○
藤田藤太郎君 いまの
答弁ですね、どうも、薬務
局長、納得ができませんがね。たとえばここに
一つ資料が出ていますが、クロマイ系統の薬の問題について私は申し上げてみたいと思うのです。この小売り価格が、昨年十一月ですか、薬価基準が変わったのは。その変わるまでのクロマイ一粒の小売り価格が百円。それから薬価基準が七十七円ですね。そして安売り売店で六十円。卸はそうしますと七十七円であったのかどうか。そうなると、安売り店は六十円で売って問題になって、今度は小売り価格が七十七円になった。それから薬価基準と卸の値段が六十一円五十銭になった、二年前に安売り店の売っていた六十円が。それよりかまだ高いところに卸があるのに六十円の安売りができる。いまそういう情勢に薬の
状態があることは、
片一方では一生懸命になって
赤字だ
赤字だといって問題を出しておいて、それでそのメーカーから出たに違いない一級品ですが、安売り店では六十円で売られている。こういう姿というものをなぜ薬事
審議会または薬務行政はしっかり監督せないのか。それは六十円で売っても、利益なしに売る売店はないと私は思うわけであります。この実態をどう見るかということを聞きたいわけでございます。それから、ちょっと古い話になりますけれ
ども、三年ほど前に、やはりクロマイ系統の薬は
国民にとって非常に大事な薬である、その大事な薬が少し売れ出してくると、品不足でマージンをつけて地方で売り出す。私は
社会労働委員会でその薬務行政をものすごく追及したことを覚えている。急にそれを製造をしてつじつまを合わした。大衆薬の宣伝しているものだけじゃなしに、
国民がいま実際に必要なその薬が、メーカーの思うままに、市場、全体の
国民、社会の中に流れている。小柳委員のさっき
指摘いたしました問題もそれと非常に
関係をするわけであります。医療制度の中の薬品が五五%になるということでございますけれ
ども、そのこと自身が
国民に対しては非常にあいまいな
状態で、そして私は、先ほどこの薬代一袋十五円を取ったらだれの利益になるんだと言ったら、医者のほうはそれは差っ引かれるという。メーカーがまた問題になる。いまの小柳委員の問題点も、薬値上げ
方式のいまいろいろ処置をする話がありましたから、詳しく触れませんけれ
ども、そういうことが平気で製造メーカーに行なわれている。そういうあいまいな、
国民が納得できない問題を
片一方に持ちながら、病気になった
患者にその薬代を
負担せいなんていうことは人道上ほんとうに言えるのかどうか。私はどうもそんなことはよう言わぬわけです。病気で困っている人に、これは一部
負担だから別だという理屈、薬務行政と違うんだ、そんな理屈が
国民にわかるかどうかということは重大問題だと私は思うわけであります。だから、薬務行政というよりか、今後の全体の医療制度についてもっとしっかり取り組む。そうして
国民が納得した形でこの
健康保険法の
改正案というものが出されてこなければ、そんなことを心から、はあさようでございますかと、お医者さんに見てもらうのだから、病気になって苦しんで十五円出さなければならぬのですから、そんなことを思う人は私はおらないと思うんですよ。午前中問題になりましたように、それをそのままの
状態で一週間の間に原案をほうり出してくる、私はたいへんなことだと思うわけであります。ですから、私は、将来の問題についても、たとえば外国がやっておるような医薬分業をどういうふうにしてやっていくのか、
厚生省はこの問題についてどう考えているのか。そして、お医者さんの技術をうんと高めてもらって、そのためには、医療従業員をはじめ、お医者さんの生活や、それから技術の保障――技術料と一口にいわれていますけれ
ども、これをやっぱしちゃんと
国民の健康が守れるように保障していく。そして薬の整理もし、そうしてその全体の
負担を国と
国民との間にどう
負担をしていくのか、こういうぐあいに明らかにしないのに、
赤字だけやったらいい、これを通さなんだら、午前中もありましたけれ
ども、抜本
改正もやれぬのだというようなことも出てくるわけでありまして、こんなことを厚生行政で繰り返しておったら、とてもとても
国民の納得するところではない、私はそう思うわけであります。だから、そういう点、全体の四十何%を占める薬剤の問題について、もっと
根本的に検討が行なわれなければ、
国民が納得するような形を持ってこなければ、私たちは今度の
改正案についてはどうしても納得ができないわけであります。そのいまの一連の問題について薬務
局長から聞きたいし、また、
大臣からも
答えていただきたい。