○水野委員 いまのお話はけっこうですよ。——大臣の時間の関係で、ほかの問題で大臣に……。
これは
電電公社と別の問題でございますが、簡易保険の
積み立て金の運用のことで、大臣に少し承りたいのでございますが、大臣は非常に郵政
事業には詳しくおられるようですが、簡易保険の運用利回りというものは平均六分五厘、一般の民間保険に比べますと非常に低率でございまして、受益者といいますか、保険をかける立場の人にとっては、比較的これは不利なわけです。これまで、これは保険だけでなくて
郵便貯金の問題も同様でございますが、これらの金が全部いわゆる
財政投融資のほうへ回されているわけで、
日本の国家財政の相当な根幹になっていると私は思うのでございます。ところが現在一般の金融機関が非常に支店を増し、さらに
地方の末端にも信用金庫とかあるいは農協の系統機関の金融とか、そういうものがどんどん進出してきまして、ともすればそういうところのほうが利回りがいい。さらに、たとえば銀行なんかと申しますと、夜預金ができるナイトデポジットというようなものがあるとか、いろいろその
サービス面で非常に
向上されている。将来簡易保険とか
郵便貯金というものは預金高が減少していくのではないか。ひいては
財政投融資に回る金が減っていく可能性がある。これは私の私見かもしれませんが、
日本人の
郵便貯金をしたり簡易保険をするということは、お国に預けておけば安心だという、いわゆる大正から
昭和の初めにおける金融恐慌のころの思い出というのがまだ年配の方には相当残っている。そういうものやなにかの記憶から、利回りの低いものであっても
郵便貯金や簡易保険にお金を預けるという、
日本人の、特に農村地帯の、基本的なくせがある。そのくせによって金が非常に集まって、うまくいっていると私は思うのだけれども、将来たとえば道路がよくなってまいりましたり、あるいは農村地帯も非常にマイカー族がふえている、町へ行ってスーパーマーケットでものを買って、その帰りに銀行へ金を預けてくる、あるいは銀行に行って金をおろして買いものをして帰ってくるというような、いわゆる西欧的なそういう生活水準になってまいりますと、私は根本的にこの簡易保険や
郵便貯金の基盤がくずされるのではないかと思うわけであります。
そういう立場から二、三承りたいのでありますが、いわゆる
年度中にあります余裕金の運用について、いままで
決算後に初めて次
年度に
積み立て金に編入されるということであります。これは何も一年間、たとえば四月の初めに掛けたものが翌年の
年度末までそれを低い利子のままに余裕金として置いておかないで、たとえば半年なら半年の期間置くとか四半期ごとに区分をする。あるいは責任準備金という制度があるそうであります。その準備金のオーバーしたものは、そのまま持っていって
資金運用部のほうへ回してもらうという制度を積極的におやりになる必要があるのではないか。これが
一つ。
もう
一つは、これは
郵便貯金の場合、特に定期預金、定額預金の場合でございますが、預金者貸し付け——現在どんな銀行でも信用金庫でも、預金者に対してはそれ相当の貸し付けをするわけでございます。それに相当することを当然
郵便局でもやっていいのではないか。逆に、大蔵省の立場を悪くいいますと、これは
郵政省と大蔵省の間でうまくいってない、なかなか
意見が一致しないということは、大蔵省が、全銀協ですか、全国の銀行団体のほうから、そういうことをされては困るという圧力があってなかなか実現しないでいるというふうに私は聞いておる。大臣から、この預金者貸し付けの問題、それから余裕金の運用の問題、この二つについて少しお
考えを伺いたい。