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1967-11-13 第56回国会 参議院 決算委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十一月十三日(月曜日)    午前十時二十五分開会     ―――――――――――――    委員異動  十一月八日     辞任         補欠選任      片山 武夫君     瓜生  清君  十一月十三日     辞任         補欠選任      須藤 五郎君     春日 正一君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         亀田 得治君     理 事                 黒木 利克君                 中村喜四郎君                 温水 三郎君                 岡  三郎君                 竹田 現照君                 黒柳  明君     委 員                 久保 勘一君                 佐田 一郎君                 山本茂一郎君                 大橋 和孝君                 大森 創造君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君                 瓜生  清君                 須藤 五郎君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君        自 治 大 臣  藤枝 泉介君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        警察庁警備局警        備課長      三井  脩君        防衛庁装備局長  蒲谷 友芳君        法務大臣官房経        理部長      辻 辰三郎君        公安調査庁総務        部長       冨田 康次君        大蔵政務次官   米田 正文君        大蔵省主計局次        長        海堀 洋平君        大蔵省国有財産        局長       大村 筆雄君        大蔵省銀行局特        別金融課長    小宮  保君        文部省大学学術        局長       宮地  茂君        会計検査院事務        総局第一局長   斉藤  実君        会計検査院事務        総局第五局長   小熊 孝次君        日本専売公社総        裁        東海林武雄君        日本専売公社総        務理事      牧野 誠一君        日本専売公社企        画部長      高村健一郎君        日本専売公社外        国部長      湊 良之助君        日本専売公社製        造部長      星子  大君    参考人        国民金融公庫総        裁        河野 通一君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件昭和四十年度一般会計歳入歳出決算昭和四十  年度特別会計歳入歳出決算昭和四十年度国税  収納金整理資金受払計算書昭和四十年度政府  関係機関決算書(第五十四回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第五十五回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和四十年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十五回国会内閣提出)(継続案件)     ―――――――――――――
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  十一月八日、片山武夫君が辞任され、その補欠として瓜生清君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これより昭和四十年度決算外二件を議題といたします。  本日は、午前に大蔵省日本専売公社及び国民金融公庫決算について、午後は、自治省決算について審査を行ないます。  この際おはかりいたします。  当委員会に提出されております大蔵省日本専売公社国民金融公庫及び自治省決算の概要につきましては、口頭による説明を省略し、これを本日の会議録末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、会計検査院検査報告についても説明を省略し、文書をもって提出願うこととし、これらの報告につきましても、本日の会議録末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 大森創造

    大森創造君 前回委員会で質問いたしました巣鴨拘置所の移転の問題について継続質問いたします。  大蔵省にお伺いしますけれども土地評価の問題については慎重にやったことは、私わかります。国有財産中央審議会の答申に基づいて慎重な土地評価、いわゆる巣鴨プリズンあと地評価、それから仮称でございますが、多摩刑務所土地評価の問題については相当慎重に事を運んだというふうに理解しますけれども、しかしその後、前回委員会で問題になりましたことについて、私のほうで実地に調査しました結果、こういうことが一つあります。この売買実例価格というものを価格評価の重要な因子というふうに見て、そしてやっておりまするけれども、それぞれ関係の方々から御説明など承りまして疑惑はございませんが、なお、私の感じからしますというと、こういうことが言えるわけです。ひとつこの多摩刑務所予定地であるところの青梅市の大字友田一ツ橋……。
  7. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  8. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。
  9. 大森創造

    大森創造君 新都市開発センターというものが巣鴨刑務所あと地予定しております超高層ビル三十六階建て、これの価格というか、予算算定基礎などを見ますると、五百八億ということになっております、五百八億何がし。巣鴨刑務所あと地に超高層ビル建てるという資金計画を見まするというと、五百八億かかる、全部で。そのうち新都市開発センター自己資金が六十四億で、協力資金といいますか、いわゆる敷金ですね、いまのことばで言えば。これが百三億で、それから借金として興銀長銀不動産銀行協調融資が百億円、それから開発銀行が百三十億円、一般市中銀行が百十一億円で、合計が五百八億円ということに相なっております。  そこで、このうちで私がお伺いするのは、開発銀行の百三十億円というのは当然財投融資であろうと思う。いわゆる預金部資金によってまかなわれる資金だと思いますけれども、そういう資金関係上、この開発銀行の百三十億円の融資というものは、開発銀行が新都市開発センターのほうに内諾を与えたものと思います。したがって、大蔵省のほうへ開発銀行から、将来建設さるべき新都市開発センターによる超高層ビル資金計画を示されて、開発銀行から大蔵省が示されて、そして大蔵省のほうはそれに対してよろしいと、証人といかなくても、まあまあ何とかしてやろうというふうな意思表示をしたものと思っておりますが、この点はいかがでしょうか。そのいきさつについて、お答えいただける方おりますか。
  10. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) ただいま御指摘開発銀行その他からの借り入れ金の問題でございますが、私、所掌が、大蔵省関係のことでございますので責任あるお答えはいたしかねるのでございますが、大体いまお話しのように開発銀行からの借り入れをするということにつきましては、話がまとまっているというふうに承知いたしております。
  11. 大森創造

    大森創造君 これはバスターミナル許可を申請したんですね、正式に。運輸省、当時の運輸大臣藤枝泉介さんで、そして資金計画を、バスターミナル許可申請運輸省のほうにした。それに基づく超高層ビル資金計画なるものが、いま申し上げましたように五百八億円。いま経理部長の話によるというと、実に私は手回しがいいと思うんです。あとから申し上げますし、この前の委員会でもずいぶん法務省と私のほうでやりとりがございました。応酬がございましたけれども、あの土地評価の問題についても問題があるんです、私の目から見るというと。それから巣鴨刑務所等価交換方式ということによって、そして青梅市の友田地区に新しい、仮称でございますが、多摩刑務所というものをつくるという予定がある。そのことについてすでに資金計画ができちゃっているというんですね。それはあとからお伺いしますが、時間の関係上、一番最初に戻りまして、国有財産局長にお伺いしますが、私はその後調べてみたのです。この巣鴨あと地評価の問題と、それからいわゆる青梅市の多摩刑務所予定地評価を私なりに調べてみたのです。そうすると、大蔵省のほうで売買実例価格としてとったところはどこかというと、青梅市の大字友田一ツ橋というところで、これは昭和三十九年の三月、五十三坪、坪一万一千円ということであります。この地区は、私行ってみますというと、青梅市のどまん中でありまして、刑務所予定地とは全然違うのです。土地条件が違うのです。それから相当離れておりますから、私は、まるっきり評価が違うと思うのです。  それからもう一つは、青梅市の大字上長淵といところで、五十坪、三十九年の十一月に坪当たり一万五千円で売買されたということでございますが、これはバスの停留所があるところで、広いところでございまして、そこには、くしくもこの刑務所の建設の反対同盟の幹部である吉原さんという方がおられて、その吉原さんに実は聞いたのですが、そういう売買が行なわれるとすれば、大体その辺でありましょうということでございますが、ここも市街地でございまして、全然違うのですね。友田地区刑務所予定地評価という重要な因子にする相続税課税標準価格からみた評価額とか、そういうようなものと同じように現地の売買実例価格としてあげておられますのは、二カ所とも非常にふさわしくない場所をあげられておるということを私は発見しました。全然遠隔土地であるし、土地条件の違うところを二つ持ってきて友田刑務所予定地評価額基礎因子にされているということに私は疑惑感じます。  それからもう一つは、今度は巣鴨プリズンのところでございますけれども、これは相当、慎重を期してあなた方のほうでは評価をされたことは認めます。手続の上においては私は疑惑は持ちませんけれども、しかし、現に、ことしの九月に道路公団が近隣の土地を六十六万円で売買しているわけです。それで法務省のほうは、新都市開発センターのほうに払い下げる価格は二十七万円余りですから、あまりに差があり過ぎる、こういうことであります。ことしの九月ですよ、六十六万円で売買をされているところです。それから不動産業者にもずいぶん当たってみましたが、巣鴨あと地については四十五万円から五十万円が相当であろうということをみんな口をそろえて言うております。ですから、評価方式というものは確かに慎重を期してやったんだろうと思いますし、鑑定人もたくさん頼んでいろいろやっておりますけれども、従来の評価方式がどこか間違っているのじゃないかと思いますので、私をして言わしめれば、いろいろな資料を持ってきて友田地区相当だ、あるいは巣鴨あと地については、これが相当だということをおっしゃいますけれども、どうも社会通念上安過ぎるような感じがする。一方は高過ぎるような感じがいたします。  そこで第一問は、いままでの評価方式というものを再検討してみたらいかがかということを大蔵省の方にお伺いしたい、国有財産局長に。社会通念上、それから私の常識上も、どうしても巣鴨あと地は安過ぎるんです。もう一回繰り返しますと、ことしの九月に道路公団が現に路線価の問題だとか、地理的な関係もございますが、六十六万円で現に売買されている。この間不動産業者が一致して五十万から六十万と言っておるのに、二十七万何がしというのは少し安過ぎるということ、それから前段申し上げました友田地区につきましては、全然遠隔場所であって、市街地のどまん中売買実例価格というものでとっているけれども、これは実際に合わないじゃないか、再検討せよと、そういうことです。いかがです。
  12. 大村筆雄

    説明員大村筆雄君) まず、青梅売買実例地が不適当ではないかという御指摘でございますが、売買実例の採用につきましては、できるだけ評価対象地に近いところから採用するということにいたしておるのでございますが、本件の場合は、宅地造成後の宅地価格として見るということで、宅地売買実例をいろんな聞き込み調査その他で調べたのでございますが、たまたま一実例につきましては、ただいま先生御指摘のように、青梅市の大字友田地区に、評価対象地区から約五百メートルぐらい離れたところでございますが、そこで一つ売買実例地を把握いたしました。それからその次に近いところを求めたのでございますが、近傍にはなかなかございませんで、ただいまやはり御指摘のように、青梅市の大字上長淵、たまたま評価対象地から約三千メートルぐらい離れたところでございますが、その次に近いところの売買実例を採用いたしたのでございます。しかし、その実例価格をそのまま採用したのではございませんで、やはりその都市地理的条件その他による土地品位差というものもございますから、品位差の是正を固定資産税課税標準価格を利用いたしまして、たとえば先生おっしゃいました、上長淵の遠いところにつきまして例にとりますと、庁舎敷地につきましては、当該売買実例の五割減、約五割減、宿舎敷地につきましては、土地品位差を見まして、約三割減というふうに、それぞれ品位差というものに着目いたしまして、実際の売買実例価格をそれぞれ減額修正した価格を採用しておりますので、先生おっしゃるような不合理な点はないかと思うのでございます。  それから、巣鴨の点でございますが、巣鴨の点につきましては、先般当委員会でやはり同様な御質問がございまして、そのときにもお答え申し上げた次第でございます。私どもが四十一年これを評価いたしますときに、当時やはり首都高速道路公団売買実例価格近傍にございましたので、それとの権衡ということも調査してみたんでございますが、首都高速道路公団におきましては、高いところで約七十万円程度、低いところで二十万円台であったわけでございますが、その比較的高値の土地と申しますのは、池袋の駅に近かったり、または幹線道路に面した表地でございますので、その品位差あるいは街路状況、それぞれ東京拘置所土地よりもたいへん有利な土地でございます。したがって、たいへん大きな、相当値段の差が出てくるわけでございます。一方、道都高速道路公団の買いました安値の土地について見ますと、池袋の駅から距離的に東京拘置所とほぼ同じである、あるいは幹線道路から入ったり、道路に面しておるところで、その土地品位差とか、あるいは街路条件東京拘置所と大体同程度のところである、そういうことでございます。それからまた、さら地ならさら地で同じ条件評価いたさなければいけませんのでございますが、巣鴨土地につきましては、評価額で二十七万六千と出ているのでございますけれども、その上に約七十棟程度でございましたか、鉄筋その他の建物が相当ございます。そういうものの撤去をして整地をしなければならぬ、そういう整地費も落としております。その他道路改善の面もありますから、したがいまして、全然さら地評価でございますと、二十七万というのは三十三万というような数字にもなるわけでございますので、そういう各種の条件を勘案いたしましてはじいた数字でございますので、私どもとしては適正に特価に基づく評価をしたものであるというふうに考えておる次第でございます。
  13. 大森創造

    大森創造君 時間がありませんから、あなたの御答弁はあとで吟味をいたしましてまた次回の委員会でもお尋ねいたしますが、次に移ります。  それではこの点はいかがなんですか。昭和四十年にいわゆるこういう等価交換方式というものに基づくところの国庫債務負担行為というものを起こしている。そうして四十一年度に議決をしている。その金額は私のほうの調査では五十七億三千五十九万九千円、ということで当っておりますか。
  14. 大村筆雄

    説明員大村筆雄君) 法務省から御答弁いただくほうが筋かと思いますが、ただいまおっしゃいました五十七億約三千万、そういう数字で四十一年度の予算国庫債務負担行為に計上されております。
  15. 大森創造

    大森創造君 それは私のほうと相当している金額ですから、それはよろしいんですが、それでは新都市開発センターから友田地区に、いわゆる多摩刑務所をつくったりいろいろいたしまして、その新都市開発センターなるものから国が買い入れる購入物件価格は、私のほうで申し上げますが、四十五億二千八百六十二万七千円で相当しておりますか。
  16. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 御指摘のとおり、四十五億二千八百六十二万七千円でございます。
  17. 大森創造

    大森創造君 両方の数字が合っておりますが、そこでお尋ねするところは、差額の十二億というものは、一体どういう意味を持つ金額でございますか。
  18. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 差額は十四億――いや、一億四千万でございますか……。
  19. 大森創造

    大森創造君 そうじゃないでしょう、十二億……。
  20. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) その五十七億と四十五億の差でございますが、これは他の建築交換を依頼しております部門、すなわち東京拘置所でございます。巣鴨拘置所が移る予定をしております東京拘置所、そこの建築に要する費用が十億七千二百万円ばかりでございます。それから川越少年刑務所、この関係におきましてセンターのほうで建て金額が六億四千百万ばかりでございます。それから浦和の拘置所、この関係建てますのが二億一千四百万、それから岡山刑務所建てる、これが二億五百八十四万ばかりでございます。それから旭川刑務所、この関係センター建て金額が二億八千四百万ばかり、かような分がこの差額で組まれてまいりまして、なお残りが一億四千四百万ばかり残るわけでございます。この部分につきましては、最終的にセンターから国のほうに金納するということになっております。
  21. 大森創造

    大森創造君 はい、その点わかりましたので、その次に移りますけれども、一体それでは、その国庫債務負担行為として国会議決をした金額というものは、年度別予算配賦額がきまっているだろうと思うんです。四十一年度から四十二、四十三、四十四、四十五年度というふうにきまっているだろうと思うんです。現在は四十二年度半ばということになるんですが、どういうふうに年度別配賦額がきまっておりますか、それをお示しいただきたいと思います。
  22. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 特別取得費という形で歳出予算に計上されます年度別金額は、四十三年度におきまして二十六億百九万三千円、四十四年度が十億二千七十四万七千円、四十五年度が二十億六百七十五万九千円でございます。
  23. 大森創造

    大森創造君 それでは、四十一年度は幾らでしたか。すでに過ぎ去った去年度分は幾らでしたか。
  24. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) ただいま申し上げました四十三、四十四、四十五年度の区分は、国のほうができ上がった部分に対しまして支払うという形の特別取得金額でございます。
  25. 大森創造

    大森創造君 四十一年から始まって四十五年に終わるんですから、四十一年度分と、本年はすでに大体半ばを過ぎましたけれども、四十一年度分と本年度分金額はあったんでしょう、これはゼロですか。
  26. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) これはまだ四十三年度になりませんとでき上がらないわけでございますから、その分のほうは総ワク国庫債務負担行為金額が示されておるわけでございまして、あとはこれを国側が払うという意味で、これが四十三、四十四、四十五年と三カ年にわたって、ただいま申し上げた金額が計上されているわけでございます。
  27. 大森創造

    大森創造君 そうすると、去年とことしの分については、この予算配賦額というのはゼロなんですか。
  28. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) これは四十一年度から四十五年度の五カ年にわたしまして、総ワク五十七億三千万の国庫債務負担行為ということになっておるわけでございます。
  29. 大森創造

    大森創造君 これはあとでお伺いいたしますけれども年度計画ならば、四十一年から出発したんですから、四十一年に国庫債務負担行為というのは国会議決されたんですから、当然私の常識では四十一年と今年度分の予算配賦額というのはきまっているだろうと思うんですよ。これはいまのお答えのとおりでいいんですか。
  30. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 五カ年にわたります国庫債務負担行為議決をいただいておるわけでございます。で、国庫債務負担関係においては、四十一年から四十五年度という五カ年の国庫債務負担の御議決を得たわけでございまして、それでいいわけでございますが、問題は、そのあとの向こうに今度国が国庫債務負担行為ワク内において払う年度区分でございますが、それは先ほど来申し上げております四十三年度から始まっていく、こういう形で四十三年度の場合には、先ほども申しました金額が四十三年度分としてまた御議決を受ける、かような形になっておるわけでございます。
  31. 大森創造

    大森創造君 時間の関係で、ちょっと私わからないところがありますが、次に移ります。  それでは、この新都市開発センターというものが昭和四十一年の――昨年ですね、十月十四日に運輸大臣藤枝泉介さんあてに、いわゆる巣鴨プリズンあと地の利用として、自動車ターミナル事業免許申請書正式書類によって運輸省に提出しております。それを見まするというと、さっきお話し申し上げましたように、資金計画ががっちりきまっているわけですね。五百八億云々、繰り返しません。さっき申し上げたとおり、自己資金が六十四億円で、そのうち私が手回しがよ過ぎると思うのは、開発銀行は百三十億円の融資をきめているわけです。これは大蔵省国有財産局長でもどなたでもいいからあらためてお聞きいたしますけれども、超高層ビル三十六階建てのものを巣鴨あと地につくるということで、新都市開発センターがその合計資金額が五百八億円という膨大な金額であります。それから不動産銀行興銀長銀から協調融資として百億円、市中銀行から百十一億円、自己資金六十四億円、協力資金、いわゆる敷金収入見込みとして百三億円、こういうことになっておる。開発銀行が百三十億円、開発銀行についてはあらためて大蔵省のほうにお伺いいたします。さっきは法務省のほうにお伺いいたしましたけれども、も一うすでに大蔵省のほうでは、開発銀行融資と言えばこれは財投融資でありますから、預金部資金によってまかなう資金だろうと思いますが、そのうち昭和四十五年からですよ。契約書を見ますというと、巣鴨プリズンというものを払い下げを受けて超高層ビル建築し始めるのは昭和四十五年、四十六年、四十七年だろうと思います。そのときの建設すべき資金計画が、地元がごたごたしておるにもかかわらず、もうすでにきまっておるということであります。  そこで開発銀行の百三十億円というのは、大蔵省のほうで認可を与えたのですか、それとも何らかの意思表示をするという、新都市開発センターに対する融資というのは決定したのですか。
  32. 小宮保

    説明員小宮保君) 私がただいままで聞いております範囲内では、会社側開発銀行に接触するといったようなことはないようでございます。ただ問題は、いままで大都市地域におきまして都市計画事業として決定された駐車場とか、ないしはバスターミナルにつきまして、開銀がいままでかなり融資をいたしておりますので、こういうような案件につきましても、あるいは開発銀行から融資があるのではないか、こういう期待感を会社側が持っているのじゃないかと想像いたしております。
  33. 大森創造

    大森創造君 そうしますと、さっきの法務省経理部長の答弁といまの答弁と食い違っておりますが、経理部長は、何と言いましたか、すっかりきまっておる、あなたのほうではそれはわかっておるのでしょう。ところが、大蔵省のいまの答弁は違いますね、どういうことですか。
  34. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 先ほど申し上げましたのは、開発センターのほうでそういうふうに話がついているというふうに私どもは理解しておる、かように申し上げたわけでございまして、それ以上のことは、私ども所管外でございますので存じ上げないと申し上げた次第であります。
  35. 大森創造

    大森創造君 そうしますと、新都市開発センターというのは、超高層ビルをつくるその資金が五百八億円という膨大な資金を要するのだけれども、それについていまの経理部長のお話では、開発銀行のほうと話がついているということは、あなたはだれに聞きましたか。
  36. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 私直接開発センターの者から聞いたわけじゃございません。ただ直接の所管でございませんので、私どものほうの事務担当者のほうから報告を受けまして、さようなふうに大体了解がついているのじゃないかということで話を聞いているわけでございます。
  37. 大森創造

    大森創造君 私は、大蔵省のほうと法務省のほうの見解のニュアンスがちょっと違うと思います。事実はどの辺にあるのだろうかと私は考えておるのですが、実際は友田地区刑務所予定地についても、とても反対をして紛争を起こしておるし、反対の市民大会まで持たれておるという状況で、あとから申し上げますが、法務省はこの問題についておそろしく先行しておるし、意欲的であるというふうに私は考える。一般的にこういう事例を考えてみた場合に、少し手回しがよ過ぎるような気がいたしますが、私は、事実はどの程度のことなのか、開発銀行のほうに話をして、そして根拠のある数字というものを大蔵省の内意を得て百三十億という数字が飛び出したのかどうか、それとも、さっき大蔵省の金融局長ですか、どなたか言われましたように、大体従来の都市計画の観念からして、この辺の金額相当であろうということで山をかけた作文的なものであろうか、その辺のところは私はよくわかりません。しかし、あとから順次この問題について私は吟味していきたいと思いますが、移転先がごたごたしているにかかわらず、これだけの融資のあれが取り進められているということについて、私は手回しがよ過ぎるような感じがするのです。  次にお伺いしますけれども、この前、法務省経理部長と私のほうで盛んに応酬しましたけれども、私と法務省大蔵省、新都市開発センターの間で問題の青梅友田地区土地の所有権の問題についてずいぶん応酬しましたけれども、この土地の所有権は一体どこにあると思いますか、経理部長
  38. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 去る十月二十三日の当委員会で申し上げましたとおり、この予定地の、旧農地の部分は――農地の部分を除きまして、その他につきましては都市開発センターの所有に属していると考えておる次第でございます。
  39. 大森創造

    大森創造君 それはあなた確認いたしておりますか。私は絶対に新都市開発センターに移っていないと思う。問題の農地はもちろんございますけれども、西武の名義になっているというふうに私は理解いたしますけれども、これは何か物件を、実際のあれを見て私に答えているわけですか。
  40. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 農地の部分を除きまして、移転用地につきます登記名義上はなお西武鉄道の名義になっておると思いますが、所有権そのものは、売買契約によりまして新都市開発センターに移っていると考えておるわけでございます。
  41. 大森創造

    大森創造君 これは解釈の相違じゃなくて事実ですからお調べいただきたいと思うのです。あなたのほうは、経理部長、この所有権がどこにあるかなどということは電話一本でわかることだと思うのです。私はないと思う。  ここで一つの具体的な実例を申し上げます、これはどういうことなのか、押し問答しても始まりませんから。昭和四十一年の十二月二十六日に、青梅市議会の刑務所問題対策委員会出席者は、都市開発センターの専務取締役の大池真という人、それから常務取締役の古沢実、西武鉄道の不動産部長の長谷川渉という人、西武鉄道株式会社の建材部長青山誠という人が出席して、そこで私があなたと応酬しました問題について、これはひとつ確かめようじゃないかということで、いま申し上げましたように、都市開発センター側と西武鉄道側と――法務省のほうにも通知を出したそうでありますが、欠席をされたようです。そこで質疑応答があるんです。いいですか、これを読んでみます。質問のほうではこう言っている。「それではさっそくでありますが質問をさせていただきたいと思います。開発センターのほうにお伺いします。市長に提示された資料によりますと、西武から開発センターへ七万七千坪売却契約終了と記載されております。この点についてお答えいただきたいと思います。」ということでありますが、これ、要約しますと、こういうことを言っているのですね。大池真という新都市開発センターの専務が言っているわけです。そこには新都市開発センターが西武から買うということですから、西武側の、いま申し上げました責任者も来ているところでこういう発言をしているわけです。「ただいま申し上げましたとおり、私どもの契約そのものは、万一地元の了解が得られない場合は刑務所の敷地が建設ができないことも起こりますので、そのような場合には、西武にお返しいたしますよ。」――いいですか――「したがいまして、地元の了解が得られた場合に初めてただいまの約束が効力を発するのだ、ということを条件にいたしております。」、この前も盛んにあなたのほうと応酬しました契約書と同日の日付でもって覚え書きがあって、その覚え書きの内容を見まするというと、いま新都市開発センターの大池専務が言うているとおりであります。この契約書というものをあなたのほうでは見たというが、停止条件つきなんです。この覚え書きの条項が履行されない以上は契約書は効力を発生しないということなんです。そのことを繰り返して大池専務が説明しているわけですよ。いいですか。契約書は、「万一地元の了解が得られない場合は、刑務所の敷地の建設ができないことも起こりますので、そのような場合には、西武にお返しいたしますよ。」「以上のような次第でありますので、私どもと西武との土地売買契約と申しましたのは、売買の予約にすぎないのであります。」と、この前私が言ったとおりのことを言っているわけであります。売買ではありません。売買の予約にすぎないのであります。これは公式の場所で言っている発言なんです。あなたはごらんになったかどうか知りませんけれども売買の予約にすぎないのであります。解除条件といいますか、停止条件のついた売買の予約をいたしたのでありまして、いざ必要となった場合云々ということが書いてあります。これはどういうふうに解釈いたしますか。
  42. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 去る十月二十三日の当委員会におきまして、大森先生から、この土地売買に関する契約につきまして契約書昭和四十一年十二月七日付の西武鉄道と開発センターとの間の売買契約書のほかになお覚え書きがあるのではないかという御指摘がございました。それにつきまして私は、そういうものは法務省としては全然知らないという御答弁を申し上げた次第でございます。その後そういう御指摘がございましたので、新都市開発センターと西武鉄道株式会社の関係者に対しまして、その事実を調査いたしました。その調査いたしました結果、やはり先生御指摘のとおり、昭和四十一年十二月七日付をもちまして、西武鉄道と新都市開発センターの間において覚え書きが交換されておるという事実がございます。そこで、この覚え書きというものはどういう意味を持っておるのかということを、この両方の責任者につきまして調査をいたした次第でございます。その結果はかようなことになっております。もちろん、昭和四十一年十二月七日の両者間の売買契約書によりましてここで売買契約はでき上がったわけでございます。したがって、法律的には、ここで所有権は西武鉄道から新都市開発センターに移ったわけでございますが、それではその覚え書きというものは、両者間においてどういう意味を持つのかということにつきまして、両者の考え方をよく調査いたしたわけでございます。両者が申しますのは、当時この刑務所移転問題につきまして、両者が地元の関係者を説得いたしておったわけでございまして、鋭意説得中でございました。しかも、大体この近い将来に地元関係者の御了解を得られるという見通しがございましたので、この新都市開発センターと西武の関係者は、ここで所有権が実際は契約で移るわけでございますが、移ってしまうということを地元の皆さまに申し上げてしまうと、これが刑務所移転というものを地元の御了解を得ないままに建築工事にかかっていくといういわゆる強硬手段をとるのではないかというような、強硬手段の第一歩をとるのだというように誤解されてしまうと困る。そうすると、せっかくいまや御了承を得られかけているという状況でございましたので、地元の方を刺激しては悪いということで、そういう配慮があったので、一応この覚え書きというものをつくって地元の関係者にお示しいたしまして、これは両者におきましては、地元の御了解を得られるまでは工事を強行する意思がないという趣旨の意味でこういう覚え書きをつくって地元の関係者に説明したという事実はございます。それが先ほど来先生の御指摘の会合の場であったかと存ずるわけでございます。で、この両者の真意を聞いてみますと、地元の御了解を得られるまでは工事を強行する意思がないということが真意であるということがまず第一点でございます。  それから第二点は、両者が考えましたのは、しかしながら、万々一この地元の御了解が得られずに、刑務所の移転が実現しないという場合におきましては、開発センターとしてはもう要らない土地を買ってしまうということになるわけございますので、一たん、この本来の売買契約によりまして所有権は新都市開発が取得したけれども、これの売り戻しの約束をしておいてもらいたいということで、この売り戻しの意味を込めて、第二点は、この売り戻しの意味を込めてかような覚え書きをつくったのであるというふうに申したわけでございます。そういたしまして、こういうことは両者間だけの問題であるから、これについては法務省はもとより、大蔵省に対しても何ら御報告することもないということで、現在まで何も言わずに置いておいたと、調査の結果、かように両者が言うわけでございます。
  43. 大森創造

    大森創造君 わかりました。よくしかしそういう話をあなたのほうは聞いていますね。そういう非論理的な、非法律的な話を、法務省という法律をつかさどるところの経理部長がよく聞いていますね。よっぽどなれ合っているんじゃありませんか。私はわからぬですよ。いまの話を要約しますと、それは地元をたぶらかすですね、それはあの形式を見てみますというと、いま持ってきてありませんけれども、がっちりした契約書があって、この契約書の効力を発揮するためには、覚え書きの条項がなければだめだというて同時並列的にちゃんと書いてあるんですよ。それを私のほうで、国会であなたのほうと質疑応答をする、それまで覚え書きをほんとうにあなたのほうに見せていなかったんですか。あなた見ていたでしょう、それまでに。
  44. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 私はそういう覚え書きは見ておりません。全然関知いたしておりませんが、なおもう一点だけ申し上げさしていただきたいと思うのでございますが、今回この調査をいたしたわけでございます。で、先ほど来申し上げましたように、両者は一致した見解として申すわけでございます。ところが、そういう趣旨がこの覚え書きの文言からは必ずしもはっきり出てこないじゃないかと、もう少し強いことばになっておるじゃないかと、これははなはだしくおかしいと、本来の趣旨が売り戻しの予約と申しますか、そういうものであるならば、こういう字句はおかしいじゃないかということを十分私ども指摘したわけでございます。しかしながら両者は、先ほど来私が申した趣旨のことを申すわけでございまして、そう言われれば字句は穏当を欠いたと、しかし、趣旨は売り戻しの予約ということであるということは、一致した見解として申すわけでございます。
  45. 大森創造

    大森創造君 これは、新都市開発センターと西武が一致した見解になるのは当然ですよ。一致しなければおかしいですわ。それは、国会で私のほうで問題にして、法務省が聞かれるというと、新都市開発センターとそれから西武は、これは一致しますよ。解釈は御自由です。しかしこれで了承しますかな。一番その覚え書きの効力によっていろんな影響を受ける――きょうは地元の市会議員の方がほとんど全員おいでになっていますが、そういうことで第三者に対抗できますかな。そういう理屈は私は絶対通らぬだろうと思うんだ、そういうことは。そういう理屈であるならば、万事通りませんよ。世の中は無法地帯ですよ。あなたの言ったことを一つ私申し上げますというと、あなたはジャッジの立場にないんだよ、それは。審判の立場にないんだよ。まるっきり新都市開発センターとそれから西武の側に立った発言ですね、役人の発言ではないと思う。どうしてかというと、一つは、何ですかな、これはまあ内容については地元を納得させるためにこういうものをつくったということと、二つ目は、こういうことを言ったんでしょう。万一地元の了解が得られない場合には、その土地を新都市開発センターのほうから西武のほうに戻すんだという、この大池真常務も言っているし、あなたもいまそれを言った。それを言うたでしょう。そうすると、どこに真意があるんだかわからない、その覚え書きなるものは。この土地を地元の了解が得られない場合には、都市センターでは引き取らないで西武のほうへ戻しますよということで、ちゃんと十二月二十六日の会合でも、大池新都市開発センターの常務も言っているし、あなた自身もそれを言っている。だからこの覚え書きというものは少しおかしいと思う。かってな解釈であろうと思う。問題は、私は客観的にどういうことをうたったかというと、地元青梅市の了解がなければ――私は観光地、観光目的のために云々ということを固執しませんけれども、約束が違うじゃないか。いかにももう新都市開発センターという私企業が国の中に入って、西武があって、その土地を西武のほうがばんばん買って、何か私企業のほうとうしろのほうに大蔵省法務省があって、何かおかしいじゃないかという気持ちがあるところへ持ってきて、この覚え書きと契約書なるものがあるから、これはぺてんにかけたのだよ、この書類でもって。私はそうとしか解釈できない。第一、この覚え書きなるものをあなたのほうに見せないということは、新都市開発センターのほうは不親切ですね、誠意がないですね。そうすると問題は、法務省のほうは当事者外ですよ、現在……。当事者は西武鉄道株式会社とそれから新都市開発センターですよ。この間でいまごたごたしているのですから。そして先ほど私が読み上げましたように、ちゃんと西武側の責任者、西武側の不動産部長と建材部長と、それから新都市開発センターの専務取締役と常務取締役という人が、地元の議員の集まりの、いわゆる刑務所問題対策委員会なるもので昭和四十一年十二月二十六日に、さっき読み上げたような応答があるのですから、これ、現在係争中ですよ。法務省が新都市開発センターとの間に売買をするとか、こういうがっちりした、何といいますか、国有財産売り払い及び購入契約書というようなものをする段階ではない。さっきの超高層ビルの五百八億円の資金計画と同じように、その超高層ビル資金計画の中には開発銀行資金が百三十億ある。同様にもう地元では、いま申し上げましたように、問題の契約書の条項を履行しないので、地元はぺてんにかけられたというて非常におこっている。その最中にこういうようなものがちゃんとでき上がっていて、そうして何だかんだこんな膨大な契約書をつくっているけれども、私は順序が違うと思う。私はどだいこの問題はこれにあると思う。新都市開発センターというのは一体何だ、財界のお歴々の集団ですよ、私企業ですよ。等価交換方式というものは一体何だ。これは私がいまさら申し上げるまでもなく、本来ならば国が予算をとってあの巣鴨刑務所を売り払って、その代金でもってそうしていわゆる国のほうが直接刑務所をつくる、刑務所なんというものは規格が非常にやかましいのですから、直営方式といいますかね、そういうようなものでやるのがほんとうである。地元の人は納得しないですよ、この法の手続を。法務省とそれから大蔵省と新都市開発センターというものがあって、西武のほうは観光目的に買った、新都市開発センターのほうでは、覚え書き条項が履行されない以上は効力が発生しないという文章があって、その説明を地元の対策委員会のほうに、それぞれ責任者が説明しているのですから、どうしてもこういう私は等価交換方式というものに疑惑の影があると思う。私は法律的に――地元では訴訟を起こすはずになっていますね――こういうことを許されるか、非常に疑問だと思う。
  46. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 先ほども指摘の売り戻しの契約がある、私がそう言ったとおっしゃるわけでございますが、これは私の申し上げましたのは、西武とセンターの代表者の一致した意見として私のほうにそう言ってきているということを申し上げたわけでございます。
  47. 大森創造

    大森創造君 その点はそのとおりなんですよ。ところが地元へ、新都市開発センターと西武を呼んで聞いてみたら、そういうことを答弁するのはあたりまえです。ちゃんと地元に聞いてもそういうことを言っているのですから。私がふしぎなのは、やはりその地元を納得させるための形式的の覚え書きであると言いながら、実際には地元の了解を得られない場合には、この問題の土地は、新都市開発センターでは、刑務所はできないから要りませんよということを、新都市開発センターの人はほんとうにそれを考えているのですよ、あなたの言うたごとく。それから昨年の十二月二十六日にちゃんと大池専務が言明しているがごとく、現地の第一線から聞いているわけですよ。何でそれほど矛盾したことを強行するかといえば、結局あなたのほうは刑務所がほしい、国家的施策から。私は、この問題はこの前の十月二十三日に質疑応答した。あなたのほうで四十一年の十一月一日に地元のほうに文書を出した。これは、国家の至上命令であるから、言うことを聞きなさいという文書を持っていったでしょう、地元に。ますます地元は激高しますよ。中には、こういうことを言った人がいる。青梅市の人口は何ぼだ、六万だ。おれらは一億の代表だ、こういうことを言っている。こういう官僚的な判断で、だれが――刑務所が必要なのはわかりますよ。財界のお歴々が新都市開発センターという私企業をつくって、そこで西武が土地を買っているから、それをつなぎ合わせてそういうことをやっているから、地元が激高するのですよ。私はそこにあると思う。やり直したらどうかと思うのですよ。これはできません。百年河清を待ちますよ。地元の議員の人が来ているんで、大蔵大臣が来ていたらお答えいただきたいと思うのですが、来ていないから……。  そこで、私の質問のあと、打った手はどういうのかというと、正式の文書を持っていって、昭和三十三年の二月十三日に閣議決定したのだからと、こういうことを言っている。閣議決定では、何も友田地区刑務所をつくるという閣議決定はされていない。それから、国会でもって予算議決したのだから、というような文章がるる書いてある。一言でいえば、感情的にはこうとりますよ。文句を言うな、長いものには巻かれなさいということをいっているという趣旨にしか理解できない。一体どういうことなんですか。地元が了解できないということになれば、刑務所は永久にできませんよ。そのときにはだれが行政責任を負うのでしょうか。私はやり直したらいいと思う。時間がありませんから、約束の時間を守るから、あなたのほうの答弁の速記を見て、次回には、また質問したいと思うのですが、私は新都市開発センターをオミットしたらいいと思う。こういうものは予算技術上むずかしいかもしれませんが、そうでなければ、とても、百年河清を待っても絶対に刑務所はできない。地元の人が納得しない。私が巣鴨プリズンあと地評価の問題や友田地区の問題を言うのも、資金計画があまりにもよくでき過ぎている、四百五十億という……。しかも開発銀行の百三十億というものは、手軽に資金計画の内諾を与えている節が見えるんですよ。そして新都市開発センター法務省大蔵省、そして西武鉄道、そういうものが地元のほうに、さあ、のめのめと言っている態度が目に見えているのです。  大蔵省にお伺いしますが、やり直したらどうですか。大体この等価交換方式なるものは、やったのは今度が初めてなんですよ。予算技術上、こういうことをやったのかもしれませんが。こんな私企業じゃなくて、私は東京都に巣鴨あと地を払い下げたらいいだろうと思うのですよ。あれは五十億円くらいですから、起債を起こして、そしてその金でもって国自体が直営で刑務所建てるのが筋だろうと思う。そのほうがわかりいいですよ。それで、法務省側の態度が首尾一貫して新都市開発センターのやり方を擁護するように回っている、えこじになってがんばっておるように私には見受けられる。こういうものを英断をもってやり直したらどうでしょうか。暗礁に突き上げたらどうしますか。これはいまの多摩の刑務所ができあがる予定というのは来年の暮れです。来年の――昭和四十三年の十二月三十一日にできるということです。多少事情変更の原則があるにしても、近いうちにつくらなければならぬということになれば、これはだれの責任になるか、地元の責任にはなりませんよ。どう考えますか。
  48. 米田正文

    説明員(米田正文君) ただいまの御意見は建築交換をする制度の問題についての御意見でございましたが、まあこれは、おっしゃられるとおり予算的な措置として建築交換でなくて、必要なものは買い、不要なものは売却をするというたてまえをとれば、これは非常に経理的にも明確でありますし、制度としては私も簡明な非常にいい方式だと思います。しかし、それが原則ではございますけれども、そればかりでもいけない。やはりこういう特別な場合には、建築交換をするという制度も認めておくということは、まあ場合によってはそういうことは便利な場合もあるというので、こういう制度があるのでございますから、この移転の場合でも、非常に多額の施設を要することでもございますし、予算的にやれば、これもやれないことはないでございましょうが、しかし、この場合には、幸いにそういう新都市開発センターというふうなものがあって、これがかなり信用の高いものだというようなことを認めた上で、こういう交換方式をとろう、それのほうがスムーズに早く解決をするのではないかというたてまえから、今度の場合は、こういう制度をとりましたのでございますから、この場合、いまここですぐこの制度をやめてまた振り出しに返ってするということは、いまの時点では困難だと思っております。
  49. 大森創造

    大森創造君 時間がありませんから、私は口早に申し上げますけれども、このほうがスムーズにいかないですよ。絶対にスムーズにいかない。巣鴨地区の住民に聞いてみますと、そういう大きな三十六階建ての超高層ビルができるということになれば、あの辺の商店は反対ですね。バスターミナルがあって、インターチェンジができると、公害があって、騒音があって困るというのです。友田地区のほうは、いま市議会議員の方が来ておりますが、みな反対です。そこで私は、これを国と――法務省大蔵省並びに新都市開発センターのほうのこの契約書、膨大な国有財産売り払い及び購入契約書、こういう契約書の中に重大な瑕疵があるのです。やがて支障が起こるでしょう。これまで無理をしてやる必要があるであろうかということです。このままじんぜん日を送ったならば、私は非常に国の行政責任が問われるような事態になるだろう、そういうことを警告しますよ。それから、やることなすこと官僚的判断でやる。どだい、私は西武と新都市開発センターと、それから法務省刑務所が必要だという国家的見地はわかりますけれども、そこに如才なくずっと入り込んだ、そういうところが、地元に疑惑を持たれるゆえんだろうと思うのです。もっとオーソドックスにノルマルにこの措置を初めからやり直さなければいかぬですよ。たいへんなことになるだろうと思うのです。きょうのあなたのほうの答弁を見てから、また次回に質問をいたしたいと思います。
  50. 岡三郎

    ○岡三郎君 関連。ちょっと法務省に聞きますが、いまの質疑応答の中で、いま言った契約書が成立する段階において覚え書きというものは知らなかったと言っておりますが、それは知らなかったのですか。
  51. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 存じませんでした。
  52. 岡三郎

    ○岡三郎君 知らなくて契約を結んで、あとで覚え書きというものについて、この間の質疑から調査された。その調査の内容として二点言われたわけです。それは強行しないということ、それからもう一点は、地元が納得しない場合には、これは西武に返す、こういうふうな内容が新都市開発センターのほうからいわれておる。そういう内容を知らなくて契約をするということによってどういう事態が起こると思いますか。問題は、地元が納得しなければこれはできないというふうにお考えになりますか、どうですか。
  53. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) この点は、前回も当委員会におきましても申し上げておりますとおり、私どもといたしましては、地元の皆さんの御了解を得た上でぜひ刑務所をつくらしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
  54. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、いま大森君が指摘しておるように、話は逆で、まず契約を結ぶ前には、法務省たるものは……ということばが出ました。私もそういう感があるわけで、法務省は一切書類を見て、これ以上の書類はないか、そういう万全の中から、法務省として刑務所移転の問題その他について契約を結ぶのが至当であって、そういうふうな契約内容に抵触するような重要な問題を抜きにして契約を結び、それで後刻ごたごたが起こってきて、そうして、いま言ったようなことばのやりとりの中から強行する、もう法務省がきめたのだから、これはやむを得ず泣き寝入りしろ、こういう強行策では地元はますます硬化して納得しないだろうということになれば、明年の暮れにこれが完成することはちょっと無理ではないかということになると、この契約自体というものはまことに粗漏であるというふうに言われてもしかたがないと思うのです。いまの質疑から受け取る印象は、まず実態についての法務省調査そのものができてなくて、新都市開発センターそのものの言うことをうのみにし、西武の言うことをうのみにして、地元をほったらかして、自分たちに都合のいい方向をいまたどってきたということが、根本問題を惹起しているというふうに受けとれたのですが、この契約書自体は粗漏、かつ、まことに実態というものを把握しておらぬという上に立っておるというふうに考えますが、どういうふうに考えますか、この契約書は。いいかげんである。
  55. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) この前から再三申し上げておりますとおり、昨年の年末におきましては、地元の御了解は大体得られるというところまできておったと私どもは判断をいたしております。さような関係で、間もなく地元の御了解は得られるということで、契約の手続に入ったわけでございますが、その後、この契約は二月の末になっておりますけれども、その後青梅市のほうで市議会の改選とか、いろいろなことが起きまして、その後の情勢がだいぶやはり変わってきたということであろうと了解いたしておるわけでございます。  なお、先ほど来申し上げておりますように、この覚え書きの問題がございましても、契約書そのものは、私どもは、十一月の西武・センター間の売買契約書により所有権は移転をしておると解しておりますので、二月末の国と新都市開発センター間の契約書それ自体は、何ら問題がないと考えておるわけであります。  なおもう一点、先ほど大森先生の御質問にございましたが、建築交換方式、これが初めてであるというおことばがございましたけれども、さようではございませんで、刑務所に関しましては、昭和三十五年以来この方式をとっておるわけでございまして、現に福岡、名古屋、松江、滋賀、静岡の五刑務所はこの交換方式によりまして完成いたした次第でございます。
  56. 岡三郎

    ○岡三郎君 よけいなことばかりおっしゃっていないで、肝心なところを言ってもらいたい。いま言われた契約書基礎になるところの新都市開発センターと西武が売買契約をして、それだからこれは心配ないのだ、こういうことを言っておりますが、心配がないならばわれわれも何も心配をしない。現実に青梅の人々が刑務所移転について、西武が当初言ったことと違うということでおこっておられる。しかも、それが覚え書き自体の中に明確に取りかわされている。しかも、それは新都市開発センターのほうから、そういうことになっているのだと、契約が済んでからあなたのほうにきて、あなたのほうも実はびっくりしているのじゃないかと思う。根本は、地元が納得されたように思うからこう契約したと、そんなばかなことがありますか。地元が正確に、それこそ新しく覚え書きを交換して刑務所の移転について納得するということの上に立って、初めて国として契約を結ぶのが至当な手段であって、これは一つの方向に結びつけられて、それはもう何とかなるから契約をしましようということにすぎないので、それを言っているんですよ。あなたの言っているのは、西武が言っている、都市開発センターが言っているから、これはもう売買は、都市開発センターに移って刑務所移転の問題については、超高層ビルとの関係でこれはもうできるのだという上に立ったから契約をしたんでしょう。ところが、その根本的な問題が覚え書きという問題でいま残っている。こういうふうな問題になったときに、いま大森君が言ったように、法務省自体も新都市開発センターその他と一緒になって、基本的に刑務所をつくろうという意図はわかるけれども、国として契約を履行する場合において、できないときに、だれが責任をとるかということなんですよ、できないときにだれが責任をとるのか。
  57. 辻辰三郎

    説明員辻辰三郎君) 先ほど来申し上げておりますように、昨年来から本年の初めにかけましては、大体何も西武や新都市開発センターの判断だけじゃございませんで、私どもも地元の方々の御了解を得られる、もう終着に近いところまでいっていると判断いたしましたから、この契約をいたしたわけでございます。その後市議会議員の改選その他情勢が変わってまいったというところにも、この問題がなかなか進まない一因があろうかとも考えておる次第でございます。
  58. 岡三郎

    ○岡三郎君 私の質問に答えていないのですよ、だから質問が重なっているのですがね。ほぼ了解点に達したから、こういうことでやった、ところが、その了解点がもとに戻っちゃった、そういうことで法務省の――とうも法務省にこだわりますがね。法律の元締めになっているところから言わせると、まことに軽率ではないか。軽率ではなくして、逆に言うと、新都市開発センターと一緒になって、そういう点は何とかなるのだということで取りかわしたというふうに解釈されざるを得ないわけです。でなかったならば、契約をするときに、明確にその覚え書きに基づいて一札契約書の中に入れておかないと始末がつかぬということになると思うのです。国庫債務負担行為というものを予算化して、そういうようなことをやって資金計画も出ちゃっておる。ところが、覚え書きの肝心のところの地元の了解はほぼ得たといっても、完全に得ていない前に契約をして、そうして超高層ビルなり刑務所というものを等価交換でやる、等価交換方式はいろいろやられたといっておられますけれども、そういう事態の中で、この契約自体はミスであり、軽率であったというそしりは免れませんよ。あなたのほうで契約したあとで覚え書きというものが質問の中からわかってきた。ということは、あなた方は新都市開発センターの人の言うことを聞いて、いまあなたそうじゃないと言ったけれども、現実に事態としては覚え書きの重要な項目にいま抵触してきているわけです。軽率ですよ、この契約自体は。どういうふうな考え方でほぼ了解を得たのか、そういう点についてもいまのところは明確にわかりません。  したがって、時間がありませんので、本日指摘をしておくことは、大森さんが言っているように、事実問題として法務省としてこの契約というものは非常に軽率である。それをたなにあげて、これから地元に押しつけて強行しようということになったならば、これはわれわれのほうとしても了承できない。したがって、そういう点についてもう一ぺん検討し直して、こういう問題については、あやまちを改めるにはばかることなかれ、そういう方式というものは、根本的にこれは暗礁に乗り上げた原因をつくっているのだから、そういう点について、あらためて問題をもとに戻して、地元とよく話をするという形の中から、問題をはっきりさしていかなければならぬということをいま言われていると思うのです。軽率だと思いませんか、どうです。その点を言っているのです。
  59. 亀田得治

    委員長亀田得治君) この問題は、ひとつ四十年度決算が十二月、目標としては仕上げる、それまでに総括の中なりで、さらにきちんと決算委員会としてもけじめをつけることにいたしますので、本日の質疑はひとつこの程度で御了承願います。
  60. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちょっと大蔵省のほうとしても、やはりこういう契約内容自体というものが、こういうふうに発展してきているということになるならば、やはり契約自体というものは非常に粗漏かつ不手ぎわ、ミスが多いわけです。ですから、そういう問題について大蔵省自体としても新しくこういうものをつくっていくという場合において、法務省としての考え方もまとめてやはり聞き、そうしてこの問題についてやはり契約自体に、契約を結ぶ時点において重要な書類について、それを見失っていたわけじゃないけれども、これは意識してやったかどうかわからぬが、そういう根本問題について見過ごしておいて契約が成り立って、そうしてそれがいまの時点に出発してきておる。こういう点について、大蔵省自体としても十分検討し直す必要があると思うのですが、どうですか、政務次官。
  61. 米田正文

    説明員(米田正文君) この問題は、皆さんのお話を承ると、いろいろ現地に問題のあることもきょうお聞きをいたしましたから、そういう点では、大蔵省としても、大蔵省に関する関係の面については法務省と打ち合わせをいたします。
  62. 柴谷要

    ○柴谷要君 私は専売公社に対してちょっと質問をいたしたいと思います。  まず第一に、最近専売公社は新品種の研究が完成をしたといって近々に発売をする、こういうことが新聞紙上に出ておりますし、新製品の研究に怠らず努力をしているということを聞いておるわけですが、その方向なり見通しは一体どういうものか、それをひとつ御説明いただきたいと思います。
  63. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) ただいまの御質問でございますけれども、御承知のように喫煙と健康という問題は、私どもとしましては一番実は頭を悩ませている問題でございます。したがいまして、できるだけそういうような健康に害のないもの、もっと砕いて申しますというと、問題になっておりますニコチンとかタールとか、そういうものの少ないものを要請されておりますから、そういう意味で新しい製品を出していこう。今月もう近々発売いたしますが、新しい製品が出ますが、これは従来のものに比べますというと、最もニコチン、タールの少ないものでございまして、しかも問題は、そういうようなものが少ないだけではなくて、結局味が落ちない、こういう点が問題でございますので、そういう点を留意いたしまして新製品を出していく。将来ともそういう研究は進めていくつもりでございます。
  64. 柴谷要

    ○柴谷要君 喫煙者に対する健廉ということを考えながらニコチンなりタールの少ない、しかも害が少なくて味は落ちない、全く理想的な品物の研究になると思うのですが、実はきのうの新聞だったと思うのですけれども、日本のたばこには水銀というものが非常に多量に含まれておる。これが人体に及ぼす影響が非常に大きいと思われる、こういうようなことが出ておりますが、実際たばこと肺ガンとの関係はいろいろ世間からいわれておることでありますけれども、公社としては、どのようにたばこと肺ガンとの関係が関連があるのか、そういう点について検討しておられるのか、それとも他の機関に委嘱をして検討を願っておるのか、これらの問題についてもお答えいただきたいと思います。
  65. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) 肺ガンの問題については、これは学界でしばしば取り上げられておるとおりでございます。その点につきましては、公社といたしましても、もちろんこれは大きな問題でございますので、肺ガン学会に対する研究費を、毎年これは千五百万程度でございますけれども、その研究の科目に応じまして研究費を出して、外部からそういうものの研究を進めておっていただいておる現状でございます。
  66. 柴谷要

    ○柴谷要君 きのう出ておりました水銀含有量の問題は、研究所ではあれですか、いままで全然手がけたことはないのでありますか。この点をひとつ……。
  67. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) いま水銀のお尋ねございましたけれども、この問題につきましては、特に専売公社といたしましては研究しておりませんし、きのうの新聞、実は私が見ておりませんもんですから、どういう記事だったかよくわかりませんが、水銀に関する研究はいたしておりません。
  68. 柴谷要

    ○柴谷要君 肺ガンの関係については、公社としては研究費千五百万円を外部に委託をして研究をお願いをしておるということでございますが、研究機関はいずれの場所でございますか。その場所関係者、おわかりでしたらお知らせ願いたい。
  69. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 私どものほうでは日本肺ガン学会、河合博士が会長をやっておられますが、そこへお願いいたしまして、それからそのほかに専売公社としても病院が二カ所ございます。そこでもいろいろ分担いたして研究しております。それから肺ガン学会で取りまとめいたしますけれども、各大学あるいは研究所、かなりな数に上がりまして、参加しておられる学者の数も千人を越しておるということでございます。
  70. 柴谷要

    ○柴谷要君 関係者が千人もおられて、しかもその肺ガン学会であるとか、病院が二カ所、その他関係の機関で千五百万とは全く雀の涙というようなことで研究とはいえないと思うのですが、これを増額をし、国民の心配のないような、たばこと肺ガンとは関係がないというところまで言い切れるような研究ができないもんかどうか、ひとつその点をお聞かせ願いたいと思う。
  71. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) これはお話のように、増額いたすという方向で若干ずつふえておりますが、ただこの勉強をしていただくのは、本来向こうでも勉強しておられる方々にお願いいたしておりますので、本来の基礎的な研究費は、研究費といいますか、学者先生のおやりになることはすでに向こう側でやっておられるところへ私どものほうを乗せて、合わせて勉強していただくので、数字の割りには効率の高い研究が行なわれているというふうに思われます。
  72. 柴谷要

    ○柴谷要君 まあもちろんそういうことでございましょう。それにいたしましても、千五百万円という金額はあまり高額のものではないし、研究費――研究をしているといえるような額ではないと思いますので、この点は大いに検討されることを望みたいと思うのでございます。  その次は、専売公社はとにかく専売でございますから、益金というものが国庫に納入されてまいります。この益金が一体四十二年度はどのくらいの納入金になられるのか。いまから見通しでございますけれども、ひとつお答えをいただきたい。
  73. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) この総収入が六千三十三億円でございまして、納付金がそのうち千六百億、消費税関係が千六百八十九億、こういうような割合になっておりまして、納付金と消費税を合算いたしましたのが三千二百八十九億、こういうのが四十二年度の見通しでございます。
  74. 柴谷要

    ○柴谷要君 これは四十一年度とでいいますると何%増になっておられますか。それをおわかりでしたらお答えを願いたい。
  75. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 国庫に納付いたしております専売納付金、これは実は地方の消費税との関係でふえておりませんです。実はたばこの益金と申しますのは、国に専売納付金として納付いたしますほかに、都道府県、市町村にたばこ消費税という形で、これは毎月納付しておりますが、これが二四%から二八・四%、都道府県、市町村合わせまして四・四%、昨年の半ばごろから税率が上がりましたので、そこらがふくらみまして、専売納付金のほうは、これは昨年度千九百八十一億、これが決算でございます。それに対しましてことしは千六百億ということでおかしな形でございますが、ちょっと減るような予算になっております。
  76. 柴谷要

    ○柴谷要君 それは会計のことはわかりました。いずれまたこれは、大蔵のほうでもやるつもりでおります。  次は、葉たばこの品種改良に非常に努力をされておるということが言われておるわけですが、一体葉たばこの品種改良ですね、品種改良にはどういう手を打っておられるか。私どもも、この耕作者には相当知己、親戚等がおりますけれども、どうもあまり品種改良というものがそう目立って行なわれているようには考えられないのですが、この点はどのようにやっておられますか、ひとつお知らせを願いたいと思います。
  77. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) 先ほど、最初に御質問がございましたように、この最近の傾向というものがつまり軽いたばこを嗜好をしておりますので、そういう一般的な要請に応じまして国産の葉たばこの栽培についてもそういう指導をしております。たとえば、ビニール栽培であるとか、乾燥室のあれであるとか、それから、そういうつまり香喫味の高い軽いたばこということを指向した指導方法であるとか、そういうものを順次に行なっておりまして、最近では、相当の成果をあげてきていると私どもは考えておりますけれども、なお、この傾向が今後とも強くなるだろうということを予想いたしまして、一そうそういうような指導面での改良をつとめていきたい。たとえば肥料の問題にいたしましても、非常に多肥料をやります場合には多収穫になりますけれども、品質の面では、どうしても落ちてきますので、そういうところのねらいというものが、なかなか指導の面ではむずかしい問題がございますけれども、実際におきましては、いまの面積が八万七千四百五十ヘクタールということで、ここ二、三年来押さえております。押さえておりますということは、その中で国産葉の品質的な改良が行なわれれば、国産葉というものを主体にしておりますだけに、ますます国産葉が、外葉を輸入しなくてもいいという問題とも関連いたしますから、どうしても、そういうような香喫味の高い葉っぱの生産ということに力を入れておるのでありますが、最近では、ただいま御質問ありましたようにさっぱり効果があがってないじゃないかという点では、私は非常に効果があがってきているのじゃないか、かように逆に考えております。
  78. 柴谷要

    ○柴谷要君 栽培者自身がいろいろ研究をされて量産に励んでくる、こういうようなことになるというと品質が落ちる。つまり買い上げ価格が下がってくる。むしろ何と言いますか、増産をはかった結果、いいものではなくてむしろ収入が減ったというような例があったというようなことも聞いて、実はびっくりした。米などにしますと、品種改良を行なえば、量産に励んで、多肥料を与えて量産をしますというと、それだけ収入が上がるというふうに、たばこはなかなかそうはいかない、なかなかむずかしい問題がある、こういうことを聞いておりますが、これらの問題につきましては、なかなか専売公社としても指導に相当の力を入れなければならぬというふうに考えられると思いますが、次は、国内産と外国産の輸入について、その割合は一体どのくらいになっておるか、これをひとつお知らせ願いたい。
  79. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) これは、御質問の趣旨はおそらく外国葉がだんだん多くなっておるじゃないかというお尋ねかもしれませんけれども、大体四十年度におきましては国産葉と輸入葉の割合が一三%になっております。なお、四十一年度では、この割合が一四%と外葉が少しふえております。ふえておりますが、私どもとしては、この国産葉を主体にするという方針を堅持していきたい、将来とも。まあいまの傾向からいきますというと、なかなか外葉を使ったもののほうの売れ行きが多いために、こういうような四十一年度では一%の増を来たしておりますが、今後これがふえてきましても、一五%前後ということを目標にして考えていきたいと、かように考えております。
  80. 柴谷要

    ○柴谷要君 そこで、この輸入品がふえてきているという、いわば品物もよくなる、それから価格も安いということはわかるんですが、実はこれに関連をしていたかどうか知りませんが、米葉資金という名の資金がアメリカから専売公社にきておるということを聞くわけです。しかも、それが専売公社の宣伝に使われている。一体この資金の性格というのはどういう性格のものですか。私が調べたところでは、米国務省からきているようなふうではあるけれども、どうも米国のたばこ関係者の民間団体が出しているような金のように思われる。ということになるというと、ちょっと日本の専売公社が受ける金としては疑問があるような感じがするわけなんですが、この点は、どういうような経緯になっておられるか、少しく説明を願いたい。
  81. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) この資金というのは、これは実は米国の、アメリカの農務省が出している金でございまして、これは向こうの業者が出している金ではございません。したがいまして、この種類の資金というものは、この農務省関係のかなり多くの部門に出ております金と私は同種類のものだと実は考えておるのでありまして、たとえば、大豆でありますとか牛皮でありますとか、そういう皮革でありますとか、そういうようなものにいわゆる農務省のそういうような海外輸出のための資金として出ていることはこれは御承知のとおりであります。したがいまして、農務省としましては、米葉の購入にあたりましてできるだけ米葉をよけい使ってもらいたい、そういう宣伝に使ってもらいたいんだという趣旨できているものと考えておるのであります。
  82. 柴谷要

    ○柴谷要君 どうも、まだその点でははっきりできないんですが、日本に米葉協会というのがございますね。この協会というのは、この団体はどういう業務をやっておられるのか、その内容をひとつ教えてもらいたいと思います。
  83. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 米葉協会は、ただいまお話に出ました米葉資金、これを受け入れることがおもな仕事でございまして、たばこの輸出入とかあるいはたばこの販売、そういうようなものに関係しております団体が集まりまして米葉協会という任意団体をつくっておりまして、これが米葉資金を受け入れる仕事、それから少しずつ会費を出し合いましてお互いの間の親睦というようなことも若干はやっておりますが、おもな仕事は米葉資金を受け入れるための任意団体でございます。
  84. 柴谷要

    ○柴谷要君 そうするというと、アメリカの国務省といいますか、農務省といいますか、そこからアメリカのたばこを日本に売り込みたいから宣伝費用として日本にいかほどの金が来るか、これからお尋ねしたいと思うのですが、金が来る。そういうものを日本米葉協会が受け取って、そうして使っておる、宣伝に使っておる、こういうことですか、それとも、公社自体がそれを受け入れてやっておられるのですか、そこをひとつ明確にしてもらいたい。そうでないと、何かアメリカから金をもらって、日本の専売公社がアメリカのたばこを宣伝しなければならぬという、義務づけられたような、何かおかしな金のように考えられますので、こういうものはやはり明確にしておかないといけないと思うのです。筋道が立てば、これはもらうなら多くもらってもかまわぬと思うのですが、その筋道が立たぬと困るのです。その点も、私どもしろうとにもわかるようにひとつ御説明願いたい、こう思います。
  85. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 米葉資金は、年によって向こうから参ります金額、これは若干差がございますが、日本の円にいたしまして五千四、五百万円という年が多うございます。大体そんな額が一年間で来るような実績になっております。これは大部分がテレビ、雑誌、ポスターその他の宣伝広告に使われております。これはアメリカから入ります葉っぱ、これを原料の一部に入れたたばこ、ピースであるとか、ホープであるとか、日本の国内産の葉っぱだけ、あるいは、その他の国からの葉っぱでつくったたばこというものでない、米国産の葉っぱを使ったたばこの宣伝広告、そういうようなものに使われるようなことになっております。で、これはテレビだの、あるいは雑誌だのポスターだの、そういうような計画を日本側で立てますと、それに基づいて向こうもそれでよいということになりますと、金は公社に入るのでございません。向こうのほうで直接支出が行なわれるという形で、専売公社といたしましては、現金の支払い、受け取り、そういうような関係は発生しておらない性質のものでございます。
  86. 柴谷要

    ○柴谷要君 いまのお話だというと、現金では来ない、ただ、宣伝のために――これは私が調べたところですが、四十一年から四十二年にかけて、テレビでは三千四百四十万、それから雑誌では六百十五万、それからポスターでは一千九十五万ばかり、それからその他二百三十四万ばかり、五千三百八十四万円ばかりの金が来るわけです。しかし、これは、現金で来るのじゃなくて、テレビなり雑誌なりポスター、そういうものに向こうで決済をして、現金は一切来ておらぬ、こういう説明になっておるようですね。それだというと、アメリカのたばこのよさを宣伝をする、テレビで宣伝をする、あるいは雑誌に書かれる、それからポスターとしてこうやる、これを扱う公社には、手数料というものは全然来ないのですか。その点をひとつ聞かしてもらいたい。
  87. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 専売公社に手数料的なものは入っておりません。
  88. 柴谷要

    ○柴谷要君 それならば、米葉資金の使途の中に、公社職員が米国視察ができるようになっております。それでいままで何回か専売公社の職員が、この米葉資金でアメリカに視察に行っておられることを、私、承知しておるわけです。一体何年ごろから始まって、何人おいでになっていて、どういうところを研究をして、そうして帰ってこられて、公社のために研究されたことが実際に応用されておるか、まあ、ために役立っておられるか、その点を聞かしてもらいたい。どうもこれが、現金が来ない、向こうで一切決済をする。それだけでは味もすっぱみもないから、公社の職員でもひとつアメリカに呼んで、研究をしてもらうかたわらひとつ慰労でもしてやろうという向こうのねらいがあってのことではないかと、まあこれは勘ぐったことばで、はなはだどうも失礼なことばになろうかどうかしれませんが、何かちょっと専売公社の者を手玉にとる一つの材料に何か使っているような感じがするのですが、そういうことがないか、ひとつそういう問題についてお答え願いたい、こう思う。
  89. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) ただいまの専売公社の職員が、この米葉資金で海外に出張しておるという事実はございます。これは昭和三十年から大体年に二人、場合によっては三人参りました年もございますが、そのくらいの割合で行っております。それで、これはもう目的は主として販売――たばこを売ることでございますが、これの売り方あるいは宣伝のしかた、広告のしかた、そういうものをどういうふうにアメリカではやっておるか、あるいはどういうふうにやるのが、国際的にみてよろしいかというようなことを勉強してほしいということで、これは私どものほうとしましても、アメリカの葉っぱを使ったたばこだけではなく、そのほかいろいろな製品がございますが、そういうようなものにつきましても、これは私どもの仕事といたしまして、アメリカでやっておりますことを勉強するということは必要なことだと存じますので、何人かずつただいま申し上げましたように出しておるわけでございます。これはそれだけではございませんで、そのほかアメリカの葉っぱの産地の事情とか、あるいは原料の処理の事情あるいは製造の関係、そういうようなものも若干は勉強させられてまいっております。これは行きますまでは、非常に予定といいますか、スケジュールといいますか、これはかなり厳密な念査を経ましたスケジュールで、行った連中はぴっちりと勉強をして帰っております。で、私どもとしては、専売公社の仕事を進める上に、非常に従来参考になって、井の中のカワズにならないで済んでおる大きなささえになっておるというふうに了解しております。
  90. 柴谷要

    ○柴谷要君 まあ、たいへんこの米葉資金によって公社職員の皆さんが、三十年以来二人なり三人行ってこられて、たいへん成果をあげておられる。けっこうなことだと思います。これがこういう国会の場で、ややもすると、取り上げられるというと、おかしな金が来ていて、専売公社がおかしな金をもらっていると、これはどうもちょっとおかしいじゃないかというような疑惑を持たれると思いますので、明確に総裁からお答えをいただきたいと思うのですが、これによってひもつきではない。この金は決してひもつきの金ではない――まあ、説明のあられたように、これは議事録を国民全体に見せるわけにはいきませんからね。総裁が言明されたことは新聞等で報道していただけると思うので、こういう資金なるものは、専売公社にとってはひもつきではない。しかしながら、今日の情勢の中では、こういう助成的なものも受けてもいいのだ、悪いものじゃないのだ、こういうふうに考えているということを明確にひとつ答えてもらいませんと、どうもアメリカの手先になって、ややもするというと専売公社まで動いているかと、こういう国民に疑惑を与えるもとになるのですね。まあ正直のところいって、現金が来ないのだというのだから勝手に使うわけにいきません。向こうで決済が済んでしまう問題らしいのですから、そう疑惑はないと思いますけれども、こういうものでもまあいただいておるということになりますというと、どうも何かアメリカの手先に使われているというような印象を国民に与えることは、あまり芳しいことではないと思いますので、この際、総裁の口からひもつきではない、日本専売公社はあくまでも公社としての性格の上に立ってやっておるのだ。こういうものには、まぎらわしい五千万や一億以下の金が来たって、何のあれもないのだということをひとつ明確に答えてもらいたい。そのことによって、私はきょう質問したことはそれで終わりたいと思うのですが、まあ新製品も大いに研究されているようでありますが、とにかく早く国民が悩んでおる肺ガンの原因であるとか、あるいはたばこのために健康をそこなうとかいうようなことのない、いいたばこをひとつつくってもらうように、ますますその研究をしてもらうことを要望して、最後に総裁の発言を望んで私の質問を終わりたいと思います。
  91. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) 日本の専売公社の面目にかけましても、そういうひもつきの金は一切私はもらわない、もらっておらないし、今後ももらうつもりはございません。この点は、はっきりひとつ御了承願いたいと思いますし、もしもそういう何らかの条件つきの金でありますならば、つまり公社の仕事に何らか制約を受けるというような性質のものでありますれば、私はこの米葉資金というものを直ちに断わりたいと考えております。その点を明確に申し上げてお答えにいたしたいと思います。
  92. 亀田得治

    委員長亀田得治君) じゃ、午前中の審査はこの程度にとどめ、午後は一時十五分より再開いたします。    午後零時十一分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十八分開会
  93. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十年度決算外二件を議題といたします。  大蔵省及び日本専売公社の部の決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  94. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 午前中に柴谷先生からだいぶいろいろ御質問がありましたから、できるだけ重複するのを避けてお尋ねしたいと思いますが、柴谷先生も指摘されましたように、近来はやはり上級な葉が要求されておると聞いております。同時にいまの状態では、すべての葉たばこを買い上げている関係で、比較的下級のたばこが非常に好まれないために、在庫品が多くなっておると聞いておるわけでありますが、こういうようなことに対しまして、もっと具体的にいま公社がとっておられる方式を示してもらいたいと思います。
  95. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) ただいまの御質問にありますとおり、現在公社の手持ちしております葉たばこの在庫量というのは、標準の数量をはるかに上回っておりまして、約総体でいきますと四カ月分余計になっております。その中で特にバーレー種というものがございますが、これが三十三カ月の手持ちになっておるわけであります。そういたしますというと、将来の問題といたしまして、これらのバーレー種というのは四割から五割程度輸出をしておりますが、輸出がだんだん窮屈になりますというと、この使用というものを考えなくちゃなりませんが、そういう面につきましては、下級葉と申しますか、そういうような在来葉であるとかバーレー種であるとか、いまの製品にどうしたら使えるかということが一つの緊急の題目になっておりまして、これがあるいはディッピング法であるとかスプレー法でありますとかいろいろな方法によりましてその特有な臭気を除くということで、将来の見通しといたしましては、これらの品種をどんどんいままでのものよりも多く使っていく方向で進んでおります。したがいまして、これらの問題に対する――これはことしすくというわけにはまいりませんけれども、来年から順次そういうものも増加を期待していきたい、かように考えております。
  96. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 抽象的に言えばそうだろうと思うわけですが、私はその非常に悪い葉とか、あるいは中流の葉というものがストックになっておる現状を、それを使うようにしていうということに対しては、もっと積極的なかまえをもってこれを処理するなり、あるいはまたいままでの状態ではストックになっておるから、置いておけば置いておくほどぼくは品質が悪くなると思うのであります。そういうものをストックさしておくというと、これは非常に何といいますか、親方日の丸式な考え方で非常に不経済な考え方であり、私はそれに対するもっと具体的な研究を進めて、将来これをどういうふうに展開していくのがいいかということを、もっと考えなければならぬと思うわけです。これはあとでもっと私は聞きますが、いま耕作のほうの審議会あたりで答申されておるようでありますが、そういうものに対してのくみ上げ方は、一体どういうふうにしていくのか。あるいはまた耕作の面積について、何かコントロールする方法をやっておるのかやってないのか、その点についてまず最初に聞かしていただきたい。
  97. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) 耕作の面積につきましては御承知のとおり八万七千四百五十ヘクタールという、これは四十三年度もそういうような面積を据え置いたのでありますけれども、四十二年度それから四十一年度も同様に八万七千四百五十ヘクタール据え置いております。置いておりますことは、先ほども申し上げましたように在庫の量がふえてくる。で、このバーレー種のごときは、先ほども申し上げましたけれども輸出を半分しておる。ただ、その輸出が値段の点で壁にぶつかっておりますものですから、なかなか将来の見通しとしてはそう簡単に輸出ができ得ない状態になってまいりますので、どうしてもこれを国産葉として使うという方向をとっていかなければなりませんが、それについて先ほど抽象的だと、こうおっしゃいますけれども、実際においてはその葉っぱをどうしたら使えるかということで、これは現実に研究段階は済んでおりますが、その設備を早急にいたしまして、あるいはディッピング法というのは水で通すのでありますが、あるいはその水をスプレーする方法は、これは外国でよくやられておるのでありますけれども、公社のほうといたしましては、その浸漬する方法を使いまして、来年度からはこの面がだいぶ緩和されてくるのではないか、こういう見通しでございます。
  98. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 ちょっと調べてみましたところ、やはり耕作団体に交付金やら手数料を払っておられますね。こういうのは三億一千万ぐらいもありますし、また葉たばこを乾燥なんかすると非常にいいというので、これにも七億出しておられるようであります。あるいはまた、パイロット農場の設置の委託貸なんかも一千万ほど組んでおるようでありますが、こういうふうなものは、いま具体的に行なわれておるところ一つの改良方法だろうとは私は存じておるわけでありますが、こういうふうな金を出し惜しみしないでもっと予算をつけることによって、その品質改良というものに向かってもっと邁進のできるような体制を固めるべきじゃないかと私は思うのでありますが、どうでありますか。これは相当金額が含まれているとは思いますけれども、一方ではストックもどんどんふえていくという状態では、もっと改良する方法は、先ほど答弁の中にも何かビニールのものにすれば品質がよくなるとかいう答弁もありましたが、もうそういうようなけちな方法でなくて、もっとつけるべきものはつけて、りっぱなものをつくるような根本的な方法を、いまからやるべきじゃないかとぼくはしろうとながら考えるのですが、その点についてはどうですか。
  99. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) お説のとおりでございまして、われわれとしましては、今後そういう面では積極的に国産葉というものを主体にして考えていくべきだと思いますので、その品質改良については、もっと意欲的にやっていくつもりでございます。
  100. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 午前中の質疑のやりとりの中で米葉の協会ができて、またそこらの金を非常にもらって宣伝をしておる。僕はあれを聞いて非常に納得いかぬものを感じたわけです。一方で国産でやっておってストックがあるのに、いまさらそこらから宣伝費をもらってそれを使ってたばこばかりを宣伝しておる。それは行き方が逆行しておるような感じがするわけです、表から聞いている限りでは、また、ほかのほうの意味もあるだろうとは思いますけれども。私は少なくとも専売として取り組んであられる関係においては、もっとやはり国産のそういう悪いたばこもストックになったままという、私は相当の額に聞いているわけですが、そういう点から言っても非常に間違っておる。私はこの際一ぺんどういうたばこの級のものがどれほどストックになっておるかということを、ここで聞いておきたい。
  101. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 御趣旨は、下級の葉たばこの区分をつけて、どういうストックの状態かという御質問でございますが、ただいま手元にございませんので、さっそく資料として提出いたします。
  102. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 ことに私はいま考えておるのは、肺ガンとの関係であります。私も医者でありますので、こういう点についていろいろ考えておるのでありますが、外国では紙で巻くところに大きな影響もあるというようなことも言われておりますが、こういうことについての研究は、わずか千五百万でしたか何かのような話を聞いて、私は、非常に効果的で研究やられるところへ少しつけてやるのだから、わずかの金で効果的だという報告を受けたのでありますが、これに対してもいまこれだけ大きい世論になっているのにわずか――これで十分だという考えでおられるなら別でありますけれども、十分でないとしたらもっと早くつけて、その結果を早く出すべきじゃないか。先ほどの質問の中に、それをどういうふうに把握しておられるかという質問があったのに対しても、答弁も私はっきりしてなかったと思うのです、私聞いておって、聞き落としたかもしれませんけれども。いま総裁が考えておられるのは、どれだけのことをすれば、肺ガンにはどうもないというような考えを持っておられるのか、そういうことについて一ぺん聞いておきたい。それは使われない、いまストックになっておる葉たばこを利用する方法があると思うから、そういう観点から考えておることを聞いておきたい。
  103. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) 午前中のお話に出ました問題でありますが、先生は御専門でいらっしゃいますから、医学的なことは私からとやかく申し上げられませんけれども、ただ先生のお考えの中でちょっと食い違っておりますのは、なるほど千五百万円という金額は、これはもう非常に大きな金だとは思っておりません。これは学会のほうといろいろ御相談しまして研究テーマの分として御請求のあったものに対する補助的な意味で出しておりますので、もしこれが今後もっと研究費が要るのだということになれば、私のほうでは出すことに決してやぶさかではない点を、御了承願いたいと思います。  したがいまして、そういう面での先ほども新しい製品がどういうことに指向していくかということは、低タール、低ニコチンをやったということでありまして、これは先になりますからあまり大きなことは申し上げられませんけれども、例のコロンビア大学のフィルターの問題でも、私どもの研究所におきましては、一つの完成したものがございます。これはむしろアメリカよりも先に私はそういう製品が来年のいまごろには出せるのではないか。つまり、タール、ニコチンというものを極端にとってしまったようなものが、フィルターでできるということを御報告申し上げる確信を持っております。したがいまして、この先ほどの御質問とだんだん逆になりますが、アメリカ側からもらったものを宣伝しておるということになりますというと、これは、先ほども申し上げましたように、公社としましては何らそういうようなひものついているものでは、金も受け取っておらないし、また将来も受け取らない。ただアメリカの農産物一般に対するそういうふうな宣伝費というものは、これも先ほど申し上げましたように、葉たばこに限らず、大豆にいたしましても牛脂にいたしましても、全面的な輸出促進の意味で出しているわけでございまして、それが相互のために、たばこの事業の将来のために益するということで私は受け取っておるわけなんでございますから、その点もひとつ御了承願いたいと思っております。
  104. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いまの御答弁では、大体フィルターをつけてほとんど自信の持てる品物ができる、これもいろいろ聞きましたら、非常にこれはたばこの愛用家からいえばうれしい答弁だろうと思うわけです。それは、それほどの自信を持ってもらうことは、当然必要だと思いますし、また一方学説上では紙を使わないほうが、そういうことを発生する原因にならないというふうなことが言われているわけですね。そういうことから考えるならば、私はいま考えているのに、たとえば質の悪いようなたばこの葉を有用な方面に使う。たとえば専売局のほうでは何かその葉を溶かして何かペーパーを、実際紙の入ってない、何といいますか、たばこの葉だけのペーパーをこさえて、そして普通の紙巻きたばこのようなものをこしらえるというような研究をされているということを私聞いておりますが、たとえばそういうふうな形において最近では、私はいま先ほどもらってちょっと吸ってみたのだが、日本でも葉巻きたばこができているわけです。しかし日本人の嗜好として、やはり葉巻きたばこよりも紙巻きたばこのような形で少しふかしてほうってしまえるようなもの、こんな長いのを途中で捨ててのむというよりは。それでなくなった吉田さんはこればかりだったそうですが、そういう愛好家もあったのですが、紙巻きたばこのような形でのむのが一つの楽しみである人もあるだろうと思うが、そういう形のものをつくる。やはりそういうものができるのかできないのか、そういう研究はもちろんされていると思うのでありますが、たとえばストックにしておかないで、質の惑いものあるいは中等度の葉を長らくストックしないでそういうものに転用していくというような形がもしできて、そして紙を使わなくて、しかも紙から起こるところのそういう害も除去できるようなものがより進むならば、私はフィルターより以上に非常に生産にもつながっていくのじゃないかと、こう思っているわけですが、そういうことを含めて、やはりこういう機会にはガンというものに対してはノイローゼを来たしておるので、総裁としては、こういう時期をとらえて「考慮します、今後こういうことをやっていきます」ということを率直にしろうとに、しろうとというとぐあい悪いですが、国民全体の前に発表されるほうがいいんじゃないかと私は思うので、こういう質問を特に繰り返しているわけでありますから、そういう点を考慮してひとつ御答弁をしていただきたいと思う。
  105. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) いまのお説は非常にごもっともだと思いますし、いまのお話にありましたその紙巻きたばこの以外のものというのは、つまりシートた、このことじゃないかと思うのでありますが、先生のおっしゃっているのはそうかと思いますが、これは一応研究段階は済みまして、近い将来に企業化しよう、こういうことを考えております。ですから、これもけさほどお話がございましたように、例の肺ガンに関連いたしまして、最近国民の要請される低タール、低ニコチンのもの、現在の紙巻きたばこの中で一応低タール、低ニコチンのものというのが最近できましたので、この二十日から売り出すことになっております。で、それをさらにフィルターの改良したものというのは、これは先ほど申し上げましたように、たいへんだそうです。これは新聞社なんかに発表してございますけれども、その点がいずれ的確に、内容が明確になりましたら世間に発表いたしたいと思います。
  106. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 あれを見てみますと、施設費で百八十七億ですか、何か前に予算に組まれておったわけですが、こういうのはやはり高速の巻き取り機とか、いろいろ設備改良をすれば、非常に能率があがるわけです。こういう点いろいろ冷房したりいろいろ施設改良するためのものが含んでいるようですが、私のもらった先ほどのもの、これと同じこうしたものをもっとより進めることによって、いろいろものを合理化ができるというようなこともあるでありましょうし、なおまた、そういうことに対する予算ももう少し盛るべきじゃないか、こういうふうに私は考えるわけですが、こういう点はどうでありましょうか、  それから不良な非常に使いにくい下級のたばこの葉がストックになっているが、これをもう少しうまくやれるようにいま研究されているのだから、ほぼ展望を持っているわけでしょうけれども、こういうものをやるための研究所、大学のほうにもたぶんあるわけですが、試験研究の施設、そういうものに研究費を出しておられるようですが、これらについてはどういうふうな方向に、これをどういうふうにすればもっとよくなるか、そこらのところをもう少し具体的に説明してもらいたい。こういうものに対する研究費が少なければふやすべきじゃないか、こういうことを十分ここで強調して、皆さん方に配慮してもらいたい。こういうむだに買い上げて腐らしてしまうようなことがあっては私は絶対ならないという観点から、この点をきびしく追及しておきたいと思いますが、いかがでございますか。
  107. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) ただいまの百八十七億のお話でございますが、これは四十二年度の施設費の予算でございます。私どものほうの総額でございます。これでもって製造工場を整備する、あるいは原料工場を整備していく、その中の機械とか諸施設を改善していく、そういう点はそれに伴いまして工場の環境もよくなるという点もございまして、そういうようなものに使われております。いろいろ私どものほうも、数年前から数次に分けまして合理化計画を進めておりまして、これは少し口はばったい言い方でございますが、最近高崎にできました私どものほうの工場などは、これはおそらく世界的な最高水準に近い能率の工場ではないかというふうに思っております。それから数年前にできました高槻市あるいは和歌山県の橋本その他の工場なども、これに次ぐりっぱな高能率の工場だというふうに存じております。私どものほうも四万二、三千人の職員の数をずいぶん長いことちっともふやしておりません。それで製造する量はどんどんふえまして、また販売のやり方あるいは製造のやり方も、いろいろフィルターに変わってきたり、そのほかいろいろこれから先も、ただいま先生のお話がございましたように、いろいろ非常に変化していくわけでございます。それに対応いたしまして能率を発揮してこれに適応していきたいということで、いろいろ努力をいたしております。  それからいま試験研究につきましてお話がございましたが、これはやはり数年前平塚にたばこを製造するほう、ほかにたばこを耕作するほうの研究所や使用の研究所がいろいろございますけれども、たばこの工場で、生産するほうの試験所、これがかなり整備されたものができまして、その中で、いろいろなテーマ、新しいテーマをつかんではこれと取り組んで、そうして実行の見通しがつきますと、それを取りはずしましてまた新しいものに入っていくというような形でたばこをつくる、あるいは包装する。それからさらにいまの若干規格が悪いものといいますか、少しアメリカから入れるような葉とかなり違ったような葉、こういうようなものをどう処理したらいいか、水で処理するとかあるいは噴霧して乾燥させるとか、いろいろな方法をせっかく勉強しておりまして、よその国のやり方とも比較いたしまして、それでさらにいいものにやってまいりたいというふうに思っておりますが、本年度としましては、大体百八十七億、こういうような予算というものは、私どもが骨を折っていくための必要な金としては、どうやらできるのではないかというふうに存じております。
  108. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私はしろうとでありますので、その研究所でいろいろ研究されておるわけで、それに対応するだけのその設備増でいいと聞いている。それで何かもう一歩進めて、私はまだそれだけではどうも何か納得ができない点があるわけなんですが、これはしろうとの弱味かもしれませんが、しかしいまおっしゃっている研究費は、これは三億六千五百万円ですか、組んでありますね、四十二年度は、これでもって、じゃ何と何をやられるのであるか。たとえばそういうふうなものを水で処理するとか、あるいはまたそれを粉にして何とかして処理するとか、いまちょっとおっしゃいましたけれども、そういうことはすぐはっきり言いにくい、言えないようなものであれば、こうだというデータ出してもらってけっこうでありますけれども、とにかくもっと納得いくようにそういうことをやって、十分でありますと言いながら、一方ではストックがあるのだし、あるいはまたそのガンに対して肺ガン云々で、愛煙家は心配しております。だから実際から言えばそれでありますから、それで十分ですということでほっておくのでなしに、まだなすべき方法があるのじゃないか。いまの説明だけではそういう意味で、一般の人が、私ですら――私ですらと言っちゃぐあいが悪いが私が納得できない。愛煙家の中で納得できない人がたくさんあるだろうと思うから、そういうふうなことで、いまあなたのほうでやっておられて、自分では具体的でいいと思っておられるかもしれぬが、そういう気持ちを持っておるのは、私一人でないと思うから、そういうことに対するもう少し明確な、じゃ研究所の中ではどういうことをやっておる、それに対する設備はかくかくであるというようなことを、もし言えるならば言っておいてもらったらいいんではないか。先ほど総裁にも言ったわけですが、そんな自分よがりでなくて、もう少し、一般の者にわからぬような説明をせぬで、もうちょっとわかるような説明をしていただきたい。
  109. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) どうも説明が不足してまことに申しわけないのでありますが、私どものほうのいまやろうとしていることしの予算については、私どものほうの知恵といいますか、何かやろうとする企画といいますか、そういうような関係で、製造工場その他を直す計画としてはどうやら十分だと申し上げましたが、なお来年、再来年やってまいりたいことはいろいろあるわけでございます。  それから試験研究費三億六千五百万というお話でございましたが、これはたばこのほうに二億八千五百万使っております。それから塩のほうに八千万使っております。それでこれにつきましては、いろいろ内訳がございますのですが、いかがでこざいましょうか、あとで資料として――、私ども決して人さまに申し上げてぐあいが悪いとか発展に支障があるというようなものは一つもございません。資料としてわかりやすい形でお出しするようにいたしたいと思います。
  110. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 資料の話が出たから、ついでに資料を要求しておきたいと思うのは、いま専売局で持っておられるところの何と申しますか、土地とかいいろなそういう施設のものを、面積はどれくらいあるかというのと、何に使っているかということを、一ぺん資料として出していただきたい。専売のほうで、全国に持っておられる土地相当ばく大なものだろうと思う。その管理はいまどういうふうになっておるかということ、ちょっと知りたいことは、いま何に使って、いつごろからどういうふうにやっているかということの、ずっとわかるような資料を提出していただきたい。それから先ほどちょっと話がほかへずれたのですが、いま愛煙家としては、たばこは吸うし、非常にガンに対しては心配だし、この気持ちを非常に払拭するために、何か私どもは宣伝を見ておると、たばこはあまり害はないのだと言われる。ところがアメリカあたりでは、たばこの外側に害があるということを何か表示して売っているようなことがあるようですね。こういうようなことであればあるほど、私はこの問題については、十分な観点でこれを処理してもらわないと、いまの問題としては非常に大きな問題ではないかと思います。そういう点で、先ほどもちょっと申し上げて、まだ十分申し尽くさないわけで、その点に触れてみたいと思うのでありますが、とにかく紙巻きとか、あるいはフィルターで大体できるというものの、非常にそういうことが徹底してないために、外国たばこを宣伝するぐらいなことに対して米葉協会を通じてやっておられるのでありますが、専売公社としては、もっとそういうことの徹底的なPR運動というものを、もう少しアメリカが日本に向かって宣伝をしてきているほどの現状であるならば、私は専売公社として、もっとそうしたことをPRすればいいのじゃないかと思いますが、そういう点は取り組む予定でおられるか、将来の展望を含めてお考えをお聞きしたい。
  111. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) 実は将来の展望と申しますか、専売公社の宣伝広告ということにつきましては、たしかこの前の決算委員会であったと思いますが、一体、専売公社は宣伝広告することがけしからぬじゃないかというおしかりを受けたことがあるのであります。あるのでありますが、いま先生のおっしゃったような意味における、私は宣伝広告というよりも、愛煙家に対するそういうような不安を一掃する意味での運動と申しますか、われわれがこういう意味で努力しているのだ、今度発売するものはこういう低タール、低ニコチンのもので、現在売り出されているものの中では一番害がないというようなものをお出ししているのだというような意味における宣伝は、ぜひこれからもしていきたい、かように考えております。その点でアメリカの宣伝をしているじゃないかと言われるのは何でありますけれども、これは全体からいいましても、金額的に見ましても、そうたいした額じゃございませんし、これが午前中にも申し上げましたように、何らかの条件のひものついたものならば、公社としましてはこれは御辞退するのがほんとうだ、また私はそういうつもりだということをはっきり申し上げるつもりでございます。
  112. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 その次に私が考えますことは、いつごろか知りませんが、 こんどはいまのところじゃ一番低タールあるいはまたニコチンの少ないものを出す、これは当然値段が高くなって出る。いままであったので安いたばこも吸わなければならぬという階層の人もたくさんあるのであります。そこらのところに私は専売公社のとるべき態度が非常にあいまいであるということを言いたいと思うわけです。こんど出したやつは非常にいいですよと言って出せば、みなそれをのみたいと思う。思えばそれは高いということになるわけです。だからそういう水準がわかったら、いままでのたばこも全部そういうふうに改良して出すべきだと思う。これをするには設備も改良して、無害の状態では同じだということで出さなければ、今度出したやつはよろしい、そのかわりこれは高いです、こういうことになれば、これは非常に国民の愛煙家側からいえば、高いのを押しつけられるような形、現在でもたとえばホープ、ピースはやはり外国葉たばこも入って比較的高い、かおりもいいし、のみたいと思っても、それはそうのむ人はたくさんない。こと健康に関する限りは嗜香とか何とかいう面は別とすれば、少なくとも健康にいいとか悪いということを示すとすれば、いままでの安いたばこは健康に悪い、裏返して言えばそういうことになるわけです。今度のたばこはいいですよと言って出せば、いままでのたばこは悪いですよということになる。そういうことを言われた側にしてみれば、高いたばこを吸えない人は非常に困る。これなどもおそらくあまり安くないと思うのですね。ですから、そこらの百姓なんかはこれを吸えないわけですわ。そうすると、これは葉巻きたばこだから紙巻きよりもよかろう、そう思っても吸えないわけですね。こんなところは、やはり専売公社としては十分考慮すべきではないかと思うのですが、ちょっとその点について御意見を……。
  113. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) いま先生のおっしゃったとおりで、われわれとしましてはこれがいいんだということが出てきますというと、ただそれによって値段を高くするということではなくて、愛煙家の全部というものを対象にすべきだ。したがって、安いものでも、いまお話に出ましたフィルターのようなものでもつけて、そういう方々の御要望にこたえたい、かように考えております。
  114. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 だいぶ、いろいろ総裁からは、非常に思いやりのある御答弁をいただいているので、私はそれを非常にうれしいと思いますが、特に私はこうしたたばこなんかの愛煙家というものは、自分のからだのためにはやめなければならないかと思っても、なかなかやめにくい習慣性のあるものでありますから、そういうことだけに、この事健康に関する問題に対しては、どうかひとつ、在来のたばこの種類も同時にいまこういう手当てをするから、新しいたばこを出して、これは無害ですよ、比較的害が少ないですよと言って出すときには、もう前のたばこに対してもこういう措置が打ってありますよというくらいにしてもらうということが、私は先決問題だと思います。先ほど申し上げましたように、これは値段をあまり上げないといっても、やはりいろいろな面で多少そういう面もできにくい面もありますから、特に私はこういうことは専売公社として、取り組んでやっておられる以上、私はそういう配慮をもって大衆のそうした気持ちにこたえることが先決問題である。そういう面に対しては、これはこの予算なんかは惜しみなく使って、在来のたばこにもこういうことをいたしましたら何%減りましたということを、同時にPRできるものをつくってもらいたい。このことを十分に要請をしまして、私のこの質問を終わりたいと思います。ひとつ、その点に対する御所信を明らかにしておいていただきたいと思います。
  115. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) まあ繰り返すようでございますが、先生のいまの最後におっしゃったことは、これは、同時に、私がほんとうに真剣になって考えなければならない問題なんでありまして、今後の方針としましては、十分その点を考えて、大いに努力したいと、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。
  116. 黒柳明

    ○黒柳明君 まず四十三年度のたばこの値上げの問題……。大蔵大臣はまだですか。――大蔵大臣が、先日、四十三年度のたばこの値上げはしないような、否定的な発言をなさいましたんですけれども、総裁として四十三年は値上げをしない、こういうお考えだと思うのですけれども、もう一回言明していただきたいと同時に、当然両三年くらいの方針はあると思うのですが、お見通しはどうですか。たばこの値上げの問題についてですが……。
  117. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) これは、本来、いまお尋ねがありました点は、たぶん大蔵大臣にお尋ねになるんだろうと思うのでありますが、私の立場からいたしますというと、できるならば値上げはしたくないというのが、これは私が前々から言っておるのでありまして、ただ、今度のような問題になりますというと、財政上の要請から、これは値上げするかしないか、物価問題と関連いたしまして、こういうような大蔵省の方針がきまれば、私のほうとしてはそういう方針に従わざるを得ない、こういうことなんでありますが、これはもう先生御承知だと思いますけれども、本来経済原則からいきますというと、三十六年から四十一年までの葉たばこの値上がりが約八四%になっております。でありますから、原料の葉たばこの値上がりがこうようになっていて、その間値段を据え置いたということになりますというと、これは私どもの採算面からいきますというと、非常に苦しいということはよくおわかりになるだろうと思うのであります。がしかし、その中で合理化や何かを推進してまいりまして、わりあいに専売納付金や何かの点は押えておりますけれども、大体横ばいになってきておるということなんでございますね。で、地方税のほうが逆に納付金より上回ったということになりますというと、この面からでも議論が出ておりますように、おかしいのじゃないかということが――地方税のほうが納付金より上だということになりますというと、この面からもまあ税調なんかで出ております議論というものの根拠はそこから来ておるわけであります。でありますから、いろいろな点を考えますと、なかなかこれはむずかしい問題でありますが、これは、大蔵大臣がせんだっての新聞発表によりましてそういうことをおっしゃっておられるのですが、われわれのほうとしましては、その問題についてはまだ決定的な態度を御相談をしておりませんから、何とも申し上げられないと思います。
  118. 黒柳明

    ○黒柳明君 大蔵大臣いらっしゃったらまた聞きたいと思うのですが、それからピースとハイライトとスリーエーの銘柄別に葉組みの状態、特に使用量でも、あるいは価格の問題でも一番大きなウエートを占めている米葉の混入割合について教えていただきたいと思います。四十、四十一、四十二年くらい……。
  119. 星子大

    説明員(星子大君) 現在ピースには二二%、ハイライトには一三%、スリーエーには七%使っております。
  120. 黒柳明

    ○黒柳明君 四十、四十一、四十二年度の予算と、それから実行、それからもし減があったらどのくらい減であるかと……。
  121. 星子大

    説明員(星子大君) この葉たばこは大体買いましたときから二カ年後に使うものでございまして、二カ年後のことを想定して出すわけでございます。で、四十二年、三年、四年と申されましたのは……。
  122. 黒柳明

    ○黒柳明君 ですから、三十八年に予算を組んで四十年に実行すると、こういうことですね。ですから、三十八年の予算、四十年度にはどのくらいになったか。四十一、四十二、こういうことです。
  123. 星子大

    説明員(星子大君) 三十八年度は確かに――予算要求のところを確実な資料を持ち合わせておりませんが、三十八年のころはピースにつきましては二五%、ハイライトにつきましては一五%用いておりましたわけでございます。したがって、その数字予算要求はいたしておると思いますが、四十年の十月に味が緩和になるようにということで、米葉のきつい味のところをローデシア葉にかえまして、ピースは二二%、それまでローデシアのほうを五%であったものを三%ふやして八%使うようにいたしましたので、四十二年以降はその数字予算要求をいたしておると承知いたしております。
  124. 黒柳明

    ○黒柳明君 私の言っている意味はそうじゃなくて、要するに町のうわさですと、すでにもうたばこの実質的値上げは始まっているというわけなんです。また専門家の見るところもそういうふうな見方です。なぜかというと、先ほど私が質問しましたように、米葉、これは一番混入率が高いし、値段が高いし、大量に使っているわけですね。この米葉の混入率によって嗜香料が違ってくる。ところがこの米葉が年々予算に対して実際に使われているパーセント、要するにたばこの中に入っているパーセントが年々少なくなっている、こういうわけなんです。予算はずっと変わらない。三十八年も三十九年も四十年も。ところが四十年、四十一年、四十二年の実際の使った数、実行パーセントは下がっている。下がっていれば、これは実質的に先ほど言ったように嗜香料の一番大きなウエートを占め、また金額的にも高い米葉の混入率というものが下がっているならば、もし下がっているとすると、これは実質的な値上がりが始まっているのではないか、内容が悪くなっているということですね。そういう意味から四十、四十一、四十二年の予算は二年前に出ますから三十八、三十九、四十年とこうなります。この三年だけでも予算と実行のパーセント、予算は何%であった、ところが実際使ったのは何%あるか、もし減であるならばこれだけ減であったと、これをお教えいただきたい。
  125. 星子大

    説明員(星子大君) 御指摘のところは四十年におけることだと思いますけれども、四十年ごろからアメリカにおける健康的危険の問題が発表になりましてから、軽いたばこが好まれるということで軽いほうへ嗜好がまいりましたので、ピースにつきましては二五%入れておりましたのを軽くして需要にこたえるという意味で二二%にし、米葉のかわりとしてローデシアのほうを三%ふやしたということで行なっておりまして、したがってその年を過ぎました四十一年の、つまり四十二年度からの予算要求には二二%で要求いたしております。それからハイライトにつきましては、四十年の後半に非常にハイライトが足りないということで、とにかく需要を満たすような増産を行なおうじゃないかということで大増産をいたす計画を立てまして、アメリカから二年前の古葉を買い集めましたのですが、大量のものが買えずに結局一三%くらいしか、使えるだけの量しか買えませんでしたから一三%にいたして、その翌年からはハイライトの味を変えないということで一三%で実行いたしておりますし、予算要求も一三%でいたしております。
  126. 黒柳明

    ○黒柳明君 どうも私の日本語が通じないらしいですね。私は四十年一年だけ言っているんじゃなくて、四十年の場合、ハイライトは予算を組んだと、三十八年に。ところが実際にはハイライトの需要が多くなったから、だから米葉の混入率を減らした、これはわかりますね。それからピース、スリーエーのほうも米葉を少なくした、理由はやっぱり軽いほうが好まれる、嗜好の問題からだ、これはわかります。一年だけそうならいい、ところがもしこれが四十年も四十一年も四十二年も、すなわち三十八年、三十九年、四十年と組んだ予算に対して実行のパーセントが少なくなっている――私言ましょう少なくなっている。製造部長御存じないんでしょうか、少なくなっているからこそ、私はそういう質問をするわけです。実質的に一年だけ期間をとれば、確かにこの年は三十八年の予算、米葉はこれだけ購入した、とところが四十年になってみたら大量に需要があったから二年前に購入した米葉じゃ足りないから、これだけの需要にこたえるためにはパーセントを少なくした、こういうことですね。ところがそれが四十年一年だけじゃないわけでございまして、四十一年も四十二年もそういう結果が出ている、米葉の混入率が少なくなっている、ずっと。そのまず数字を教えていただきたい。数字が示されませんと、少なくなっているのか、なっていないんだかはっきりしません。まず四十年予算幾ら、実行は幾ら。ピース、ハイライト、スリーエー。四十一年同じく予算と実行、そうして四十二年予算と実行、これを教えいただきたい、こういうことなんです。
  127. 星子大

    説明員(星子大君) 先ほど申し上げましたように、葉たばこの使う時期と買う時期とに二年のズレがございますので、四十年の後半に先ほどのような事情から、ピースにつきましては味を軽くするように、ハイライトにつきましては数量の問題から一三%、二%減らしております。したがって、次の年の予算要求、四十二年度の予算要求のところはこの減らしましただけで同じ数字、つまりピースにつきましては二二%、ハイライトにつきましては一三%で予算要求をいたしております。したがって、その二年のずれのございますところを……。
  128. 黒柳明

    ○黒柳明君 またそのことと同じことよ。何回も何回も、私の言ってるのはそうじゃない。外国部長さんいらっしゃいますか――外国部長さん、いまの点……。
  129. 星子大

    説明員(星子大君) 四十二年の予算要求はピースにつきましては二五%要求して、実行は四十年の後半から二二%にしたと、四十一年度につきましては二五%の要求で二二%にしたと、二カ年間には要求と実行のズレがございますけれども、その次の年からは二二%で要求いたしております。
  130. 黒柳明

    ○黒柳明君 同じことだ。じゃ、外国部長ひとつお願いしたいと思います。
  131. 湊良之助

    説明員(湊良之助君) 御質問の数字は、いますぐお出しするということは非常にむずかしいと思いますが、もし御参考になればと思って、なぜ数字が簡単に出ないかということに触れながらわかっている数字を若干申し上げたいと思います。  毎年の外国葉、米葉の輸入のしかた、計算の基礎は、販売数量が計画できまりまして、それに基づきまして工場別、銘柄別の製造数量がきまりまして、その工場別、銘柄別の数字を集計、これは各国の産葉葉分等級別に計算いたしますが、そういうものを積み上げてまとまった数字、たとえば米国のCL幾ら、EL幾ら、DL幾らという数字が外国の場合まとまるわけでございます。そういたしますと、その細部に関する限り製造部長としてはこれが予算とどういうふうに結びつくか、あるいはピースの米葉の葉組みを減らしたから総体として去年と幾ら違ったかというようなことは、なかなか説明がむずかしいのではないかと思います。それできょう私のほうではごく概算しかやってありませんが、御参考にならないかもしれませんが申し上げますと、たとえば四十年度の予算上の数字と実行計画上の数字がたいへん違っております。それをまあ概略打ち割ってみますと、御承知のようにハイライトを中心といたしました高級銘柄は伸びております。これは米葉だけを使っておりますシガレットのみで計算しますと、全体の伸びが五%から六%に対しまして、いわゆる高級銘柄の伸びは二割から、多い年になりますと四割程度の伸びになります。そういたしますと、いま先生が御指摘になられましたように、たいへん膨大な米葉の購入になります。これはいろんな外貨ポジション上あるいは国産、国内たばこ生産者の相当な減反問題が起こりますから、当社としては何とか品質の落ちない範囲内で減らしたい、これは先生の御指摘のとおりであります。そこで四十年度につきましてそういう高級銘柄が増加したために、どれぐらい米国産葉の数量がふえるかといいますと、そのままで放置しておきますと約一万八千トンばかりふえます。これは言うなればそれまでの一年間の輸入量であります。ところがこれは計算でありまして、他方、たとえばハイライトが伸びることによって、たとえばピースが食われるとか米葉を使っているものが減るものもございます。その減るものが七千四百二十六トンばかりございます。そこで最後にいま御指摘になりました使用割合の変更による所要減、これを立てませんとまるまる伸びます。つまりピースの葉組みを私、正確に知りませんが、毎年たとえば一%減らすとか、あるいは二年目も一%減らすというふうな四十年当時の計算によってやりますと、これによって約五千トンばかり、まあ節約というほどではありませんが、輸入量を減らすことはできます。減らしましてもなお高級銘柄の輸入量が大きいものですから、絶対額はどうしてもどんどんふえていく。そこで、けさほど総裁が御答弁いたしましたように、そのままで放っておきますと、外翼の輸入がどんどんふえていく。高級銘柄がふえる。そこで、現在二二とか一四であるけれども一五くらいにいたしたいというのが、私、いまわかっている程度数字でありまして、あるいは先生のほんとうにお知りになりたい数字でないかもしれませんが、お答え申し上げます。
  132. 黒柳明

    ○黒柳明君 総裁に聞いておきたいのですけれども、なかなかおたくのほうで出ませんものですから……。四十年は、ピースに対して、予算は二五%、米葉の混入率は。そして、実際に使用した割合は、二三%です。予算と実際に使用したのは二%開きがある。ハイライトに対しては、一五%の予算で一四%、一%。スリーエーに対しては、一〇%で八%ですから、二%。要するに、米葉の予算と実際に使った額とはこれだけ差がある。この四十年に対して説明されたのがさつきの製造部長。どういうことか、これは繰り返して、四度目、五度目になるのです。需要量が伸びたとか嗜香料を軽くしたいとか、 ローデシアをふやすとか……。私は米葉を問題にしている。なぜ問題にするか。これはコストも高いし、数量も多い。ローデシアの場合は、安い。嗜香料が、ローデシアは半分軽くなる。この軽くなる、重くなるは別として、とにかく米葉のことを問題にしている。これが中心です、きょうの。それから、四十一年予算は、変わりないのです。ピースもハイライトもスリーエーも、二五%、一五%、一〇%。ところが、実際に実行したものは、ピースが二二%、ハイライトが一三%、 スリエーが七%。すなわち、四十年に比べてピースがまた一%減です。ハイライトも一%減です。スリーエーも一%減です。四十二年予算は、変わりありません。ピースもハイライトもスリーエーも二五、一五、一〇。ところが、実際の実行は、ピースは二〇%、また二%ここで減になっている。こういうことなんですね。ということは、毎年米葉の混入率が一%、二%、三%落っこっているということなんです。ところが、予算の実行は変わらず、二五%、一五%、一〇%と、こういう予算の実行で行なわれているわけです。この点、私は先ほどから何回も製造部長に答弁願ったわけですけれども、また外国部長さんにお話を願ったのですけれども、一年ならわけがわかると、こういうことなんです、事情があろうし。ところが、こう続いてパーセントが落ちているということは、実質的には、嗜香料はともかく、需要の増大そのことはともかく、実質的に米葉の混入率が落ちているということは、予算請求するときにはこの二五%という混入率を根拠として予算請求しているわけです。ところが、実質的には混入率はずっと下がっている。ここに大きな矛盾がある、おかしな点があるじゃないかと、こういうことなんです。いかがでしょう、総裁、このことを当然御存じだと思うのですけれどもね。
  133. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) ただいまのおことばの中で、数字の点だけちょっと答えさしていただきますが、ピース、ハイライトの米葉が少し減ってきているということは事実でございますが、予算の面がそれに合っていないという御指摘でございますけれども、たとえば予算と実行が若干食い違いがある年はございますけれども予算の積算の根拠としましては、実行の推移にできるだけ合わせていくように配慮をいたしておりまして、たとえばピースについて申しますと、四十年、四十一年、四十二年とそれぞれの配合割合を減らしながら、予算の積算をいたしておりますので、お手元の御資料と少し違うようでございますが、いずれにしましてもそれに合わせてきております。
  134. 黒柳明

    ○黒柳明君 ですから、それじゃその数字を教えていただきたい。
  135. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) ピースに例をとって申しますと、四十年の総ワクの中の積算の根拠でございますが、米葉二七として一応の積算根拠に使っておりますが、四十一年は二二、これは実行と合っております。四十二年度は二一に減らして要求いたしております。いずれにしましても輸入資金の総ワクについての問題でございますので、一年かりに実行と食い違いますと、翌年なり翌々年の予算で、総ワクがなるべく合うように調整をとりながら予算を編成してまいりますので、かりに一両年の食い違いが起こり得るとしましても、それは長い目で見れば調整されていくという性質のものでございまます。
  136. 黒柳明

    ○黒柳明君 もう一回はっきりしてくださいよ、四十年。四十年はどうなんですか、だから数字を言ってください、予算と実行の数字を。四十一年、四十二年、予算は何%ですか。
  137. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 予算の根拠でございます、これがすぐさま予算ではございません。
  138. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから混入率のパーセントですね。
  139. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 根拠は、四十年がピースの場合二七%、四十一年は……。
  140. 黒柳明

    ○黒柳明君 実際は幾らですか。
  141. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 実際は、実行二三です。それから四十一年は予算二二、実行二二。四十二年は予算二一、実行二二。
  142. 黒柳明

    ○黒柳明君 実行二二ですか、予算より実行のほうが多いのですか、実行二〇じゃないですか、四十二年ですよ。
  143. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) はい、二二になっております。
  144. 黒柳明

    ○黒柳明君 二〇じゃないですか。
  145. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 間違いございません。
  146. 星子大

    説明員(星子大君) ピースにつきましては四十二年、実行二二%でございます。
  147. 黒柳明

    ○黒柳明君 そのとおりピース、それからハイライト、スリーエーと言っていただきたい。それを先ほどから言っていただきたいと言ったのです。一番初め、その数字を。
  148. 星子大

    説明員(星子大君) 実は私どもの実行のほうから申し上げますと、先ほど申しましたように四十年の後半に二五%のものを軽くしようということで、ローデシアに三%振りかえる、その当時の考え方としましては、四十一年はさらに二%ほど米葉をローデシアに振りかえたいと考えておりましたが、その後ローデシアから買えなくなりましたものですから、逆にまた戻るようなかっこうで、予算としては三〇%として要求しておりましたけれども、二二%に振りかえる。四十二年度の予算要求としましては二一%として要求しておりましたけれども、二二%に戻して、ローデシアの在庫を節約しながら使っているというような状況でございます。
  149. 黒柳明

    ○黒柳明君 そちらまたかわった答弁ですけれども
  150. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 同じことでハイライトについて申し上げておきますが、ハイライトは予算は四十年一七、実行一五。四十一年は予算一五、実行一三。四十二年は予算一三、実行一三でございます。それからちょっと蛇足でございますが、この配合割合はほかにどういう葉っぱと組み合わせるかということで、必ずしも固定的なものではございません。
  151. 黒柳明

    ○黒柳明君 それはわかります。そうするとやはり実行と予算、これは食い違っているわけですね。
  152. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) はい。
  153. 黒柳明

    ○黒柳明君 実際に食い違いますね。長い目で見るといっても、これは二年前に二年後の予算をつくるわけです。それでストックした分が先ほどから言いますように需要の関係、需要が増大すればストック分で需要をまかなわなければならない。それに対して若干パーセントを少なくするということはわかるのですけれども、まず予算をきちっと組む、このことに関してもっと正確な予算づけをすることはできないか、これは当然いろいろな隘路があると思うのですけれども、まずこの点をやらないこと、この点をきちっとしないことにはこの予算と実行との関係が年じゅうガタガタしている。そして長い目で見ては調節しますと、こう言っているのですけれども、しかしながらその中間においては米葉の混入率というのはぐっと落ちておる、落ちざるを得ない、こういうことですね。しかもその米葉というのは嗜香料の中心をなすものです。そうするとその年は極端に言えばたばこを吸った人は損しちゃうことになるわけですよ。四十年にたばこを吸った人は米葉の混入率はガタッと少なくなっておるわけです。四十二年は今度はハイライトの米葉の混入率が予算より二%少なくなっておるわけです。それは米葉というものは嗜香という問題から見れば米葉がうんとあることは、いい悪いはこれは言えないにしてもですね、さっきから何回もくどく言っているように米葉が嗜香料の中心である。コストも高い。これが予算に対して実際の使用量が少なくなればですね、その点について見れば、これは明らかにコストが下がっているわけですから、米葉だけをとってみれば、これはもう実質的な値上がりをしていると同じだ。そうすると長い目で見てはたしてこれが調節できるかどうかということは、二年後の実行ですからこれはほんとうに統計をとってみませんとわからないわけですよ。四十一年四十二年その予算は大体先ほどいただきましたけれども、ピースは二二%、 ハイライトは一三%、スリーエーは七%、これで大体固定しているようですね。ピースが二二%、ハイライト一三%、スリーエーが七と、ところがここの場合には、この三年あるいはこの前の年はとっておりませんけれども、こういうふうなガタガタがあるわけです。そうすると実際の予算請求というのはやっぱりこれを根拠にして積算して予算請求するわけですね。そうすると今度はその予算請求、長い目で見れば調節できるといいますけれども、その長い目というのはどのくらいまでかかるのか、そこらあたりの今度は問題になるのじゃないですか。まず第一には、このパーセントによって、予算請求をする、そうすると、その年度をとってみると実際の予算請求と使われた米葉との混入率が米葉が少なくなっている。これはうまくないんじゃないか。もっともっとしっかりした基礎を踏まえての二年前の予算をつくる必要がある。その年度をとってみると、米葉の混入が少ないということは何か喫煙者としては損をしたことになるんです。長期的に調節されるといっても、それはどういうふうな具体的なプランなのか。それからさらにはですね、実際的にこの米葉の混入率を見てみてもピース、ハイライト、スリーエー、これは実際は下がっておるわけです。四十二年から一応安定した形の混入率になっているわけです。そうするとこれは単に四十年度だけの問題ではない。その予算の概算の積算のしかたがまずいのか、あるいはこれに対して考える余地があるのか、さらにもう一つ言うならば、これは実質的な質が落ちているのだから、たばこの値上がりに、暗々のうちに値上がりに通じているのじゃないか。消費者はこういう混入率なんか知りゃしません。その三点いかがでしょうか。  もうここまでいろいろ意見が出尽くしましたからね、総裁の総括的な御答弁をお願いしたいと思うのです。
  154. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) だいぶこまかい話になりましたが、この予算上の請求したものが、実際上と多少の差があるということは、これは先生もお認めになると思うのですね。でありますからこの予算の請求の場合の混入率というものは、その時点におきますまあその過去の実績から割り出してくるのでありますが、たとえば米葉がかりに減ったという場合にも、これはまあわれわれとしましては質的に落とすということは考えておりませんから、ほかの葉で代替しているわけなんでございまして、実質的には値上げ、値上げになっているじゃないかということは私は当たらないんじゃないかと、かように考えます。まあわれわれの多少気持ちの中で、その実質的に値上げしようじゃないかという意図があったとすれば、そういうような御指摘も当たると思いますけれども、たとえば米葉の混入の割合が減ったということはまあ喫味の点から言いましても、かりにオリエント葉を代替したという場合には、必ずしも値上げをしておるということにはならないと思います。その点はまあ御了承願いたいと思います。  なお、こまかい点につきましては、十分ひとつ検討してみたいと、かように考えております。
  155. 黒柳明

    ○黒柳明君 米葉が混入率が減って、ほかの外葉、まあローデシア葉ですね、ローデシア葉というのは米葉と比べるとずっとコストは安いわけですよ。嗜香料は別です。確かにローデシア葉を入れると軽くなる。だから軽くなる方向に向けているのだと、こういうことは別にして、ともかく予算と実行が、パーセントが少なくなっていればですね、その面において高い米葉の予算で、今度は安い予算ワクがあって、その予算ワクの縮みで減少して、米葉のパーセントを使用しながら、今度は安い葉のローデシア葉で補うということはですね、やはりこれは予算ワクというものの中で取ってみれば、要するに何でも予算というものは高いものを基準に取っておけと、そうしておる。その年の年度になって需要がふえたので、安いローデシアでも中に入れればいいんじゃないかと、このようなことにも当たるのです。まあ意図して値上げをする気持ちはないと、ですけれども、一部にはやはり国内のたばこ生産者の葉も相当米葉並みになった。外国葉並みになっている。そこらあたりの突き上げもあると、これは相当強力なうわさ、あるいは意見として出ておるわけです。そういうこともこれは裏づけることですよね。減っているということは。混入率、まあ意図して減らしたということは、私は言いたくないですよ。ですけれども現実的にこう減っているということはやはり国内の生産者の葉がやはり米葉に押されないように、生産者のほうからの突き上げも専売公社としてはあれは食っているんじゃないか。その裏づけがこういうパーセントが少なくなっている実質面の数字から割り出していけるじゃないか。こういうようなこともうわさがこれで一つの裏づけをされる。こういう可能性も出てきているんじゃないか。ですから意図して品質を下げる、こういうことじゃない。ほかのオリエント葉あるいはほかの葉で米葉を補う、これはやはり米葉を中心にして予算要求したわけです。米葉の予算要求をしたわけですが、これをコストの安いもので補うということは矛盾があるんじゃないか。こういうことですよ、いかがですか。
  156. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) ただいまの、予算と実績との違いでございますけれども、これは先ほど来お話が出ておりますとおり、たばこの葉っぱというものは、これは先生御承知のとおりだと思いますが、二年間、まあ標準としまして二十四ヵ月、倉庫に入れて熟成しておいたものを使うということでございますので、予算といたしましてもまさに二年前あるいは予算としてはもう少し前に編成され、予算として組まれていたというものを使っていた葉っぱ、それが二年あるいは二年ちょっとあとに使われるということでございます。一方の、たばこの需要というものは、これは非常に変動いたします。特に日本ではここ数年間非常に激しゅうございまして、たとえばここにハイライトというのがございます。これはフィルターがついております。これは日本では五年前、全部のたばこの中で一一・六%、一一%くらい、一割ちょっと。それがアメリカは五割四分以上のものがフィルターがついております。ところが現在は、ことしの数字はアメリカはわかりませんけれども、おそらく六五%だと思いますが、ところが日本の場合は五年前一一%だったものが、いま全体に売れました数字で見ておりますと七五・四%でございます。べらぼうにこういうのが上がっておるわけです。したがいまして、このフィルターのついたものの中にも、いろいろ種類がございますけれども、とにかく両切りというたばこが五年間の間に九割近くあったものが二割何ぼかに減ってしまう。そしてフィルターのついたものが一割くらいだったものが七割五分にふえる。アメリカのまねをして始めたものでございますけれども、それがアメリカよりずっと大きなものになってしまうというようなことで、そういう変動が、わずか五年の間にあるくらい変わるもんでございます。したがいまして、二年前に買った葉たばこ、これをどう使うか、現実に。これにつきましては、私どもいろいろ苦労しておるわけでございますけれども、なかなか予定と実行というものはなかなか合いにくい。ただ一つ申し上げられることは、これはあのハイライトがまずくなったとか、それからそのほかのたばこの混入率がいろいろ全部のコンビネーションで変わってまいります。米葉が減ったから、これはだめなんだということではないかと思いますが、そのほかいろんなもののまぜ合わせで、どうやら味の点では私どもはそう妙なものをつくって売っておらぬというふうに存じております。
  157. 黒柳明

    ○黒柳明君 ですから嗜香の問題は、これはあくまでも悪いとかいいとか、こう私言ってるんじゃないんです。嗜香は当然軽いほうがよければローデシアを入れたほうがいいでしょう。米葉を少なくしたほうがいいでしょう。何回も私は大前提として言ってるわけです。また需要量がふえればそれに伴って二年前のストックでつくるんですから、ストックはきまってるんですから、ですから需要量がふえれば二年後には当然米葉少なくするのは、これは当然しようがないじゃないかと、私は言ってるんですよ。ですから、その四十年一年だけにとってみても、ほんとうは、これは矛盾があるわけですよ。実行と予算相当違うのです。しかしながらそれがまた翌年もハイライトが二%少なくなってくる、このようなことにもなってくるわけです。  それから外国部長に聞きたいんですけれども、四十一、四十二、予算というものは、 これは二五、一五、一〇じゃないんですか。三年間ずっと変わるんですか。四十年が予算二五%、ピース、ハイライトが一五%、スリーエーが一〇%。四十一年、その予算ばやっぱり二五%、それでハイライトが一五%、スリーエーが一〇%じゃないんですか。
  158. 湊良之助

    説明員(湊良之助君) 予算関係は、先生御承知のようにいろいろな問題が、まあやり方といいますか、組み方といいますか、ございまして、私どものほうは所要量を主計のほうに提出いたしますが、これを主計局がどういう数字で取りまとめたかということは、詳しくわかりかねるわけでございますので……。
  159. 黒柳明

    ○黒柳明君 外国部で購入、輸入やなんか調節してるんじゃないですか。
  160. 湊良之助

    説明員(湊良之助君) 数量は調節いたします。
  161. 黒柳明

    ○黒柳明君 ですからそれに対して、米葉の混入は、四十年、四十一年、四十二年、二五%、一五%、一〇%、これが予算のパーセントじゃないですか。
  162. 湊良之助

    説明員(湊良之助君) 公社の組織になりますと、仕事のやり方が各部課に関係してまいりまして……。
  163. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、この資料、これちょっと見ていただきたいですけどね。結果的にその減という差が出てるんですよ。四十、四十一、四十二、その三年に減という一番右の数字があるでしょう。結果的にそういうふうに米葉の混入率は減になってるんですよ。
  164. 亀田得治

    委員長亀田得治君) だれか説明してください、時間がたちますから。
  165. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) この使用割合につきましては、先ほど企画部長が御説明いたしましたとおりでございまして、ちょっと私ども、この数字がどこから出たか、ここにありますのはわからないんでございますが、先ほど企画部長が御説明したとおりでございます。
  166. 黒柳明

    ○黒柳明君 だっていま外国部長が、結果的にはそういう減になって出てきてるんですと……。
  167. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 公社から出た資料じゃないんですか。
  168. 黒柳明

    ○黒柳明君 そう公社から。
  169. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 公社から出たんでしょう。
  170. 黒柳明

    ○黒柳明君 公社から出た資料です。
  171. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 牧野さん、それは公社から出た資料であるかどうかという点はどうなんですか。あなたのほうから出さなきゃ出るわけないわけだが。
  172. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) お答えいたします。これはちょっと私のほうで正式にお出ししたものでございませんので、よくわかりませんけれども、あるいは、私どものほうの中のどっかでいろいろ検討した数字であるかという点、その点でそういう印刷物を私どものほうでつくったかどうかという点はちょっとわからないのでございますが、私どものほうから正式にお出しをしたものではないと承知しております。
  173. 黒柳明

    ○黒柳明君 いやもらったの、私のほうから。だからぼくが発言しているんですよ。
  174. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  175. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起こして。
  176. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 正式とか何とかいうことを申し上げるつもりはないのでございますけれども、いずれにしましても、どこから出た数字なのかちょっと見当がつきかねますので私どもは調べまして、あとできちんとした形でお出しいたしたいと存じます。
  177. 黒柳明

    ○黒柳明君 ここにいらっしゃる部長が出したのです。これでこの数字と、もしこちらが非公式にここで、委員会で請求した数字と食い違ったらおかしなものですよ、そうでしょう総裁。大臣もいままでお聞きになっていた、非公式、正式というのは、どういうところで区別するのか、私はわかりませんけれども、だから私はおかしいじゃないかと言ってきたんです。パーセントがこんな少なくなる、それは私は読み上げた、そうでしょう。それに対して先ほど数字はおっしゃいましたけれども、実質的にはこれだけの食い違いが出ておるのです、差が。大蔵大臣またこの次御答弁願いますけれども、実質的には四十年は先ほども言ったようにピースは二%、ハイライトは一%、スリーエーは二%。四十一年はピースは三%、ハイライトは二%、スリーエーは一%。四十二年がピースが五%、ハイライトが二%、スリーエーが三%、すなわち毎年毎年落ちておるわけです、実質的には。これに対してどう答弁しようもなにも、検討するもなにも、検討できるのならここで検討してもらいたい。何か帰って相談されて、それで私のところへきて、先生申しわけない、こうですよといっても、私は人情深くないですよ。ここでこの資料を説明してもらいたい。もし、それが正式じゃないというのなら、私はどこから出たかはっきり言います。ここでこの資料を説明してもらいたい。もしそれが正式じゃないというのなら私はそれがどこから出たものか、その人の言をはっきりここで言います。その人がこのように言ってたということもはっきり言います。
  178. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) ただいま黒柳先生のお話の、資料が正式であるとかないとかということを申し上げようとしておるのでございませんが、先ほど私どものほうの専売公社企画部長が計数について御説明申し上げましたが、あの数字のとおりでございます。私どももなお、変わった数字がどこから出たかを調べまして、確認の意味でまた、あらためて資料として提出いたします。
  179. 黒柳明

    ○黒柳明君 減があるでしょう、減が。実質的には減になっている、それはどう説明しますか。
  180. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 先生の持っておられます数字で実行面の欄に出ております数字は、私ども先ほど申し上げました数字と合っております。ただ予算といいますか、予定といいますか、そういうような数字が若干違うようなので、先ほど申し上げましたようなことをお答えした次第でございます。  それから、これは葉組みが変わりますことで、実質上値上げ云々という御議論もございましたけれども、そういうものはにわかには結びつかないかと思います。
  181. 黒柳明

    ○黒柳明君 実質的に減になっている。それについてどのように説明が願えるかということなんですよ。
  182. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 減というのは、これは予定との比較の減でございますから、実行は数字が合っておりますし、予定数字がちょっと違いますので、この点を究明いたしたいと申しておるわけでございまして、減というのは引かれるもとの数字が変わりますと減ってくるということ……。
  183. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうじゃなくて、外国部長は実質的にそれだけの減があると、こういうふうに言っているのですよ。
  184. 牧野誠一

    説明員(牧野誠一君) 実行されました数字、これは先ほど来申し上げておりますとおりでございますが、これはその以前の米葉の使用割合よりは何がしか減っておるということは事実で、減と言えばそれは減になろうかと思います。
  185. 黒柳明

    ○黒柳明君 外国部長のその実質的な減についての説明……。
  186. 湊良之助

    説明員(湊良之助君) 実行計画と予算または予定上の数字の間には配合割合について差額があることは事実だと思います。この差額はいろいろの要素が勘案されまして判断されたものでありまして、単に米葉の割合を減らすことだけを目的かつそれによって原価を引き下げる、コストを下げるということだけではないことは言うまでもないことだと思います。私しろうとでありますが、米葉が減る場合に、品質を維持するためには国内のいい葉を持ってくるとか、あるいはローデシアのいい葉を持ってくるとか、さらには、提出いたしました資料にも明らかなように、たとえばインド、タイ等のかわるべき葉の単価がかなり高くなっております。二、三百円台で買っていた葉を四、五百円で買っております。これはやはり米葉が減ることに対しまして、緩和料の品質を上げまして味を維持しているわけでございます。同様なことは国内の葉についても言えます。さらに米葉を一キロ減らしまして、たとえば国内の一等を入れた場合にコストは下がるかという問題になりますと、これは必ずしも下がらないわけでございます。国内の一等は八百円台になっておりますから、米葉を一キロ減らしましても七百何十円、かえって割高になる場合もあります。いろいろむずかしい操作をやって、品質を維持しながら外貨予算上とか、あるいはいろいろな点を加味しながらやっておるのでありまして、この差額については短い時間で説明し得ないかもしれませんが、私どもとしては十分立証し得る点があると思っております。
  187. 黒柳明

    ○黒柳明君 あまり時間がたちますからすみません。要するに、私が言いたいことは、先ほどからも、もう何回も繰り返して、いやになるほどお聞きになったし、あるいは言っておりますし、香料とか品質を上げたとか下げたとか、こんなことは問題じゃないんだと、米葉の混入率が下がっていることが問題じゃないか、なぜかならば米葉はコストは高いし、予算も大量に使うし、それが予算というものをとったあとに混入率を下げれば長期的にはそれを調節するとおっしゃったでしょう。しかしながらその一年度をとってごらんなさい。米葉の混入率が高かったら確かに嗜好はともかくとして、まあ嗜好まで、あるいは消費者が米葉が少なくなったか多くなったかなと感じながら吸っている人はいやしません。けれども実質的には少なくなっている。コストが少なくなって、それ自体が今度は実質的なコスト・ダウンであるならば、反対に言うならば今度は値段がつり上がったことにもなるんじゃないか。もう値上げにも通じるんじゃないか、そういうこと。もしも先ほど言った実行計画と予算がどうしてもハイライトなんかまた二%少なくなっていますよ、米葉の混入が。ですから一番初め言いましたように、まず予算を立てるとき、これは確かにむずかしいと思います、二年間後のことまで的確な予算をつくることは。しかしながらそれに対して最大の努力をする。まあ、これは努力していると思うんですけれども、この三年にわたってこういう変動があったということは、国内の生産者にやっぱり突き上げられたといううわさが、この米葉の混入率が少ないという数字を見れば裏づけるものじゃないかと、このようなことにもしそちらが調べて云々と言うならば、私はこの場では断定したいと、こう思う。まあ大蔵大臣ですけれども、まあ結果的にはお調べになると言うんですけれども、これ、そちらから出た資料ですと相当米葉の混入率は低くなっています。ですから、くどいようですけれども、一番初めいらっしゃらなかったものですから総裁のほうにお尋ねして的はずれだったんですが、この前、たばこの値上げはしないと、こうおっしゃいましたですけれども、四十三年にはたばこの値上げは決してしないと、このようなことから見ても、あるいはまあ三年ぐらいの間、方針がおありかと思うんですけれども、もしありましたら値上げの問題についていかがでしょうか。このこともまたひとつの値上げをするべきじゃないという何か根拠のように私は思えるんです。
  188. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) たばこの値上げについてはいま全く予定でございまして、まだ私どもは政府部内でもこの検討を始めておりません。
  189. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまのこのことは大蔵大臣お知りになっていたでしょうか、米葉の混入率が少なくなった、混入率のパーセントが。まあちょっとここまではと思うんですけれども、念のため……。
  190. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) あまり詳しいことは存じません。
  191. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、小っちゃいことで申しわけないですけれども、これを予算請求の基礎として専売公社出すわけですよ、そうでしょう、これはもう言うまでもなく。そうすると、高い米葉に対しての予算で、先ほど総裁がおっしゃったような安いローデシアで、これでまかなっちゃうと、こういうことなんですね。ですから、そこらあたりも確かに予算基礎資料となるこの米葉の混入率というもの、これが少なく実際に混入されているということ自体に対しては、まあ大蔵大臣あまりこまかい問題ですけれども、やっぱり予算を受ける側ですからね、これに対してきちっとした手続なり、あるいは実質的な額を割り当てるなりと、こういうこともしていかなきゃならないと思いますが、今後やる場合にはやっぱり出てきたパーセントだけじゃなくて、実際にどのぐらいの実行計画が行なわれたかと、これも見て、やっぱりやる必要があると思うんですけれども、どうでしょう。総裁先に。
  192. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) お説のとおりでありますけれども、私は先ほどのお話を承っていますと、米葉を減らしたから実質的に値が上がるというお話なんですけれども、それはほかの葉が、ローデシアが米葉に比べて安いということが前提になっていますね。必ずしもそうじゃございません。ローデシアの場合は米葉に比べて同質のものならばあるいは安いかもしれませんが、ローデシアは買えないんでございまして、その代替に使います内地葉の一等葉になりますと、キロで八百円をこしておりますから必ずしも米葉より安いということは言えない。
  193. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、それが内地の生産者に突き上げられておる。
  194. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) いやいや。そこで第二段の問題としましては、内地の業者に突き上げられたので米葉を減らしたとかいうことは、そういうことは事実ございませんから、この点はっきりと……。
  195. 黒柳明

    ○黒柳明君 ないとはいえません。
  196. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) はっきり突き上げられたのじゃないかとおっしゃるのでございますけれども、そういうことはございませんから、その点は念のため申し添えておきます。
  197. 黒柳明

    ○黒柳明君 その点、大臣、いまのことどうでしょう。
  198. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) たばこの値上げをするにしろ、しないにしろ、大蔵省としては専売監理官も置いて、始終たばこのコストは調査しておりまして、当然、値上げするにしても、この正確な数字は役所としては把握しているつもりでございます。
  199. 黒柳明

    ○黒柳明君 把握していない、実際は。
  200. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) さっき申し上げましたように、私が把握していないだけで、役所としては十分把握しております。
  201. 黒柳明

    ○黒柳明君 私は把握していないと言ったって、やっぱりそれはちょっと不見識ですよ、大臣の答弁としては。これはもうここにいらっしゃる方は、何と日本の、それは間もなく、交代の時期が来るとしても、ぜひ大臣にはとどまってもらいたい、私個人的には。ですけれども、あまりにも、私が把握していないだけなんだと言うことは、これは大なり小なりやっぱり、日本の国の財産というものは全部大蔵大臣のものですよ。それを、私は把握していないというような答弁で……。これは私、冗談めいて、笑って言っておりますけれども、社会党の先生方だったらたいへんだ、ここで爆弾が落ちるところだ。私はそんなものは、爆弾なんかを落とすのは――柔かいほうですから人物的にも、そんなことは言いたくないけれども、大蔵大臣。これは私はと言っても、こういう何億という予算です。二百億ですか、二百億じゃないですか。もう相当な額になるのですよこの購入は。ちょっと数字を見ればわかりますけれども……。それについて、私は、役所で掌握している、掌握していないのですよ、あれば、掌握していないとは言いません。調整がしていない。だからその点、今度は大蔵大臣が、 いまここで私は教えてやったんですから、この点はまことに御苦労さまでした、目を通して、不備があるならばすぐ手を打ちましょう、こういう答弁なんかあってしかるべきじゃないですか。役所では知っているけれども、おれは知らないよということでは、これは国民の反感を買います。この次の大臣候補としては適格じゃない、そういうことじゃ済みませんね。もう一言答弁かえなければだめだ、これは。
  202. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) 大蔵省としては各たばこのコストというものは当然把握しております。私のほうも始終何が幾ら何が幾らという報告が私のほうに届いておりますので、この原価というものは十分監督官庁として知っておることは当然でございまして、ただ先ほど質問されたときに、私自身が具体的にきょう調査の表を持ってきておりませんでしたから、よく知らないということを申し上げたわけです。
  203. 黒柳明

    ○黒柳明君 それでは、公社のほうもひとつこの資料をお貸ししてもよろしいですから、よく調べてお願いしたいと思います。
  204. 大森創造

    大森創造君 あまり時間がありませんから、ポイントだけお伺いしたいと思います。  この前にナイキ、ホーク並びに兵器の国産化の問題について主として三次防の問題についてお伺いしました。そこでこの防衛庁装備局のほうからちょうだいいたしました、「ナイキ・ホーク取得に伴う日米覚書について」という問題でございますけれども、この問題について十月十三日に日米双方交換されたこれについてお伺いしますが、これは米国側から初め提出された価格は三十六億と聞いておりますが、結局は折衝の結果二十六億になったということでございますが、それは事実ですか。
  205. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) ナイキ、ホークの米側で要求しました研究開発費の額につきましては、いま先生から御指摘ございましたけれども、これは米側から特に全般のことを考えて発表を控えてほしいということになっておりますので、御承知願いたいと思います。
  206. 大森創造

    大森創造君 発表を控えてほしいと言うても、大体三十六億という金額の提示があって、結局は二十六億になったということを私なりに理解しております。大体そういう数字だろうと思います。そこでお伺いしたいのは、この文書の後に「国防総省が、システムの研究開発に過去十年間に投資した額を考慮し、これに対する公正な比例配分による分担金を」云々とありますけれども、私がわからないのは、こういう研究費、そのシステムの研究開発に過去十年間を要したというのは、アメリカ側が要したのであって、日本側がこれに対する支払いをせにゃならんという義務は、根拠はどこにありますか。
  207. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 私どもとしましても、いま先生御指摘のように、まず払う必要はないではないかということで交渉いたしましたでございますが、現在アメリカとしましては、国会筋でも非常に強い話がございます。ほかのNATO諸国に対しても同じものを要求し、とっておるのでございまして、最終的には今後のナイキ、ホークの新らしい改造もございますし、そういう問題を考えまして、今回開発費につきましてアメリカ側の要求に対してある程度の額を前提にして相談することになっております。
  208. 大森創造

    大森創造君 それではその点を、私はふに落ちませんけれどもお伺いします。予算的な措置として、三次防の予算は総額で二兆三千六百億でございますけれども、このうちからなげなしに払っていくわけですか、その金額を。
  209. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 御質問の趣旨、私はあるいはとり違えておるかもしれませんが、実は今度の日米交渉の中で、問題は先ほど先生の御指摘の払うか、払わないか、払うなら価格幾らか、払う方法はどうかということでございまして、結果的には初め向こうで提示しましたいわゆるアメリカ側から購入しますもの、その他の金額について折衝しました。最終的にはその払い方につきましても、この研究開発費を一応器材に割り掛けまして、その器材の納入に際して、そのつど払うというかっこうでまとまっております。
  210. 大森創造

    大森創造君 それはわかっております。器材に割り掛けて支払うということの内容は、三次防の二兆三千六百億という予算の中から順次払っていくということですね。
  211. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) さようでございます。
  212. 大森創造

    大森創造君 そうすると二兆三千六百億という膨大な三次防の予算は二十六億部分だけ目的外に使用するということになりますね。
  213. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 初め私たちの計画では確かに開発研究費は組んでございませんけれども、それをどうしても払わざるを得ないというかっこうでございまして、結果的には先ほど申しましたように、相手方の要求しました器材の価格について折衝しまして、いま申しました総体的なナイキ、ホークの予算ワク内でこれが払えるというかっこうで支払い方法も考えてございます。
  214. 大森創造

    大森創造君 私の言うのは、ナイキ器材の割り当て、そのことで割り掛けということは実質的には三次防の予算の二兆三千六百億の中から当然これこれの目的でこれだけの予算が要るということで食っていくということになりますね。
  215. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 総体的にはそういう計算になりますが、実は、実際払いますのは今後でございます。それは、今後財政当局と話しまして、現実に毎年の予算に組まれて、それが国会の承認を受けるというかっこうになると思います。
  216. 大森創造

    大森創造君 それではお伺いしますけれども、これは国会できめた、国会での議決した予算ワク外ですね、これ、一言。
  217. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) その点は、私たちは三次防の総体的な計画の中で一応ナイキ、ホークを考えまして、現実に予算として出します場合には、今後予算を組んでいくという段階で財政当局と話していくということでございます。
  218. 大森創造

    大森創造君 そうしますと、あなたがいま言われましたのは、来年からでもことしからでも、国会議決を要するということになりますね。
  219. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) そういうことでございます。
  220. 大森創造

    大森創造君 とにかくこの問題は災害復旧なんかと違って特殊な予算で、われわれ、予算の事前決定ですね、これは。国会のらち外の問題ですね。ですから、政府間の問題でございますからそういう事情もございましょう、だからいろいろ苦慮されたのだろうと思います。このことに関連して森田前装備局長もなくなられたのだろうと私は思うのだから、いろいろ苦慮のゆえんはわかりますけれども国会で事後の議決を、あらためて国会の審議を求めるということに理解してよろしゅうございますね。
  221. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) ナイキ、ホークの今後の整備につきまして一応交渉を受けましたけれども、現実に入ってまいります段階では、全体としまして予算を組みまして、それを毎年、支払いにつきましては国会議決を得るということになっております。
  222. 大森創造

    大森創造君 今度は別な問題に移ります、時間がなくて……。大蔵大臣、十一月十日、ついこの三日前の新聞を見て、私はある意味ではっとしたのです。ナイキハーキュリーズそれからホークの問題、これは、私は世間を見ておりますというと、このくらい激しい受注合戦はなかった、ロッキード、グラマン以上なんですよ。そこで内容を拝見しますというと、ナイキハーキュリーズのほうは、これは三菱重工しかプロポーズがなかったからこっちのほうにきまることは当然わかっていた。だけれども、私はいままでの経緯をずっと見てみますというと、何か大蔵省と防衛庁のほうの幹部のリーダーシップによってどこか特定の企業のほうに傾斜しているような姿が見えていくのだ、どうもそういう感じがいたしますが、これは、裏話はこういう席ではよしますけれども、わからないとあれば、私はどんどん言いますよ、それこそ爆弾を言いますが、あるのですよ、あなたはそういうことをお気づきになりませんか。そこで、十一月十日に決定したことを見ますというと、ホークの面については、ランチャーのほうは七〇%が三菱グループ、三菱電機ということだが、三〇%は、レーダーのほうについては東芝グループだということになっているのだが、これはまあまあ、そして契約の取りまとめは三菱ということになっておりますが、こういうことにならざるを得なかったのかなあと、一見、表面上は公正を装っているけれども、内容はどうも少しおかしいような感じがするのだが、防衛産業というものはべらぼうに大きな金額を使いますから、この問題について、私は二つ、三つ、四つというふうにだんだん分けていったほうがいいだろうと思うのです。特定な企業に傾斜してはいけませんぞ、大蔵大臣、どういうふうに思いますか。
  223. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) この予算の執行は主務大臣の責任でございますので、そういう問題には今度は別に関知しませんでした。
  224. 大森創造

    大森創造君 そこでさらに飛躍いたしますが、この前質問をした。ところが肝心な方がおられなかったので、あらためて、時間がありませんので要約して御質問申し上げますが、森田前装備局長がなくなったのは、実にナイキ・ホーク取得に伴う日米覚え書きの問題についていままで私のほうで質疑応答いたしました。この問題の十月七日まで協議を重ね日米双方実質的な合意に達したという十月七日の早朝になくなっているわけだ。そこで私の調べた点を申し上げますというと、森田前装備局長の行動が私ははっきりわかっておる。申し上げますよ。メモをとってくださいよ。わからなければ私のほうではちゃんと申し上げますから、十月六日――その翌日の十月七日になくなったのだけれども、その前日の十月六日午後六時三十分から、二十一時だから、午後九時まで、これは日米交渉をしておりました。日米交渉をしていた人もわかっております。午後六時三十分から九時まで日米交渉していたわけです、いま質疑応答しましたこの問題について。そうしてその次はこうですね、九時から二十四時すなわち十二時まで大蔵省において、きょうおいでだろうと思うんだが、海堀主計局次長と交渉しておりますね。海堀さんお答え願います。
  225. 海堀洋平

    説明員海堀洋平君) 対米折衡していたかどうかということは、私は、たぶんしていただろうということだけしか申し上げられませんので、その点は先生がお調べになったことが事実であれば事実であろうし、事実でなければ事実じゃなかろうと思います。で、私のところへ参りましたのは九時と申されましたが、九時は過ぎていたんじゃないか。実は、私いつも時計を見ながら何時何分にだれだれに会うということはしませんので、九時に会ったということを正確に申し上げることはできません。ただ九時過ぎであったであろうということは言えます。ですから、先ほど二十四時に終わったんだと、こう申されましたが、私が家に帰りつきましたのが大体二十四時前後だったから、帰る時間を考えれば二十四時までもいなかったんじゃなかろうか、これは複数の人が見ておりますので、記憶の確かな人にもう少し聞いていただければわかると思います。
  226. 大森創造

    大森創造君 私は十分や二十分ぐらいの時間のズレを言うておるわけじゃございませんので、その点は二十一時過ぎかもわかりません。それはいいです、新幹線の列車の時間表じゃありませんから。ただ、私が申し上げたのは、大筋こういうことをやっていたわけです。その前の、前日は午後六時三十分から二十一時前後まで日米交渉をやっていたわけです。それから海堀さんのところへ来て、相当長時間いろいろ報告をしていたわけですね。これは間違いないですね。それからあとは、これもはっきりしているわけです。それからあと十二時の前後、防衛庁に帰られて三輪次官に対して、大蔵省も、このいま冒頭に質問した問題について大筋の了解をしたということは、これは海堀主計局次長と話をした内容を報告したんだろうと思う。そこで、そのことを三輪次官並びに同席していた二、三の人に報告をした。報告をして、おそらく海堀さんのほうでも上司のほうに報告をしてくれているだろうということで相談をした、報告をしたのが零時三十分になったということですね。これからあとのくだりは、この前の委員会で銅崎管理課長にお聞きしているんですが、それからあと、今度は局長室に帰って、これが零時三十分ですね。これで大体時間が合っておる、私は自宅にお帰りになったんだろうと思ったがそうでないんですね。やはり装備局長の部屋に帰った、そこの部屋に帰られたのが零時三十分ですよ。それからあなたは大体私の調査によりますと、二時まで電話をかけたんですね、一時間半の長時間の電話をかけておられた。そこでそのときに非常に森田局長は広範の電話によってがっくりきちゃって混乱状態になったそうだ。そこであなたにお伺いしたいのは、どういう内容の電話をおかけになったかということです。
  227. 海堀洋平

    説明員海堀洋平君) まずいろいろと違う点がありますので、一つ一つ正していきますが、先ほど九時過ぎから――私か帰りついたのは十二時ころでございますので、それはもう複数の人がおりますので、訂正する必要もないのでございますが、先生があまり間違うと、あとあとの議論が混乱する場合がありますので、したがって、大蔵省を出たのは――十一時三十分から四十分までいらしたんだと思います。その間に話したことは何であったかということも知っておいていただきたいと思うんですが、実は先ほどからたびたび装備局長の答弁にありましたように、第三次防計画というのは非常に大きな計画でございまして、この中におけるナイキ、ホークというものは第三次防計画の大きな柱になっております。したがいまして、その一部分を確定いたしますというか、ある程度もちろん予算国会の審議という条件はついておりますけれども、その一部のこの金額を一応将来にわたって見込みをつける、今度の協定というものは相当重要な意味を持っているわけです。したがって、財政当局といたしましては、何をその点で検討しなければいけないかという点でございます。それは、ここで金額のきまっていきますのは、直接米政府から購入いたしますナイキの地上器材でございます。それから先ほど先生から御指摘ありました購入数量にもよりますけれども、研究開発費でございます。そうしますと、それはナイキ、ホークの全体の金額ではありませんが、それがきまることによりまして、国産されるべき見込みの金額はそう日本の業者の見積もりを値切ったりということもできない、一応防衛庁の従来の見積もりが正確なものであるとするなれば、それら全部を加えた金額が、三次防で見積もられたナイキ、ホークの金額内におさまるかどうかということが財政当局として最も関心を持たなければならぬ点だと思います。したがいまして、その協定の、金額的には大宗をなしますナイキ、ホークの地上器材につきましてさらに対米――もちろん相手のあることでございまして、こちらの言い分だけが通るわけではございませんので、いろいろな点からその価格をさらに引き下げる余地がないかどうかという点を前後左右、いろいろな点から検討したわけでございます。その検討しました時間が約二時間ちょっとかかりまして、いよいよどうもこれではもうなるほど言うべきことは言い尽くしている、防衛庁の交渉していらっしゃる方も言うべきことは言い尽くしている。しかも、いろいろな計算のしかたがありますが、一応私がそこで自分の部不と一緒に試算してみますと、それらのことを前提といたしましても、第三次防の予定した金額でナイキ、ホークを通じた所要金額はおさまるであろうという見通しをつけましたのが、そのときの折衝並びに自分の腹づもりでございます。その段階で主計局長もすでに帰宅しておりましたんですが、装備局長を前にしまして、大体こういう程度であるという報告をいたしました。しかし、事は非常に重大でございますので、単に主計局長限りできまる問題でございませんので、主計局長も翌朝次官あるいは大臣に御相談してきめようじゃないかということで、その日はそこで装備局長にもその旨を申し上げ、私も申し上げましょうということで別れたわけでございます。私が帰りましたのが、先ほど申し上げましたように、約十二時前後だったと思います。それから先ほど電話を終わったのが二時幾らというのは全く間違いでございまして、私は初めはパジャマでございましたのを、電話が長くなるからだんだん厚いのを着ましたんですが、結局私がウイスキーを飲み始めたのが翌日の一時五分過ぎぐらいじゃなかったかというふうに記憶しております。だから電話の時間は約十二時ちょっと前ですから、一時間十分かその程度じゃなかったかと思います。したがって、その点は、複数の相手の方もいらっしゃるわけですから、よく時間の記憶があればだれでも証明していただけると思います。装備局長とも二人で電話をいたしましたが、装備局長は常に部下に相談しておりますので、複数の方が聞いていらっしゃるわけでございますから、その点は私が主張しているんじゃなくて、その複数の方に聞いていただけばわかる点でございまして、私が間違いでございましたらその点訂正するにやぶさかではございません。  内容は二点ございました。一点は、これは申し上げてもあまり意味のないことで、要するに装備局長のほうは非常にいろいろと混乱しておられたのか、たびたび部下と相談されましたが、要するに一つの確認でございます。これは要するに、その協定いわゆる交換公文の下に協定がございますが、その協定に基づくそれぞれの納入年次が予定になっているはずだろう思う。したがって、その行政協定自体に国会がもちろん予算上しばられないのはもちろんのこと、予算を承認されることを条件としているんですが、政府原案も特にしばられるものではない。エスピネィテッドになっているんだぞということの確認を行ないましたのが一点でございます。これは装備局長予算の専門家でございませんので、たびたび部下と相談しておりましたが、そのとおりでございますということで、これは全く確認にすぎなかったのでございます。  もう一点は、実は簡単な話で、申し上げてもいいんですが、要するに、先ほど申し上げましたRアンドD――研究開発費の支払い方法でございます。支払いの方法を、これまた予算のときに十分審議していただきますが、要するに研究開発費の支払いを日本側として妥当と考えられる方向でなければならないということを前もって防衛庁と話し合っていたわけでございます。それがそのとおりになっているかどうかということを申し上げて、多少それと原則として打ち合わせた点と食い違う点があった、それを話し合ったということで、その二点を装備局長と話し合ったわけでございます。
  228. 大森創造

    大森創造君 これは海堀さんのおっしゃるとおりかもわかりませんし、そうでないかもわからない。私は非常にこの点についてポイントを押したいと思うんですが、まあそれはあとにいたします。  それでは別の角度からひとつお伺いいたしますけれども、この前の委員会で例の三菱ミッション、昭和四十年十二月に三菱ミッションなるものがアメリカに参って、レイセオン社といろいろと交渉をしたという話を聞きました。それならば、ひとつ帰ってきた昭和四十一年の一月のときの三菱ミッションの防衛庁に対する報告書があるはずだから出してほしいということを、この前の委員会で言ったんだが、出せない理由をもう一度あらためてお聞きしたいと思う。
  229. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 三菱電機グループから四十一年の一月でございますか、提案書というかっこうで報告書が出ております。その内容を検討いたしましたところが、大体がナイキ・ホーク・システムの性能諸元に関する事項が入っております。これはやはりアメリカとの関係で、いまの非常に精度の高い装備でございますので問題だと思います。もう一つは、三菱グループが出しました提案書の中で、生産方式なり管理方式について詳しく書いてあります。その問題もやはり会社の内容に触れるものでございますので、私たちは公表することは適当でないというふうに考えております。
  230. 大森創造

    大森創造君 これはお伺いしますけれども、装備局長、その報告書の中にレイセオン社と三菱のほうの仮契約書の写しなどが付随してあるとか代金の支払い方法なども書いてあったということなので、それで出せないということと違いますか。
  231. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 報告書の中に仮契約書と申しますか、資料の提供を受ける契約があるということは書いてございますが、その内容の、支払い方法などは書いてございません。それから三菱電機からは、別に技術導入の申請が正式に出ております。これにはもちろん内容はありまして、支払い方法がございますが、それとは……。いま先生の御指摘、御質問の点は、前の問題でございますが、この提案書のほうにはそういう問題は書いておりません。こう思います。私も読みましたが、たぶんそう思っております。
  232. 大森創造

    大森創造君 そこで、前回私がこの問題を質問したあとに、レイセオン社の副社長のハリーレーベルという人が来日しておりますね。その事実をお知りでしょう。
  233. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) レイセオンの副社長が来日したという事実は聞いておりません。それからいま申されました名前の人ですが、その人が副社長ではないとわれわれは存じております。
  234. 大森創造

    大森創造君 その名前の人はどういう役職の人でしょう。
  235. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) ちょっといま資料を持っておりませんが、ある工場の何といいますか、プラント・マネジャーという人だと思います。
  236. 大森創造

    大森創造君 これはレイセオン社の人でしょう。
  237. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) そうだと思います。
  238. 大森創造

    大森創造君 この人が、この間私が質問したのが十月二十五、六日ごろだと思いますが、そのあと来日した事実は防衛庁のかたはどなたも御存じありませんか。
  239. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 存じておりません。また事実もないように聞いております。
  240. 大森創造

    大森創造君 私の聞いた範囲では、統幕会議のほうとそれから駐日大使館のほうに連絡があったということです。これは調べればわかると思いますが、どういうことかというと、三菱といろいろなことを契約いたしましたから、その問題のある点について再検討するということで来日するということを聞いておる。これはどなたかお知りになりませんか、事実無根ですか。
  241. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 先生の御指摘の人かどうか知りませんが、そういうだれかが来るという話はあったそうでございますが、事実は来なかったというふうに聞いております。
  242. 大森創造

    大森創造君 それではこの点をお伺いしたいのですが、この間のホーク、十一月の十日、つい二、三日前に決定した内容について、どういういきさつか、あらためてお伺いしたいと思います。
  243. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) ホークの国産化につきまして、国産の生産業者をどうするかという問題で、いま先生の御指摘のように十日に決定しております。  ホークにつきましては、御承知のように三菱電機を代表するグループと東芝電気を代表するグループと両方から強い受注要請があったわけであります。われわれといたしましてはその両社につきまして検討いたしましたが、実は三菱電機あるいは東芝を含めまして、各企業の技術的能力は大体差異がございませんし、また、われわれのほしい品物をつくれる企業グループでございます。もう一つは、先ほど先生のお話がございました三菱電機と東芝から出ました計画書を検討いたしましても、多少の差異はございますが、大きな差異はないということで、この際、われわれとしては日本のそうした非常に大きなものを占めます新しい装備品をつくるにつきましては、両社の共同生産体制でつくってもらうのが一番望ましい、適切であると考えまして、両社の共同生産ということを決定いたしました。その両者の分担比率は、先ほど先生の御指摘のように七〇と三〇ということをきめております。
  244. 大森創造

    大森創造君 こういうナイキ、ホークなどの生産という問題は、いろいろな派生的の問題で産業全体の問題になってまいりますから、大問題だろうと私は思います。そこで、こういう問題を公正に、しかも適正に受注をするということについては、私はランチャーの部分などについてはほかにもあると思うのですが、富士重工とか日本製鋼とかこういうものも考慮の中に入れて決定いたしましたか。   〔委員長退席、理事岡三郎君着席〕
  245. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 今度の決定をいたします場合に、われわれといたしましてもこれからの装備品の国内調達を考えまして、最も適切な方法、しかも公正な方法でということで考えてまいりました。しかもホークのような非常に技術の高い、しかも電子工学を中心としますものにつきましては、やはり有機性を持った、一貫性を持ったというふうな、そういう考えて、あるクループに――まあ頭ではいろいろと分断できますけれども、そのできましたものが有機性を持って必要な性能を持つという関係から、それぞれの機械につきましても検討いたしまして、ああいうような結果に決定したわけでございます。
  246. 大森創造

    大森創造君 時間がありませんからあれですが、森田前局長は非常に公正な人で、仕事熱心だということをいわれておりますけれども、過去の三菱電機一本の作業というものを、片一方の東芝側の書類にも公平に目を通して、それから昭和三十五年、御承知のように西村さんが防衛庁長官のときに、政府自民党が、ナイキについては三菱でやる、それからホークについては東芝でやるというふうなことをきめた。そういう経緯についてよくお調べになった。で、そんなことを三菱電機と東芝の受託能力を公正に調査したり、それから中立機関であるところの経団連の防衛生産委員会のGM協議会に対してホーク国産化について諮問をしたということがあるそうだ、この事実を御存じですか、装備局長
  247. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) いまのお話の中で、自民党がホークとナイキを分けたという事実はないそうでございます。  それから私のほうで三十五年から三十九年まででございますか、大体いま先生がおっしゃった経団連あるいはGM協議会にナイキの国産をする場合の可否、可能性その他の勉強をするようにお願いした事実はございます。それから報告書も参っております。   〔理事岡三郎君退席、委員長着席〕
  248. 大森創造

    大森創造君 そこで、森田局長がそういう公正な立場から、いま言われましたように、中立機関であるところの経団連防衛生産委員会というものに諮問をしたということだが、肝心のGM協議会にはおろさなかったという事実は御存じでしょうか。
  249. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) いま申し上げましたのは三十五年から三十九年までのことでございまして、森田前局長は経団連の防衛生産委員会の席に出まして、業界がけんかをせぬでほしいという意味の要請はしていたそうでございますけれども、いまのGM協議会への調査依頼は、防衛庁が過去にいたしたものでございます。三十五年からたしか三回ほど毎年要請しまして、それで向こうでも勉強して、報告書をもらっているということであります。
  250. 大森創造

    大森創造君 それではまたずっと前に戻りますが、海堀さん、お尋ねいたしますけれども、この前まさしく複数なんです、あなたのおっしゃるとおり。電話をかけたときの私の推定では午前零時三十分から二時まで約一時間半長時間の電話をかけたらしいということなんだけれども、私ここで聞いたけれども、そのときは異常なかったということなんだが、森田さんは非常に疲れているようにお見受けしたけれども、それほど異常な状態には見えなかったということなんです。また、そんな異常な人を何日間も対米折衝に使っているはずはないですから、その日のうちの午前零時三十分ごろ、三輪次官のほうに報告しているんですから、あなたと交渉したあとに。あなたは電話をかけられてどうですか。異常な状態をそのときに気づかれましたか、電話をかけているうちに。
  251. 海堀洋平

    説明員海堀洋平君) そう、異常交渉を長く続けておられますので非常に疲れていられただろうとは思います。ただ、異常であるかないかということは、あとから振り返って異常であったかなかったかと聞かれると、非常にむずかしいわけでございまして、もし異常であると考えたのであれば、そのときに何かぴんときただろうと思うのですけれども、そのときは別に私としては異常であるというふうに考えませんでした。ただ、あとで考えてちょっと――あとで考えてでございますが、こちらから簡単に質問をした場合に、それの返答は、普通に判断力が正常であれば直ちにイエス、ノーが返ってくるであろうと考えられる場合、部下と一々相談し、部下に念を押し、確認をして返事が返るということで、電話の待ち時間が多かった。したがって、多少そういう判断力が鈍っていたのではなかろうかというふうに、あとから考えて思うわけでございまして、そのときは、別にこちらは先ほど申し上げましたような点を主張しておりましたので、特にその異常というものは感じないで電話を切ったわけであります。
  252. 大森創造

    大森創造君 最後に一つお伺いしますけれども、あなたのほうと相当長時間にわたって相談をされて、そして防衛庁に帰って三輪次官などと話をして報告をされているわけですね。そうするというと、それからあとあなたは村上主計局長のほうにこの問題の全体的な報告はいつされたんですか、この問題は。この電話をかけたというのはどういう必要があったのですか。この前の時間、これはあなたのほうの測定では、どのくらいの時間になっているか知りませんが、相当長時間森田前装備局長と話をしているはずなのに、それから自宅にお帰りになってからウイスキーを飲みながら、長時間お話をする必要はどこにあったんでしょうか。前に相談されたことをもう一回繰り返したのですか。
  253. 海堀洋平

    説明員海堀洋平君) 先生のおことばですが、私はウイスキーを飲みながらとは申し上げませんでしたので、むしろ電話が終わってウイスキーを飲み始めたのが一時五分くらいではなかったかと申し上げましたので、そういうふうに一々何か私の言うことをウイスキーを飲みながらとおっしゃられるのはまことに心外でございまして、時間の記憶のために、電話が終わって寝まして、寝酒にウイスキーを飲み始めたのが一時五分ごろであったと申し上げましたので、ウイスキーを飲みながら電話をしたとは申し上げてございませんです。速記をお調べ願いたいと思います。  それから、その電話をなぜしなければならなかったのかという点でございますが、先ほど申し上げましたようにRアンドDの支払いのしかたということは非常に重要な問題でございますので、防衛庁との間で原則ではこういうふうにしようという話がずっと対米折衝を通じまして打ち合わせてあったわけでございます。それから協定の文書と申しますのは非常に長いものですから、そのとおりになっていない点がもしあったとすると非常にRアンドDの支払いについて問題が生ずるといけませんので、前々打ち合わせたとおりになっておりますでしょうなということを御質問したわけであります。なっておればもうそれで一分で電話は終わったはずでございます。ところが一部分ではございますが、その原則に違う点がございまして、それで長々とお互いに電話で話し合ったわけでございます。
  254. 大森創造

    大森創造君 そのウイスキーというのはあなたのおっしゃるとおりであって、あなたがウイスキーと言われたのは終わってからウイスキー、それはけっこうでございましょうけれども、ウィスキーを飲みながらということは、あなたが一番知っているんだから、それは飲んでいないんでしょう。私のほうでウイスキー問答をしたのは、あなたのほうでウイスキーと言ったから私もウイスキーを飲みながらと思ったのですが、その点はそういうことでございますから……。  そこで、私は常識で判断するというと、海堀さんのほうと森田前装備局長は、その日も何時間かお話をしているにもかかわらず、そしてお互いに疲れて、そして午後零時三十分ごろになって、それからまた長々と電話でだめ押しするだけの必要があったかということです。それからいまのお話のように、何かわずかなことでもなかなか決定しかねるような混乱状態がすでに森田さんのほうにあったのか。あなたのほうで電話をかけながらそう感じたのかどうか。相当長時間話をして、完全に合意を遂げたけれども、また自宅から相当長時間の電話をかけるという必要がどうしてあるのであろうかということが私はふに落ちなかったわけでございます。
  255. 海堀洋平

    説明員海堀洋平君) 実は内容をいまお話し申し上げられれば、一つの原則を実は話し合いまして、それに基づいて研究開発費を払うことはやむを得なかろうけれども、支払うとすればこういう原則によりましょうと、こういうことで言ってきたわけです。その原則をいま申し上げられればいいのでございますが、実は先ほど申し上げましたように予算をもって年々の支払いについて国会の承認を得ようと言っておりますので、予算を提出しないで、その一部について前に申し上げることが非常にできかねるものですから、実は申し上げられないのですが、ある原則に基づきまして支払うのはやむを得ないとして、ある原則で支払いましょうということを合意していたわけです。それで、それはこちらとしてはもうそうなっているものと思って、ただ非常に重要な点でございましたので、もう一度そういうふうに全部なっておりますでしょうなということを確認しました。ですから、ほとんど大部分はそうなっておりましたが、一部につきまして原則から見るとはずれると、私のほうから見れば考えられる点がございましたので、その点について話し合ったわけでございます。
  256. 大森創造

    大森創造君 終わります。
  257. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 大蔵省及び日本専売公社の審査は終了いたしました。     ―――――――――――――
  258. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 委員異動について御報告いたします。  本日、須藤五郎君が委員辞任され、その補欠として春日正一君が選任されました。     ―――――――――――――
  259. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  260. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 時間が非常に制約されておりますので、防衛庁関係について、私は兵器の国産についてこまかくただしたいと思ったんです。特に今度の三次防の予算がいままでの二次防の二・五倍、過去十二年にわたる自衛隊の総予算の大体一・五倍に匹敵する今度の三次防の予算、その主体は兵器の性能を、いいものをやっていこうと、それには兵器の国産をやっていこうと……。当然だと思うんです。みずからの国をみずからの力で守り、そのための自衛力の形成ということの基盤となるもの、当然兵器の国産というようなことは取り上げなくちゃならない問題なわけです。しかしながら、これに関連して先ほど大森委員から提示されたように、国民の疑惑を招くような幾多の問題があるわけでございまして、これらについて、私は兵器の将来の国産化についてお尋ねしたいわけでございますが、時間がございませんので、この前のこの決算委員会で問題になった点だけを私はお尋ねしたいと思うのでございます。  その一つは、自民党の国防部会において、ナイキは三菱、ホークは三井というように決定したというように大森委員から発言がされておったわけですが、私は事が非常に重要な問題のために、党の国防部会その他のところで十分調査をし、この「軍事研究」にあらわれたその論点も調査したわけでございますが、これによりますと、そういうことが決定されたという証拠も何もないわけです。これについてどのような考えを持っておるか、ひとつお伺いしたい。  第二点、レイセオンの会社に三菱ミッションが三十万ドルの金を差し上げておいた、礼金のような形で差し上げておいたと、こういう事実が現実にあったのかどうか。  それから第三点は、東芝に対して防衛庁ではホークあるいはナイキ等の調査を直接委託しておるかどうか。この三点についてお尋ねしたいと思うのです。
  261. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) ただいまの先生の御指摘の点についてお答えいたします。  第一点は、三十五年に自民党の国防部会がナイキを三菱、ホークを三井グループという決定をしたという事実につきましては、いま先生御指摘のように、われわれも何も聞いておりませんし、自民党の国防部会の事務当局に伺いましたところが、そういう事実はないということでございました。(「そう言うにきまっているよ」と呼ぶ者あり)  第二点の三菱グループが四十年の暮れに渡米した際にレイセオンに三十万ドルを支払っておるかということでございますが、これもわれわれ調査しました段階では、関係官庁でございます外資法なり外為法を持っております各官庁では、そうした送金をした事実はないということでございます。  もう一つは、われわれが三菱電機の関係者に聞きましたところが、やはりそういう事実はないという答弁でございました。これにつきましては、われわれはこれ以上調査のしょうはございませんし、われわれの調査した範囲では、そういう事実はございません。  第三点の防衛庁が直接東芝にホークの研究調査を委託したかという点でございますが、防衛庁としましては、三十五年ぐらいから経団連なり、あるいは財界でつくっておりますGM協議会、そういうようなところに調査を委託した事実はございまして、そこから報告書ももらっておりますが、直接に企業に調査を依頼した事実はございません。ただ参考に申しますと、GM協議会が現実に調査をする場合に、中で各企業が分担した事実はございます。その際は、これは全く勉強であって、これが将来の生産とは関係がないということをその協議会では確認し、私のほうにも報告をよこしておりまして、そういう前提で各企業が分担した事実はあっても、私どものほうで直接依頼した事実はございません。
  262. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 いま岡さんのほうからもあるいは大森さんのほうからも、そう言うであろうというような発言がありましたが、私のほうでは自民党の国防部会で三井、三菱にきまった、こういう結論が出されたようなこの間からの大森委員からの御発言であるために、慎重に十分検討したわけです。慎重に検討した結果、それらの事実のないことも、これははっきりしたわけですが、しかしこの場で、決算委員会で何もこういうことに時間をかけることはどうかと思いますので、大森さんとは特に選挙区も同じでございますので、十分これは話し合って検討して、もし間違いであったならば、ひとつ堂々と大森さんのほうから訂正してもらうことにいたしまして、私は次の問題に移ります。防衛庁のほうはけっこうですから……。
  263. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちょっと聞きたいのですが、いまの問題について……。
  264. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと中村君、関連して聞きたいそうですから。
  265. 岡三郎

    ○岡三郎君 装備局長にちょっと聞きたいのですがね。最終的に十日の日にホークについては三菱電機と東芝にそれぞれ分割して、それでプライム、そのいわゆる主契約者は三菱にするというそういうような苦肉の策をやった、それは一体どういうことですか。装備局長に聞きたいのですが、一体一つのことをやるのに、わざわざ二つの会社に分けて、これはこれ、これはこれで、しかも主契約者は三菱電機、三菱である、そういうふうにきめた原因は何ですか、もっと具体的にしっかり答えなさいよ。
  266. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) われわれが今度の問題を決定しますに際しましては、前々から長官が申し上げておりますように、最も公正を期するという観点に立っております。それから現在三菱グループと東芝グループにつきまして検討しました結果は、技術的に両者に大差ははないことは事実でございます。また、計画書を見ましても大差がないということで、いまのわれわれが考えております防衛整備計画を計画どおりに実行するに際しましては、両者の協調生産体制が最も望ましいということと、もう一つは、現在のホークの生産技術は相当高度なものでございまして、それが日本の産業界に及ぼす技術的な波及効果も大きい。この際、両グループに勉強してもらうのが一番いいということの結果、いまのような決定をしたわけでございます。で、いま先生のお話の中で、両方に出した場合の技術的な問題がございましたけれども、われわれは十分にその点は心配はない、特にたとえばアメリカで発注する際にも、一社だけでなくて各社に発注がされておりまして、それが統合されている。統合の責任さえはっきりすれば、その点は心配ないということで考えております。それからいま先生の御指摘の中で、われわれは今回の決定についてプライムという概念、あるいは主契約者という概念をとらずに、協調生産体制を要請しておるわけでございます。
  267. 岡三郎

    ○岡三郎君 時間がないからやめますが、協調体制と言ったって、主契約者は三菱でしょう、その点はどうなんですか。
  268. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) これからの具体的な問題につきましては、それぞれの担当当局が検討してまいりますが、いまの考えでは相手方のレイセオン社が一つのかさの中でこのホーク・システムを持っておりますので、その契約の関係は今後の検討はございますが、三菱が行なうということになるかと思いますけれども、われわれ国内の生産体制では、主とか従とかいう関係でなしに、協調してつくってもらうという考えできております。
  269. 岡三郎

    ○岡三郎君 そのレイセオン社と三菱が技術援助契約というものを結んでおるでしょう、それはこの前資料くれと言ったけれども出さぬ。片方はかくなしておいて、自分だけのいいことを言ったってだれも信用しません。そういうものをきちっと出して、秘密会議でも何でもいいから出して、そうしてやるべきであって、あなた方は、当委員会で出せというやつは秘密だから出せない、そうして一方的にそういうことを言う。しかし、技術援助契約というものを三菱とレイセオン社がやっているじゃないですか、現実に。やっておりませんか、どうなんです。書いてありますよ、明確に。
  270. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) レイセオン社と三菱電機が技術導入契約書をつくっておることは事実でございます。それにつきまして正式に通産省のほうに認可申請をしておることも事実でございます。しかしわれわれは、長官も申し上げておりますように、大体勉強はいたしておりましたけれども、やはりこういう大きな問題は、国の方針として決定して、それに財政的な裏づけもつけまして初めて国の方針になる、その段階で新たに最も適する生産業者をきめるべきだというたてまえをとっておりまして、だからその決定が四十一年の十一月に国防部会で大綱がきまりまして、四十二年の三月に国防会議で細目が決定しておりますので、それから初めてその問題を検討すべきである、だからその以前にそういうようなこととは、別に各会社が行ないました技術契約については拘束されないという考えでおります。ただしかし、現実にいまの段階でわれわれの装備計画を予定期間に実行してもらいます場合には、現実の問題としましては現実として判断するということでございます。
  271. 岡三郎

    ○岡三郎君 中村君の関連ですから時間がありませんから、これまた後刻やることといたしますが、前からずっといろいろと防衛庁が計画を立てて、そうしてそれぞれ経団連のGM協議会にいろいろ連絡をとり、国防計画自体というものも、防衛庁もこの中に入っておることは事実です。そういう中で開発計画というものを具体的に進行さして研究するということは金がかかることです。そういうことにはかかわりないというのはりっぱなことで、そのとおりでしょう。口の先ではかかわりないと言っても、研究してきたものをかかわりないと言って、それは表面上はそういうことになるけれども、そんなばかなことで研究させられるわけがない、日本のように特に研究費が詰まっている中において。そういう子供だましみたいなことを言っていないで、率直に言ったらどうです。私はそういうことを覆われたほうがさっぱりしていいと思う。  それから今後協調体制どうするのか。ほんとうにそういう点で、少なくとも三菱グループと東芝グループと三井グループは猛烈な競争をしてきておるわけです。対抗をしてやってきたのですよ。そういうような中においてこれを協調させるのだ、これは今後あなた方のほうから金を出すんだから、協調されなければまた途中で契約破棄するとかなら別ですけれども、一たんきまったからには、それを遂行していかなければならぬそういった場合に過去から現在までのことは抜きにして、いまあらためて、こういうものがここに新しくきまったものだということの答弁を聞いて黙っておられる立場じゃないですよ。もうちょっと率直に言ったらどうなんです。私はそういうことを期待しますね。これ以上きょうは言いませんがね。
  272. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それじゃ中村君。
  273. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 きのうの羽田事件について、私のほうは警察庁のほうと公安調査庁、それから法務省、国家公安委員長等の考えをただしたいわけでございます。文部省関係も同様でございます。  私はこの前の十月八日の羽田事件のときに現場におりました。今度の、きのうの現場も私は約四時間以上にわたって現地を確認してきて、たいへんだな、このままで置いては容易じゃないなということを痛切に感じてきたので、それらの点について、私は具体的にお尋ねしたいと思うのですが、まず公安調査庁のほうは、破防法の研究がその後どうなっているかということ、それから文部省のほうに対しては、大学の管理の問題について国公私立等の大学の学長といろいろと懇談を重ね、その後学生課長や、あるいは縦横の連絡をしつつ大学の管理の問題について検討を加えておって、そこへ今度のような事件が起きたが、あらためて大学管理の問題についてどのように考えるかということをひとつお伺いしたいわけです。それから警察当局のほうには、警備上の問題で問題点がなかったかどうか、こういう点について触れていきたいと思うのでございます。  まず第一に警察庁のほうに。今度の事件は計画的な暴力行為であったと私どもも判断し、新聞等もそのように見ておりますけれども、警察庁の見方はどうですか。
  274. 藤枝泉介

    ○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに前々から昨日を期していろいろな謀議が行なわれておる形跡がありますし、前日には相当人数が大学内に泊まり込んだり、あるいはそれが相当の角材やヘルメット等を用意しておるというような点から考えまして、たまたま偶発的にあすこの地点で起こった問題ではなくて、計画的なものであるということは言えると思います。
  275. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 その計画的であることをすでに警察のほうではキャッチしておって、大学当局のほうにいろいろと示唆をして善処方を要望しておったと思うわけでございますが、それらについて文部省側としては、警察側からどのような連絡を受けつつ大学側に助言をしておったかお尋ねしたい。
  276. 宮地茂

    説明員(宮地茂君) 警視庁のほうから大学に連絡がございましたのは私立大学でございますが、法政、早稲田、明治、中央の四大学に対しまして、たしか九日であったと思いますが、十二日に都内で十月八日のようなことが計画されておるので、万全のこれに対する準備対策を講じてもらいたいという警視庁の部長から学長あての書面がいっております。ただ私のほうといたしましては、十月八日の羽田空港周辺の不詳事件を直接の契機といたしまして、その後学長と文部大臣との懇談会もいたしましたが、直接そうした仕事をやっておりまする学生部課長の連絡会、これは国公私を含めての連絡会等もいたしておりますし、また、十一月十二日の都内での計画もある程度察知されましたので、当日における大学の施設管理という面につきまして、十日までほとんど連日のように関係大学と懇談いたしました。大学といたしましても、そのときの状況によって判断すべきであるけれども、基本的には施設管理、特に警察力を要請するという問題につきましては、関係者の間で考え方もある程度統一いたしまして、文部省といたしましては、それに基づいて直接そういう事態に対してはそれだけの準備をいたしましたので、直接には大学の処置に待つという態度で十一日の晩からおったわけでございます。ただ東京大学に急遽予定を変更して、十一日の夜十一時過ぎから東京大学の駒場の教養部のほうに参りました。当日はちょうど駒場ではいわゆる駒場祭という、駒場の教養部といたしましては、特に学生といたしましては、年に一度の非常に大きい行事をいたしておりました。そういう関係で、大学といたしましては急遽教授会のメンバーの方々、それから各学部長という方々を招集されまして、臨機応変に大学としての措置を講じようというふうに話し合っておるときに、寮の、駒場祭の実行委員会委員長、学生でございますが、学生が乱入してきたことに対しては自分らが責任を持って学生同士で話し合いをつけるから、すぐ学校当局としての措置は待ってもらいたいということで、学生同士の話し合いがあったようでございます。ただ大学といたしましては、じんぜん日を過ごすということは好ましくないということで、時間も大体三時ごろまでということを言ったようでございますが、駒場祭の実行委員長ら学生代表の努力にもかかわらず、それまでに乱入者は学外に退去しないということで、それから教養部長、各教官がそれぞれ手分けをいたしまして乱入者の中に入って説得につとめたということでございまして……
  277. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 時間が制限されておりますので、できるだけ簡潔に説明してください。
  278. 宮地茂

    説明員(宮地茂君) はい。したがって、結果的には警察力を導入いたしません。ただ説得をいたしましたが、そういう関係で、結果的にはいわゆる乱入学生に夜を明かされたということになりましたことはまことに遺憾でございますが、したがいまして、ただ大学として教育的には説得をしていきたい、できる限りの限度までの説得は大学としてはいたした。ただ世間から、結果的にはそれにしても夜を明かした学生に対して警察力で排除すべき問題ではないかという考え方もあろうかと思いますが、それに対しましては遺憾ながらこたえ得ない状況でございますけれども、文部省といたしましては従来に比しましてできる限りの、あとう限りの準備もいたしましたし、措置もいたしましたので、結果的にはまことに申しわけございませんが、大学としてはなすべき限界までしたというふうに考えております。
  279. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 いまの説明で私もよくわかるわけです。大学側が今度こそ、東大側が大河内学長以下各学部長、教授陣をあげてこの問題の解決に当たったこともよくわかっております。また駒場祭における実行委員会のメンバーも、侵入してきた学生を口説くことに努力したこともわかっている。同時に、大学側が警察力を導入しなかったその措置も私は妥当だと思います。そうあるべきだと思う。だがしかし、現実にはいまお話のように、この千何百名という学生が駒場の中に侵入してきてしまったと。侵入の過程等を私ども調査した範囲では、渋谷の駅から学生諸君が切符を買わずに無賃で三百名、四百名の学生がこん棒、鉄かぶとで電車をほとんど占領するごとき状態で、大学の中に入ってしまった。翌日は千二百名の駒場に集まったこの学生たちが、駒場の駅から、駅員に向かって、われわれ全学連に臨時電車を出せという強い要求をした。鉄かぶと、棒で完全武装した学生におどかされております。すべての人が切符を買わずに学生たちは十一時過ぎあすこを出発している。東大の中では一生懸命自治を守るために先生方が骨折り、東大の学生も一生懸命この点に苦労したけれども、現実的にはそういう事態が――もう学校の先生でも友だち同士でも、制御できないまでの姿になってあの人たちは羽田に行ったわけです。しかも、羽田の大鳥居の駅の付近の乱闘を見てもおそろしいものですよ。完全に一人残らず武装しています。角材を用意しました、これは駒場の中に入った人たちが駒場祭に使ったいろいろの装飾の棒をのこぎりで切ったり……。武装している、鉄かぶとをかぶって。しかも顔は完全におおっています、見えないように、写真でとられないように。袋に石を用意しています。私もその投げられた石をここに拾っています。こういう石です。あの街頭に無数に散っているのです。警察の石の防護の網を飛び越えてまでくる。しかも最後には、こういう矢玉のごとく飛んできてたくさんのけが人が出てきたり、防いだたても曲がってしまう、折れてしまう。網は持ち去られて油に火をつけて焼かれてしまった。こういう暴徒化している学生です。これはおそらく私は、文部省の関係の人もあの現場をごらんになれば、少しこれは学生というもの、学校の大学の自治という問題、学生のあり方という問題について、あらためて考え直さなくちゃならぬのじゃないか、こう思うわけです。大河内学長が、読売新聞で、大学の自治は崩壊に直面してしまった、違反は大学側としても見過ごせない、こういう談話を発表しております。まさに私はこの大河内学長の語ることばが胸を打つようなのです。「大学が、羽目をはずした学生にすぐ退学などの措置をとらず、教育的観点から、もっぱら説得を続けてきたのは、それが大学の建て前だからです。でも、この学生たちは、説得の対象になりうる青年なのか。そういう疑問を、相当数の教師が持ちだしているのです。これは教育活動の大きな危機だと思います。」、こういうようなことばを言っているが、まさにそうだと思うわけです。そこで私は、まずそういう事実に立って、警察庁のほうでは、今後このように過激化し計画的になっている学生諸君の取り締まりに対しては、どういう措置をとろうとしているか、これをお尋ねしたいのです。  それから大学のほうには、先ほど申しましたように、大学管理の問題について、あらためてどう考えるか、これをお尋ねしたいのです。
  280. 藤枝泉介

    ○国務大臣(藤枝泉介君) 御指摘のように、昨日相当なあばれ方をしましたいわゆる反代々木系の全学連の動きというものは、まさに暴徒でございまして、したがいまして警察としましては、十月八日の羽田事件の経験にもかんがみまして、始終警備の上においても再検討を加え万全を期しておったような次第でございます。  まず第一に、先ほどお話がございましたが、前夜に大学へ泊めるようなことのないように学校当局に要請もいたし、また、もしそういうときに凶器等を持って集合いたしますならば、凶器準備集合罪等で事前の逮捕というようなことも考えておったわけでございます。また、東大の駒場になだれ込むということは一応予期しなかったことではございますが、その後におきましてもこれをどう排除するか。しかし学校当局、特に東大当局におきましては非常な努力をしておりましたので、それらを見守っておったわけでございます。また、こうした鉄かぶとをかぶり角材を持って武装した学生でございますから、われわれといたしましては、凶器準備集合罪等が適用できるものと考えましたが、東大の教養学部の中に入ることについてはいろいろ先ほどお話もありましたように駒場祭との関係もございます。あるいはその中途の渋谷駅あるいは蒲田の駅等も考えたのでございますが、非常に民衆に対する影響が多過ぎるというようなことで、ついに大鳥居駅付近のああいう事態になったわけでございます。その際に地域の方々に御迷惑をかけたことは非常に残念でございますが、警備の実施としては妥当な実施であったといまでも考えております。ただ、いま御指摘のように、今回におきましても相当数の警察官の負傷があるというようなことを考えまするときに、今後――しかし一方において、いまお読み上げになりましたように、彼らに対しまして、一体その説得の対象になるものかどうかという問題もございまして、今後同じような行動をするということを予想いたしまして、警備についてはさらに研究を重ね、できるだけ被害を少なくして制圧できるような方法を今後も検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
  281. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 文部省のほうもう少し考えてください、よく。警察のほうをもう少し突っ込んでお聞きしたいと思いますから……。  この凶器準備集合罪を適用しようと思ったけれども、現実には適用することがいろいろの点からいって事実できなかった、そして大鳥居駅付近で完全に凶器を用意した集団と警察官がぶつかり合ってたくさんのけが人をつくったわけです。同時に、周囲の人に対してもたいへんこれは迷惑をかけたわけで、警察としては、東大の中で、あるいは出ようとするところで、ここで四つに組んでけんかして争ったのではますます事件が起きるだろうから、こういうそれなりの観点から大鳥居駅付近で、まあいわばあそこで迎え撃つ形になったと思うんですが、そのために受けるあそこの羽田の人たちの被害というものは、これはまた別の面から考えてみる必要があろうと思うのです。稲荷橋、穴守橋等々の人たちは、この前にもデモを許可しなかったならばわれわれはこんなことが起きなかったであろうと言うておる。きのうの場合でも、目をあの催涙弾ガスでまっかにしながら言っていることは、もう全学連のやることは必ずきまっているのだから、あばれて迷惑をかけるのだということはきまっているのだから許可しなければいいのだ、われわれのほうも警察に許可してくれるなということを何回か陳情したのに、これを萩中公園で一部の者のデモを許可したために、それと合流する結果になって、それで警察はまたここが出会い場所という想定のもとに準備しておったからこういう結果になったのだという批判が非常に強いわけですが、あそこで損害を受けた者に対する国の補償はどういうふうになっているか、これをお伺いしたいわけです。
  282. 藤枝泉介

    ○国務大臣(藤枝泉介君) 民家の方々が受けた損害のほとんどすべては、学生たちの投石その他によっての損害でございますから、まあ本質的にいえば、その加害者である学生たちに損害の責任が、損害賠償の責任があるわけでございますが、ああいう集団的な行動でございますので、なかなかそれを、確証をあげるということは困難であることは申し上げるまでもないと思います。政府としてはそういう意味では、いわゆる国家賠償法に基づく賠償というようなことではございません、ただ、結果論として、その地元の方々に非常な御迷惑をかけておるのでございますので、賠償という意味ではなくて、お見舞いと申しますか、そういう意味におきまして、何らかのことを考えなければいけないのではないかということで、目下政府部内において検討いたしておるところでございます。
  283. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 十月八日のあの事件の際の被害者に対する見舞いというのはどんなふうに進んでいるのですか。
  284. 藤枝泉介

    ○国務大臣(藤枝泉介君) 十月八日の分も含めまして、今回の事件にかんがみまして、いま申し上げたような検討を進めておるのでございまして、十月八日のあの三つの橋の付近における民家の方々に対するお見舞い金をまだ出してはおりません。
  285. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 あの近辺の人たちは、デモを許可してくれるなという声が圧倒的に多いわけですが、多くの人のそういう警察に対する、この地域ではデモを許してくれるなという要請、陳情があった場合に、公安委員会では許可をする場合に、それらのことはしんしゃくの材料になるかどうか、これをお伺いしたい。
  286. 藤枝泉介

    ○国務大臣(藤枝泉介君) 今回――前回もそうでございますが、いわゆる反代々木系の全学連等につきましては、デモあるいは集会を許可していなかったわけでございます。したがいまして、かれらはすべて無届けということになるわけでございます。萩中公園では、反戦青年委員会についての集会はこれは許可をいたしておるわけでございます。御承知のように東京都の公安条例は、現に明白な危険のない限りは許可しなければならないということでございまして、そういう意味ではなかなか地元の御意思に沿うようなことがはたしてできるかどうか、いろいろ研究課題だと思います。しかしながら、そのために非常に交通が渋滞するとかなんとかということの危険が明白かつ現存するというような場合には、許可をしない。あるいはまた、その付近が非常に困るという場合には、御承知のように許可をするけれども、その条件変更として、路線の変更を命ずるというようなことは、やり得ることだと考えます。
  287. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 許可はそういう状況でしなかったと、しかしながら、萩中公園のほうの集会には許可したと、このベ平連その他のデモに対しては許可した。その中に流れ込んで大師橋のほうからああいうような事件が起きてきたことも、これは事実です。地元の人たちは、ともかくデモを許してくれるな、デモがあるから、こうなるのだ、警察があそこに陣をしいたからこういう迷惑をこうむったのだと、こういうことを考えていく場合に、私どもは、受けた民家の損害補償等については相当これは考えてやらなければならない問題だと思うわけです。単に見舞いという形でない方法で検討すべき性質のものであろうと思います。たとえば、あそこで自動車の窓ガラスを完全に破かれてしまった人もあります。けがをした人もあります。へいをぶちこわされた人もある。おどかされた人もこれは数多くあるわけです。そういうことを考えると、やはり単に見舞いという考え方でなく、国が責任を持ってこれらの問題に対処するという考え方をとる必要があると思いますが、重ねてお伺いしておきます。
  288. 藤枝泉介

    ○国務大臣(藤枝泉介君) いわゆる国家賠償法にいわれる賠償というようなことは、官憲によってやられたことではないことでございますから、そういうことは考えられないわけでございますが、いま御指摘のように、もちろんああいう全学連の諸君が押しかけなければ起こらないし、あるいはまた警察がそこで規制をしなければ起こらないというようなことも、地元の方々の感情としてはごもっともなことだと思うわけでございます。そういう意味で、これは見舞いと申しますか、そういう地元の方々の受けた物心両面にわたる被害に対しまして、政府として何らかの処置をするということは、これは十分検討しなければならない問題で、積極的に検討しなければならないものであるというふうに考えております。
  289. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 今度の事件を警察のほうでは騒擾罪というような見方で考えられませんか。これひとつ、お聞きしたい。
  290. 三井脩

    説明員(三井脩君) 実態をさらに詳細に検討しなければなりませんが、騒擾罪適用の余地もあるというように考えております。ただ、あのときの現場におきましては、現実に、集団による公務執行妨害あるいは暴力行為というものが現実に行なわれておりましたので、それらの法規を適用して、現場において多数の被疑者を検挙したということでございますので、騒擾罪を適用しなくても、あの場合は一応の現場措置はできたというように考えて一おる次第でございます。  今後の問題につきましては、さらに検討をいたしまして、どういうような段階に至りましたら、騒擾罪を現場において適用して、多数の被疑者の検挙、事態の計画性、組織性を究明するということは、さらに研究を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。
  291. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 現場において検挙した数は、どのくらいでございますか。
  292. 三井脩

    説明員(三井脩君) ただいま現在で、現行犯逮捕は三百三十三名でございます。あの現場で激しい違法行為を繰り返しました学生集団は、三千三百人ということでございますので、大体数におきまして一割程度ということになっております。この数は、法政大学の事件のときには二百八十五名というような数でございましたし、前回の十月八日の際には、現行犯逮捕は五十八名ということでございましたから、現場において違法行為を看過しないで、できるだけ被疑者を多く逮捕すると、それによって事態を鎮圧するという点には、今回は前回の経験もありまして、相当な研究を重ねたつもりでございます。
  293. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 その検挙の中で、十月八日の事件に関連した前の全学連の委員長の北小路という者は含まれておりますか、どうですか。すでに保釈になって出ておるはずですが。運動に入っておるはずですが。
  294. 三井脩

    説明員(三井脩君) ただいままで逮捕いたしました三百三十三名につきましては、各署に分散留置をいたしております。それぞれ係員が現場に出向きまして調べに当たっていますが、多くの被疑者はいまだ黙秘権を行使しておりまして、身元が十分判明しておらない者が多いわけでございます。  お尋ねの北小路敏につきましては、前回逮捕されまして、これは起訴になった上、先般九日の日に保釈になりました。本人がさっそく集会をしておる大学の現場に出向いて、演説等をぶっておるというようなことでございますが、当日の現場における状況につきましては、まだ詳しくわかっておりませんが、三百三十三名の中には含まれておらないというように承知いたしております。正確なところはちょっとまだわかりかねておりますが。
  295. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 その検挙された三百三十三名の学生の中で、新聞報道によると、四名の手錠をかけられた検挙者が、学生に車ごと奪還された、車が奪還された、こういう事件が二つあるはずですが、それをちょっと御説明願いたい。
  296. 三井脩

    説明員(三井脩君) 奪還されました事案は、御指摘のとおり二件ございます。いずれも四時以降五時過ぎまで、夕方でございまして、投石の最も激しかった大鳥居周辺を中心としたものでございます。この際に多数の被疑者を検挙いたしまして、部隊は学生集団を規制して前進をいたしました。現行犯逮捕をいたしました、被疑者を逮捕した警察官が後方に護送いたしまして、それから後方に退去いたしておりました護送車に乗せたわけでございます。これに対しまして、付近に、あるいはことばが悪いかもしれませんが、歩道上その他にやじ馬というような形で傍観者が多数おったわけでございます。その中から突然約百名くらいの集団があらわれまして、この護送車を取り囲んで角材その他を持ち出して、運転をしている二名の警察官に暴行を働いたというような事態になりましたので、警察官がこれを防いでおる間に、四名について奪還をされたわけでございます。これは直ちに緊急手配をいたしまして、一名は現場付近、高速道路上において再び逮捕いたしました。あとの三名は、手錠をかけたままいまだに行くえがわかりませんが、目下捜査中でございます。もう一件は、五時過ぎでございますが、これは護送車にその被疑者一名だけを乗せておりましたところ、約五十名の学生デモ隊が、警察部隊が規制しておる後方においてこれも突如一般人の中からあらわれまして取り囲み、警察官を引きずり出して暴行をする、その間に一名が、被疑者が逃げ出したということでございます。当時の状況といたしまして、被疑者を護送いたします場合には、やはり相当数の警察官が護送するというのが、警備のためについて護送するというのが、当時の状況のもとでは必要であったかと思いますが、三千三百名に及ぶ学生集団の大多数が、お話のように角材あるいは穴守線のレール上の石を拾って投石をするというような状況でございましたので、これに対する規制に大部分の警察官が当たっておりました。そういう状況のもとで、護送を警備する部隊をさき得なかったというような現場の状況でありますので、当時といたしましては、やむを得なかったのではないかというように考えておりますが、いずれにいたしましても、一たん逮捕した身柄を奪還されるというようなことにつきましては、警察としては十分今後研究をいたしまして、そういうような非常に荒れた現場におきましても、そういうような事態が起こらないようにさらに研究を進めたいと考える次第でございます。
  297. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 いまの課長の説明、私ども一面納得できます。しかしながら、それでいいとはいえないと思うわけでございます。まあ激しい石のあられの中で、とにかくがまんして守勢に立っておる警察官、回りの見ている人たちは警察がんばれ、警察何をやっているんだ、がんばれ、がんばれ、こういうようなほど忍んでいる姿、私どもはこの前のときにもよくぞがまんしたと思うわけですが、はやる警察官を制御した警察のそれぞれの指揮者の手腕というか、考え方というものに敬意を表するわけでございます。しかしながら、いずれにしましても、検挙した学生が襲われて、そして車を奪われて、その上なおかつ検挙者を逃がしてしまったと、こういうことは非常に警察の今後の士気の問題からいっても。十分これは考えなくちゃならない課題だと思うわけです。どうですか、これは。
  298. 三井脩

    説明員(三井脩君) 全く仰せのとおりでございまして、これが今後のこの種事案の取り締まりに及ぼす影響という点につきましても十分に反省をいたしまして、いかに荒れた現場でありましても、一たん逮捕した被疑者の身柄が奪還されるというようなことのないよう。万全の措置を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
  299. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 タべ全学連の書記長及び委員長の言明を見ると、われわれは十月八日の事件よりももっと効果的な戦果をあげたと、この戦い、この機動化した警察に対しまして学生の力によってこれを破砕することができた、目的に向ってわれわれはさらに前進あるのみだ、こういうふうな言明を若い者だけに出しているわけですが、とにかくいずれにいたしましても、暴走化した学生に対しては、警察の今後の処置としましては、いままでのような単に学生だからという見方でない考え方で事件の処理に当たっていただきたい、かように私は考えるわけです。  そこで、公安調査庁のほうにお尋ねしたいんですが、この前の十月八日の事件後、参議院の地方行政委員会におきましても、衆議院の地方行政委員会におきましても、破防法を適用したらどうかと、破防法について十分この際検討する必要があると、こういうことを衆議院でも参議院でも課題にされたわけですが、これに対して、十分警察のほうとも連絡しつつ事態の調査を進めていると、こういうことなわけですが、その後、調査の過程の中で今度はきのうの事件が起きたわけです。計画的に行なわれた事象もあなた方はつかんでいるはずです。この破防法適用について、その後今度の事件と関連してどう考えているか、お伺いしたい。
  300. 冨田康次

    説明員(冨田康次君) お答え申し上げます。  仰せのとおり、十月八日の羽田事件が起きまして、われわれのほうで特別作業本部を設けまして、急速に作業及び対策の作業を進めたわけでございます。きわめて慎重な態度で進めまして今日に至ったのでございますが、昨日の事案が起きまして、これは前回よりも非常に悪質なものだ、悪化しているということで、早急に破防法適用の問題について結論を出さねばならないということで、いま真剣に作業に取り組んでいるのでございます。したがいまして、この結論につきましては、いまここで申し上げるあれはございませんけれども、その真相の究明には全力をあげまして、早急に真剣に具体的な結論を出したい。かように考えております。
  301. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 破防法の問題については、この前もそういう答弁をいただいたわけですが、今度の十二日の事件が起きるであろうことは、あなた方もずっと想定をしつつ、いろいろ事情、状況はずっと調査していますね。明治あるいは中央、今度の東大に集まるという情報等についても、あすこで計画されたことも調査していますね。だれが指導しておったということも知っていますか、調査しておられますか、計画と指導しておった者。
  302. 冨田康次

    説明員(冨田康次君) だれが指導しておるというのをいつ知ったかということにつきましては、いまここに正確に申し上げる私自身は資料を持っておりませんけれども、その計画性と同時に、刻々、だれが指揮者に指名されたのかという経過につきましては、接着した時間においては次第に判明してわかってまいっております。
  303. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 非常に瞬間が切迫して、持ち時間があと五分だそうですから、とにかくこの破防法の問題については、八日、それ以前の計画性、三派系の全学連の姿について、あなた方よく事情を知っておるし、今度のことも、私は申し上げましたように、非常に計画的だということはよくわかっておるのですから、適用の問題について十分にひとつ慎重に至急具体的に検討していただきたい。  文部省のほうで、今度の事件に関連して私が質問しました大学管理のあり方について、とにかく特に考えなくちゃならぬ点があろうかと思うのですが、いかがですか、これをお伺いしたい。
  304. 宮地茂

    説明員(宮地茂君) 従来は、学問の自由と申しますか、大学の自治を守る、こういうことと関連をいたしまして、学内でいろいろ問題があります場合に、大学当局が警察力を必要とする場合は、大学が要請を警察にする、その要請があった場合にのみ警察は入ってくるということを大学も要望し、警察もそのように了解されまして、それが慣行として今日まで至っております。まことにこれはよい慣行であろうと思いますが、ただ先ほど来申し上げましたように、東大でいかように学長以下教職員が説得いたしましても、やはり管理権に基づく学内の管理的能力にはある程度限度がある、その限度というのが今回の事件で相当これは東大当局も認識したようでございます。したがいまして、まあ従来のよき慣行は慣行といたしまして、その辺が今後十分検討しなければならない大きい問題じゃないかというふうに考えております。
  305. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 この大学の自治というのは、大学みずからが教育、研究、そういう大学、学生に許された自治というのは、教育的効果をあげるために自治というのが認められておると思うわけですが、趣旨は、根本的な趣旨は。また、大学の自治というものも、教授会あるいは評議員会それぞれの人事及び管理、こういう問題について能力があるであろうことが想定されて、私は大学の自治は許されていると思うのですが、いまのように大学の自治が、みずから放棄せざるを得ない事態に処しては、考え方を改めてみる時期になったのではないでしょうか、どうでしょう。
  306. 宮地茂

    説明員(宮地茂君) 大学の自治と申します場合に、しかしそれにいたしましても、いわゆる昔の租界といったような治外法権的なものではございませんし、まあそれが常識的に大学の自治とかいうことで、いわゆる施設内のいろいろなできごとについても大学がまずやるのだ、警察力は大学の要請がなければ入れないし、入っては困るのだといったような、多少大学の自治を擁護するということから、施設管理、多少違うと思いますが、まあ関連してそういうことにまで広く解釈されておった。これは私は、非常に文部省といたしましては、よい慣行であったと思うわけでございます。しかし、今回のような具体的な問題に出っくわしまして、観念的によい慣行だといっておって、それではたしてよかったのかということは、これは率直に反省しなければならないと思います。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたようなことも含めまして、今後の課題として十分検討していきたい、こういうふうに考えております。
  307. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 私もあなたの考え方に同感なんです。あくまで大臣が言っているように、大学の問題は大学自体の問題として取り扱っていきたい、またそうあるべきだと、また、今度の東大のとった処置等、あの処置が他の学校にも波及して、そして各学校がみずからの自治を守るために、みずからの大学の自治を確保するために、教育者が、教授が単に研究者的な立場でなく、教育者的の立場から学生に、そして学生みずからもみずからの自治を守るために立ち上がることを要請するわけです。そうでなければ、幾ら法律によってきめようとしてもできっこないわけです。ただし、私は、今日のように、もうとにかく大学に籍を置くだけで、職業的な、革命的なこういう行動にのみ走っている学生は、学生としてのらち外の立場からものを処するという、大学側にもそういう考え方が起きなくちゃならないし、文部省側にもそういう考え方が透徹しなければこういう事件は今後もさらに続くであろうことが想定できるわけです。おそらく今後の問題、事件に関連して、大学の学生の処分というような事態が出てきたときに、教授陣がはたして大学の自治という立場からこれらの問題を、処分等について、教授らしい、学校らしい処分ができるかどうかという点を危ぶまれるわけです。特に国立大学等の学生の起こした問題に対しましては、文部省としては十分大学側に対して助言もし、適正な処置を誤らざるよう指導をしていただきたいと思います。特に警察等の今後の捜査等にも関連することですから、この点は、大学学術局長に特に私は要望しておきたいと思います。非常に学生のいまの問題は、だれもが看過し得ない問題で関心の多い問題でございますが、時間が来てしまっておりますので私の質問は取りやめたい、これで終わりたいと思いますが、どうぞ公安委員長のほうでも、警察の今度の処置には、ある程度警察自体の立場に立って、付近住民の立場を考えなかったというような新聞等の批判もあります。私どもも、現に行ってみてそういうことが感ぜられる面がありますけれども、しかし、東大等におけるあの中で、千二、三百名の無法者が入った中で、たとえばこれを事前逮捕というようなことになったらどんな事態になったか、想像を絶するような問題が起きたと思います。その中であれまでの苦労をし、けが人を出しながら事件をここまで持ってきた警察の苦労に対しましては感謝しますけれども、どうぞ今後の事態の処理については、き然たる立場でもって進めていただきたい、こう要請いたします。  以上で終わります。
  308. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 本日の審査は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会      ―――――・―――――