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亀田得治君 これは殺人とまでは予想しなかったかもしれませんが、傷害くらいは予想しなければ、そんな甘い
警察では、われわれちょっと安心できませんな。それは結果が殺人であるが、殺人、そこまではお考えにならなかったと、こうおっしゃるが、私は傷害でも同じことだと思うのですよ。傷害が起こるかもしれないというくらいのことは当然考えらるべき
事案なんです。前後の事情をずっと追ってくると、殺人だって私は考えられる問題だと思う、現にそう言うておるのですから。脇田をやっつけてしまおうということは、いろいろな言い方はありますが、何回も言うてきているわけですから、それを単なるおどかしだと、軽く済ますということは私は手抜かりだと思う。少なくとも傷害くらいは当然これは予想しなければならない
事案ですよ。傷害が進めば、結果的には殺人になる場合もあるわけでして、第一、三人私服が来ていて、三人ともこんなところに入っているというのはおかしいじゃないですか。重要な段階において、ほんとうに
会社に何か事情等を聞く、これも必要ですよ。それはしかし一人でいいですよ。一人で間違ってはいかぬというなら二人、少なくも一人はここにいなければだめですよ。どうしても話にならないですね。三人もぞろぞろ……。だからこういうところに私は真剣さが足らぬと思う。それが一一〇番に電話したからというて文句を言うようなことになると私は思う。だから絶対こういうことは了承できませんよ。
そこで、ここで脇田君がここに寝ていて、疲れて横になっておったのを足でけって起こして、起こしざまに突き刺したわけですね。それから本人がそうなると、
組合、その辺におる人が全部わっとなる。ある人は抱きつく、それを振り放されるといったようなことで、本人がこちらのほうに来たわけですね、逃げるようにして。ここでまた倒されて、二人の者が馬乗りになってこう突き刺すわけですね。合計十二カ所やられておるわけです。ところが、ここの処置がわれわれ非常にはなはだもう
一つふに落ちないのです。
組合の人がわっとなって、ここのパトカーを呼ぶ、ここに
警察官がおることは知っておるから。これがなかなか出てこぬというのです。何かボンネットを上げたり下げたり、何もいま
自動車を発車させるわけじゃないのですから、走ってきたらいいのだから、すぐ来なければいかぬわけでしょう。第一、呼ばれてからなんということじゃおかしいですよ。こんな中におるというのじゃ、何かあったらすぐ飛んでくるという態勢がないのですよ。それが
一つ。しかも、来て六メートルくらい離れていたというふうにこの証言では言っておるのですが、この辺に立って、ピストルをかまえて撃つぞ撃つぞと、こう言うておる、やめろ、撃つぞと、そういうやり方ってあるのですかね。現に馬乗りになってやられておるでしょう。やめろ、撃つぞ——そうじゃなしに、もっと近寄ってやるやり方があるわけでしょう。
警察官、そのために武装しておるのだから、撃つなんて言わなくたって、一発、空に向けて撃ってもいいだろうしね。そうしてこの辺で、この
諸君が、非常に
警察官てたよりないものじゃと言う。大体
態度が前へ出る姿勢じゃなしに、むしろ逆にあとずさりするようなかっこうのかまえで撃つぞ撃つぞ、やめなさい、やめろというようなことを言うておる。この間に二、三回やられておる。この点は府警に行って、われわれも非常に文句を言ったら、いや、それは事実と違う。もう完全にやられてしまってから
警察官が着いたのだと、こう言いますけれども、それは事実を糊塗していますよ。それは現にここでやめろというのを聞いた人がたくさんおるわけです。そんなこと、あんな純真な
組合の人がつくりごとを言うものじゃないですよ。やっておるからこそやめろと言うのでしょう。だから言うてみれば、結局、武装警官の前でとどめを刺されておるということなんですよ。それは医学的に見れば、もっと早く致命傷がいかれておるのか、それはわれわれはわかりませんよ。それはしかし遺族の人というのは、万が一最後の一突きでやられたかもしれぬ、こう思っておるかもしれませんよ。それが武装
警察官の前でやられた。それはもちろん、
警察官も自分の生命を守るということは考えなければなりません。しかし、この場合は経済的な問題がからんできておるやつでして、何も
暴力団が
警察官を目当てに飛び出してくるという
事案じゃないですよ、本質的に。もちろんその場の空気で突発的に変なことをやるというのもおるかもしれませんが、それはそういう例外的なことを考えたら、
警察官何もできませんよ。それは私はもっと勇敢に接近して、そうして処置してもらわなければ困ると思うのですよ。どうですか、ここの点、来るのがおそい、来てからの
態度、こんなことでいいのですか。皆さん
報告を受けておるのだろうと思うのですが、どうですか。