○
広沢(直)
委員 そこで、この
金融状況の
見通しについてでありますけれ
ども、大体引き締め
措置がとられてから約一カ月有余になるわけです。しかし、全国的にはやはり中小
企業が相当多いわけでありますので、金詰まりという色彩が非常に濃くなってきておる。これまでは大体
金融引き締めをやったところで、
企業の資本の蓄積が相当高くなってきているわけで、そうあまり影響はないのじゃないか。ねらいは
設備投資を押えていくという
関係にあったわけでありますが、しかしながら、そういうこともあまり影響してこないのじゃないかという議論もあったわけです。しかし、最近になりますと、やはり銀行の借金の申し込みがふえ始めている。また年末にはますます集中してあらわれてくる
傾向が出ている。そこで日銀としては、一番
金融の激しい十二月の対策として、日銀貸し出しの限度を引き下げて金を供給しようとする方針をとっているけれ
ども、景気調整等のかね合いからこれも限度があるので、年末の金詰まりはきびしくなるのではないかという
見通しを立てております。先ほど申し上げました国債発行の影響で
企業の手持ち資金が多少ふえてきているとしても、
企業が銀行にたよる割合がそれだけ小さくなったのかというとそうではない。九月一日からの公定歩合引き上げの際も、銀行はこれに伴う貸し出し金利の引き上げを求めたのに、大
企業の多くは、高い利子を払ってまで借金する必要はない、こういうふうに言っておったわけです。しかし、ごく最近にあっては、特に中堅
企業を中心にして借金の申し込みが多くなってきた。これは第一には、景気調整がとられた
あとも国内の商取引が非常に拡大を続けている。または、
設備投資も予定どおり実行していく
企業が多い。あるいはまた、必要な資金量がふえてきている。また、逆に豊かだった、いま申し上げた手持ち資金が、これまで
かなり使い込んだのが響いてきて売り上げ高に比べた割合がじりじりと落ちてきている。また、
財政繰り延べの効果が今後出てくるならば、ますますその
企業のふところというものはゆとりがなくなるのではないか、こういったような懸念のもとに、大
企業の一部、特に中堅
企業においては借金の予約を急ぐという
傾向が出てきた。日銀の窓口規制の対象にならないそういった面に対する借り入れ申し込みもふえてきている、こうなっているわけです。
そこで、最近強く行なわれている窓口規制の問題だとか、あるいは選別融資の
問題等によって、相当資金ワクというものが中小
企業に対しては圧迫的に出てきているのではないか。したがって、そういう中堅
企業、大
企業というものがやはりいままでと違ってそういうふうな資金を今後多く求めるようになってまいりますと、全国の銀行の中小
企業向けの金というものも少なくなってくるのではないかと
考えられるわけです。日銀が上位の都銀あるいは地銀から借り入れについて設けている
程度というものはぎりぎりのところまできているのであって、これ以上貸し出しをふやさないという場合においては、年末は金詰まりがくるのではないか。中小
企業の
政府三機関に対してはそれだけの引き締めはしないというふうには言っているけれ
ども、そのしわ寄せは中堅
企業にいってしまったりそういうようなことで中小零細
企業というものは相当きびしくなってくるのではないか。あるいはまた前年に比べて、去年の
実績における年末融資も五千億を下回る
見通しも出ているのではないか。そういうことになると、いま言った中小
企業に対する年末融資のワクというものはますます狭まってくる。そういうような
関係で
企業倒産がかえってふえていく結果になるのではないかと懸念されるわけです。その点についてどういうようにお
考えになっているか。まして、現在の、いま申し上げたような情勢から、抜本的に中小
企業金融に対してもっともっと力を入れていかなければならないと思いますが、その点についてどういう姿勢を持っていらっしゃるか、その点についてお伺いしたいと思います。