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阿部竹松君
坑内火災でも風がなきゃとまるわけですからね。そこで扇風機をとめたからといって、いきなりそこがぴしゃりと
——風は六千立方もあるのですから、COが自動的に流れても、扇風機をとめれば風がそこでとまるから煙は流動しませんよ。それは五分か十分かかるでしょう、完全静止するまで。あなたのこの
図面には
三川坑の
図面しかない。しかし、三川と宮ノ浦と貫通して風を通して両方交互にうまく使っているのですから、こういうところに問題がある。
それからもう一つ、三十八年の
災害のときに三川で大
爆発をやっておる。片方の宮ノ浦のほうでは、大
爆発が起きた以後何時間も全部
坑内を逃げぬで仕事しておる。さいぜん、あなたの
ことばじり取るようでぐあい悪いけれども、三菱とか住友より悪いでしょうと、こうおっしゃったが、ろくすっぽ
保安の保の字もやっていない。それで極端な話になりますが、全九州の
中小炭鉱、こういうのを含めた平均の負傷者、犠牲者、あるいは重軽傷者、その率よりも
三池炭鉱のほうが多いのですよ。これは私よりあなたのほうが正確なはずだ。
三池炭鉱は東洋一であって、東洋一であるから日本一、こういうりっぱな
炭鉱が中小を含めたところよりも犠牲者が多くて、重傷者、軽傷者が多く出るなんということは、私どもの常識では
考えられない。あなたはまあおなりになったばかりですから、
数字を御検討なさったことないかもしれませんが、そういうことが相次いで、前のときでも、それからいままで過去三、四年間のいま申し上げました負傷者の率、今度の
災害、こんなのを見て、私どもは
大臣なんかにものを言うのはばからしい、こう思うのですけれども、黙っておればますますけしからぬことになるから言わざるを得ない。歴代の
大臣の
災害が起きたときの劈頭の言われる原稿を読んでみなさい。自後はかかることをやりませんと、何回ぼくらは聞いたか。しかし、実際問題が起きておる。ですから、これはさいぜんも関連質問で申し上げましたが、もう少しすなおな気持ちで
保安を守っていかなければならぬというような気持ちになれぬものかどうか。いま
調査中だなんて、これは
局長、永久にわかりませんよ。いまわからぬぐらいですと、灼熱地獄で
密閉したところは何もなくなって、すっかりもうこれが鉄であったか、ゴムであったか、
石炭であったかわからなくなって、がたがたになっておる、それをあなたどうして調べますか。それから
保安日誌、あるいはあなたのところの法律の定めに従って三井のほうでも規定がございましょう。その規定の
帳簿なんか簡単なもので、何時何分どこを巡察して、湿度が何で
空気がいつから流れて、見ようと思ったら簡単ですよ。そんなものは一時間もかからぬで一週間分ぐらい見れるのですから。そういうことなんで、ぼくはそういう点をすなおにあなたに
お尋ねしたい。
それからこれは
労働省に
お尋ねしますが、こういう
災害が起きて、いま
炭鉱は人が足らぬ足らぬといって、
炭鉱労働者の平均年齢が四十二歳、四十三歳になって何ですから、盛んに若い青年
労働者を
炭鉱へなどとおっしゃっておるが、たとえば三菱の崎戸
炭鉱が今度なくなる。したがって、崎戸
炭鉱の従業員は、人が足らぬのだからそっちこっちへ行って働いてくれぬか、こういうことをやっておったとたん、まあ
三池の
爆発でああまたかと、永久に
炭鉱に行きません。こういうような状態ですね。ですから、これは
労働省として
労働者を守る立場にあるのだが、こういう
事故が次から次に起きて一体どうなさるおつもりなんですか。全
労働者のとにかく安全とか
保安とか、衛生についてはあなたのほうで守っていなさる。ところが、
坑内の
保安については通商産業省の
鉱山保安局でやる。ですから、
労働省としてどうお
考えになっておるか、この
保安法がいいものか悪いものか、法を改正しなければならぬものか、法を大体守っておらぬために起きるものか、そういうところを
労働省に
お尋ねしたい。
労働省のこの種の係の局はどこの局ですか。