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華山委員 具体的なことにつきましてはいろいろなことも
考えられますけれども、なお専門の
常任委員会もありますので、そちらのほうからいろいろお話があろうかと思いますので、
財政硬直のおりからでもありますが、ひとつ万全の覚悟をもって
措置していただきたいと思います。
その次に、ここでは
建築とか
建築工事と書いてありますが、
土木建築に一応通ずることでございますけれども、これは特異な
労働の
事情にあります。特にここの
経済白書に書いてありますが、
建設事業においての
労働者のそれは、
日雇い、
季節労務者、それらが実に四三%の高きに達している。これらの
労働者を使って、
建設業は二五%の高率の
利益、
利潤率をあげている。しかも一面におきまして、この
経済白書はこううたっております。
一つには、「
建設事業に対する
労働力の供給について効果的な
対策を講じなければ
公共事業の進捗がいちじるしく妨げられるおそれがある。」、あの不安定な
季節労務者、そういうものを使っておったのでは、私は健全な発達は確かにできないと思う。この点につきましては、
建設省にも
建設業界にも反省を促したいのでございますけれども、これらの出かせぎ者の連中がどういうふうな環境にあるのか。この点は、
大臣が毎年のようにおかわりになるので、同じようなことを言わなければいけないというのは、はなはだ私、残念でございます。これは私は毎年口をすっぱくして言っておる。ですからここにおいでになっておる
労働省関係の人は、
華山また始めたかというふうにお
考えになっておると思いますけれども、私はひどいものだと思う。決して私は観念論を言っておるのではありません。毎年毎年三十カ所あるいは四十カ所の出かせぎの現場に行きまして、激励をしながら視察してまいった結果を申し上げて、その間もう三、四年になりますけれども、
労働省におきまして、あるいは
建設省におきまして、いろいろなことをやってくだすったということは、私は知っておりますけれども、まだまだ近代的なものになっておりません。そしてここに書いてありますことは、私は
季節労働者、出かせぎ
労働者等に特に当たることだと思うのでございますけれども、「
災害件数を減少させる」ということを言って、そして、「全産業の
死亡事故の三割強は
建設業で起った」と書いてある。それから、「
福利厚生の
水準の低いこと(
建設業の
福利厚生費は
製造業より少ない)」、こう書いてある。それから「未
組織労働者の割合の多いことなどに現われているように、おくれた面の多い
建設労務の実態を
改善していかねばならない。」こういうふうに
年次経済報告はうたっておるわけだ。私が数年来言ったとおりのことを
政府のほうでも言っておられる。こういうふうな
状態。それで私は、もう三年くらいになりますが、石田さんが
労働大臣のときに申し上げたのでございますけれども、その際に、いままで最も
労働条件の悪かった
港湾労働者について、一応の
措置を講ぜられ、軌道に乗せられて、いま残っておるのが私の
考えでは
季節労働者、あるいは広く
建設業におけるところの
労働者だと思うのです。この点につきましては、しばしば申し上げておったのでございますけれども、
労働省では、
中央労働基準審議会に
検討してもらって、そして結論を早く出したいということを言われながら、もう二年、三年たってこの
状態はどうなのか。
労働大臣は今後における
建設業に対するところの
労働者、現在の
労働事情の谷間にあるこの
方面につきましてどういうふうにお
考えになっておるか、どういうふうになさるおつもりか、承っておきたいと思います。
大臣からまず方針を伺って……。