○吉田(賢)
委員 やはりこういう険しい財政
実情のおりからでありますから、できるだけ手がたく来
年度予算は組んで、
事業計画を立て、お進めになることを私はぜひおやり願いたい、こう思います。
宅地の需要が盛んであることは申すまでもありません。また過密都市をもっと疎開せなければならぬという
実情にあることも申すまでもありません。ありませんけれ
ども、公団をつくって
宅地を供給するというのは、水を変じて食糧にするというように、そううまいプラスにはならぬのでございます。ことにへたな役人商売みたように、
宅地の買い上げ買い上げがあちらこちらではやってまいりますと、財投の金を何ぼでも食っていくということになるのではないか、そしていたずらに百姓に何億円の資産をつくらすようなことになることも私
ども一面懸念をしなければならぬと思いますので、いまの次官の大体のお気持ちが、省の意見としてそのような方向にありとするならば、私はしごくこれは国民のためしあわせと思います。それにかかわらず都民並びにすべての都会の住民は住むに家の乏しい現状でありますので、いろんな角度から同じ
目的に向かって進まれんことを、これも御要望申し上げておきます。
それから四番目に伺いたいことは、
予算制度の問題でございます。これも現状の財政の
実情からいたしますると、たとえば人件費を幾らか削る、あるいは公務員の人数をどうする、
公共事業費を削る、社会保障費をどうするといったような
予算の削減とかいうことだけでは片がつかないほど本質的な問題が内蔵するのではないか、こう見ておるのであります。したがいましてこれはやはり財政の制度的な問題にまで触れていくという段階にきておるのではないだろうか。当
委員会におきましても、しばしばこの点につきましては大蔵大臣等との
質疑応答も重ねてまいっておりまして、大蔵大臣も、去る七月でありましたか、財政は制度的にいま基本的な調査を進めておる、こういうような答弁をいたしておりました。
結論として申し上げたいことは、いま御
承知のとおりに、
事業別
予算制度というものがアメリカとかあるいはフィリピンあたりで行なわれておるのでありますが、さらに進んで、
計画予算といいますか、そういったことが提唱せられまして、ジョンソン大統領あたりのああいう教書を読んでみましても、そこらに触れて、あんな有名な経済の盛んな国におきましても、絶えず
予算の制度については、少しでも国民の税金をむだにしないということに
努力をしておることにわれわれは気がつくのであります。
そこでいまの
予算の制度は、たとえば
建設省の
予算関係について見ましても、
住宅計画の
予算について見ましても、
予算の使うところは明らかになっておりまするけれ
ども、使った実績とか
計画を過去二、三年にわたって一覧でわかるような、そういう情報の提供、資料の提供が国会になされないのでございます。国会で
決算をやりまするときでも、いろんな資料をあっちからもこっちからも引っぱってこないというと
住宅計画、
住宅予算、
住宅の実績というものが明らかになってこない、こういうことでは非常に不便でありまするので、過去を振り返って、
予算執行のあとを検討し、批判するにいたしましても、
予算制度自体を改めるということにやはり進んでもらわなければならぬ。特に
建設省におきましては、
公共事業が多いのでありまするから、企業的性格を持った、もっと合理性の——使うところをきめるというようないまの
予算の仕組みではなしに、何のために使うかということを眼目といたしました
予算の制度に切りかえていくということを逐次やってもらわねばならぬ。すでにこれは臨時行政調査会の答申にもありますし、また多くの人々も賛成しておりますし、大蔵省も積極的にこれに対して取り組む気がまえになっております際でございますから、
建設省という
公共事業の、言うなら総本山のような行政をやっておるところは、率先して物的にその
予算報行の成果を把握し得るような、そうしてその資料、情報を国会に提供し得るような
予算制度に切りかえてほしい、こう思うのであります。
事業別
予算制度の内容をくどくどここでは申しませんです。かなり明らかなことでございますから、専門家の皆さんもおいでになることでございますから、思い切って大蔵省のそういう気がまえ——大蔵省におきましては、事務官をこの間国連へ派遣しております。エカフェへ調査にやっております。そうしていろいろな資料を持って帰っております。フィリピンも現地に人を派遣して調査して帰っております。そうして財政
審議会にかけます。そこまできておるのです。そこまできておるのですから、
実施官庁の
建設省は、進んでこれは提案するところまでいってもらわなければいくまいと思うのです。現行の
予算制度をそういうふうに切りかえていく、ここで一歩踏み込んでもらいたいと思うのですが、これはだれでもよろしゅうございます、答弁してください。