○大橋和孝君 まあちょっととっ走り過ぎた
考え方を申してどうも悪うございましたが、私がこうしたことを
考えるのは、問題はどこに焦点があるかといいますと、いまの青年医師が、ほんとうに学問を研修する場、これを民主的に持ちたいという、そういう願いであります。これはいまの大学
制度でありますと、私も医者でありますので、その大学の中でいろいろそういうことがあったのでありますけれども、やはりいまの大学教授がいまのような
状態である限り、その大学教授のもとに入って、大学教授のいろいろ
指導を受けることが、その民主的であるかないかということは別にして、ことが若い青年医師の将来というものを決定づけるわけでありまして、これが教育病院に出てしまえば、私はいまの人事交流があり、あるいはまたいろいろなことがあるといいましても、この点はどうしても働いていくわけであります。特に大学教授の
権限と申しますか、そうしたものがいまのような
状態であるならば、やはりその大学で少々無給であろうがいろいろな
状態であろうが、大学に行くことが一番の先決問題になるわけでありますからして、そういう点を
考えてみますと、やはり若い青年医師のほんとうの腹の中の
気持ちといえば、もっと私は民主的な場において勉強したいということがあり得ると思うのであります。ことに大学であれば、大学は大学としてのいままでのような一定の方向がありまして、たとえば、入局すればしばらくたてばどこかの、いま言うているような人事交流の場に出していくとかというふうなことが、どんどんと行なわれているわけであります。そういうふうなことでほんとうに勉強になるか。それも
考えようによれば勉強になるだろうと思うわけでありますけれども、非常に非民主的なものが、そこの間にいろいろなものが介在してくるという
状態でありますので、私はいまの文部省においてはこういう国立大学、の
あり方というものを、もう少し根本からどうすればほんとうに民主化されていくものかという点において、やはり私は大学側と十分な協議をしていただいて、そうしてあるべき姿をもっと勇敢に打ち出していかなければ、もう明治以来続いてまいりましたところのいままでのこの
状態を打破することはできないだろうと思うわけであります。私はそういうことが、ある
程度そのことを希望しておられる方も中にはあると思うわけであります。それからして、またそれがいままでの
一つの力によって押し流されて、それがそのままになっていくという
状態もあるわけでありまして、私はいまの大学、国立大学を統轄しておられるところの文部大臣として、私はもっとここのところで常に青年医師の教育問題を議題としているときには、私はもっと真剣な
考え方で、そうした若い医師が一生懸命勉強して、将来はほんとうに
国民の生命というものをになって、これに対して貢献をしようという、そのまじめな
気持ちを、そうしたいろいろなことによってついばまれ、ことに大学においても助教授、講師と言われるまで一生懸命勉強して、かなりの業績まで積んだ人が、大学の教授になれなかった、あるいはまた何かいろいろなことでもって今度は開業にいく、あるいはまた国立病院におきましても、りっぱな医長をやって研究をしてこられた人が、おそらく大学教授と匹敵するような人が、ある一定の年限になってきたならば家庭の
状況やらいろいろ
考えて開業に出ていくというような現況を、非常にいまたくさん見るわけであります。こういうことは私はやはり教育の場あるいはまたそういう研究の場というものが、ほんとうに十分に生かされてないから、だんだんそういうふうな間違った方向にいくものだというように
考えさせられているわけでありますが、そういう点からも
考えまして、私はこのインターン
制度の問題あるいはまた青年医師の教育の問題というものは、真剣にもっと私はここで文部省のほうで
考えてもらって、どうするのがほんとうかということを大胆に協議をしてもらって、そうして私はいろいろな
意見によってこれがへし曲げられることのないようにしたいと思うわけであります。特に私はこの二年間の登録医制の問題、その次にまいりますのは専門医
制度というような問題も、いろいろいま学界では協議されているようであります。私はこの専門医
制度の問題に対しても非常に問題があるのだろうと思います。また前の学位
制度と同じように、何年間たてば専門医にするということになれば、これはまた
一つの
制度であって、
身分の
制度であって、私はそれに対してまたいろいろそれをしなきゃいけないような形になって、屋上屋を架すような形で、これが非常な災いのもとになる。特に学位
制度があるために、いまの大学の教授という
身分というものは、何と申しますか、
一つのからみ合いを演じていると同じように、またその病院の専門医
制度というものにも
一つの
身分の保障的なものが出てくる、あるいはまたその大学の教授あたりと一般の医者との手術の技術差というものはないじゃないかというような
考え方でもって、もし専門医
制度と一般の医師との間に差が出たとすれば、これはたいへんな問題だと思うのでありますが、これはこの専門医
制度に対しましても、教育病院とか、あるいは専門的な研究の場でやっている場合には、私は専門医としても非常にいいだろうと思います。ことにそういうような場所でりっぱな技術をしておる人
たちに対しては、当然専門医としての待遇をすべきであろうと思いますが、そういう人が一たん野に下った場合には、大学教授といえども一人で手術をしてできるもんじゃないわけであります。だからして、やはりそういう人が専門医としてどこに行っても通用するというのは、少しおかしいではないかという
観点を持つわけであります。そういう
観点から言いましても、こういう
制度をつくるに際しては、相当慎重な態度で臨まなければならないし、私は大学あたりでおやりになる自主的なものに対して、横からものは言えないかもしれませんけれども、しかし、私は民主的なほんとうの
あり方というものを
指導していただくところの文部省側としては、これは徹底的にもっと学術研究会なり、あるいはまた大学なりと折衝して、もっと民主的なそうしたものに進めていただかなければならないと思うのですが、そういう
観点につきましては、大臣はいかにお
考えになりますか。