どもは、通常国会が始まってから、そういった問題すべて根っこから検討するという考え方でございます。
  33. 堀昌雄

    堀委員 通常国会は二十七日からでしょう。きょうは二十日でしょう。二十七日からなら、いま言ったって変わりないじゃないですか。これは次の国会提案しないんですか、するんですか。それから聞きましょう。公職選挙法のほうですよ。
  34. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 たびたび申し上げましたとおりに、また所信表明でも述べておりますとおりに、次の通常国会には提案はいたします。
  35. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、公職選挙法は次の通常国会提案する、政治資金規正法も次の通常国会提案しますね。——答弁答弁、時間がないから、さっさとやってください。
  36. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 そのとおりでございます。
  37. 堀昌雄

    堀委員 次の通常国会は、うしろに参議院の通常選挙が控えておりますからね、そんなにのんべんだらりとできないはずですね。大体五月一ぱいくらいで実質的な審議が終わる、こうなるわけですね。そうすると、一月の二十日ごろから再開をされて、実質的には二月、三月、四月、五月、四カ月くらいしか中身はない。この中で衆参を通じて、あなた、総理大臣を含めて、今度政治資金規正法成立させたい。公職選挙法の問題は、これは異論もございましょうけれども審議会で一本になって答申が出されたことですから、与野党含めて、かなりの点において共通部分があるわけですが、この二本が出てくるわけです。いいですか。そうしてあなた方、出した以上は成立を期したいと言う以上は、ここで政治資金規正法は大体いつごろ、公職選挙法は大体いつごろ出すというめどもないなんて、そんな無責任なことでは承知できないですよ。大体めどだけ言ってください。大体何月ごろ……。
  38. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 もちろん、提案するからには成立ということについて責任を持たなければならぬわけでございますから、その苦慮があればこそ、私、大臣就任のときに、ちらっと今度の国会はどうも選挙を控えておるのでまずいがと言ったことが、ああいうニュースになって伝えられた。(堀委員君子豹変ではないですか」と呼ぶ)君子豹変でも何でもない。私はむしろまじめに、この法案というものを、世論にこたえるという意味成立させたいと思えばこそ言ったことが、しまいには提案しないというような妙なことになって迷惑したわけでございます。しかしながら、御案内のとおりに党との関係もありますし、政府が一方的にどうだといいましても、これが途中で変なぐあいになりましても困るものですから、この問題につきましては、党ともいろいろ折衝しなければなりませんので、いましばらく時間をかしていただきたいと思います。
  39. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、いまはまだ提案する時期は言えないけれども提案だけはするということを確認している。  それで、これの成立はどうですか。公職選挙法及び政治資金規制法について、提案する以上は、政府成立を期さなければだめですよ。成立するための時間的なものを配慮しなければ、この間のようなことになりかねないわけですよ。あなたは出すということを確認をした。出すということを確認をし、成立についても確認しておる以上、責任上、逆算して十分な時間をとって出すということはあたりまえでしょう。そう思いませんか。
  40. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 そこがむずかしいところでございまして、次の通常国会は、私どもの長い経験からして、四月以降は欠席者が非常に多くて、審議がなかなか難航するということが予想される。ことにこの問題は、ほかの法案と違いまして、全議員がそれぞれ発言したいという気持ちを持っておりますから、党でいろいろなことを最終的にまとめるにいたしましても、党員がおらなければどうにもならぬ。いろいろなことがありますので、成立を期しますためにはなるべく早く提案をしなければならぬし、それから審議も手早くやってケリをつけなければ、日の目を見るということはなかなかむずかしいと思う。そういう特殊な事情がありますから実は苦慮をしておるわけでございます。総体を通じてどう運ぶかということのお答えは、いましばらく御猶予を願いたい。
  41. 堀昌雄

    堀委員 時間がありませんから……。たいへん苦慮しておられるようですが、ここではっきりしておることは、あなたもお答えになったように、提出はする、成立を期す、これだけははっきりしておるわけですから、それから逆算をすれば当然提案の時期はきまるべきであるし、提案をすれば、一応ともかく、さっきあなたの言われたいろいろな事務的な問題も終わるから、第六次の審議会結論はその提案の時期ぐらいには当然出てくる、こう理解しますが、それでよろしいですね。
  42. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 けっこうでございます。
  43. 堀昌雄

    堀委員 最後に、今度の行政整理の問題で、選挙局を取りやめるということに自治省はやっておるそうですね。これは選挙局行政局一緒にするというような話ですが、皆さん、どうも選挙の問題は、あまりがたがたして、国民から、新聞その他からやられるから、これは小さいものにしちゃってできるだけそっと通ろうという、こういう底意があるような感じがしてしかたがないのですが、国民の重大な権利である選挙に対して、そういう局をやめるなんということは、これから重大な政治資金規制選挙区制というものをやろうというときに、これは本末転倒もはなはだしいと思いますが、自治大臣どうですか。
  44. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 堀さんも御承知と思いますけれども、今度総理が一省庁一局削減ということを言い出されたわけでございます。これは行政改革がはかどらないから、一つ発火点として、こういうざっくばらんな御提案があったものと考えおります。その背後にはわれわれいろいろ反省すべき問題があると思いますが、ただ、自治省に関しては実際困ったわけでございます。御案内のとおりに、たった四局しかないわけですから、一省庁一局削減というので、自治省の場合はどうしたらいいか。行政というわけにはいかぬ、財政税務というわけにもまいりませんし、じゃ、この選挙局をもともとどおり行政局の中に引っ込めるかということに落ちつかざるを得なかったわけでございます。これは単に選挙局がどうということよりは、もっと総理としては重大な決意が秘められてあった。総理自身も、選挙局を廃止せよとは言わない、こう私には言われたけれども、じゃ、ほかの局のどれをどうするか、いろいろ考えてみましてむずかしい。大体これは、前大臣のときにいろいろ省内でも検討を加えまして、もしどうしても例外なくどの省もどの庁も一局ということならば、残念ながら選挙局行政局に入れるよりあるまいなんという結論に達しておったものを私引き継ぎ、さらにこれにつきましては閣内でいろいろ発言をいたしましたけれども最終そういうことに落ちつきましたので、選挙局が格下げになったからといって決して選挙局事務が低下しようとも思っておりませんし、倍旧の努力はいたすつもりでございます。
  45. 堀昌雄

    堀委員 しかし、いままでは選挙局長というのがここに来てしゃべっているのが、今度行政局長がここに来て答弁するのでしょう。行政局なんというものと選挙局と、十ぱ一からげでできる性格のものではないわけです。ですから、従来から総理政治資金なり区制なり選挙の問題を重要視しておるなら、自治省に限ってはこれはやむを得ぬ、四つしかないので、それじゃ行政局を切るかと言ったらこれは切れぬ、財政局を切るか、切れぬ、税務局も切れぬ。場合によっては、財政税務は大体同じだから一緒にしてもいいのだ。それすらもやれない。それはおかしいじゃないかとあなたが総理にはっきり言うのが、あなた自治大臣としての責務じゃないですか。それで総理を説得して、しかし、人間についての問題は別個に考えましょうと言うなら話はわかるけれども前任者のきめたことをそのまま言って、はいさようでございますかといって頭を下げてきたというんでは、私は国民の期待にこたえておらぬと思うのですが、自治大臣、その点だけお答えをいただいて、私の質問を終わります。
  46. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 堀委員が感じておられるとおりのことを私、考えております。ずいぶんこの問題についてはやり合ったわけでございます。しかしながら、最終結論がそこにいかざるを得なかった。いま財政局税務局一緒にしたらどうかとおっしゃるけれども事務量から考えて、両方を別の部にしましてもこれを一つにするということではとても事務量にたえられるものではありませんので、勢いそうせざるを得なかったわけでございます。
  47. 堀昌雄

    堀委員 佐藤総理選挙を軽視しておる一つのあらわれだと確認をして、私の質問を終わります。
  48. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に、岡沢完治君。
  49. 岡沢完治

    岡沢委員 私も、いま堀委員が御質問になりました公職選挙法改正案提出政治資金規正法改正案提出について、まずお尋ねしたいと思うのです。  自治大臣両方とも提出するという答えがございましたが、ただ、この選挙法関係法律案につきましては、前国会、前々国会以来、総理以下そういうことばがありましたけれども、一向出されていないということだけに重ねてお尋ねをするわけであります。  十三日の委員会大臣がお述べになりました所信表明の中で、字句にとらわれるようでございますけれども、「政府といたしましては、この答申趣旨を尊重しつつ、さしあたって現行選挙制度に関し改善すべき事項についての改正法案を次の通常国会提案いたすとともに、さき特別国会改正法律案提出審議未了となりました政治資金規正の問題につきましても、次の通常国会改正法律案提出いたす所存であります。」と言われております。これを見ますと、選挙法改正につきましては、はっきりと次の通常国会提出いたすということばを使っておるわけでありますけれども政治資金規正法関係につきましては、ただ「国会改正法律案提出いたす所在であります。」と、「所存」が入っておるわけであります。ここに非常な心配をするわけでありまして、区別がないのか。「所存」と言っておられますけれども、やはり意味があるのか、お答えをいただきたい。
  50. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 別に意味はございません。
  51. 岡沢完治

    岡沢委員 「所存」はなくて、提出すると解釈してよろしゅうございますか。
  52. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 そのとおりでございます。
  53. 岡沢完治

    岡沢委員 同じように、大臣のごあいさつの中に、明るく正しい選挙の実現に関連されまして、「国民一人一人が主権者としての自覚を持ち、高い選挙道義をはだ身につけることが必要であると考える次第であります。」、ごもっともな御発言でございますけれども、事この選挙法政治資金規正法に関しましては、先ほども申し上げましたように、佐藤内閣も、前の藤枝自治大臣にいたしましても、おそらく御自分でも恥ずかしいと思われるほど言動に、うそということばは言い過ぎかもしれませんが、国民から見て、不信行為が繰り返されたのであります。選挙民に選挙道義をおっしゃるのであれば、まずそれを提唱される政府が、あるいは担当の大臣が、政治道義を守られるということが前提だろうと思います。この点について、たびたび繰り返されてはおりますけれども、しかし、常に国民の不信を買ってきた歴史にかんがみまして、この政治資金規正法を、先ほどのおことばのように必ず次の通常国会提出をする、しかも誠意を持って成立を期するということをおっしゃいましたが、それを実行されるかどうか、重ねてお尋ねいたしたいと思います。
  54. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 実行いたします。
  55. 岡沢完治

    岡沢委員 実行するというおことばをいただいて非常にありがたいわけでございますが、それと関連いたしまして、先ほどの特に公職選挙法及び政治資金規正法提出の時期について、堀委員の御質問に答えられまして、提出もする、成立も期する、しかも来年の四月以降は、過去の例に徴して、参議院選挙の前で実質的な審議はむずかしい。そういたしますと、逆算いたしまして、少なくともその提出時期は、審議に一月以上の余裕を持つということを考えますと、来年の二月じゅう、あるいは二月の初旬には提出されるというのが筋論だと考えますが、いかがでございましょう。
  56. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 お互いに国会議員でございますから、ただ自治省だけがあせって提案をいたしましても、圧倒的多数を持っておる自民党がどういう態度をとるかによって、また成立の過程に大きな変化もきます。ですから、私どもといたしましては、やはりわれわれのほうで成案を得ました場合には、よく自民党とも意見の交換をしなければなりませんし、また一方、国会でも御審議を願うのには時間を多くとったほうがいいですから、そこらのところ、いろいろ苦慮しておるということを先ほど申し上げたわけであります。ですから、成立を期するために一日も早く提案をしなければなりませんけれども、しかしいま、いつ提案いたしますということは、ここで申しますと、またうそついたということになりますから、しかし、誠意だけは買っていただかなければならぬ、かように思います。
  57. 岡沢完治

    岡沢委員 誠意とか苦慮ということば以上に、この問題につきましては、佐藤総理が本会議でも約束されたことを、ほんとうに総理大臣の権威を傷つけると言わざるを得ないような方向で、弊履のごとく葬り去られている歴史があるわけであります。私は、この問題は単に一法律案の問題じゃなしに、佐藤内閣の政治信頼の問題にもかかわりますし、ひとり佐藤内閣の問題ではなしに、また自民党の問題ではなしに、政治全体に対する国民の信頼がこれにかかるということを申し上げても過言でないような感じがいたします。それだけに、いま、前言では提出する、成立を期する、しかも四月以降は実質審議がむずかしい、逆算をすればどうしても一カ月、二カ月の審議期間が要るわけでありますから、これはほんとうにそれを守られるつもりであれば、二月初旬に提出するということばが出てくるのは当然であると思いますが、そうお感じになりませんか。
  58. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 そのことを思っているから、さっき苦慮するということを申し上げたわけでありまして、いつもの国会どおりに五月一ぱいでも十分審議ができるなら何もあわてることはありませんけれども、ただ、参議院選挙を控えております国会であるがゆえに心配もし、そのためにこそ、やはり一日も早く提案をしなければならぬという心持ちを申し上げたわけであります。
  59. 岡沢完治

    岡沢委員 この点は、ほんとうはもっと大臣を追及したいのでありますけれども、時間の関係で次に進みます。  御提出になるとお約束になりました政治資金規正法の内容でございますけれども、これはさきの臨時国会特別国会で、引き続いて自民党としても、あるいはまた総理大臣としても、自治大臣としても御言明になりましたように、昭和四十二年四月七日付の選挙制度審議会答申趣旨を尊重される、小骨一本も抜かない——実際は五十五国会提出された案でも抜かれておりますけれども、その内容と同じ、あるいは少なくともそれより一歩答申に近づいた、御言明どおりの線と考えてよろしゅうございますか。
  60. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 答申趣旨を尊重するということは、たびたび申し上げておるとおりでございます。ただ、さっきも申し上げましたが、答申そのものを法律化するなら国会は要らぬわけでございます。そこにやはり審議の過程を通じて成立する形に手直ししなければなりませんし、それを骨だとかいったような表現をなさるとはなはだ迷惑するわけでございますが、ただいま堀委員の御発言にもありましたとおり、成立を期さなければならぬ。成立する法律答申をまるで無視したという形は、われわれとしてはまことにそういうことになることを戒めたいと考えておりますので、やはり申されたとおりに答申の線に沿って、そしてまた、先般の審議の過程でいろいろ御議論がありました点なども織り込みまして成立を期したい、かように思っておる次第でございます。
  61. 岡沢完治

    岡沢委員 答申を尊重するとおっしゃっておるのは、自民党の総裁であり、また内閣の総理大臣であります佐藤さんであり、また、前国会以来自民党から出しておられる自治大臣でございます。また、われわれ野党も答申を尊重する、そういう趣旨でわれわれ独自の案まで出しているくらいでございます。そうすると、いずれも尊重する。答申のとおり出していただければ成立するのは当然でございます。それを、むしろ成立しないという前提で苦慮されること自体がおかしいのではないかと考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
  62. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 私の立場としては、提案するからにはぜひ成立させたいという気持ちがあるから申し上げているわけでございます。
  63. 岡沢完治

    岡沢委員 前国会でも、四月の答申から法律案提出まで二カ月、その間に政府と自民党は十分に連絡をした、そのために時間を要したというのがお言いわけでございました。しかも、いまもおっしゃるように尊重する、われわれも尊重する、反対はないわけでございますから、答申どおりの案でりっぱに成立するのが筋でございます。苦慮される必要もなければ、提出を渋られる理由もない。内閣提出の案を野党も賛成する珍しいケースでございますから、安心してお出しいただきたいと思います。いかがでございますか。
  64. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 議会政治でございますから、なかなかあなたがおっしゃるようなわけにはまいりませんので、さっき苦慮ということばを使いましたけれども、十分答申を尊重いたしましてこの提案をいたしますので、その節はよろしくお願いいたします。
  65. 岡沢完治

    岡沢委員 最近新聞紙上をにぎわしておりますLPG汚職に関連いたしまして、政治資金規正法が、むしろわいろの正当性を裏づける道具に使われておる、違法性阻却の原因になっておる。政治資金規正法に従って届け出団体に記帳をし、出納責任者から報告する、そうすると、わいろ性の濃いものであってもむしろ正当であるというような解釈のもとに、逆に、政治資金を規制する法律が不正な政治資金を助長するような役目を果たしているというふうに解釈しても間違いでないような事実が、次々と、たとえば大阪地検と大阪府警本部との解釈の問題その他で出てきているような感じがするのでございますが、この点について、政治資金規正法の内容について、こういう問題も考慮されて今度の改正案に盛り込まれる御意思があるかないかをお尋ねいたしたいと思います。
  66. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 十分考えております。
  67. 岡沢完治

    岡沢委員 考えておるとおっしゃいましたが、そうすると、やはりそういうことも配慮されて政治資金規正法の内容の中にも、いわゆる政治資金規正法がざる法化しないように、あるいはむしろ先ほど申し上げましたような意味での犯罪の違法性阻却の道具に使われないような配慮をするという自治大臣の御決意だと解してよろしゅうございますか。
  68. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 政治資金規正法で一番大事なことは、政治資金の公開の原則と申しますか、公明正大にあの政治資金が授受されれば、全国にだっていろいろな批判もありますし、また検察当局だって、税務当局だったって、これを一つの基礎資料として、いろいろ処理すべきものはしていけるわけでございます。ただ、ただいま御指摘の問題ですが、私は、このLPG汚職のことにつきましても、政治資金規正法のことについてもずいぶん考えてみました。しかし、これは一体刑法で扱うべき問題なのか、政治資金規正法で扱うべき問題なのかという根本の問題についてずいぶん考えてみました。そのこともさらに部内でもよく意見調整もし、できるものなら成文化もしたいという気持ちもあります。しかし、御承知のとおりに、このLPG問題をいま検察当局でいろいろ取り調べをいたしておりますが、国会議員の職務権限とは一体何であるかということ、それから、それにまつわるかまつわらないかは、私いまここで申し上げる筋合いではございませんけれども、そのころ行なわれた寄付金、政治献金というものが、この職務権限にどう結びついておるかという非常にむずかしい問題でございまして、いま検察当局で頭を悩ましておる最中であると思う。ですから、私たちは、やはり政治の姿勢を正すという大局的な立場から申しまして、政治資金規正法も底が抜けた姿であってはまことに国民に相すまぬという考え方もありますし、私にも一つの強い決意もありますので、そういった根本的な問題につきましても再検討いたしたい。こういうことは答申にありませんけれども、やはり答申はともかくといたしまして、こういった問題につきましても検討してみたいと考えております。
  69. 岡沢完治

    岡沢委員 時間がございませんので残念でございますが、ただ私が一言だけ申し上げたいのは、自治大臣の御答弁は、いかにも私は三百代言的なにおいがする、政治資金規正法提出の時期についても、内容についても、ただいまのLPG汚職の関連性においても言えるんではないか。私は、やはり国民の信頼をつなぐためには、そういう片言隻句にとらわれた、あるいはことばだけで逃げるという態度をお避けになって、むしろみずから求めて公明正大な規制を受ける、あるいはまた、間違った法の解釈等についてはむしろ厳正さを要求するという態度が、大臣としても、政府としても、またわれわれ政治家としても要求されるのではないかと思います。  最後に一点だけ。ただいま私が聞きました範囲では、關谷勝利代議士に対しまして逮捕許諾請求があったように承りましたが、内閣の一員である国務大臣としてのこの点についての見解をお聞きいたしたいと思います。
  70. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 検察当局での調べの内容はよくわかりませんけれども、それが事実とすれば、国会議員として、はなはだ遺憾千万なことであったと思います。
  71. 岡沢完治

    岡沢委員 終わります。
  72. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次は、伏木和雄君。
  73. 伏木和雄

    ○伏木委員 最初に、先日の当委員会におきまして自治大臣所信表明があったわけでございますが、その中で大臣は、「政府といたしましては、この答申趣旨を尊重しつつ、さしあたって現行選挙制度に関し改善すべき事項についての改正法案を次の通常国会提案」する。そのあとに、さき特別国会において改正法律案提出した政治資金規正法についても次の国会に出したい、こういう御意図があったわけでございますが、ここで、選挙法については特に答申趣旨を尊重して、こうあるのですが、次の政治資金規正法のほうになると、その答申尊重ということが抜けておるのです。これは、先ほだから大臣答申尊重ということは言われておりますが、何か意図があるのではないか。先ほど堀委員のお話がありましたように、選挙法のほうにつきましては選挙区制等具体的な案を出す、しかし、具体的な案は出ておらなかった。ところが、政治資金のほうは、克明に団体、個人に関する献金の額までも記入した、きわめて具体的な答申が出ているわけです。そちらのほうの政治資金については答申尊重ということばが抜けておったのですが、この点について、大臣は何か意図があってお抜きになったのか、その点を承りたいと思います。
  74. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 別に意図はございません。
  75. 伏木和雄

    ○伏木委員 それから、答申尊重ということについてですが、前国会におきましても、総理をはじめ答申尊重ということは絶えず言われておりました。しかし、出てきた法案というものは、国民がこれはざる法である、骨抜きであるというように評価をしておったわけです。この点についても当委員会で相当議論があったわけでありますが、いま大臣がお考えになっている答申を尊重していくその答申尊重ということは、どういうことをもって答申尊重とお考えになっているか。政治資金規正法答申が出たから、ただ規正法さえつくればそれが答申尊重なのか、あるいは内容も十分答申どおりに織り込んでいくことが答申尊重なのか、大臣がいまお述べになっている答申尊重ということは何を意味しているのか、明らかにしていただきたいと思います。
  76. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 私、答申の一字一句ということは申しません。そのことは、ただいま申し上げたとおりに、一字一句変えないというならそれを右から左に法制局に回して法律をつくればいいわけですが、ではなくて、やっぱり法律国会がつくるものでございます。しかし、私は、答申の精神は十分尊重して世論の期待に沿わなければならぬと考えておる次第でございます。
  77. 伏木和雄

    ○伏木委員 その精神というおことばですが、先ほどから言っているように、答申尊重というけれども、精神尊重ということとこれは同じことではないかと思います。したがって、その答申尊重ということ、いま大臣は精神と仰せになりましたが、その答申の精神とは何にあったか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  78. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 いま成文をつくる過程にございますので、その内容を一々ここで申し上げるということはできません。
  79. 伏木和雄

    ○伏木委員 私は、個々の一点一点を伺っているのではなくて、その精神尊重の基本的な問題を伺っているわけです。それがはっきりしなくては、実際作業にかかってもそれは無意味ではないかと思います。したがって、基本的なこういう精神、具体的にこういう方向にということはいま固まっておらなければ、とうてい次の通常国会には出すことはできないと思う。ですから、大臣がいま何をどういう方向に、どういうものを描いていられるのか、それに向かって具体的に個々の条項が検討されていくと思いますので、その基本的な問題を私は伺っている。それがないということは、実際次の通常国会には間に合わないのではないか、あるいは出てきたものが、答申なんというものは全然無視されてくるのではないか、こういうように考えます。
  80. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 答申には金額などをあげて一々こまかく述べられてありますが、それはそれといたしまして、ただいま精神とおっしゃいましたことをどうお答えしたらいいのか、やっぱりさっきも申しましたように、資金規制をいたします一番根本は、政治資金の公開性というものを貫くということがシンボルであろうと思います。それから、やはり金のかからない選挙ということが前提にもなっております。しかしながら、一方、こうして政治活動を各政党、個人がいたしますにしても、どうしても金がかかるわけです。それは、きれいな金をきれいに使うということがもちろん主題でなければなりません。ですから、われわれといたしましては、政党本位選挙ということをあれほど答申でもいっておりまするので、そういったことを中心といたしまして次の成文を得たいと考えております。
  81. 伏木和雄

    ○伏木委員 従来は、公開によって質を規制していくというような点に重点があったと思います。しかし、前回の答申におきましては、質だけではならぬ、量の面においてもこれを規制していかなくてはならない。質、量ともに規制をしていこうというのが一点あると思います。一つは、政党本位選挙をやるために、将来においては個人に対する献金はなくしていこう、こういう大きな二つの目標があったのではないか、このように考えておりますが、前回の答申の精神、これを盛り込まなくては全く尊重ということにはならぬ、こう考えますが、この点について大臣のお考えを承りたいと思います。
  82. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 私もずっと審議会委員を続けてまいりましたので、審議会の学識経験者のお考えどもよくわかっております。そういった点を十分尊重して、いま言われましたことなども十分考慮いたしまして成文を得たいと考えております。
  83. 伏木和雄

    ○伏木委員 もう一つ。次の国会に出すためにいま検討を加えられておるようでございますが、先ほどから何回も出ておりますが、政府提案の時期がいつになるということは別としましても、自治省における原案、これはいつを目途として成案をつくっていきたい、こういうスケジュールは立っておることと思いますが、これはもう自治省でわかることですから、大臣のお考えを述べていただきたい。
  84. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 国務大臣就任早々、連日朝から晩まで国会にくぎづけでございますから、なかなか部内でも相談する時間もないわけでございますが、しかし、なるべく早く成文を得たいという考え方でございます。
  85. 伏木和雄

    ○伏木委員 大臣は就任早々ということですが、局長のほうは前回から引き継いでさんざん苦労したのですから、局長はどういう考え大臣に進言しておるか、局長の考えを……。
  86. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 とにかく大臣の部下でございますから、大臣の前で一々申し上げることは御寛容願いたいと思います。ただ、われわれとしては、大臣おっしゃったように、事務的にもできるだけ早く準備をいたしたい、こういうことで考えております。
  87. 伏木和雄

    ○伏木委員 それでは、その問題はその程度としまして、もう一つ伺いたい点は、今日の政治資金規正法がきわめてざる法であるということは、世論として起きておるわけです。今回のLPG課税反対運動における汚職ということによって、さらに世論はこの政治資金について高まってきている。前回に政府提出した時期と今日の時点においては、国民世論はこの政治資金についてきわめて疑惑を持っている。中には、現在の政治資金規正法というものはわいろの隠れみのである、このようにすら評価されております。  そこで、この問題についてお伺いしたいことは、ここに政治資金規正法が虚偽の申告をされた場合、現行法ですらざる法であるのに、その上にさらに虚偽の報告をする、こういう問題が見られております。これは、支出の面におきましても収入の面におきましてもこの問題が出ております。時間がありませんので、私、具体的にいま申し上げます。  いま問題になっておりますLPGの汚職に関連する問題ですが、自治省に届け出のあった政治資金の内容を見ますと、いま問題になっている松山会、二十日会の関連で、松山会からは、自治省に対する届けを見ますと、四十一年の三月の二十五日に百万円支出になっております。この支出先は二十日会になっておる。ところが二十日会のほうの収入を見てみますと、これが全くどこにも出ていない。こういう問題が自治省の届けにあるわけです。これは百万の金が一体どこに蒸発してしまったのか。出したほうは出したと届けが出ている。受けたほうの届けに、収入の部に全然入っていない。こういう問題があるわけです。これは明らかに、政治資金規正法第二十四条の虚偽の報告ということになるのではないか。私は、断定はしませんけれども、こう考えるわけです。こういった問題について、一体これはどこがチェックして、どこがこの罰則を適用するのか、どこでこういう問題を摘出していくのか。これがなければ、どんな法律をつくったところで全く無意味政治資金規正法ではないか、こう考えますので、こういう虚偽の報告に対してはどこでチェックし、どこの所管がこれを明らかにしていくのか、大臣のお考えを述べていただきたい。
  88. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 ただいまの事実関係は私ども承知しておりませんが、要するにただいまの問題は、出しているほうの寄付という問題と、それから政治団体のほうでは寄付だけの——特に政党以外の団体におきましては、御案内のとおり、従来寄付だけの収支の報告ということになっております。したがいまして、いまの事実関係がどうなっておりますか、その辺が現在の法律でははっきりできない仕組みになっております。したがいまして、先般の改正でもその点を改めるような制度にしたわけでございます。もう一つは、そういう事態を改正のような——つまり会費、党費の扱いを明確にいたしました前提におきまして、届け出の報告を審査する所管庁は自治庁でございます。そこで、そういう前提のもとに審査をした場合に、御指摘のような事実が発見された場合にはさらに訂正を求める、あるいはそれに対しての指示をするというような規定も、先般の改正で入れたわけでございます。したがいまして、いまの段階では、直ちには法律的にすぐ動き得るような状態になっていない。そこで、先般の改正であのような改正考えたわけでございます。
  89. 伏木和雄

    ○伏木委員 大臣が時間がないようですから、この問題は、また大臣の時間のとれたときにゆっくりと今後やっていただきたいと思います。なお、この資料は要求をしておきます。  それで、お約束の時間がなくなったようですが、ただいま私が申し上げたように、この問題は実に奇々怪々であります。第九条には、寄附及びその他の収入はすべて届け出るようにとうたわれております。したがって、この百万が記入をされてないということは大問題である、私はこう考えます。しかも自治省においてはこれを摘発できない。一体どこでやるのか。これが今日の政治資金規正法です。これを国民が怒って、もっと政治資金規正法というものは強化しなくてはならない、このように国民世論があるわけです。この問題は、いま局長さんはよくおわかりにならないようですから、ひとつ資料を次の機会に提出していただきたいと思います。ここのところをしぼり出して、そうしてなぜこれが記入されてないのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。そのことについて、局長のお考えを承っておきたいと思います。
  90. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 第九条は、御案内のとおり、政党につきましては収支の一切を出すということになっております。それから、協会その他の政治団体、いわゆる政党以外の政治団体の場合には、支出は全部出す、収入は政治活動に関する寄付だけを出すというのが現行法の規定でございます。したがいまして、その政党以外の団体の収入については寄付だけが収支報告書にあがってくる、こういうことになっておるのでございます。したがいまして、いま御指摘のような問題があるのだろうと思います。  資料の件は承知いたしました。
  91. 伏木和雄

    ○伏木委員 以上で質問を終わります。
  92. 小澤佐重喜

    小澤委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後一時二分散会