○森本
委員 いまの話のついででありますが、静岡の件であります。
田代君はまとまったと言っておりますが、
大臣は、いま答弁せられましたように、まとまっておらぬのにここだけは
免許しておる、しかもこれは
大臣の選挙区である、地元であるというところに
一つの大きな問題があろうと思います。その他のところについては、まとまったところを全部
免許しておる。静岡だけはまとまっていないにもかかわらず
免許しておる。これは
大臣としては、地元の意思はまとまらなかったけれ
ども、そういう方向にあったから
免許したのだ、こうおつしゃられると思います。しかしこれは、私はいま言ったような問題もあるということを
一つ提起しておきたい。これはいずれまた私らのほうでも詳細にいろいろ内容を調べてみたいと思いますし、私が昨年の予算
委員会でこの静岡の問題については
質問をいたしておりますので、今度の
免許については、いま、まとまったからやられたというふうに
質問者は言われたけれ
ども、
大臣はまとまらぬけれ
どもやった、こう言っておるわけです。事実、それは
大臣がおっしゃったように、まとまらなかったけれ
ども、地元の意向がそういうふうにあると判断をして
免許せられた、こういうふうに
大臣は言っておられるわけです。そこにちょっとちぐはぐな点があるわけで、全国的にはまとまったところだけをやった、こういうように言っておるわけです。まとまらぬところは残るところもあるだろう、こう言っておる。そこで、その辺のまとまったところとまとまらぬところというのがちぐはぐな点がある。
それから、さらに今度の
チャンネルプランの修正要領については、確かに一応筋は立てた形で出しておりますけれ
ども、この中には十億円以上という問題については載ってないわけです。それは公開の席においてはいま
大臣がこの
委員会で初めて明らかにしたわけであります。ただし、この十億円という問題についても、
東北地方では十億円をこえるところがあると思うのです。そういうところについては、
大臣はあとから順次
考えていくのだというふうに言われておるけれ
ども、あとから順次
考えていくということだけでなしに、十億円以上ということを
一つのめどにしたとするならば、全国的にそれも一諸にやるべきではなかったかという
一つの疑問点も当然出てくるわけであります。
それから、一本化の問題についても知事に一任をしたというふうに言われた。しかし、本来ならばこの財産能力、負担能力あるいは
申請者の能力という問題については、知事に全部まかしておくよりかは、一応郵政省としてはそういうものを全部
免許、検査として調べるところの責任がある。それをやろうとするならば半年なり一年はかかる。しかし、それをほとんどやらずして、実際問題としては、ほとんど
地方の
有力者の知事さんに頼んでまかす。いかにこれを急いだかということがその点でわかってくるわけであります。そういう点にも
一つのちょっと納得のいかない点があるわけであります。
こういう点については、われわれとしてはもう少し内容を詳細に
調査をして
質問をしたいというふうに思っておるわけでありますけれ
ども、ただ、ここで
基本的な問題として
大臣にお聞きしておきたいと思いますことは、一応の
チャンネルプランの修正案というものを出しておりますけれ
ども、これでは
日本の今後のいわゆるUとV、それからさらに
放送体系というものをどう持っていくべきであるかということがちっとも明らかになっていないわけであります。一体
日本のいまの
民放、NHK、それからUとVとの
関係、そういうものを全国的にどういうふうに持っていくか。これは私が前に
大臣に
質問をしたときに、Uの許可をする場合については、少なくとも
UHFの
チャンネルプランを全部発表するのがほんとうである。これは前回
政府が提案をいたしました
放送法と
電波法との改正案の中にはそう載っておるわけです。
免許する場合には全国的な
チャンネルプラン、
周波数分配
計画を出して、そうしてそれによってこの
免許をおろすべきであるということは載っておるわけであります。しかし、あの法律が一応ああいう形において流産になったから、とりあえず
緊急地区としてやるということになって今回の
免許になったわけです。その場合には少なくとも全国の技術的な
チャンネルプランを発表することはむずかしいとしても、どこそこについては何ぼ、あと幾ら置くというふうな置局
関係だけは明らかにして、そして具体的に
チャンネルを与えることは、今回の場合はこことここである、こういうふうにやったらどうかというふうに、これが大体次善の策ではないか、こういう
質問を私がした場合に、
大臣はかつて、それが一番次善の策でございます。こういう答弁をされておるわけであります。ところが、全国のこれに対するところの
チャンネルプランがないわけであって、単にこの修正案については、
複数化の問題と広域圏
放送内における県域
放送というものが出ておるだけでございます。この
チャンネルプランの修正案を見ましても、今後一体
日本の
放送行政というものをどういう方向に持っていくべきであるかということがはっきりしていないわけです。その点の
基本的な問題について、
大臣は一体どうお
考えになっておられるか、これをまず聞いておきたい、こう思います。