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村山(喜)
委員 今度の
人事院勧告の中身の審議につきましては、これは
給与の専門の
委員会であります内閣
委員会でやるべきだと思うのでありますが、若干の時間が与えられておりますので、この中で、ことし新たに生まれてまいりましたいわゆる暫定手当との関連性の中から、暫定手当を繰り入れると同時に都市手当の新設が浮かび上がっているわけであります。この問題について私お尋ねをしておきたいと思うのでございます。
それは、説明によりますると、
給与法の二条におきましていわゆる地域間の
格差を
是正をしなければならないというものに基づいて出されたものだと承るのであります。そのファクターといたしまして、あなた方が出された
資料によりますと、消費者物価というものとそれから生計費による
格差というものを基礎にいたしまして、そしてここに四級地ですか、大都市、甲地六%、乙地三%、こういうような形で出されたわけであります。総理府の
統計局長お見えになっていますか。——この総理府から出されました消費者物価指数の動き等、あるいは日本
統計月報、これを調べてまいりますると、最近におきましては、消費者物価指数の総合指数を見てまいりますと、大都市におけるところのいわゆる指数の動きというものと全国的な指数、あるいは人口五万以上の都市における指数との比較をとってみますと、全国的な総合指数のほうが上昇率が高くなり、あるいは物価の下落
状況が鈍く、かえって
東京都のようなところが消費者物価指数が減退といいますか、大幅に下がっている、他の地域に比べたら下がっているという
事情が
数字の上において出ているわけであります。
そういうようなことから、甲地というのは大都市でありますが、その大都市におけるこの消費者物価というものが今後一体どういうような方向をたどるかということについては、国の物価政策との
関係等も出てまいりまするし、きわめて固定をしたものではないというとらえ方を私
たちはしているのであります。流通機構が整備されてまいり、あるいは生産市場が整備されてまいりましたら、大きな消費地のところほど価格が正常に働く、こういう現象があらわれてくることは間違いございません。一方、農村地帯であるとか、あるいは過疎地帯になりますると、一ぺん上がった物価はなかなか下がらない、こういうような現象が、私は、
数字の上においても今日
統計的にあらわれてきつつあるのではないかという見方をしているのであります。しかしながら、これも
人事院としては、六大都市一〇六・五という
数字であらわしておりますが、これをもって現行の暫定手当では五・四%を六%にするのだ、そして乙地の場合には三級地二・七%を三%に繰り上げるのだというような形で都市手当を新たに創設をされようとしているようであります。そこで私は、このような新しい政策が出てまいります場合においては、いろいろあなた方としても意見を聞き、あるいは結論を得るまでの間には論議もされたであろうと思うのであります。これは人事政策の上から見ましてもいろいろ問題があるという点も検討をされた上で、そしてまた物価政策との上において今後
給与というものがどうあるべきなのかという問題も検討されたあげく、こうでなければならないということで出されたものであろうと思うのでありますが、その理由について説明を願いたいと思うのであります。
それと、関戸
調査部長には、今日におけるいわゆる物価の動向というものが、私が申し上げましたようなそういう
数字なり、将来の方向というものをどういうふうに展望をしておられるのか、
統計の
資料が過去のものしかわかりませんので、将来についての見通しはなかなかむずかしいわけでありますけれ
ども、そういうような固定したものとして受け取る必要はないのじゃないかという気がするのです。そうなりますると、当然、
人事院としては、固定をしないのだということになれば、そのいわゆる価格の変動によってこれの幅はまた縮小をしたりあるいは伸ばしたり、そういうような
措置をとるのか、その点が一つの問題点であろうと思うのです。
それからさらに私は、これは
人事院のために非常に問題になるのは、かつての地域給と同じように、あなた方のところに、大都市あるいは中都市という概念がまだはっきりしておりませんから、そういうようなところから、おれのところも入れろ、おれのところも入れろということで、非常な陳情合戦が始まる。そういうふうになってまいりますると、初めにつくられるこれが、法律に基づく精神でつくろうとしても、だんだん政治的な問題としてこれが取り上げられていくようなかっこうになるのじゃないか。そうなると、
給与体系の上において、人事政策の面から見てもマイナスが出てくるし、あるいは物価政策の上から見ましても私は望ましい方向ではないものが生まれてくるのじゃなかろうかという気がしてならないのであります。それで、そういうようなものに対する将来の見通し等についてどの程度検討された結果これをお出しになったものかを御説明を願っておきたいのでございます。