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木村美智男君 だいぶ話としては私のほうでも理解できるような気がするのですが、実は
局長、もう少し私が言っていることの趣旨をよく知ってもらいたいこともあって二、三申し上げるのですけれども、一般に労働者供給事業というのは禁止をされているわけですよね。しかし、この職安法の四十五条関係に限って認められたといういきさつの問題が一つある。
〔
委員長退席、
理事谷口
慶吉君着席〕
それは特にやみ、あるいは門前、かけ込みということが数年来問題になってきておって、これをなくすために実は四十五条に基づく自運労であるとか新運転とかいう組合が組織をされたいきさつがある。これは労働省のほうも、たとえば大阪の東安定所なんかはすっかり手をあげてしまって、どうにもならない。したがって、これを新運転に組織をするということを
条件にして、そうして実は四十五条関係のもあとして認定をしてきたという、こういういきさつが一つあるということ、それから、これは
旅客関係のみならず、トラック関係にも西項目のうち四項を除いては適用をされていくわけですよね。その結果どういうことが出てくるかというと、窓口がまるっきり——これの関係が組織的に行なわれる、窓口関係が閉鎖されることによって、実は
局長どういうふうに理解をされていたかしらぬが、郵便の逓送なんかについても年末は八十台から百台くらいのこれを扱っているということがあるわけです。それから、最近東京の清掃事業であるごみ集めをやっているバキュームカーですか、あれに対してこれは一日百人からの人員を供給しているんです。それから、もっとかみしもを着たところになれば、たとえばインドとか、マレーシアとか、韓国とか、この大使館に対してもやっぱり運転手の供給をやっておる。それから大蔵省であるとか住宅
公団であるとか、官庁関係、こういったような関係についても私は相当考えてみなければならない部面があるような気がするので、そこら辺のこともひとつ考えていくと同時に、まあ大体いま同じ供給事業の中でも八割方は大体長期的な雇用でいっているわけですから、問題になるのはあとの二割だ。その二割をどうしてなくすかということができなければ、これは逆にやみの運転手をふやすことになるという結果になっていくので、その二割のうちどれだけ今度の労働協約改定といったようなことを通して吸収できるか。まあ大体の目算でいけば一割五分くらいは残るだろうと、こう推定しておられるわけです。それをやっぱり多少の時間をかけてなくしていくということを考えていかなければならぬ。それから、現在解雇を受けて裁判係争中のものがある。こういうものについても行き場所がないから、結局とどのつまりは門前、かけ込みになるか、あるいはやみ手配師のもとに走るか、そういうことにならざるを得ないということになってくると、結論としては、通達を出した趣旨というものはいいことであるけれども、実際はそれはやみの運転手をふやすという結果になりかねない。そうなれば
事故は減るどころじゃない、乗車拒否はますますふえるという関係が出てくるということが考えられるので、せっかく出す通達なんだから実効のあがるようなことを考えるべきじゃないかという、この立場で先ほどのようなことを申し上げたわけです。だから
局長が言われているように、まあそういう事情もあり、また
局長としても考えている事情もあるだろうから、ひとつ十分話し合いをして、その結果多少無理だというなら、それは省令の中身なんですから、
局長の判断で延ばすことも可能なんだということで、十分言われている趣旨がわかったから、きょうは、じゃ、
検討してみましょうということで——あなたのほうも答えられたとおりでやっていけるというのなら、この問題はきょうはこの辺にしたいと思うんです。
で、ただもう一つ
要望があるのは、実はこの通達を出したときは、さっきも触れたのですが、私この間徹夜でもろていまのタクシーの
実態調査をやってみたわけです。で、結局するところ何が問題かということになれば、通達でいっているようなこともそうであるが、もう一つ今日のやっぱりタクシー事業における給与体系というものを、これをとにかく何らかの形で
行政指導をし、ある程度の強制力をもって正していかなければ、私は
事故防止もできないし、乗車拒否もなくならないという結論を実は深めたので、この点はどうしてもこれは自動車行政として今後取り組んでもらわなければならぬ。で、大体、全部
資料にのっかっているやっと
実態の
調査をやったものが一致してきているのですが、きょうは時間の関係があるから一々述べませんけれども、とにかく今日の基本給といったようなもの——ほんとうの意味での基本給というのは六千円から八千円です。大体月給六万から七万という袋を手にするわけですけれども、ところが、その本俸たるや幾らかといったら、六千から八千というところに実は今日の問題がある。あとは全部ノルマ給。その基準賃金というやつは六千なり八千を含めて二万五、六千になっておる。ところが二万五、六千になっているやつは、一日休めば十三徹夜だから十三分の一カットということで減らされる。それと、諸手当が十ぐらいある。この手当はやっぱり一勤務欠ごとにそれぞれ引かれていくので、たいへん少なくて、一日休むと、つまり二十六日働かなくて二十四日だとか二十五日だとかいうふうに、一日働かなかったら、引かれるものの最少でも三千円は引かれる。多いところは、一日休んでも六千円ダウンする、こうなっている。そうすると、どうしても十三徹夜をやっていけないで、一日か二日休んだ者は、ほかの日に水揚げをよけいかせいでそれを埋めなければだめだということになるから、どうしても三百六十キロは守れないということになるし、それから二時帰庫といっても、とにかく水揚げをやらなければどうにもならないという関係がはっきり結論的に出てきているので、この点はあとで十分事務的な話し合いとして自動車
局長との間でしたいと思うのですが、ここのところをきちっとやらない限り何ぼ厳罰主義で押していっても、さっき言ったやみ運転手がふえる
状態は、この賃金体系をこのままにして置く限りだめである。月収の
総額を上げる、上げないの問題は、この問題は労使関係になるわけですが、ところが、いまもらっている五万にしろ、六万にしろこの月給袋を分析する限り、このことをとにかく改善する何らかの
行政指導と
対策がとられない限り、私はこれは絶対に
事故防止はできないし、乗車拒否はなくならない、こう断言しても間違いではないと思う。ここのところが問題なのでこの点を、実はこの通達の問題を最終的に結着をつける際には、ぜひこの点を、さっき少しばかり乱暴な言い方をしましたけれども、実はここのところは大事な問題であるので、ぜひその点をつけ加えて、そうして
局長がせっかくそういうふうにおっしゃられるのだから、ここで特別扱いすると断言できないけれども、問題は性質が少し違う。違うから違うなりに十分ひとつ
検討して、場合によっては延ばすことを考える。この辺のことで
局長が了解できるならば、私はこの問題についてはこれでピリオドを打ちたいと思うがいかがですか。
〔
理事谷口
慶吉君退席、
委員長着席〕