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説明員(
尾崎朝夷君)
都市手当でございますけれ
ども、今回私
どもが
都市手当を勧告申し上げましたのは、現在の暫定手当という制度がございますけれ
ども、これは三十二年に地域とそれから額とが凍結をされまして、しかし一方において、いわゆるベースアップによりまして本俸がどんどん上がってきておるということで、ちょうど十年間でございますが、この十年間に一
段階五%がちょうど半分になりまして現在二・五%ということに相なっているわけでございます。で、それがますます今後小さくなるという
関係になっておるわけでございますが、一方におきまして、人事院といたしましては試験をやっておりまして、東北や九州におきましては、十分人が得られるわけでございますけれ
ども、つまり、その試験をやりました人におきまして、充足率と申しますか、そういうものが一〇〇%ございますけれ
ども、たとえば近畿あるいは南関東というようなところでは七割しか充足率がない。また、その七割の中の半分がほかの地区からの採用と、こういうような事情に相なっておりまして、非常にその
関係に苦労をいたしているわけでございます。と申しますのは、いま申し上げましたとおり、地域的な暫定手――大都会における暫定手当の割合が非常に縮小をしてまいっておりまして、ところが
民間の場合に、
民間給与を調べますと、やはり相当な地域較差が現にあるわけでございます。したがって、たとえば大都市等につきますと一三%もの較差があるわけでございまして、
地方に参りますと、ほとんどそれがないという
状況に相なっておるわけでございますが、そういう人をとるという見地から、一方におきまして、そういう地域較差をつけますと、どうしても人事の交流につきましてはマイナス面が出てまいるわけでございまして、人事管理のあり方といたしましては、この両面をいわば調整をしつつやっていかなければならないわけでございますが、当面は、やはりそういうだんだん小さくなっていくという
関係の暫定手当をここで改めていただきまして、これ以上小さくならないという形に横すべりをさせるように
都市手当を設けるということで今回勧告を申し上げたものでございまして、その地域につきましても、昔のような五
段階あるいは相当な、一万の町村の中の三分の一くらいが格づけされる、そういう大作業ではございませんで、現在残っている四級地、三級地につきましては、地域も非常に限定されてきておりますので、昔のような形にはならないというふうに考えておりまして、そういう制度として今回要望を申し上げたわけでございます。で、この
都市手当制度におきまして、先ほど申し上げましたように、現在の暫定手当の高さというもののいわば横すべり的な
関係を考えまして、六%、三%という二
段階を勧告申し上げているわけでございますが、その第二番目といたしまして、その基礎といたしまして、先ほど御
指摘がございましたような、特別調整額と申しますか、
民間ではいわゆる役付手当というものに相当するものでございますけれ
ども、そういう
関係を算定の基礎にするということを今回新たに入れてございます。その点の御
指摘があったわけでございますが、このいわゆる特別調整額――役付手当的なものにつきましては、
昭和二十七年のころにこれがつくられたものでございまして、最初のころはほとんど東京、大阪等にいる
職員にのみ支給されておったわけでございまして、ところが、この役付手当的なものは、最近この二、三年間のところで、
地方機関における
課長、出張所長等の
職員につきましても広範な支給をいたすこととなりまして、したがいまして、やはり従前のように大都会だけにほとんどいるということではなくなったわけでございまして、各
地方に非常に散在してそういう手当をもらっている人が出てまいっておりますので、そういう
関係につきましても、やはり一方におきましては、そういう較差というものを、大都会においてそういう軽差をつけるなら、やはりそういう面においても較差をつけるということを基礎とするということが適当であり、また当然であろうというように考ええてまいったわけでございます。と申しますのは、一方におきまして、いわゆるそういう特別調整額――いわゆる役付手当的なものは、勤務時間外に勤務いたしますれば超過勤務手当が支給されますけれ
ども、そういう
職員につきましては、やはり超過勤務手当を支給することが適当でないということで、そのかわり――かわりと申しますか、それとはうらはらの
関係で役付手当的なものは支給されておるわけでございまして、その超過勤勝手当のほうにおきましては、
都市手当は当然に算定の基礎になって較差がつけられて支給されることになるわけでございますので、それとの
関係から考えましても、そういう役付手当的なもの――特別調整額を基礎とすることは平仄の合った話であるというように考えているのでございます。
それから第三点といたしまして、市川の
お話がございましたが、結局、そういう地域的な指定をいたすわけでございますが、その場合に、そういう手当を居住地でやったのがいいか、勤務地でやったらいいか、勤務地主義でやったらいいかという問題点でございます。つまり生活費的な角度から申しますと居住地でやるほうがいいのではないかという面が確かにございます。しかしながら、他面におきまして、やはり何と申しますか、そういう角度から申しましても、私も、失礼でございますけれ
ども、市川からかよっているわけでございますけれ
ども、やはり市川からかよっておりましても、東京でお互いに同僚と勤務しておりますれば、お互いのつき合いもございますし、また、そのような生活様式ということもまた持って帰ることに相なるのでございままして、やはりそこは両方に――生活費的な面から申しましても勤務地主義という面も考慮する必要があるんじゃないか、一理あるんじゃないか。また、居住地主義も一理あるんじゃないか。両面が考えられると思うのでございます。一方におきまして、支給の便宜ということも考えなくちゃいけないわけでございますけれ
ども、支給の便宜という点を考えますと、たとえば居住地主義をとりますと、隣の席にすわっております人が、先ほど申しましたように、超過勤務手当を支給します場合に、同じ一時間勤務いたしましても違ってくる。居住地主義でやりますと、居住地によってばらばらになるというのも非常におかしな感じがするわけでございまして、やはりそこは支給の便宜という点からいいますと、原則としては勤務地主義というほうが適当だというふうに考えているわけでございます。ただ、市川のような、先ほどの御
指摘のような特殊な官署で、しかも、もっぱら東京のほうから大部分が勤務している。で、その地域からはずれたところに官署がありますけれ
ども、その中から大部分の者が来ているという特殊な官署がございますれば、そういう官署には特別な官署指定を行ないまして調整をはかっていくということを現在やっておりまして、そういう制度によって調和をはかってまいりたいというふうに考えておるのでございます。
それから第四点、最後の問題でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、この問題は、一つの本来の
考え方としまして、私
どもはやはり当面は人をとると、大都会において人がなかなかとれないということが一つの問題点で苦慮してあえて御勧告申し上げておるわけでございますが、他面におきまして、やはりそういう較差をつけるということは、部内といたしましての人事交流にやっぱりマイナス面になる。できれば、やはりそういう面から考えますれば、ないほうが望ましいという面がございます。他面におきまして、そういう地域較差は大きな政策としてもなるべくなくしていこうという政策がいろいろ手が打たれているわけでございますので、そういう
関係につきましての実際の
状況を絶えず把握をしつつこの問題に対処していくというのが私
どもの筋合いかと考えておるわけでございまして、現在まだ法案の十分な内容を承知しておりませんけれ
ども、今後そういう気持ちで私
どもとしては基本的に対処してまいりたいというふうに考えておるのでございます。